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新道路橋示方書対応の方針・状況 |
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新道路橋示方書改定の見通しおよびフォーラムエイト製品対応予定
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新聞報道等によると、平成28年3月23日に道路橋の新設・改築設計に用いる「橋、高架の道路等の技術基準」(道路橋示方書)を見直すことが明らかになり、現在、その審議が行われています。
しかしながら、審議の内容は公開されておらず、ここでは、FORUM8デザインフェスティバル2016-3Days+Eveの特別講演「橋梁技術の変遷−丈夫で長持ちする橋を目指して−」での埼玉大学大学院
理工学研究科 教授、レジリエント社会研究センター長 睦好宏史様のご講演内容とweb上で公開されている情報をもとに改定の概要をまとめるとともに、当社の対応予定プログラムをご案内いたします。
まず、平成24年の道路橋示方書の改定では主に下記の項目の改定が行われました。
(1) 維持管理に関する事項の充実化
(2) 過去の地震を踏まえた設計地震動の見直し
平成23年に発生した東北地方太平洋沖地震の発生により、レベル2タイプ1地震動や地域別補正係数が見直されるなど、特にV耐震設計編が大きく改定されました。
この度、改定予定の道路橋示方書について、現時点で公開されている情報より把握できる重要な改定点として次の2点が挙げられます。
(1) 長寿命化
(2) 新たな設計手法の導入
上記の2項目においては全編に渡っての大きな改定になることが予想されます。
※本情報は2016年12月時点での情報ですので、今後変更される可能性もあります。
(1)長寿命化
現在の道路橋示方書では、耐久目標期間について明確な規定はありません。維持管理の状況によって100年近く使用される橋がある一方で、その半分も持たずに使用できなくなる橋も存在しいるのが現状です。そのため、耐久目標期間100年を基準化することにより、全ての橋について100年以上の長寿命化、ライフサイクルコストの優れた橋の実現が期待されます。また平成28年は生産性革命元年として位置づけられ、i-Constructionへの転換等により生産性向上に取り組まれる中で、長寿命化を実現するために橋の設計、建設および維持管理において、新しい構造や工法、材料や技術が提案されるともに、新技術の導入促進を図ることも期待されております。
(2)新たな設計手法の導入
新技術の導入にともない、多様な条件できめ細かな設計ができるような設計法が必要になります。そのため、これらに対応できる設計法として部分係数設計法(限界状態設計法)の導入が予定されております。国内の他分野の構造物の設計基準では、既に部分係数設計法が取り入れられており、鉄道では平成4年に、建築は平成14年、港湾は平成19年より部分係数設計法が導入されております。また、国外の橋梁の設計基準も同様であり、一番早いISOは1986年(昭和61年)に、米国は1994年(平成6年)、欧州は2007年(平成19年)にそれぞれ部分係数法や荷重抵抗係数設計法が導入されております。
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▲図1 国内の他分野の構造物の設計基準の動向 |
現行基準の許容応力度設計法では、荷重の組合せ(足し合せ)による応答値に対して、荷重の組合せによる割増係数・安全率により定義される許容値を超えないことを照査しています。いわば、全ての設計条件を考慮して一つの安全率を設定しているのに対し、部分係数設計法は、設計上見込む安全率を荷重係数,部材係数,材料係数等の要因ごとに細分化して設計するもので、全ての設計条件ごとに安全率を設定する方法と言えます。以上により、部分係数設計法での照査式の例として次式で表すことができると考えます。
Σ(γ1i・γ2i・・・Si)≦φ1i・Φ2i・・・R
ここに、
γ1i,γ2i,・・・ :荷重係数
Si :応答値
φ1i,φ2i,・・・ :抵抗係数
R :抵抗値
海外でも取り入れられている設計法に対応することにより、海外展開への支援になることも期待されております。
※参考資料:国土交通省ホームページ
http://www.mlit.go.jp/chosahokoku/h21giken/program/kadai/pdf/innovation/inno1-05.pdf |
前記のとおり、新道路橋示方書の改定内容の全容,詳細が不明な状態ですが、現時点では、現行の道路橋示方書を主な適用基準とする、以下のプログラムの対応を予定しております。なお、同一プログラムでの部分係数設計法と許容応力度設計法の混在は、処理が煩雑となるだけではなく、操作性の悪化も懸念されるため、新道路橋示方書のみに対応したプログラムとする方針で進め、平成24年道路橋示方書改定時と同様に迅速に対応を行ってまいります。
新道示対応予定プログラム
分類 |
プログラム |
FEM解析 |
Engineer's Studio® |
構造解析 |
Engineer's Studio®面内 |
RC断面計算 |
鋼断面の計算 |
橋梁上部工 |
任意形格子桁の計算 |
UC-BRIDGE |
PC単純桁の設計・CAD |
落橋防止システムの設計計算 |
鋼鈑桁橋自動設計ツール |
非合成鈑桁箱桁の概略設計計算 |
連続合成桁の概略設計計算 |
鋼床版桁の概略設計計算 |
橋梁下部工 |
橋台の設計・3D配筋 |
箱式橋台の設計計算 |
ラーメン式橋台の設計計算 |
橋脚の設計・3D配筋 |
ラーメン橋脚の設計・3D配筋 |
震度算出(支承設計) |
フーチングの設計計算 |
二柱式橋脚の設計計算 |
RC下部工の設計・3D配筋 |
基礎工 |
基礎の設計・3D配筋 |
深礎フレームの設計・3D配筋 |
3次元鋼管矢板基礎の設計計算 |
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今回の道路橋示方書改訂においては、前述の通り、大きな変更になりますので、製品のラインナップを別途準備させて頂く予定です。それに伴い、従来より要望の多い操作性についても、あわせて改良を検討しております。
昨今、UI/UXについて、よく目に触れるようになりました。このUIについては、ユーザーインターフェースで、操作性の改善になりますが、UXとは、ユーザーエクスペリエンスのことでユーザーが製品を利用して得られる体験のことを言います。弊社においても、このUXを意識することで、よりお客様が操作しやすく、また、新しい示方書へスムーズに移行できるように検討しております。
また、Windowsにおいては、7、8.1、10と、操作性の改善を行っており、Office等のWindowsアプリケーションでは、リボンコントロールを取り入れるなどの操作性改善が、図られております。弊社においても、UC-winシリーズでは、積極的に新しい機能を取り込みながら、モダンなアプリケーションとなっております。
しかし、UC-1製品シリーズにおいては、今までの製品を踏襲するかたちで開発を進めて参りました。そのような中で、各種パラメータの量のまとまりが悪く、使いにくいというご意見を頂くことがあります。
現在、そのようなご意見を鑑みて、操作性改善のため、ユーザーインターフェースの改善検討についても検討を重ねております。ここでは、一例となりますが、UC-1
RC断面計算におけるメイン画面を掲載します。
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▲図2 UC-1 RC断面計算メイン画面(開発中) |
従来のインターフェースに比べてすっきりしたイメージとなっております。
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今後も、お客様が、弊社の製品を通してよりよく設計が出来るよう、また、新しい道示への対応もスムーズに移行できるよう、製品の開発を進めてまいりますので、ぜひ、フォーラムエイトの製品にご期待下さい。 |
(Up&Coming '17 新年号) |
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