一方脳疲労では身体に「疲れた」という信号を出すことで、私たちは「なんとなく全身がだるい」と感じるようになります。脳は常に体温や血流、呼吸をコントロールしてベストな状態に保ち続ける指令を出しています。また言語や理論に関係する大脳新皮質と、本能的な欲求や感情を司る大脳辺縁系は情報交換を行い、間脳は双方から指示を受け自律神経や食欲をコントロールしています。身体的な疲労から休みたいという大脳辺縁系からの情報と「働かなければならない」と大脳新皮質からの矛盾した指令が間脳にとどくことで自律神経や食欲を制御できなくなり、不眠や過食などが起こることもあります。
脳疲労の原因としてセロトニン過剰仮説より、セロトニン系疲弊仮説が最近わかってきています。
日常生活での「疲れ」ないためのセルフケア
基本的にはストレスマナジメントと同じで、働き過ぎない、エネルギーを使いすぎないようにすること、意識的に心も身体も「休める」「ゆるめる」ことが大切です。その中で食や睡眠に気を付け、適度の運動やりリラクゼーションを取り入れましょう。
1.食・栄養
抗炎症食;抗酸化作用の食品をとる
抗炎症ピラミッド(図1)を参照にしてください。
- 食べものはできるだけ新鮮なもの、できるだけ自然なかたちに近いもの
- 抗酸化物質を多く含むものをとる
- 食事中のオメガ3脂肪酸を増やす
- グリセミックロードが低い炭水化物を食べる
- フィトケミカルを含む野菜と果物をたくさん食べる
抗疲労食品;ビタミンC、コエンザイムQ10、茶カテキン、D-リボース、クエン酸、クロセチン、ビタミンB1誘導体、イミダゾールジペプチド(カルノシン、アンセリン)などがいわれています。
2.質の良い睡眠
- 午後11時から翌日午前6時までの7時間がベスト
- 就寝と起床の時間を規則正しくし、寝床は暗いところで点滅する光がないようにする。概日リズムを考え、起床時明るい光にあたる
- 夕食は抜かない、就寝時間1時間以上前にすませる
- 遅い時間に運動をしない。
刺激の強すぎる行動;テレビを見ること、コンピューターで仕事をすることを避ける。その代わりにリラックスできる本を読むか、静かな音楽を聴く
3.ウォーキングの習慣
1日10分程度を3回など合計で1日30分程度
4.呼吸によるリラクゼーション
4・7・8呼吸(Dr.Andrew Weil)
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図1 抗炎症食(4・7・8呼吸:わかさ出版より抜粋) |
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