フォーラムエイトでは、ソフトウェアプロダクト品質向上のため、ISO9001に規定される品質マネジメントシステムを業務プロセスに取り入れ、全社的な品質活動を行っています。2001年12月にISO9001:2000の認証取得を行い、毎年2回のサーベイランスも継続して実施しています。今回は、プロダクトの品質に直接的に大きな影響を及ぼすプロダクトのテストについて、ご紹介いたします。 |
1.品質マネジメントシステムにおけるテスト
弊社の品質マネジメントシステムにおける品質文書である「開発手順書」では、「テスト」工程における品質文書として、「テスト計画書」、「チェックリスト」、「問題点レポート」、「テスト議事録」の4つの品質記録が管理されており、それぞれの実施の記録がワークフローによって、承認された上で、次工程である「出荷」へプロダクトが渡されることになっています。全てのUC-win、UC-1シリーズ製品がこの工程を経て、ユーザに提供されています。
2.「テストガイドライン」によるテストの実施
弊社製品の開発共通仕様書の一つである「テストガイドライン」では、テスト強化策の一つとして、「テストの質の向上」を実現するためにガイドラインを設け、これを遵守することとしています。ガイドラインでは、開発における「テスト工程」について、計画段階で十分勘案したものを策定すること、またテスト段階では、十分作業工程を確保することとし、開発工期の遅延がもたらすテスト不足を防ぐために十分考慮すべきことを規定しています。
テストを実施するにあたって、チェックリストを作成しますが、製品により要求されるテストは異なるものの、可能な範囲で、標準的な網羅すべき事項を規定し、それぞれに関するテストレベル(単体、結合、総合)及びテスト方法(目視、ファイル実行、自動)などの標準的な技法を示して、効率的なテストを実施しています。
なお、仕様については、先の品質マネジメントシステムにおける顧客満足実現のために、計画段階における質の高いレビューを行うこととしています。
3.自動テストツールの活用
プロダクトのテストは、各開発部署が策定、実施します。すなわち、開発部門における全社的な活動、業務となっていますが、別途Test Groupという専任部署を設け、効果的かつ合理的なテストのあり方を研究、実行する部署が活動しています。
Test Groupでは、発足当初より自動テストの実現を目指して、ツールの開発や適用可能な技術、ソフトウェアの調査を行っています。昨年から、MERCURY
INTERACTIVE社の自動テストツール「WinRunner」を用いて、多くのプロダクトのテストに適用させています。本アプリケーションによる自動テストでは、以下のような処理が行えます。
■DeGrade 防止のための新旧比較の作業を自動実行することができる。
(1)マウス、キーボードの操作ログを記録できる。
(テキスト形式のスクリプトとして生成)
a) マウス、キーボードの操作をそのまま記録
b) 各コントロールに対するマウス、キーボードの操作を記録
(2)記録した操作ログを自動実行することができる。
(3)スクリプトを追加することにより、操作以外の処理(例えば結果比較など)を
自動実行できる。
→(1)-a の場合:比較元のイメージファイルとスクリプト実行時のイメージを比較。
→(1)-b の場合:比較元のプロパティ値とスクリプト実行時のイメージを比較。
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▼品質マネジメントシステムにおけるテスト
グループウェアによるテスト管理・承認
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▼開発手順におけるテスト管理文書
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▼「テストガイドライン」
テスト結果報告と不具合原因を分析できる報告書 |
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▼「WinRunner」によるUC−win/FRAME(3D)、UC−win/Roadの自動テストスクリプト
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4.「ソフトウェアテストシンポジウム2003」
2003年3月6日(木)、ソフトウェア技術者ネットワーク(S-open)、ソフトウェアテスト技術者交流会(TEF)の主催にて、「ソフトウェアテストシンポジウム2003」が開催されました。
ソフトウェアテストに関する活発な議論や情報交換を行う場として実施され、フォーラムエイトでは、Test
Group 古江 智和が「Delphi ApplicationへのWinRunner の適用手法の検討」を研究論文として発表しました。
◆◆「Delphi ApplicationへのWinRunner の適用手法の検討」(8ページ、PDF形式)◆◆ |
(Up&Coming '03 春の号掲載) |
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