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ちょっと教えたいお話

NETIS 新技術情報提供システム

 今回は、「新技術情報提供システム(NETIS)」をご紹介します。

3次元リアルタイムVRソフトウェア「UC-win/Road」および「UC-win/Roadサポートシステム」は、2005年3月31日に新技術情報提供システム(NETIS)において、準一般工事で活用する新技術(活用効果等を検証する)として認証・登録されました(NETIS登録番号:CB-040092)。


■「新技術情報提供システム(NETIS)」とは?

 「新技術情報提供システム(NETIS:New Technology Information System)【ネティス】」とは、国土交通省が運用している「公共事業等における技術活用システム」によって蓄積された技術情報のデータベースであり、直轄事業および補助事業にかかわらず、公共工事に活用できる新技術として、現在約4,000件が登録されています。
平成10年より運用を始め、平成13年からはインターネットを通じて一般にも公開されており、どなたでも新技術情報を容易に入手できるようになっています。

 「新技術情報提供システム(NETIS)」は、経済性、安全性、耐久性、品質・出来形、施工性、周辺環境に与える影響、課題解決への有効性など、公共工事が持つさまざまな課題を解決するためだけでなく、技術力に優れた企業が伸びる環境づくりや民間分野での新技術開発に向けた取り組みの促進などを図ることを目的としてシステム化されました。
また国土交通省では公共工事における新技術の活用を積極的に進めており、有用な新技術の活用を円滑に進めるために、新技術に関する情報収集や発注者間での共有、現場への試行導入の手続き、導入効果の検証・評価までを体系的に取り組んでいます。
この取り組みの中核となるのが、「新技術情報提供システム(以降はNETISとのみ称します)」です。



■NETISの活用区分

 NETISでは新技術の活用事業区分として、「試験フィールド事業に活用する新技術」、「技術活用パイロット事業に活用する新技術」、「準一般工事に活用する新技術」、「その他の公共工事に活用する新技術」の4つの分野に分けられています。
「試験フィールド事業に活用する新技術」は、実地条件下での適用性について試行データの蓄積を要する新技術であり、現場における適用性や活用の効果などを検証するために行う事業で活用します。
「技術活用パイロット事業に活用する新技術」は、歩掛や施工管理基準の整備を要する新技術であり、積算資料や施工資料の整備等に係わるさまざまな項目を調査するために行う事業で活用します。
「準一般工事で活用する新技術」は、前述の試験フィールドや技術活用パイロット事業以外での活用効果の確認を要する新技術であり、積算基準などの整備を行う必要はないが、活用の効果の検証を要する事業で活用します。
「その他の公共工事に活用する新技術」は、国土交通省以外(地方自治体等)の公共工事に係わる新技術であり、主に地方公共団体などの公共工事で活用します。

 NETISでいう「新技術」および「従来技術」について説明します。
「従来技術」とは、公共工事などにおいて標準的に使用される技術であり、工事発注時の積算の標準となっている技術をいいます。
「新技術」とは、「施工実績の有無に関わらず、『従来技術より活用の効果が高い技術』または『従来にはない画期的な技術』で実用化されているもの」をいいます。
なお新技術に該当するかどうかの判断は、NETISへの登録申請が行われた時点で判断することとなっています。
ここで「活用の効果が高い技術」とは、その技術が「経済性」「安全性」「耐久性」「品質・出来形」「施工性」「周辺環境に与える影響」「問題解決への有効性」などの評価項目のいずれかで従来技術より優れている技術をいいます。
また「従来にはない画期的な技術」とは、従来の手法では解決が困難な課題の解決に役立つ技術、または従来技術に比べ、極めて優れた効用がある技術をいいます。
ちなみに「実用化」とは、技術の成立性が確認されており、利用者の要求に応じて当該技術を提供可能で、技術の効果が発揮できるものをいいます。



■NETISへの登録および提供

 北海道開発局および各地方整備局には技術開発相談員(相談室)が配置されており、いつでも新技術の登録申請を受け付けています。
また特に重点的に収集したい新技術についてはインターネットなどにより発信されています。
登録申請を受けた新技術については、前述の統一された評価基準により評価され、適切な運用が図られます。
このデータベースシステムにより、有用な新技術については、公共工事においてさらなる活用が期待されます。
なおNETISでの情報提供期間は、原則として掲載された翌年度の4月1日から5年間となり、その間に国土交通省発注の工事において活用された場合は、活用された年の翌年度4月1日からさらに5年間更新されます。
ただし提供期間が更新された場合においても、提供期間は最大で10年間となっています。



■NETISのこれから

 国土交通省では平成17年4月より、NETISを用いたこれまでの「技術活用システム」を、新技術の開発から現場での試行までを迅速かつ確実に繋げる「評価試行方式」およびニーズを提示して優れた技術を公募・選定する「テーマ設定技術募集方式」に再編・強化を行い、新たな仕組みでの運用を開始しました。
これにより新技術の開発が促進され、また優れた新技術が公共工事などに積極的かつ円滑に活用されていくものと考えてられています。

 「評価試行方式」は新技術を現場で試行・評価する取り組みで、まず事前評価により新技術の安全性・耐久性を確認し、新技術活用評価委員会が事前審査で問題ないと判断したものは実際の現場で試行されます。
試行の結果が有用な新技術と判断された場合はNETISに掲載され、有用であるとの判断材料となる信頼性のある情報が提供されます。
さらに改善点が申請者に直接通知され、技術の改善が図られます。
また「評価試行方式」には「Aタイプ」および「Bタイプ」といわれる2つの申請タイプがあります。
「Aタイプ」とは直轄の工事などにおいて活用が見込まれる新技術で、申請者が事前評価・試行・事後評価を希望するタイプをいいます。
現場での試行実施の可否については新技術活用評価委員会が判断します。
なお新技術活用評価委員会とは産業界・大学・行政の有識者からなる委員会で、事前評価・試行計画の策定・事後評価などを行っています。
「Bタイプ」とは公共工事などでの活用が見込まれる新技術で、申請者がNETISへの技術情報の掲載のみを希望するタイプをいい、「UC-win/Road」を含む平成17年3月までに登録されたさまざまな新技術は、全て「Bタイプ」となります。

 「テーマ設定技術募集方式」はニーズを提示して優れた技術を公募・選定する取り組みで、北海道開発局および各地方整備局が具体的な現場のニーズに基づいた募集テーマを設定し、画期性で、特に優れた技術についてはフィールドが提供されます。
これは高度な技術で瑕疵発生時の修復・代替が困難な新技術や、行政・政策ニーズなどから早急に試行する必要がある新技術が対象となります。
これとは別に、革新的な技術開発を促進するための募集テーマを設定し、広く技術の公募を行い、優れた技術の推奨も行っています。


 3次元リアルタイムVRソフトウェア「UC-win/Road」および「UC-win/Roadサポートシステム」は、このNETISに認証・登録されたことにより、さまざまな公共事業においてさらなる活用が期待できるものと確信しております。
これからもどうぞご期待ください。



国土交通省ホームページ : http://www.mlit.go.jp/

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