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部分係数法
- 部分係数法とは、性能照査手法の一種です。土木学会 コンクリート標準示方書 2012年制定 設計編に記載の限界状態設計法と同様に、各限界状態における荷重係数等を設定して計算を行うことになります。フォーラムエイトでは、平成24
年道路橋示方書のプログラム対応と同様に、迅速に基準類への対応を行う予定です。
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はじめに
土木分野では、世界各国で採用されてきた設計手法である許容応力度設計法が一般的な設計手法となっています。これは使用限界状態の考え方に基づいており、その基本的な目標は、次のようになります。
(1)供用中の期間において、想定する荷重が繰り返し作用しても元の材料状態に戻れる
(2)外力作用によって、材料が劣化しない範囲で設計を行う
上記の考え方では、弾性範囲内で設計を行う必要があり、使用限界状態における限界値は、降伏点以内ということになります。構造物の材料は、徐々に降伏するため、材料品質のバラツキを確率論で考慮し、実証実験に基づいて降伏強度を低減係数で割ったものが許容応力度となります。よって、許容応力度以下で設計を行えば、想定する荷重が妥当であれば、使用限界状態の考えを満足することになります。しかし、許容応力度法で設計を行った場合は、以下の短所が考えられます。
(1)力学作用のみを考慮するため、その他の劣化要因(疲労等)は、基本的に無視されている。
(2)静力学における計算手法であるため、応答スペクトルによる地震慣性力の静的考慮等は現実の構造物の動的挙動に正確に対応する訳ではない。
(3)弾性範囲内で設計を行うため、荷重の割増等により過大設計になる場合もある。
道路橋の設計基準である道路橋示方書は、平成14年3月の改訂で性能規定型の概念が導入される一方、耐荷力照査の基本式は許容応力度法が踏襲されました。上記の短所を補完するため、部分係数法への移行・改訂作業が行われています。
部分係数法とは
部分係数法とは、性能照査手法の一種です。降伏強度に安全率を掛け合わせて安全を担保するという従来の方法に対し、材料特性や荷重などの不確実性に応じて荷重・強度側の両方に複数の安全係数を用いてより合理的な信頼性の確保を行う方法です。
部分係数法を用いた計算手法 1)
許容応力度設計法では、荷重側と抵抗側の様々な不確実性要因にかかる余裕度を安全率で定義しています。部分係数設計法は、許容応力度法で定義されている安全率を種々の要因や作用の種類ごとに設定できるようにしたものとなります。耐荷力の性能照査式は、設計状況に応じて橋の限界状態に対する部材または構造の限界値(設計応答値Sd)と橋の限界状態に対応する部材または構造の限界値(設計限界値Rd)を用いて、下式にて表すことができます。
γi・(Sd / Rd) ≦ 1
ここで、γi :全体にかかる係数
部分係数法では、土木学会から出版されているコンクリート標準示方書 2012年制定 設計編に記載されている限界状態設計法と同じように、各限界状態(使用限界、終局限界等)における荷重係数等を設定して計算を行うことになります。
「部分係数設計法の適用性拡大に関する調査検討」2)では、部分係数化の影響を把握するため、道路橋示方書で設計が完了している橋梁(計24橋:鋼橋16橋、PC橋8橋)を対象に、許容応力度の割増係数を作用側と抵抗側のそれぞれに全て考慮した場合に部分係数がどのような影響を受けるのかについて、下部工で試算を行っています。そこでは、現行基準断面力の非超過確率および信頼性指標ベータの試算結果が示されています。現行の道路橋示方書で考慮されている荷重組み合わせの状況は、非超過確率(設計供用期間にそういった状況が発生しない確率)の観点からは大きな幅を持つ可能性が確認されています。
国土技術政策総合研究所では、道路橋示方書の部分係数設計体系への転換に際して、全体体系の構築・要求性能の設定・現行基準で行われた設計に対する安全余裕度の分析・信頼性の観点からの荷重係数設定を研究的に進めているようです。なお、当社製品としては、橋脚・ラーメン式橋脚・下部工(基礎、深礎等)・震度算出等が該当します。
当社は、平成24年道路橋示方書のプログラム対応と同様に迅速に基準類への対応を行う予定です。
参考文献:
1)部分係数法に基づく荷重係数の設定方法、間渕利明・玉越隆史・生田浩、
平成21年度国土交通省国土技術研究会発表論文、平成21年10月
2)部分係数設計法の適用性拡大に関する調査検討、玉越隆史・中州啓太・横井芳輝・野村文彦・氏本敦、
国土技術政策総合研究所資料 号:704、2012年12月 |
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