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New Products & Service FEM解析 
FEMLEEG Ver.9
総合有限要素法解析システム
●新規価格
●リリース
Advanced:1,590,000円  Standard:1,180,000円  Lite:550,000円  LAPack:336,000円
2018年10月

 はじめに
「FEMLEEGVer.9」がリリースされます。以下に本バージョンに搭載されました主な新機能の概要を紹介いたします。
 大変形解析
LISAが対象としている構造解析は、変位・歪・回転量等が微小であることを前提とする線形構造解析です。唯一例外となるのが、今回追加されます大変形解析です。回転の制約条件を緩和して、回転量が歪量に比較して卓越するような変形状態を扱う非線形構造解析になります。一般に、細長い棒構造や、薄いプレート構造での大たわみ解析がこの範疇に入ります。

本解析は、幾何学的非線形解析と呼ばれる非線形解析の一つですが、構造材料はあくまでも弾性体であり、材料学的特質を表す力−歪関係は線形関係であることを前提としています。また、歪量は線形構造解析が有効である範囲内とし、荷重条件は変形が大きくなっても初期の状態から変化ないものとします。使用可能要素は、トラス要素・ビーム要素・3角形プレート要素となっています。

幾何学的非線形問題では、荷重値を増大化するにつれて相応する変形量を、1自由度のシンボリックなグラフで表した場合、下図の4タイプの状況が見られます。

本解析が対象とする範囲は、基本的には1のタイプのみになります(タイプ2、タイプ4の現象となる力学問題を本解析に適用してしまうと、反復計算が収束しません。タイプ3の場合は、おおよその極点位置だけを知ることは可能です)。

非線形方程式の解法は、非線形解析での標準解法である荷重増分法を併用したニュートン・ラプソン法を採用しています。荷重増分法は、最終荷重値を任意の分割数で除した増分荷重を累積させていく手法を採用しています。

また、非線形解法に別法として弧長法も用意しています。弧長法は、ある荷重レベル下の平衡位置から増分荷重を付加した場合の平衡位置を求めるとき、指定された半径の円弧と、荷重−変位曲線の交点(すなわち次の平衡位置)を探していく方法です。弧長法では増分荷重値を変化させることができ、前出の極点位置を求める際に有効です。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
図1 片持ち梁の大変形解析例 図2 荷重−変位曲線タイプ
 3次元オートメッシュ機能
本バージョンより、3次元オートメッシュ機能が新たに加わります。本機能を実現するにあたり東京大学で開発されたADVENTUREシステムをベースエンジンとして採用しています。

図3 3次元オートメッシュモデル例

一般にオートメッシュと言いますと、3次元CADで定義された形状を元にメッシュ分割を行いますが、本機能では対象物の外形形状を3角形要素(表面パッチ)により定義し、その内部を4面体要素で分割します。この外形形状の定義には、多くの場合、2次元のオートメッシュ機能を使用しますが、写像法や移動法によるブロック生成機能を使って定義することも可能です。

以下はCADのワイヤーフレームデータから2次元オートメッシュにより表面三角形パッチを生成し、4面体分割を行った例です。

図4 表面パッチによる3次元オートメッシュ例

この他に外形形状の定義にSTLファイルを活用することもできます。以下はSTLファイルを読み込んで4面体分割を行った例です。

図5 STLファイルによる3次元オートメッシュ例

また、本機能では1. 点からの距離、2. 直線からの距離、3. 円筒(両端は筒状)からの距離、4. 球面からの距離、5. 円筒(両端は半球状)からの距離、6. 平面からの距離、の6つのパターンによりメッシュの粗密を制御することができます。

図6 3次元オートメッシュ粗密パターン例
 任意平面による要素分割機能
従来の要素分割機能は要素座標系での2分割しか行えず、また要素座標系が揃っていないと思ったように分割できませんでした。今回、任意の平面を指定して自由な位置で要素分割を行う機能が追加されました。

図7 平面による要素分割

図8の例のように要素座標系が揃っていないと、従来の細分割では1回の操作では左下図のように分割方向が揃わず、2回に分けて実行しなくてはなりませんでした。また、あらかじめ要素座標系の方向を知っておく必要もありました。

本機能では分割する平面を指定する操作1回で、また要素座標系を気にすることなく要素分割が可能です。

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図8 従来の要素分割との比較
 3角形平面領域メッシュ生成機能
従来の3角形ブロック生成機能に加えて、他アルゴリズムで3角形平面領域をメッシュ分割する機能が追加されました。従来の3角形ブロック生成で苦手なパターンの場合のメッシュ生成を補います。

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図9 従来の3角形領域メッシュ生成(左)との比較
 面積計算機能
任意の要素面を指定してその面積を求める機能が追加されました。

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図10 ボックスで囲んだ部分の面積をリストページに出力
(Up&Coming '18 秋の号掲載)
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