「二重締切工の設計」は、堤防開削する工事において河川堤防にかわる仮締切を鋼矢板二重式工法により施工する場合の設計、CAD図面作成を行うプログラムです。この度「二重締切工の設計Ver.2」をリリースいたします。 |
根入れ長(安定計算は除く)、壁体断面力の計算時に堤内側、堤外側矢板に逆向き(内側に作用)荷重対応します。これにより、従来は堤体→堤内側もしくは堤内→堤外側へのみの作用でしたが、双方向に荷重を作用させることが可能となり、壁体に対する検討がより詳細に行えます。
|
▲図1 検討ケース |
|
壁体に用いる鋼材として、新たにハット形鋼矢板および広幅型鋼矢板(ワイド形)に対応します。これにより鋼矢板としましては、
(1)U形鋼矢板
(2) 鋼管矢板
(3) ハット形鋼矢板
(4) 広幅型鋼矢板(ワイド形)
の4種類が適用可能となりました。
|
▲図2 ハット形鋼矢板 |
鋼矢板は400mm幅のU形鋼矢板が仮設工事などではよく用いられていますが、建設コストを縮減するために広幅型鋼矢板が平成9年に登場すると、本設ではこれが主流となっています。さらに、平成16年には、施工性、構造信頼性、経済性に優れた新世代鋼矢板として、ハット(帽子)形状をした有効幅900mmの鋼矢板が開発されました。
ハット形は、壁体構築後の中立軸と鋼矢板1枚あたりの中立軸が一致する断面形状であるために、従来のU形鋼矢板と異なり、継手効率による断面性能の低減を考慮する必要がないことが設計上の大きな利点と考えられます。現在は本設工事に使用されていますが、今後、仮設工事にも用いられることも十分考えられることから、本プログラムにて対応することにしました。 |
「166の道路構造物の実例に学ぶ 設計不具合の防ぎ方」阪神高速道路株式会社・設計不具合改善検討会 2012年12月では、近年、土木構造物における技術、基準の高度化、細分化、さらには技術者側の経験不足、技術継承の機会減少などによって、設計に関する不具合が散見されるようになり一部社会的な課題となっていると記載されており、その対策の1つとして、マクロデータ分析による設計の妥当性の評価法が紹介されています。本プログラムにおいては、これにいち早く対応し、設計の妥当性を簡単かつ短時間のうちに評価できるシステムを導入します。なお、このマクロデータ分析とは、二重締切工では、「堤内側矢板の高さ(地表面から上の高さ)と堤内側矢板全長の関係」、「堤内側矢板の高さ(地表面から上の高さ)と堤体幅の関係」などを統計分析し、指標(説明変数)を横軸、設計値(目的変数)を縦軸としたグラフを作成し、指標と設計値の相関度合いを求め、その関係性の適正を評価した上で、設計値の妥当性を評価する手法です。これによって、設計した二重締切工の矢板長、堤体幅の適正を判断することができるのではないかと考えています。
|
|
|
|
▲図4 マクロデータ分析対象の選択画面 |
|
|
|
|
▲図3 メイン画面 |
|
▲図5 マクロデータ分析結果画面 |
|
この他にも、ご要望対応の一環としまして、壁体における継手部の断面照査への対応を予定しています。どうぞご期待ください。 |
|
>> 製品総合カタログ
>> プレミアム会員サービス
>> ファイナンシャルサポート
|