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擁壁の設計 Ver.14
片持梁式、U型、もたれ式、重力式、任意形状擁壁の設計・図面作成プログラム

最新版製品価格 ●リリース 2014年 3月
UC-1 道路土工

 擁壁の設計セミナー  CPD
●開催日 : 2014年6月4日(水)9:30〜16:30
●本会場 : 東京本社 品川インターシティA棟セミナールーム
 ※TV会議システムにて東京・大阪・名古屋・福岡・仙台・札幌・金沢 にて同時開催
●参加費:1名様 \18,000

 はじめに
「擁壁の設計 Ver.14」では、主に次の項目に対応しました。
・地震時保有水平耐力法によるレベル2地震時照査(Advanced)
・試行くさび法の作用位置算出拡張
・3Dモデル表示拡張

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲図1 メイン画面
 地震時保有水平耐力法によるレベル2地震時照査
平成24年の道路土工 擁壁工指針改訂により、大規模地震動がレベル2地震動という表記に変更されましたが、照査内容については従来からの変更はありませんでした。しかしながら、地震時保有水平耐力法(以下、保耐法)での照査は今後増えていくものと考えられます。そこで、「河川構造物の耐震性能照査指針」や「道路橋示方書」を参考に保耐法によるレベル2地震時照査に対応しました(図2)。

▲図2 初期入力画面

本バージョンより、レベル2地震時照査を行う場合には、保耐法を採用するか否かを選択する必要があります。採用しない場合は、従来通り許容応力度法による照査となるため、レベル2地震動=大規模地震動という扱いとなります。
尚、前述しましたように、擁壁工指針では保耐法が採用されていませんので、プログラムの初期設定においても保耐法は採用していません。保耐法を採用する場合、設計震度画面で部材、方向、Type毎の震度設定を行います(図3)。また、今回新たに追加された「組み合わせ(保耐法)」画面で、保耐法に用いる荷重選択を行います。尚、土圧に関しては修正物部・岡部法で計算することが前提となります。

▲図3 設計震度画面

保耐法の計算結果としては、安全性の検討,竪壁断面照査,底版断面照査を確認可能です。安全性の検討は結果判定を行うものではなく、浮き上がり限界状態と応答変位時の荷重状態,設計震度を表示します(図4)。判定に関しては、竪壁断面照査、底版断面照査毎の耐力照査で行います。


画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲図4 安全性の検討画面
 試行くさび法の作用位置拡張
試行くさび法は土圧合力(集中荷重)を得る計算手法であるため、土圧強度の分布状態を得ることができません。そのため、擁壁工指針では土圧分布を三角形分布と仮定して、この時の作用位置を擁壁下端から土圧作用高の1/3としています。しかしながら、実際には土砂形状や載荷荷重の有無、位置、幅により土圧分布状態は一定にならないと考えられます。本プログラムでは、従来から、土圧分布を得る手段として「土圧強度分布を推定」という機能を用意しておりました。この機能では、土砂形状の変化点から滑り線を引き出して試行計算を行うという手法を採用していたため(図6)、単純な土砂形状の場合は計算可能ですが、複雑な形状であったり、急勾配を含んでいると滑り線どうしが交差する可能性が高くなり、十分な精度で計算を行うことができない場合がありました。そこで、本バージョンでは、この「土圧強度分布を推定」を別の手法で行う選択を用意しました(図5)。

▲図5 土圧分布の指定

この新手法では土圧作用面を等分割し、分割点毎に滑り線を生成する方法を採用しています(図7)。分割数は任意に指定することが可能です。分割区間での土圧強度分布を長方形分布すると仮定することで、土砂形状が複雑な場合でも図8のような分布状態を推定することが可能となりました。分割数が多いほど精度が高くなりますが、10分割程度でも十分な精度の結果を得ることが可能です。

▲図6 従来手法 ▲図7 新手法  ▲図8 土圧分布 
 3Dモデル表示拡張
国土交通省では、3Dモデルの活用による設計の可視化等を目的としたCIMの導入を進めています。本プログラムでは、初期バージョンから躯体コンクリートの3D表示に対応しておりましたが、今回新たに土砂、水位、基礎地盤面の3D表示を追加しました。また、これらの表示単位毎に表示有無や表示方法(塗りつぶし、テクスチャ、ワイヤーフレーム)を選択することが可能です。更に、塗りつぶし時やテクスチャ時の透過率指定にも対応しています。テクスチャにつきましては、コンクリート用、土砂用、水位用、地盤面用の4つの画像を用意しておりますが、BMP形式、JPEG形式の任意の画像を指定することも可能です。

▲図9 テクスチャ表示 ▲図10 ワイヤーフレーム表示

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲図11 3D配筋図

また、3Dモデルのエクスポート形式も充実させ、従来のBMP、3DS、3DPDF、VRML形式の他に、IFC形式やNemetschek社の3次元土木建築CADであるAllplanで読み込み可能な形式で出力することが可能です。
今回の3Dモデル表示拡張により、弊社UC-win/Roadなどの3D景観設計に対応したソフトに幅広くご利用頂けるものと思います。
 おわりに
以上、主な拡張機能の概略を紹介させていただきました。今後も皆様からのご要望を取り入れて、改良・改善を加えていきますので、どうぞご期待ください。
(Up&Coming '14 春の号掲載)
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