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●UC-win/Road Ver.3.1 |
2005年12月に「UC-win/Road Ver.3.1」をリリースしました。本バージョンでは、レイトレーシング機能(POV-Rayプラグイン)やLandXMLファイルの入出力機能(LandXMLプラグイン)、ドライビングシミュレーションなどの新機能をサポートし、より高度で便利なVR活用が可能になると考えています。今回は、本バージョンの新機能についてご紹介いたします。
●マニュアルドライブ/3Dコックピット
交通流で生成された車に乗車すると、車の車種にあわせた3Dコックピット(内装)が表示されて、より臨場感のある走行シミュレーションを行えるようになりました。3Dコックピットでは、テンキーで視線を自由に動かせます。
さらに、市販のステアリングコントローラ(ハンドル、アクセル・ブレーキ)
のある環境では、[Enter]キーで運転席に切り替えることにより、その車のマニュアル運転(加速と減速、車線変更、および交差点での右左折)が可能です。なお、本バージョンでは「自動車性能プロファイル」を車種毎に持っており、交通流で生成された車、およびマニュアル運転では、その車種の特性をもった走行が行えます。 |
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<自動車性能プロファイル>
■車種別プロファイル |
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小型車・中型車・大型車・SUV・スポーツカー・スクーター・オートバイ・トラック・バス・トレイラー車 (計10車種) |
■対応プロファイル |
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ギヤ数・ギヤ比(1-5)、最終減速比、エンジン回転力[回転数]、車輪半径、伝達効率、摩擦係数、ブレーキ制動力、最小重量-最大重量、最小回転半径、左右車輪間隔、オートバイ機能、設計速度係数 |
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▼3Dコックピット標準モデル (左からバス、トラック、バイクの例)
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●POV-Rayプラグイン
画面上の景観の画像化につきましては、以前より対応しておりましたが、多くのユーザ様から「もっと高精細な画像が欲しい」、「もっと大きな画像が欲しい」とのご要望をいただいておりました。これらのご要望にお応えするために、新たに「POV-Rayプラグイン」を追加しました。
POV-Ray(Persistence of Vision Ray-Tracer)とは、レイトレーシングまたはラジオシティというレンダリング手法によって、光の反射や通過、屈折を考慮した、高精細な画像の生成を可能にするフリーウェアのことです。POV-Rayプラグインでは、各オプションの設定に基づいて、画面上の景観をレンダリングするためのファイルをエクスポートします。
シャドウ、ライト、リップル(さざ波)、ミスト(もや)などの表現が精緻に可能。
ほとんどのUC-win/Roadオブジェクトをエクスポートできる。ラジオシティによる光の相互作用(反射や屈折)のレンダリングが可能。 |
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●LandXMLプラグイン
LandXMLとは、土木分野における設計、および測量データを円滑にデータ交換するための、オープン仕様のファイルフォーマットです。弊社では、これまでに「HICAD-UC−win/Roadデータエクスチェンジツール」、「UC-win/Roadデータエクスチェンジツール
for Civil3D」、「UC-win/Roadデータエクスチェンジツール for APS-Win」をリリースして、各社とのデータ連携を強化してきましたが、本バージョンでは、これら3製品のUC-win/Road側機能を統合した「LandXMLプラグイン」を追加しました。
LandXMLのインポートでは、LandXML中の要素の扱いをあらかじめ設定しておき、その内容に基づいてUC-win/Roadのデータ要素に変換します。 |
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LandXMLのエクスポートでは、UC-win/Roadのデータ要素からデータ変換する前に、使用されている横断面の形状を変更するなどの編集が行えます。 |
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●交差点の拡張
交差点の表現の幅をさらに広げて、従来の十字型、丁字型に加えて、新たに「L型交差点」と「ロータリー型交差点」の作成に対応しました。
L型交差点は、道路の起点、または終点を、もう一方の道路の起点、または終点と交差させることで作成できます。ロータリー型交差点は、通常の交差点を作成した後、ロータリー指定を行うことで作成できます。
また、交差点の枝ごとに脚長を変更したり、結合した交差点を分割したりと、拡張性の高い編集を実現しています。 |
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●交通シミュレーション時の車線変更
動作制御点の初期動作コマンドに、新たに「* CHANGE LANE *」を追加しました。道路上で使用することにより、交通流で生成された車を任意の確率で車線変更させることが可能です。
●モデルの複製
すでに配置している3Dモデルを、任意の位置に複製配置(コピー)する機能に対応しました。配置モデルは、グループ選択時のお互いの位置を保持したまま、複製配置されます。
●道路障害物のマージン
道路障害物の本体(陥没、テクスチャ、寸断範囲)の前後に、マージンを設定できるよう対応しました。交通規制モデルなどを併置する場合などに利用できます。また、迂回時の速度を制限できるようになり、より自然なシミュレーションが可能です。
●ウォークスルー(キーボードによる視点移動)
視点モードが「回転」、「前後移動」、「上下左右移動」のいずれかのときに、キーボードを使用し、メイン画面上の視点を移動、また視線を変更する機能に対応しました。3Dモデルの建物内や狭い空間の中を、視線を変えながら移動する場合などに効果を発揮します。
●視点位置の指定
データファイルを読み込んだ直後の視点位置を、保存した景観の中から指定できるようになりました。データ作成時やプレゼンテーション時など、データファイルの読み込み時の操作が快適になります。
●その他
地形データ、およびストリートマップの読み込みでは、使用するパソコンにCD-ROMドライブが搭載されている必要がありましたが、所定のフォルダにマップファイルがある場合は、CD-ROMドライブがなくても、画面を開けるように対応しました。
■UC-win/Road Ver.3.01 リリース日:2005年12月22日
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●UC-win/Road DB |
UC-win/Road DBは、UC-win/Road Ver.1.04でサポートしたインターネットのデータベース閲覧機能です。
3Dモデル、テクスチャ、セクションデータなどのデータベースサイトとして参照機能がサポートしています。以下に、本バージョンでの機能、拡張した3Dモデルデータならびに今後の拡張予定をご紹介いたします。
登録数(12月20日現在) 3Dモデル:1,668 テクスチャ:1.550 セクション:33
●最新RoadDBにおける機能紹介
最新バージョンにおける追加機能は、データベースから3Dモデル、テクスチャデータの検索機能を追加しました。
●拡張した3Dモデル、テクスチャデータ
3Dモデルデータは、ドライビングシミュレーション機能に対応した3Dコックピット(内装モデル)の追加を行いました。また、テクスチャは、Ver3.1
から対応した「L型交差点」、「ロータリー型交差点」の追加を行いました。
●今後の拡張予定
拡張予定の3Dモデル、テクスチャの主なものは、以下のようになります。
項 目 名 |
内 容 |
3D・2D樹木 |
2D |
海外樹種 |
街路樹で利用されているものを拡張 |
3D |
樹木本体、葉、樹皮、花 |
海外の樹木を中心に拡張 |
MD3キャラクタ |
人間、動物 |
人間、動物を10種程度拡張 |
3Dモデル |
乗り物 |
道路車輌、鉄道車輌、航空船舶の海外版を中心に拡張 |
設 備 |
空港港湾施設を10種程度拡張 |
可働モデル |
20種程度追加 |
建 物 |
ランドマークタワー、公共施設を中心に拡張 |
施 設 |
道路施設を中心に拡張 |
構造物モデル |
橋梁上下部工、仮設工を中心に拡張 |
テクスチャ |
道 路 |
道路車線、橋梁構造を中心に10種程度拡張 |
交 通 |
縁石、交差点部分を中心に20種程度拡張 |
標識等 |
主要国の国旗を20種程度拡張 |
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