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「基礎の設計計算 Ver.6,杭基礎の設計 Ver.6」では、(1)盛りこぼし橋台杭基礎の設計の設計要領第二集平成18年4月への対応、(2)回転杭工法への対応、(3)図面作成における杭種の追加などを行います。以下にその概要をご紹介いたします。
●盛りこぼし橋台杭基礎の設計(設計要領平成18年4月対応)
盛りこぼし橋台とは、比較的良好な地盤(原地盤)上に造成される盛土地盤の縁端に設けられる橋台(図1)を示しており、通常荷重の他、施工時の橋台裏込めに伴う地盤変位によって生じる水平荷重及び地震動による盛土地盤のせん断振動に伴う地盤変位による水平荷重を考慮した計算を行います。
図1 盛りこぼし橋台 図2 地盤変位による水平荷重
(1)常時,暴風時,レベル1地震時
「作用力」画面の底版下面中心における作用力を通常荷重としたとき、常時には施工時地盤変位による水平荷重(PδNT)を、地震時には地震動に伴う地盤変位荷重による水平荷重(PδEQ1)及び施工時地盤変位荷重(PδNT)の1/2を、図2に示すように杭体に載荷して計算を行います。ただし、プレロードを行う場合、施工時地盤変位荷重(PδNT)は考慮しません。なお、平成12年1月版では、レベル1地震時の変位照査は地震時の全相対変位が許容変位以下であることを照査していましたが、平成18年4月版では通常の杭頭水平変位を用いて照査します。
(2)レベル2地震時
平成18年4月設計要領より、盛りこぼし橋台の基礎におけるレベル2地震時の設計法が明記されたため、本プログラムにおいても、レベル2地震時照査に対応いたします。
レベル2地震時照査では、レベル2地震動による通常荷重のみを考慮した照査の他、地盤変位荷重による水平荷重(PδEQ2),及び施工時地盤変位荷重(PδNT)の1/2(レベル1地震時と同様、プレロードを行う場合は考慮しません)を杭体に載荷し計算を行います。 |
図3 設計条件の入力画面 |
なお、盛りこぼし橋台のレベル2地震時照査では、道示とは異なり、許容曲率塑性率(図4のφa)を算定し、全杭体の曲率塑性率が許容曲率塑性率以下となることを照査します。ただし、本プログラムでは、道示の表現に合わせ、杭体に生じる曲げモーメントMが許容モーメントMa以下であることを照査します。
レベル2地震動の影響による杭体部の水平荷重は、設計応答速度スペクトルから求まるフーチング底面での最大変位量に,レベル2地震時の水平方向地盤反力係数を乗じた値とします。このときの地盤反力係数は、レベル1地震時の地盤反力係数を低減させたものとし、図5に示すワイブル曲線により荷重−変位関係を仮定し、動的解析から得られた最大ひずみ量に対する地盤反力係数として算定します。
●回転杭工法
本プログラムは、鋼管ソイルセメント杭を含む9種の杭種をサポートしておりますが、Ver.6より新たに回転杭をサポートいたします。
回転杭とは、鋼管杭の先端に羽根を設けた鋼管杭で、回転させることにより、地盤中に貫入させる杭です。無排土施工,低騒音等のメリットがあり、今後、市街地等ではこの工法が用いられるケースが増加すると考えます。
【回転杭の主な特徴】
・羽根を利用した回転貫入により無排土施工となるため、残土処理が不要となり、コスト低減と環境問題に寄与します。
また、騒音・振動公害を起こしませんので、市街地での基礎工事に最適です。
・杭先端の羽根を介して支持層へ荷重を伝達することから、大きな押込み支持力,引抜き抵抗力を得ることができ、経済的な設計が可能となります。
●図面作成杭種追加
「杭基礎の設計 Ver.5」では、杭基礎の鋼管杭、PHC杭、PC杭、場所打ち杭、鋼管ソイルセメント杭の図面に対応しておりますが、Ver.6では、SC杭およびSC杭+PHC杭の図面対応を行います。
作図内容は、杭構成図(側面図)、杭頭詳細図、断面図、杭配置図、鉄筋加工図、鉄筋表、材料表です。 |
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図4 M−曲率塑性率と許容曲率塑性率 |
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図5 ワイブル曲線 |
●今後の予定
「基礎の設計計算 Ver.6,杭基礎の設計 Ver.6」では、今後、近く改訂が予定される杭基礎設計便覧への対応、直接基礎レベル2地震時の地震動タイプT/U・浮力無視/考慮の一括計算、判定結果のツリービューNG表示(鋼管矢板,ケーソン基礎,連壁基礎)、最大地層数の増加,杭基礎の杭列数の拡張などの対応を行い、順次リリースしていく予定です。リリースまでしばらくお時間をいただくことになりますが、どうぞご期待ください。
■杭基礎の設計 Ver.6,基礎の設計計算 Ver.6 リリース予定日:2007年2月末 |
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(Up&Coming '07 新春特別号掲載)
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