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今回ご紹介する海外の土木IT関連Webサイトは、米国全州道路運輸行政官協会(AASHTO:the American Association
of State Highway and Transportation Officials)が米国自動車協会(AAA:the American
Automobile Association)および米国商工会議所と共催する「アメリカズ・トランスポーテーション・アウォード(米国の交通賞)」プロジェクトです。
地域社会に効果もたらす交通関連プロジェクトを表彰
州際道路を走行するトラック運転手、あるいは通勤・通学の地下鉄利用者などに象徴されるように、米国は常に移動している国。そのため、これらの利用者は交通サービスに対して、自らの多忙な生活にペースを合わせ、時間やお金を節約し、また課題への革新的な解決方法が適用されることを期待する
― 。
同Webサイトでは、米国の交通をめぐる実情の一端をこう表現します。
また異なる観点から、アメリカ人は昨年だけで、国内の幹線道路網を利用し、トータルでほぼ3兆マイルを移動していると説明。これは、月と地球を600万回も往復するのに匹敵する計算になるといいます。つまり、それだけの人やモノがそれぞれの目的地へ到達するためには、そのようなニーズに対応した安全かつ信頼できる道路システムの存在が前提となることは言うまでもありません。
そこで、米国内の地域社会において開発や建設で優れた業績のあった交通プロジェクトを表彰し、かつ生活の質を決定付ける要素としての交通への評価を広く浸透させようというのが同アウォードの狙い。社会基盤要素の一つとして交通にフォーカスし、コンペ形式により最高の中の最高の功績を表彰するとしています。
現在、「アメリカズ・トランスポーテーション・アウォード2009」への参加プロジェクトの募集が行われています(応募締切は2009年5月15日)。
2008年に創設、時間・予算・革新的管理に焦点当て審査
もともと、AASHTOの交通マーケティングキャンペーンの一環という位置づけとともに、連邦、州、および地方レベルにおいて交通を支援する全国的な取り組みとして始動。AASHTO、AAA、米国商工会議所が共催する形で2008年に最初の「アメリカズ・トランスポーテーション・アウォード」が実施されました。
「大賞(Grand Prize)」の選定に当たるのは、全国的に著名な交通の専門家から成る審査員団。大賞を受賞した州には、交通分野における大学院レベルの奨学金の資金が授与されます。また「ピープルズ・チョイス賞(People's
Choice Awards)」は、一般の人々が気にいったプロジェクトにWebサイトの画面上から投票する方式で選出。受賞した州運輸局が選ぶ地域社会のしかるべきプロジェクトを支援する資金が授与されます。
2008年には28州から41件が応募。全国審査に先立ち、まず4地域協会(NASTO、SASHTO、ミシシッピー・バレー、WASHTO)ごとに、「期限順守(On
Time)」「予算順守(On Budget)」「革新的マネジメント(Innovative Management)」の3部門について、それぞれ「大規模」(2億ドル以上)、「中規模」(2,600万〜1億9,900万ドル)、および「小規模」(2,500万ドル以下)別の地域賞を選出しました。
「期限順守」部門賞は、高い品質成果を提供しつつ、概念段階から完成に至るまで効果的なスケジュール管理を実現するために用いられた具体的評価、プロセス管理、および品質保証の方法が実証されるプロジェクトに与えられるもの。同賞はまた、周辺地域社会との関わりや相互作用、さらに交通の流れがどの程度改善されたかも示すことになります。
「予算順守」部門賞は、交通効率を実証しつつ、経済的健全性を推進するプロジェクトが対象。つまり、成果に対して最小の費用で、最大の費用節減効果をもたらしたプロジェクトが表彰されます。
「革新的マネジメント」部門賞は、革新的な管理手法および技術利用を表彰するもの。人・モノ・サービスの効果的な移動、交通の効率化および選択肢の多様化、また安全やアクセシビリティ、ひいては地域社会の生活の質などの向上に繋がる新たな政策や手続き、創造的な解決方法が評価されます。
地域審査を経てそのうち各地域でトップのスコアを取得した10件(本連載2007年晩秋号で紹介したワシントン州のタコマ・ナローズ・ブリッジを含む)が「大賞」および「ピープルズ・チョイス賞」を競う最終候補として選出されました。
その結果、「大賞」はウッドロー・ウィルソン橋を建設したメリーランド州とバージニア州、「ピープルズ・チョイス賞」はハリケーン「カトリーナ」によって破壊されたベイ・セントルイス橋を再建したミシシッピ州が、それぞれ受賞しています。
2009年度同賞候補を受付中、新企画の募集も
同Webサイトの冒頭、「概要(Overview)」では第2回目となる「アメリカズ・トランスポーテーション・アウォード2009」の概要説明のほか、紹介ビデオが閲覧可能。さらに新企画として、すばらしい道路の旅、息をのむ風景、楽しい列車旅行、美しい橋など、交通にまつわる個人の思い出やお勧めストーリーを募っています。
その他のメニュー項目のうち、「過去の受賞者(Past Winners)」は、各賞の候補を含めたプロジェクトの一覧や、概要をまとめたビデオを閲覧できます。「応募要領(What
to Submit)」と「応募画面(Apply Now!)」では、応募方法の説明と、オンラインでの応募画面が提供されています。
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この記事は、AASHTOの許諾により下記サイトの内容に基づいて書かれています。
From http://www.transportation.org/,
the website for the American Association of State Highway and Transportation
Officials,
Washington, D.C., U.S.A. Used by permission. |
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(Up&Coming '09 新緑の号掲載) |
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