ピア−リフレ工法とは
橋梁における既存の鉄筋コンクリート(RC)橋脚の耐震補強工法のひとつとして「ピア-リフレ工法(Pier-Refre Method)」があります。
ピア-リフレ工法は、既設RC橋脚のせん断補強および段落し部の補強を目的として鋼板巻立てを行う工法であり,一般的に用いられている鋼板巻立て工法と異なる点として,補強対象の橋脚の周囲に組み立てた補強鋼板を,圧入装置(油圧ジャッキ)により圧入して巻き立てるため,施工時に土留めや仮締切,浚渫などが不要となります。
なお,ピア-リフレ工法を用いるにあたって,地盤に補強鋼板を圧入するため,鋼板の座屈を防止することおよび礫や玉石など地盤種類によっては適用できないことに留意する必要があります。
ピア-リフレ工法の特徴
既存のRC橋脚の耐震補強工法として一般的なものには、RC巻立て工法、鋼板巻立て工法などがありますが、これらの工法を用いた場合、
- 桁下など空間的な制約や周辺環境による制約を受ける場合
- 河川内で施工する場合
などは作業性が悪いことおよび大規模な仮設が必要となることが原因で工期が長く、工費が高くなることが課題となります。
このような場合に
- 仮締切や浚渫が不要となる
- 狭い桁下空間においても従来工法に比べて作業性に優れる
- 河積阻害率が小さい
- 掘削残土が少ない
などの特徴を有するピア-リフレ工法を用いることで、工期短縮、工費(仮設費)の削減が可能となることから,これまでに採用され実績を積んでおります。
ピア-リフレ工法の実績
2005年に開発されたピア-リフレ工法は、2016年1月時点までに現在施工中のものも含めて29件(うち、道路橋:26件、鉄道橋:2件、水管橋:1件)の実績があります。また、その規模においては地盤への圧入長が最大で12.5m、橋脚の周長が最大で39.6m(橋軸:2.8m×直角:18.0m)の事例があります。
ピア-リフレ工法の曲げ補強への適用
ピア-リフレ工法は、せん断補強および段落し部の補強を目的としたものでしたが、2012年に新たに橋脚基部の曲げ補強に対応した「ピア-リフレ工法(曲げ補強仕様)」を開発しました。
なお、新たに曲げ補強に対応したピア-リフレ工法は、「橋脚の設計 ver.14」(4月リリース予定)において補強工法のひとつとして選択し設計することが可能となります。
PRP協会(柱状体圧入補強協会): http://www.prp.gr.jp/
オリエンタル白石株式会社(ピア-リフレ工法紹介頁):http://www.orsc.co.jp/tec/con05_9.html
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