Maxsurfの歴史は、America’s Cupの12mクラス艇船体設計ツールとしての役割から始まっており、セールボートのハル形状を最適化するために、NURBサーフェイスを利用してスムースな曲面を生成することを目的として開発されました。そのような船体形状作成CADですから、後に商船の船型開発に応用され、現在に至っているのです。
Maxsurf VPPは、セールボートの性能を予測するためのプログラムで、船体の推進抵抗とセールの揚力を計算し、ボートスピードとヒール角がバランスする状態を求めるものです。Maxsurf VPPには、Maxsurfにより作成された船体の形状を計測するモジュールが含まれており、IMS VPP(ラインズプロセッシングプログラム)と呼ばれるプログラムに必要なパラメータが決まり、このIMS VPPを走らせることにより、船体抵抗を求める数式に必要な係数らが導かれます。
ハルとリグのデザインが決まると、設計者は、Maxsurf VPPを使って、6ノットから20ノットの風域における、そのセールボートの性能を計算することができます。様々な真風向を使い、スピネーカー有り無しの状態でボートスピード、ヒール角が計算され、最終的に、上りと下りのVMG(ベロシティーメイドグッド)が求まります。
ハルとリグのデータ
MaxsurfのデザインをMaxsurf VPPに読み込むために、FileメニューからOpen Designを選択します。デザインが取り込まれますと、Maxsurf VPPは、デザインハルの計測を始め、VPPに必要なデータを探します。
Maxsurf VPPは、いくつかの異なるヒール角とトリムコンディションでデザインを水に浮かべ、船体の計測を行ないます。ハルの計測が完了すると、リグの入力をリグデータダイアログにて行ないます。
図1 VPPに必要な、AGSとSBMAXをデザイン上で計測するかどうかを聞くためのウインドウ
図2 リグデータダイアログ
図3 Maxsurfデザインが読み込まれ、リグデータが入力された状態
全ての必要なデータが入力されると、パフォーマンスデータの計算が行なわれます。Solveメニューより、Solve Multiple Anglesを選択します。Maxsurf
VPPは、デザインセールボートのパフォーマンスを計算し、Result tableとgraphに結果を表示します。