はじめに
本製品は、各種設計指針に準じた圧縮変形計算〜Terzaghiの圧密理論に基づく自然圧密時間の計算、せん断変形(即時沈下・側方変位)の計算、各種対策工法をサポートした圧密沈下の計算プログラムです。Ver.11で対応した主な改訂内容について紹介いたします。
- 余盛り工法(サーチャージ工法)に対応
- 3Dアノテーションに対応
余盛り工法(サーチャージ工法)に対応
余盛り工法(サーチャージ工法)に対応しました。軟弱地盤の対策工である予圧密工法(盛土載荷重工法)は、目的構造物と同じか、それ以上の荷重を予め載荷して事前に圧密沈下を進行させておき、その後その荷重を撤去して目的構造物を建設した後の残留沈下量を抑制する工法です。予圧密工法は、表1や図1に示したように構造物計画箇所に対して適用される「プレロード工法」と一般盛土区間に適用される「余盛り工法」に分類されます。
工法
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内容
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プレロード工法
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構造物あるいは構造物に隣接する盛土等の荷重と同等またはそれ以上の盛土荷重(プレロード)を載荷して、粘性土の地盤の圧密を十分進行させるとともに、地盤の強度増加を図った後、プレロードの盛土を取り除いて構造物を施工する方法
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余盛り工法
(サーチャージ工法)
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計画高さ以上に盛土を高く施工して圧密を十分進行させた後、余盛り分を取り除いて舗装などを施工する方法
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本製品ではすでに「プレロード工法」に対応しておりますが、今回新たに「余盛り工法」に対応しました。プレロード工法では施工段階1で載荷した荷重(プレロード)を施工段階2で全て徐荷しますが、余盛り工法では施工段階1で設定した荷重の中から一部の荷重のみを徐荷することができます。
本製品では、無限長帯荷重や無限長線荷重、単一集中荷重など複数の荷重を設定することができますが、各荷重について複数まとめて徐荷荷重として扱うことができます。計算時は徐荷によるリバウンドを考慮した計算が行われます(図2、図3)。
図2 余盛り工法における載荷重と沈下の時間関係の概要
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3Dアノテーションに対応
3D形状確認画面において、3Dモデル上でも形状寸法が確認できる3Dアノテーションに対応しました(図4)。これにより3次元モデルの活用がさらに容易となり、一層生産性の向上が見込まれます。