|
今回ご紹介する海外の土木IT関連Webサイトは、欧州の輸送・交通分野の専門家・団体が参加する「欧州交通協会(Association
for European Transport)」です。
輸送・交通分野で主導的な役割を果たす欧州機関
AETは1998年、輸送・交通の専門家らによる考察と議論を通じた輸送計画の発展を望むすべての人に開かれた非営利団体として創設されました。現在では、輸送専門家のための主導的な欧州機関として位置づけられています。AETは今日、35か国以上にわたる350名以上の法人および個人の会員によって構成されています。
AETは、毎年開催されるEuropean Transport Conference(ETC:欧州交通会議)のほか、特定の利害関係者、会員用ウェブサイトを通じて、会員相互のネットワーク形成や意見・情報・各種機会の交換を促進しています。AETが主催するETCは欧州を代表するものであり、会員はそこで積極的な役割を果たすことが奨励されます。またAETは、輸送業界および学界における若い専門家の育成にも力を入れており、会費割引などの特典のほか、研修や能力開発などの活動を重視しています。
今年で38年目を迎えるETCは、AETの活動の中心であり、欧州の輸送専門家や研究者が一堂に会して、輸送・交通分野の幅広い範囲にわたって政策問題、調査結果、および最善手法に関する最新情報を発表・交換する機会となっています。そこでは審査を経て選定された現役の専門家による論文が発表されます。各国を代表する参加者の3分の1は毎年参加するという数字が出ており、質の高い技術および論文が提示されていることが裏付けられるとしています。また市場調査によると、参加費用に対して会議から提供される対価は継続的に高く評価されていると紹介されています。1996年以降に開催されたETCの議事録は、トップページのリンクからダウンロードすることができます。
AETは英国・ロンドンを本拠とし、選出された24名の会員による評議会によって管理運営されます。評議員の3分の1は毎年改選され、24名の評議員のうち12名は個人会員を代表し、12名は法人会員を代表するとされていましたが、2009年総会において定款が改定され、個人あるいは法人会員の別なく24名の評議員が選出されることとなりました。また評議員は、7名のAET理事を任命します。
グラスゴーでの2010年会議に向けて活動中
同サイトのトップページには、European Transport Conference(欧州交通会議)、Members
Area(会員専用ページ)、Membership Info(入会方法)、Organization(組織)、連絡先(Contact)といったメニューが設けられています。
トップページには概要のほか、2010年10月11〜13日に英国スコットランドのグラスゴーで開催される今年度のETCへのリンクや、昨年度以前のETC論文および会議議事録がダウンロードできるリンクが設けられています。
European Transport Conferenceでは、オランダで開催された2009年会議について、会議概要、セミナースケジュール、個別のセミナー説明、予約、参加費用、スポンサー、連絡先といった項目別に掲載。その冒頭で、欧州輸送システムに対する要求は、経済変動、社会的変化、人口統計、および持続可能性を高める必要といったいくつかの要因のために増大と変化を続けており、このような変化には、適正な費用に基づく革新的かつ強靱な対応が必要とされるとしています。ETCは、革新、最善手法、専門家間のネットワークを共有するための重要な行事となり、500名を超える交通関連の実務家や研究者が集合。ネットワーク形成のための豊富なスペースや周到な発表、議論の場が提供されます。
会議は実務と調査研究の二分野によって構成。前者は「輸送政策および運用」のテーマの下、交通計画者やエンジニアに直接関連する、ケーススタディや政策策定に関するセミナーが開催され、地方および全国の政策イニシアティブや欧州における国際輸送政策、気候変動および持続可能性に関わる広範な項目が対象。またセミナーでは、輸送需要管理の実務的側面、輸送工学と交通安全、貨物運送と物流総合管理(ロジスティクス)、地方および都市間公共交通、輸送投資、観光が交通に及ぼす影響、道路政策に関する発注および運用といった項目に重点が置かれました。一方、後者の調査研究分野では、方法論に重点が置かれ、革新的かつ応用的方法の考察がなされました。
European Transport Conference 2010(2010年ETC)のページでは、38年目を迎える今年の会議の詳細が記載されています。参加者および発表者は、交通計画者およびエンジニア、地方・地域・中央政府職員、公共交通計画者と運用者、技術コンサルタント、政策立案者、研究者、学者、評価・資金提供者。同会議を「研究と実務のインターフェース」と位置づけ、最高10本のセミナーを同時開催し、論文発表後の十分な討議と質疑の時間を設定。会議のテーマとして以下の7項目が挙げられています。気候変動が交通基盤施設およびサービスに及ぼす影響の管理・交通基盤施設およびサービスに関する将来的な公共および民間の投資・交通評価および便益の実現・効率と安全を確保しつつ既設交通基盤施設からの収益を増大・西欧周縁と大陸本土以外や以遠を結ぶ効率的な交通リンク・交通と健康・電気自動車とその未来。「欧州交通政策調査」や「交通解析・計画・評価における革新的方法」といったそれぞれのプログラム委員会がこれらのテーマに対応しています。
Members Areaでは会員専用ページにログイン。Membership Infoでは入会方法や、会議参加費の割引などの特典を掲載。Organizationでは、組織構造や定款、AETにおいて重要な役割を担う分野ごとのプログラム委員会などの説明とリンクが記載されています。
|
この記事は、AETの許諾により上記サイトの内容に基づいて書かれています。
|
|
(Up&Coming '10 新春号掲載) |
|
|
>> 製品総合カタログ
>> プレミアム会員サービス
>> ファイナンシャルサポート
|