橋百選 |
BRIDGES 100 SELECTION |
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1. 多々羅大橋 斜張橋 広島県生口島〜愛媛県大三嶋 |
橋長 ● 1480m 幅員 ●31m |
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瀬戸内海にかかる、広島県生口島と愛媛県大三島を結ぶ斜張橋で、1999年5月1日に完成。三径間連続複合箱桁橋。本四架橋ルートの一つである、しまなみ海道の一部として供用されている。鳥が羽を広げたような形をした橋で、完成当時は世界最長の中央径間長(890m)をもつ斜張橋であった。歩行者、自転車、バイク道が併設されており、風速が25m以上になると、橋全体が通行止めとなる。計画当初は吊橋の予定であったが、費用的に有利と試算された斜張橋へと設計が変更された。鳴き龍現象と呼ばれる、特殊な現象がおきることでも有名である。これは、「多々羅鳴き龍」と言われ、塔の下の歩道で手を叩くと日光東照宮の鳴き龍のように音が何回にもわたって反響する。塔の形状からくる現象である。
2. 神龍橋(旧紅葉橋) トラス橋 庄原市〜神石郡 |
橋長 ● 83.8 m 幅員 ●2 m |
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国の登録有形文化財で土木学会選奨土木遺産の橋である。帝釈峡のダム湖の神龍湖に架かる、探勝歩道の橋の一つ。1924年帝釈峡ダム完成に伴い1930年、道路橋として現紅葉橋の位置に架橋された。ペンシルべニアトラスと呼ばれる珍しいトラス橋で、戦前の道路橋における単スパントラス橋としては、日本最長だった。1963年に比婆道後帝釈国定公園に指定されると、戦前の狭幅員で造られた橋では交通対応できなくなったため、鋼床版にして、幅員を狭めて歩道橋とし橋名を現在の神龍橋に改めた。
3. 因島大橋 吊橋 |
橋長 ● 1270 m 幅員 ● 22 m |
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向島から布刈瀬戸をはさんで因島に架かる因島大橋は、1983年に開通した吊橋で、ケーブルを吊る2本の塔の高さは海上から145mにもなる。この巨大な吊橋は風速55mの台風や、マグニチュード8程度の地震も想定して設計されている。その技術は大鳴門橋や瀬戸大橋などの基礎となった。優雅な曲線と高いタワーが特徴のこの橋は、海面から約50mの高さにあり、しまなみ海道唯一の2階建ての構造が特徴で、上が車道で下が自転車歩行者道になっている。世界で初めて素線数127
本のストランドを使用し、日本の大規模吊橋では初めて桁橋に鋼床版を採用したことでも知られている。。
4. 音戸大橋 アーチ橋 向島〜因島 |
橋長 ● 172m 幅員 ● 6m |
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呉市本土と倉橋島を結ぶ道路橋。大型船舶も通る海峡で桁下制限があり、海中に橋桁を建設できないため、平地取付口と橋桁との高低差20m以上のランプが、警固屋側は橋1つを含む変則二重ループ線、音戸側は日本初の三重螺旋型の高架橋となった。塗装の朱色は、共に平清盛と関係の深い厳島神社の大鳥居の色に合わせたもの。1961年12月3日開通。平安時代に、日宋貿易の航路として1,167
年、平清盛が沈む夕日を扇で招いて1日で開削したとの伝説が残る海峡。功徳を称えた塚が橋の下の海中に築かれている。この橋の下を現在でも1日あたり約700隻の船舶が行き交う。可航幅60mの航路に1000トン級の大型船舶も通る。この北約350mに2013
年3月27日に第二音戸大橋が開通した。工期短縮のためアーチ部分はIHI呉新宮工場で造られ、大型クレーン船「武蔵」で運ばれ日本初の空中ジョイント一括架設工法で連結された。
5. 猿猴橋 コンクリート橋 広島市 |
橋長 ● 62.4m 幅員 ● 8.5m |
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公共管理の現存する市内最古の橋梁。土木学会選奨土木遺産。1926年架橋、5径間連続鉄筋コンクリート桁橋として永久橋化。現存する被爆橋梁の一つ。贅を尽くした美しい橋として知られ、親柱の上に地球儀に乗り羽ばたく大きな鷲の像が、欄干には猿猴二匹が向かい合って、1つの桃を掲げている銅製の飾りがついていた。2008年6月親柱上の鷲像の小型模型が発見され復元模型が完成した。
6. 元安橋 鋼橋 広島市 |
橋長 ● 56.4m 幅員 ● 16m |
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安土桃山時代に木橋として築造、1920年鋼橋に永久橋化。1945年原爆被災の際、爆心地から最も近い橋であった。点灯装置の笠石が左右反対方向にずれ、欄干も元安川に転落したが橋自体は爆心直下のため落橋を免れた。その後、爆発点測定の重要な資料となった。現在の橋は1992年大正15年架橋時の姿に復元されたもの。2径間連続鈑桁橋。毎年8月6日灯篭流しが行われる。
7. 相生橋 鋼橋 広島市 |
橋長 ● 129 m 幅員 ● 33.9 m |
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平和記念公園に架かる全国的にも珍しいT字型の橋。1878年、2つの橋が相合う形から、相合橋と名がついた。明治末期から大正初期に現名に改名されている。原爆投下の際、目印とされた。原爆で変形した旧橋を架け替え1983年10月竣工した。夜にはライトアップされ、その上を路面電車が通る。広電の架線柱が景観を配慮し、T字型のセンターポールに変更されている。5径間連続鋼鈑桁橋。
8. 厳島神社の反橋 木橋 廿日市市宮島町 |
橋長● 20.6 m 幅員●4m |
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重要な祭事の際、勅使がこの橋を渡って本社内に入ったことから別名「勅使橋」とも呼ばれた。現在の橋は1557年に毛利元就・隆元親子により再建されたもので、擬宝珠の一つに刻銘が残っている。この時の道営を担当した大願寺の円海の名も刻まれている。北側回廊への取付部より、大きく弧を描いているが、橋の基本構造は端部の張り出しを除いて10径間よりなる桁橋である。擬宝珠の形は、宝珠部が少し扁平で胴部に比べて小さく、弘治二年の古い形式を伝えている。重要文化財。
9. ひまわり大橋 コンクリート橋 安芸郡海田町 |
橋長 ● 75.6 m 幅員 ● 13 〜 40 m |
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瀬野川に架かる歩行者、自転車専用の橋。鼓をモチーフとし、橋の高欄側を自転車通行帯、中央部を歩行者通行帯として、交通動線を考慮したX形の平面形状となっている。橋の右岸寄りには原石により、町花のひまわりを表現した方位盤を設けている。鼓は海田が鼓浦と言われていたことに由来している。夜間はライトアップされる。竹下内閣のふるさと創成事業で1993年5月架橋。
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NPO法人シビルまちづくりステーションは、IT ステーション「市民と建設」として産声を上げてから早や10年、創立10周年を迎えました。
「市民参加によるまちづくり・国土づくりの支援・推進」という当NPOのミッションに則り、創立当時から力を入れた「市民が選ぶ橋百選」は、現在全国各県解説付きの形でさらに発展しています。一方、まちづくりの活動は、環境・防災・教育などとの関連を持ちながら展開がなされ、特に校庭・園庭の芝生化の活動は、規模も大きくNPOとしての事業化の道を開いていきました。
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▲生徒・住民参加による校庭の芝生化 |
▲校庭の芝生開き |
当初の合意形成研究会等を足掛かりに始まった年に一回のフォーラムは、日本でも第一線の方々の参加により社会的な反響を呼び、これはその後我々が建設系NPOの連携を呼びかけて作った連合体「シビルNPO
連絡会議」に引き継がれました。建設系NPOの連携に関しては、さらに土木学会の建設系NPO連絡協議会の流れへと繋がっていきました。
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▲シビルNPO 連絡会議フォーラム |
平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、日本全体を震撼させましたが、われわれも何か役に立てないかといろいろな面で復旧復興支援に取り組みました。その活動の中から身近で重要なテーマとして液状化の問題に着目し、液状化対策プロジェクトを立ち上げました。これは、千葉県船橋市で市の公益市民活動支援事業として認定されています。
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▲液状化による被害(花見川―千葉県) |
創立10周年の記念事業としては、橋百選の冊子の発行、防災・液状化に関する特別講演・シンポジュームの開催、会報・創立10周年特集号の発行などを企画・実施しています。
「橋百選」は、市民の立場に立って市民と行政の橋渡しを行うとの考えに基づき、橋の選定は市民から公募することになりました。市民が日常経済生活を営む上での大事な橋、市民に生活の中で親しまれ愛されている橋、日本の歴史の中から生まれ長年大事にされてきた橋、このようなものを応募して貰うことしました。
「関東地域の橋百選」、「中部地方の橋百選」、「近畿の橋百選」と3地区に分けて作りましたが、これはその後、フォーラムエイトの機関紙「Up&Coming」に都道府県単位、解説付きで連載されることになりました。昨年平成24年10月号で三地方20都府県全部が完了し、これを冊子として纏めました。現在さらに全国全県を埋めるべく掲載が続けられています。また、これを記念して隅田川橋巡り等のイベントも行われました。
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▲隅田川めぐり(かちどきばしの資料館) |
▲隅田川めぐり(勝鬨橋にて) |
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(Up&Coming '13 夏の号掲載) |
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