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ちょっと教えたいお話

TESTツール

 弊社Test Groupでは発足以来、Merculy Interactive社のWinRunnerを使用して各プロダクトの自動テスト(主に回帰テスト)を行っています。WinRunnerは米国で最も高いシェアを誇る機能性に富んだ商用テストツールですが、高機能であるが故に逆にテストの作成と保守に相応のコストをかける必要があり、このコストの削減が自動テスト実施における課題の一つになっていました。
 対応策の一つとしてTestGroupでは昨年、テストの作成/保守コストゼロを目標にした簡易自動回帰テストツール(TestFinder)を開発し、現在はWinRunnerと併用してプロダクトテストを行っています。
今回はこのテスト支援ツールについてご紹介いたします。尚、このツールはフリーウェアとして公開しておりますので、自由にダウンロードしてお使いいただけます。
  ダウンロードページはこちら


1.概要
 TestFinderはテスト対象アプリケーション(Application Under Testing。以降AUTと略す)の異なるバージョン間で、任意の出力画面をコレクションして比較することにより、バージョン間の出力内容に相違がないか簡単にチェックするためのツールです。主に以下の機能から構成されています。
(1)テスト作成 - AUT上で行う操作を自動記録。
操作者は記録中、任意の複数の画面をCapture可能。
(2)テスト実行 - 記録された操作を自動再生。記録中に画面のCaptureが行われていれば同タイミングでCaptureも行われる。
(3)テスト検証 - (1)(2)でCaptureされた画面はそれぞれ保存されており、それらを比較することによりAUTの異なるバージョン間で画面出力に相違が無いか検証する。


2.運用コストと適用アプリケーション
 本ツールにおけるテストはマウスとキーボードの操作を単純にすべて記録したものであり、内容の編集は行わない前提で作成されています。従ってAUTのユーザインタフェース変更に対応できない弱点がありますが、反面、テストの作成/実行に時間とスキルをほとんど必要としないため、非常に短い時間でなおかつ知識を必要とせずにテストの作成から実行、検証までを行うことが可能です。
 AUTのユーザインタフェースに変更が発生したため作成済みテストが正常に動作しなくなった場合は、再度テストの作成を行う必要がありますが、AUTに対する操作を記録し直すだけで良いので、一般的なテストツールのテストスクリプトを修正する場合と比較しても、より小さなコストで済む場合がほとんどです。
 弊社では特に、短期間でビルドアップを繰り返したり、近い将来大きなインタフェースの改訂が予定されているプロダクトに対して本ツールを使用したテストを行っています。


3.テストの検証
 弊社プロダクトの性質上、非常に大きなサイズの図面をチェックすることがあります。弊社ではそのような画面を比較するツールとして、比較する2枚の画面を同時に動かしながら相違箇所の拡大や縮小を行い、相違を確認することが可能な画像比較ツールも併せて開発し、テスト結果の詳細検証に使用しています。このツールもフリーウェアとしてTestFinderに同梱されていますので自由にお使いいただけます。


4.ソフトウェアテストシンポジウム
 2003年より毎年開催されているソフトウェアテストシンポジウム(JaSST-Japan Symposium on Software Testing)に弊社は毎年論文参加していますが、本年度は上記テストツールに関する論文「簡易自動回帰テストツールの試作-RAT(Rapid Application Testing)-」と「テストスケジューリング手法によるテスト&デバッグの効率化」を発表致しました。内容はTEF(Testing Engineer's Forum)のホームページ(http://www.swtest.jp/)からダウンロード可能です。

▲TestFinder本体画面

▲テストフロー

▲画面比較ツール


▲ソフトウェアテストシンポジウム
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