「BOXカルバートの設計(下水道耐震)Ver.8」では、主に下記対応を行っています。
- 単鉄筋構造への対応
- 温度変化への対応
- 最大、最小鉄筋量照査への対応
以下に、これらの改訂内容の概要を紹介いたします。 |
これまでは、鉄筋が外側、内側に配筋される複鉄筋構造のボックスカルバートのみを対象としており、2次製品(プレキャスト)や小規模ボックスカルバート等に見受けられる部材断面中央付近にのみ鉄筋を配置した単鉄筋構造には未対応でした。
今回、直接基礎でRC函体の単ボックスを対象に単鉄筋構造への検討に対応します。
■図1 単鉄筋構造の断面図
主鉄筋かぶりは外面からの芯かぶりを入力していただきます。複鉄筋構造の場合、鉄筋かぶりは(部材厚/2)未満までとし、これを超える場合はチェックに掛けて計算を中断しますが、単鉄筋構造では、鉄筋かぶり<部材厚まで設定が可能です。
配筋情報の入力は径−本数で入力していただきます。本数は奥行き1m当りの値となります。小数第3位まで入力可能としておりますので配筋状態を細かく反映することが可能です。なお、単鉄筋構造時は自動配筋機能に対応しておりません。
曲げ応力度、曲げ耐力の照査では、単鉄筋として算出します。
せん断応力度およびせん断耐力の照査について、複鉄筋構造の場合、せん断補強鉄筋を考慮に含めて照査しますが、単鉄筋構造ではせん断効果を期待できるせん断補強鉄筋は存在しないため、せん断補強鉄筋は考慮に含めません。
結果確認画面および計算書出力では、かぶりや必要鉄筋量、使用鉄筋を1種類のみの出力とし、使用鉄筋は径−本数の書式で出力します。
■図2 単鉄筋構造の配筋画面
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温度上昇、および温度下降を考慮した検討に対応します。温度上昇、下降はそれぞれの温度荷重をフレームモデルに載荷することで検討します。温度変化時の結果は、常時、レベル1地震時、レベル2地震時と同様、温度変化時として表示します。
なお、応力度照査の許容値は温度変化時のものを参照します。なお温度変化はRC函体のみを対象に対応します。
■図3 温度変化の入力部
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RC部材を対象に最大鉄筋量、最小鉄筋量の照査に対応します。常時、レベル1地震時毎に検討を行います。
最大鉄筋量の照査は、引張側使用鉄筋量Asが釣合鉄筋量Asb以下であることを照査します。本方法は「道路土工カルバート工指針(平成21年度版)平成22年3月 (社)日本道路協会」(P.123)に準じています。
最小鉄筋量は2種類の計算方法を用意し、指定に応じた方法で照査します。
照査方法=道示IVの場合、「道路橋示方書・同解説IV下部構造編(平成24年3月)(社)日本道路協会」7.3(P.185〜)に準じて、以下により最小鉄筋量照査を行います。
(1) Mu≧Mc((2)を満足するときは不要)
(2) 1.7M≦Mc
(3) As≧5(cm2/m)=500(mm2/m)
(4) As’≧0.008・A1’
上記のうち、(1)、(3)、(4)あるいは(2)、(3)、(4)を満足していることを照査します。
照査方法=0.002・b・dの場合、部材幅(b)×有効高(d)の0.2%を最小鉄筋量とし、引張側使用鉄筋量が最小鉄筋量以上であることを照査します。この照査方法は、「コンクリート標準示方書 2012年制定 設計編 (社)土木学会」7編 2.3.1(P.323) に記載されているものです。
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以上、Ver.8拡張機能の概略を紹介させていただきました。今後も皆様からのご要望を取り入れて、改良・改善を加えていきますので、どうぞご期待ください。 |
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