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新製品紹介

●配水池の耐震設計計算 Ver.1.1 RC構造配水池の耐震設計計算プログラム

 「配水池の耐震設計計算Ver.1.1」では、(1) 1池構造への対応、(2) 頂版なし構造への対応、(3) 耐震壁の考慮に対応、(4) 駐車場設計指針の周面せん断力に対応、(5) 設計水平震度の直接入力に対応、(6)頂版および底版のフレームモデル荷重に対するX方向、Y方向の分担率に対応、(7) 鉄筋の種類に丸鋼を追加 などに対応しました。
本バージョンより、適用可能な構造モデルが拡張され、1池構造/2池構造、頂版あり/なし、耐震壁あり/なしの条件を自由に組合せることが可能となり、様々な池状構造物への適用性が広がりました。

●1池構造への対応
 初期バージョンでは、2池併設構造のみ対応していましたが、今回、小規模貯水池等の1池構造へ対応しました。

●頂版なし構造への対応
 初期バージョンでは、頂版が必ず付く構造モデルのみ対応していましたが、今回、頂版がない上部開放タイプの構造モデルに対応しました。

●耐震壁の考慮に対応
 耐震壁を考慮したフレーム解析に対応しました。耐震壁のモデル化には、壁エレメント置換方式を採用しています。具体的には、側壁または隔壁を耐震壁としてモデル化し、フレーム解析を行うという内容です。耐震壁部分の壁剛性(A、I、M−φ関係)は直接入力を可能とし、通常のフレームモデル(頂版−側壁−底版から構成される骨組)に、壁エレメントとしてモデル化した部材(Iの字型を成した集合部材)の4隅をフレームモデルの隅角部に二重格点で結合し、全体のフレーム解析を行う仕組みとしています。
1枚の耐震壁の分担幅(入力値)を変更することで、耐震壁の効果を調整した設計計算も可能としています。

●駐車場設計指針の周面せん断力に対応
 駐車場設計・施工指針 同解説(H4.11)のP162に記載のある地震時周面せん断力の計算に対応しました。これまでは、水道施設耐震工法指針・解説(1997年版)の周面せん断力のみ対応していましたが、周面せん断力の評価方法に多様性を持たせることをねらいとしました。

希なケースですが、設計条件によっては、地震動レベル1時の地震時周面せん断力が地震動レベル2時の値より大きくなる場合があります。水道施設耐震工法指針のP230によると地震時周面せん断力は、駐車場設計・施工指針 同解説 より準拠するという記述に基づき、地震動レベル1時の地震時周面せん断力の計算に駐車場設計・施工指針に対応し、計算式を両者より選べるようにしました。
初期値としましては、駐車場設計・施工指針の方式を使うように変更しています。





▲耐震壁のモデル化


  

●設計水平震度の直接入力に対応
 これまでは、設計水平震度は内部計算のみでしたが、既存設計の確認等で設計水平震度があらかじめ分かっている場合などに、直接指定した計算を可能としました。

●頂版および底版のフレームモデル荷重に対するX方向、Y方向の分担率に対応
 頂版や底版に作用する鉛直荷重をX方向のフレームモデルでもY方向のフレームモデルでも100%載荷して計算を行っていますが、X方向とY方向の荷重分担効果を考慮した計算を行いたいという要望に応え、分担率を入力できるようにし、フレームモデルへの荷重載荷時に分担率を掛けた荷重値を載荷できるようにしました。

●鉄筋の種類に丸鋼を追加
 既存構造物の耐震補強検討業務などで過去に配筋されている丸鋼鉄筋の考慮を可能としました。材料入力画面にて、鉄筋材質(SD295/SD345/SR235)を選択することが可能です。

●本製品の特長
(1)地震の影響による剛性の低下
レベル2地震時に対しては、地震時における構造物の変位が降伏変位を越えることを許容する、とされているので、地震の影響による剛性の低下として部材(鉄筋)が降伏した後の剛性低下を考慮した設計が必要となります。本プログラムでは、部材のM−φを基にした曲げ剛性の評価および低減処理をプログラム内部で自動処理し、剛性残存率を考慮した骨組解析を行なっています。
(2)液状化の判定
地盤の液状化の判定は、液状化抵抗係数FL=R/Lが1.0以下である場合に、地盤が液状化するものと判定します。Rは地盤の液状化に対する抵抗力を表す指標(動的せん断強度比)であり、Lは地震動によって地盤中に生じるせん断応力を表す指標です。本プログラムでは、各地層ごとに液状化の判定を行なう/行なわないの指定が可能で、N値は層ごとの平均N値を用いる場合と、任意深度ごとに細かく入力したN値を用いる場合との選択が可能です。


■配水池の耐震設計計算 Ver.1.1 リリース日:2007年3月29日


(Up&Coming '07 新緑の号掲載)
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