VDWC/CPWCグランプリ、各賞決定!
Design Festival2014-3Daysにて公開最終審査・表彰式実施
Virtual Design World Cup(VDWC)第4回 学生BIM&VRデザインコンテスト オン クラウド(主催:VDWC実行委員会)のエントリー総数は36チーム(日本15、海外21)となり、7月の予選通過を経てうち15チームがノミネート。Cloud Programming World Cup第2回 学生クラウドプログラミングワールドカップ(主催:CPWC実行委員会)のエントリー総数は9チーム(日本4、海外5)となり、7月の予選通過を経てうち9チームがノミネート。2014年11月20日、デザインフェスティバル2014にてワールドカップ賞および各章の表彰式を行いました。
審査員特別賞
■ VDWC実行委員長 池田靖史氏による講評
今回のVDWCは2020年の東京オリンピックを前提にした江東区新木場周辺のまちづくりを対象とする物であった。その国際的な関心の高さからであろうか、過去最高のエントリーがあり、ベトナムやイギリスと言ったこれまでには無かった地域からの参加や入賞もあって、まさしくワールドカップにふさわしい国際的なコンペとなってきていることを感じさせる。
おそらく多くの参加者はこの場所に一度も足を踏み入れた事は無いはずである。実はこの事にもBIMを用いたコンペの一つの特徴と狙いがある。もちろん敷地を詳細に調査して得られることの重要性を否定している訳ではない。しかし世界中の異なる視点が容易に集約できる事がネットワーク時代の可能性だとしたら、敷地に行かなくてもできるだけそれに近い空間的な理解ができるVR技術やBIMを通じたシミュレーション技術こそがそれを支援してくれるはずだからである。結果的に寄せられた様々なアイデアには荒削りであるが意外な発展の可能性を秘めている物が多数あり、考えてみるとこのコンペ自体がそうしたアイデアを3次元のデータとして共有できることで異分野の英知が結集し活性化される新たなコラボレーションのかたちなのかもしれない。
上位に残ったチームはどれも興味深かった。ただ、今回の課題が2020年のオリンピックとその先のまちづくりという時間軸をもったデザインを要求したことにBIMをつかった提案で答えた物がほとんど見られなかったことは、改めて少し残念に感じた。都市は成長と変化をする物であり、その過程を予測したり適応したりする事には、BIMによる情報化された設計モデルが有効に活用できる可能性があるからである。成長をテーマに掲げた「かたち」だけでなく、具体的な方法論としての「しくみ」をデザインできることにこそBIMの核心があるのかもしれないからだ。既に知られた方法だけでなく、新たな地平のデザインをBIMで発見してくれる事にますます期待している。
審査員特別賞
■CPWC実行委員長 福田知弘氏による講評
第2回学生クラウドプログラミングカップ(CPWC)は、VRソフトウェアの新たな可能性を追求するもの。CPWCへの参加を通じて、学生の企画力、システム開発能力、プレゼンテーション能力等の向上を図ることを目指している。また、実際のアプリケーションの開発を通じて、コンテンツの新たな可能性も追求できれば、と考えている。
2年目を迎えた本年は、4月よりエントリーをはじめ、6月末までに提出された8つのエントリシートを対象に7月にハワイで予選選考会を実施した。この時点では全て予選通過としましたが、10月のノミネート審査に向けて、強化してほしい点を具体的にフィードバックさせて頂いた。そして、10月10日までに8作品の完成版が提出され、ノミネート審査で6作品に絞られ、最終審査に進むこととなった。そして、11月20日には各チームが東京・品川に集い、最終プレゼンテーション。最終審査の結果、グランプリとなったGreat Sword(上海交通大学)の作品「Kinect Smart
Drive」は、KinectとUC-Win/Roadとの連携を行うシステムであり、完成度が高く、また、今後の拡張が期待できるソフトウェアであった。
昨年度と比較すると幅広い分野の作品応募があった。他の受賞作品を紹介しておこう。環境設計情報学賞を受賞したChocolat(椙山女学園大学)はラウンドアバウトをテーマとしたもの、無人車・自動走行車賞を受賞したSDL(九州大学)は自動運転シミュレータに関するもの、クラウドソーシング賞を受賞したTorneko(上海海事大学)はOpen Street Mapデータを利用したもの、リアルワールドアプリケーション賞を受賞したKaisers(関西大学)は車両制御情報を応用したもの、であった。
CPWCは次年度も実施予定である。世界中からの応募を期待したい。
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