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フォーラムエイトでは、UC-win/FRAME(3D) & UC-win/Section Ver.1.04.00を9月にリリースしました。UC-win/SectionはUC-1 RC断面計算Ver.3の機能を網羅しました。今回は主な追加機能の概要と、新機能を活用した事例をご紹介します。
■3つのオプションの追加(Advanced版では標準実装)
・M−φ&MultiRunオプション |
: 「Takedaモデル」よる鉄筋コンクリート部材の非線形解析と「3波平均」計算を実現します。 |
・COM3オプション |
: 東京大学コンクリート研究室の開発した鉄筋とコンクリートの構成則が利用できます。特に、鉄筋はバウシンガー
効果と座屈を考慮できます。ファイバー要素による鉄筋コンクリート部材の非線形解析精度を向上させます。 |
・AVIオプション: |
: 変形図などのアニメーションをAVIファイルに録画できます。 |
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■主な標準機能の追加
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曲率による曲げ照査・ばね要素の変位照査:道路橋示方書耐震設計編(以下道示V)でほぼ標準的となっている柱の曲げ照査方法(後述の事例を参照)、また、ゴム支承の変位照査が可能になります。 |
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断面作成ウィザード:テンプレートを用いることで、矩形・円形の鉄筋コンクリート断面や、鋼製橋脚の断面が簡単に作成できます。 |
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名古屋高速道路公社のゴム支承トリリニアモデル:データベース、ストッパー効果の利用が可能。 |
その他、限界状態設計計算(「断面計算オプション」ならびにUC-win/Section)、連行荷重(活荷重)、結果付ファイルの読込み速度向上、計算結果をHDDに保存しメモリ使用量の大幅削減、部材数が多い時の描画速度の向上、コンクリート・鉄筋毎の損傷評価、ケース載荷時の各荷重ケースの結果を自動的にレポート出力、など操作性も大幅に向上しています。 |
▼断面作成ウィザード
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■新機能を活用した事例
A.M−φ(Takedaモデル)とファイバー要素の比較 |
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5径間連続免震橋およびラーメン橋(日本道路協会の発刊資料参考)を例に、橋軸方向の2次元動的解析を行いました。橋脚柱にM−φ要素(Takedaモデル)を用いた場合とファイバー要素を用いた場合の計算を行い、それぞれの橋脚天端の応答変位を比較しましたが、ほとんど同じ結果が得られています。 |
B.3次元解析結果の評価 |
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先のラーメン橋を例に、3次元解析に適しているファイバー要素を用いて、地震動が道示Vの照査と同じ1方向入力(橋軸方向)の場合と、実地震と同じ2方向入力(観測波形)の場合の結果を比較しました。結果、橋脚の応答曲率およびせん断耐力はいずれも道示Vの照査を満足しています。しかし、2方向入力時は橋脚下端でかぶりコンクリートの一部に終局を大きく超えるひずみが生じており、剥落などの損傷が生じる可能性を示しています。性能照査型設計においては、実挙動により近い3次元解析結果の活用も重要になるものと考えますが、ファイバー要素はそれを可能にするだけでなく、詳細な損傷評価も可能になります。 |
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▼名古屋高速トリリニアモデル
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M−φ要素(Takedaモデル)とファイバー要素の比較
【5径間連続免震橋】 |
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【ラーメン橋】 |
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【断面の損傷状態とかぶりコンクリートの履歴】
<2方向入力>
<1方向入力>
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▼3次元解析結果の評価 【応答曲率とせん断耐力の照査】
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