はじめに
「配水池の耐震設計計算 Ver.9」では、以下の機能追加を行います。
- 排水ピットの入力に対応
- 『下水道施設耐震計算例 処理場・ポンプ場編』の応答変位法に対応
- 『道路橋示方書・同解説 V耐震設計編』における液状化判定に対応
- 底版の作用荷重として地下水による浮力の考慮に対応
- 3Dアノテーションに対応
排水ピットの入力に対応
配水池には、貯めていた水を排水するための「排水ピット」が備わっています。この排水ピットは、サイズが比較的小さいものの、底版近傍の断面力に少なからず影響を及ぼすため、かねてよりご要望が寄せられておりました。これまでは、排水ピットのモデル化を行う場合、弊社製品「Engineer's
Studio®」へデータをエクスポートし、底版の格点座標を調整して計算を行って頂いておりました。
そこで、今回、排水ピットの設置位置と各寸法を入力して頂くことで、解析モデルに排水ピットを追加できるようにいたしました。さらに、排水ピットが入力できるようになったことにより、排水ピットを含む解析モデルについての断面照査も行えるようになりました。
『下水道施設耐震計算例 処理場・ポンプ場編』の応答変位法に対応
配水池は、上水道分野の構造物でありますが、下水道の基準にも対応して欲しいという旨のご要望がかねてより寄せられておりました。そこで、『水道施設耐震工法指針・解説』の方法に加え、『下水道施設耐震計算例
処理場・ポンプ場編』の応答変位法に対応いたしました。『水道施設耐震工法指針・解説』では、応答変位荷重や地震時周面せん断力を算出する際、「表層地盤の固有周期TG」を求めます。一方、『下水道施設耐震計算例
処理場・ポンプ場編』では、TGを地盤の特性値とし、そのTGに「地震時に生じるせん断ひずみの大きさを考慮した係数αd」を掛け、「表層地盤の固有周期Ts」を求めます。(図2)
『道路橋示方書・同解説 V耐震設計編』における液状化判定に対応
従来から対応していた2つの基準に加え、新たに「道路橋示方書・同解説 V耐震設計編」における液状化判定に対応いたしました。液状化判定方法は、参照する基準によって異なるため、選択肢が多くなれば、設計の幅が広がります。他の基準との差異につきましては、図3をご覧ください。
3Dアノテーションに対応
弊社では、CIM(Construction Information Modeling/Management)を推進しており、UC-1シリーズの各ソフトウェアにおいて、CIMモデルに構造特性(寸法・注記、数量等)やモデル管理情報を加えた「3DAモデル(3D Annotated Model)」を表示・出力できるように開発を進めています。