Ver.7の改訂内容
Ver.7では、主に建築基準の深層混合処理工法に関する機能追加、拡張を行いました。
- 2018年版 建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針への対応
- 格子配置対応(建築基準:深層混合処理工法)
- 円弧すべりのネバーカットライン設定(深層混合処理工法)
- 地盤データ入力改善、3Dアノテーション等
以下に、これらの概要を紹介します。
2018年版建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針
本製品は、建築基準、土木基準、液状化対策基準の深層混合処理工法の検討が可能です。建築基準のときは「改訂版 建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針(H14.11)」(日本建築センター)(以下H14指針)に準拠しており、Ver.7では「2018年版 建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針」(以下2018指針)にも対応しました。2018指針では、液状化対策や戸建て住宅等の新設章が設けられ、そのほかにもいくつかの改訂点があります。
Ver.7で2018指針準拠にした場合、液状化対策や戸建て住宅等の選択が可能です。2018指針の液状化対策では、格子配置が対象となっており、本製品でも格子配置に対応しています。また、液状化層より上の周面摩擦は考慮せず、照査項目も通常設計とは一部異なり、側方地盤からの外力に対する検討が追加されます。
戸建て住宅等を選択した場合、スウェーデン式サウンディング(SWS)試験のデータを入力することができます。従来はSWS試験による地盤調査を行った場合、その結果を基に設計用の多層地盤データを入力する必要がありましたが、戸建て住宅等の場合、SWS試験の結果をそのまま入力すれば、換算N値や一軸圧縮強度quを計算し、設計用の地盤データを自動的に生成することができます。このとき、下部地盤の許容鉛直支持力度の算出に必要なNswも自動で算出されます。
格子配置対応
前述のように、2018指針対応に伴い、格子配置の入力に対応しましたが、2018指針の液状化対策でない場合でも、建築基準の場合には格子配置を可能としました。液状化対策でない場合、通常設計と同様の照査項目となり、格子形状の断面二次モーメントや形状係数を算出して計算を行います。
円弧すべりのネバーカットライン設定
建築基準の擁壁下の検討で円弧すべりの検討を行う場合、局部すべりは荷重端を通るすべり円で検討しますが、場合によっては意図しないすべり円が抽出されてしまう場合がありました。Ver.7では地表面にネバーカットラインを自動的に設定することにより、想定したすべり円が生成されるようにしました。
地盤データ入力改善、3Dアノテーション
指針に準拠した建築基準における水平支持の検討では、地盤を一様とみなして改良コラムの断面力を算出します。このときの地盤条件(地盤の変形係数等)を、別途入力した多層地盤データから自動的に設定できるようにしました。また、円弧すべりの検討を行う場合、改良体上部の構造物(擁壁)や土砂形状の入力が必要となりますが、この場合に、改良体に作用する土圧算出用のパラメータを自動で算定できるようにしました。
その他に、メイン画面の3D描画では、図4のように3Dアノテーション(3次元寸法線表示)にも対応しています。