DesignBuilderは、建築シミュレーションソフトで、建築構造物の内部空間における温熱環境やエネルギー消費を最適化するためのシミュレーションができます。アメリカエネルギー省の最高水準の技術であるEnergyplusをソルバーとして統合しており、OpenGLを使用し3Dの建物形状を迅速にモデル化できます。正確な環境性能結果データと高品質な画像や動画を作成できます。DesignBuilder Ver.6の新機能を紹介します。
モデルデータグリッドツールにより、表でのデータが編集可能になりました。また、ユーザは独自のビューを定義可能です。
また、全ての部材と窓がグラフィック表示され、さらに、サーフェスのエッジをシャープに表示し、モデルの確認がしやすくなりました。計算自然換気気流のグラフィック表示が可能になり、窓、通気孔、ドアなどを通る気流を視覚的に確認できます。
DesignBuilder Ver.6では、ソルバーにEnergyplus Ver8.9が適用され、ヒステリシスを備えた最新の相変化材料(PCM)のモデリングが可能になっています。また、これまで1年だけだったシミュレーションが、何年にも渡り可能になりました。
エネルギーと環境の観点から体系的なリスクの定量化と建物設計の評価を可能にする、不確実性と感度分析(Uncertainty and Sensitivity Analysis)ツールが実装されました。
また、「追加のアウトプット(additional outputs)」を、最適化のための「目的(objective)」と「制約(constraint)」に含めることができ、より詳細な分析が実行可能です。
DesignBuilderには、ユーザがコンポーネントを組み合わせて、空調システムを作成し、エネルギーシミュレーションができる詳細HVAC(Detailed HVAC)の機能があります。Ver.6では、内燃機関およびマイクロタービン構成用のオプションを備えたコジェネレーション機器(CHP)や、氷蓄熱とプラントの制御スキームでオフピーク電力での蓄熱を可能にするコンポーネントが追加されました。
室内の照度、昼光率を解析できるDaylightingの機能では、数値テキストを各グリッドセルにプロットできるようになりました。
その他、Radianceの照度シミュレーションが並行して実行可能になり、実行時間が短縮されました。さらにRadianceの結果のランダム性オプションも追加されています。
プラグインおよびPythonスクリプト用のAPIの提供、Revit2019上で動くDesignBuilder連携用プラグインも開発されています。