防災調節池および大規模宅地開発に伴う調整池の設計を支援するプログラム
●新規価格254,000円
●リリース 2020年 4月 3日
Ver.9の改訂内容
「調節池・調整池の計算 Ver.9」では、主に以下の機能追加・拡張・改善を行いました。
1. 貯留施設の簡便法のみの計算への対応
2. 複数降雨強度式の平均値とする降雨強度の算出への対応
以下に、これらの追加・拡張機能の概要を紹介いたします。
貯留施設の簡便法のみの計算への対応
従来版の貯留施設の計算は、厳密解法による洪水調節容量計算を必ず行い、簡便法の調節容量計算は計算スイッチを指定した場合に行うことができました。しかし、自治体の基準に準拠する等で、簡便法による結果のみを使用する場合があります。このような場合でも、従来版は不要な厳密解法の計算に関する入力を行う必要がありました。
Ver.9では、貯留施設入力画面に計算スイッチを設け、厳密解法の計算を行うか否かを選択できるように対応いたしました。厳密解法の計算を行わない場合、選択中の貯留施設の入力項目については厳密解法用の入力が無効表示になりますので、入力が簡素化されます。例えば、適用基準を「防災調節池等技術基準」とした場合、簡便法のみの計算を行う際に最低限必要な入力項目は、図1の赤枠で示す項目になります。
簡便法のみの計算を行う場合は、厳密解法の計算結果については表示・出力を行いませんので、簡便法の計算結果を容易に確認することができます。
複数降雨強度式の平均値とする降雨強度の算出への対応
従来版では、複数の降雨強度式を指定した場合、降雨強度の算出方法には、降雨継続時間で使用する式を切り替える「合計」と、降雨強度の合計値を使用する「合成」を選択することができました。Ver.9では、新たに、各降雨強度式で算出した降雨強度の平均値を使用できるように対応いたしました。この方法は、主に和歌山県で採用されています。
Ver.9では、図3のように、「複数式の算定方法」スイッチに「平均」を指定することで、入力された各降雨強度式から算出した降雨強度の平均値を使用します。
図3 平均降雨強度算出時の降雨強度式入力例([和歌山+高野山]/2)
この平均値による降雨強度の算出は、流域のKinematic Wave理論による洪水到達時間算出、降雨波形、およびハイドログラフの計算と、洪水吐きの設計洪水流量の計算に使用することができます。
図4 平均の降雨強度時のKinematic Wave理論計算例
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図5 平均の降雨強度時の洪水吐きの設計洪水流量計算例
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