A2−1. |
このメッセージは、かかと版の照査位置において断面の中心に配筋が行われている場合に表示されます。
エラーメッセージの通りに配筋条件を変更していただくか、または[計算条件|部材設計]画面にて、「有効高dの計算方法」の設定を変更してください。
本設定の詳細につきましては、画面ヘルプをご覧ください。 |
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Q2−2. |
「くいの軸方向ばね」算出の際の、Ap:杭の純断面積は、腐食を考慮しているが、L/DのD:杭径では腐食を考慮していない。
腐食を考慮しないのが標準なのか。 |
A2−2. |
この「くいの軸方向ばね」Kvの値の算出時の腐食の扱いは、道路橋示方書には明記されておりません。
そのため、取り扱いについては弊社製品『基礎の設計』に準ずることとしています。
『基礎の設計』においても、以下のようにL/Dにおいては錆代を考慮していません。
Kv算定時のA → 錆代を考慮する
Kv算定時のD → 錆代を考慮しない |
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Q2−3. |
竪壁の計算を『橋台の設計』で実施した場合と、応力度照査結果が異なるのはなぜか |
A2−3. |
橋台の設計では、竪壁は、軸力を考慮した応力度照査を行っております。
RC特殊堤では、軸力を無視した応力度照査を行っております。
計算値の違いは上記によるものです。
なお弊社の「擁壁の設計」では、軸力を考慮した計算も行う事はできますが、初期設定として、「軸力無視」となっており、RC特殊堤は、こちらの設定に準拠した計算としております。
こちらにつきましては、今後「擁壁の設計」と同様なスイッチにより、軸力を考慮した計算を行う事ができるような拡張を検討いたします。 |
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Q2−4. |
RC特殊堤の設計計算と擁壁の設計Ver.15(スタンダード)の違いは何か |
A2−4. |
RC特殊堤の設計計算では、遮水壁の設計、古い特殊堤に多く見られるH鋼杭の設計など河川構造物に特化した構造物を設計することができます。
また、準拠基準が『河川構造物の耐震性能照査指針』であり、耐震性能照査を行うことを目的としていますので、断面力の算出手法が異なります。
下記の弊社擁壁の設計との簡単な比較表をご参考ください。
赤字で示した項目が、本製品の特徴的な機能となっております。 |
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Q2−5. |
H鋼杭のM-φの計算式は、何の基準に準拠しているのか |
A2−5. |
本プログラムで適用しているH鋼のM-φの算出式は、道路橋示方書に記載されている鋼管杭のM-φの考え方を弊社でH鋼杭に考え方を拡張したものです。
河川構造物の耐震性能照査指針等の特定の基準に記載されているものではありません。 |
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Q2−6. |
軸方向ばねの上下限値における杭先端面積の算出方法を教えてほしい |
A2−6. |
それぞれ以下のように算出しております。
鋼管杭 : A=π/4・D^2
RC杭 : A=π/4・D^2
PHC杭 : A=π/4・D^2
H鋼杭 : H鋼材の幅をa,高さをbとして、A=a×b(a,bは基準値で設定可能)
H鋼杭の杭先端面積については、道示に記載がないため、仮設土工指針のH鋼杭の先端面積の取扱いと同等としています。
また、腐食低減係数は考慮していません。 |
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Q2−7. |
Mc≦My≦Muとならない場合の対処法はどうすればよいか |
A2−7. |
Mc≦My≦Muとならない場合の対処法についてはとくに基準類などに明記がありません。
ご参考までに、弊社の解析支援サービスでは、Mc>Myとなった場合、以下の何れかの処理を行って解析を進めています。
方法1:
第1勾配をそのまま適用し、McをMyと同じ値まで低減する。
φcについても第1勾配線上に沿って同様の低減をする。(添付資料をご覧ください)
方法2:
Mcを無視した対称バイリニアとし、+側を適用するか-側を適用するかは部材の変形形状で判断する。
どのように対処するかは、決まったルールはありませんので、どちらを適用するかは設計者様のご判断になります。 |
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Q2−8. |
壁構造であるにも関わらず、構造物の固有周期を考慮しないでよい理由は何か |
A2−8. |
一般的な特殊堤は、周辺部分のみならず堤防背面にも土が存在する構造物であり、また、躯体はその断面寸法が大きく、剛性も大きい構造物です。
したがって、一般に大地震時の特殊堤の挙動は、堤防自体の振動よりも背面土の振動に支配されると考えられます。
そこで、レベル2地震時の耐力照査においては、RC特殊堤は背面土からの土圧に抗する構造物として、フーチング及び後フーチング上載土も含めて一体として扱い、竪壁、フーチング、後フーチング上載土に同一の設計水平震度を作用させています。
また、背面土に作用する土圧を算出する設計水平震度も、竪壁等に作用させる設計水平震度と同一の値としています。
上記の内容は、河川構造物の耐震性能照査指針の適用範囲である、道路橋示方書(H24)X耐震設計編のp.251〜に記載されている、橋台基礎の応答値に関する解説を、RC特殊堤に適用したものです。
RC特殊堤はその構造上、橋台の考え方を適用できると考えられることから、上記の考え方を参考とし、河川構造物の耐震性能照査指針に示される、土砂に起因する慣性力、および土圧に適用する設計水平震度(式5.7.2 または 5.7.4)を用いて設計計算を行うこととしています。 |
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Q2−9. |
RC特殊堤ソフトの場合に関しては、M-φモデルや塑性率、水平震度の考え方は、何年度の式を参照されているのでしょうか |
A2−9. |
基本的にはすべて平成24年度の式を参考としておりますが、設計水平震度等は、年度によって「地盤面における水平震度の標準値」が異なるため、年度を選択できるようにしております。 |
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Q2−10. |
レベル2地震時の耐力照査において、地震時保有水平耐力法に対応していますか |
A2−10. |
申し訳ございませんが、対応していません。
本製品では、レベル2地震時の耐力照査は以下の内容で行っております。
■ 竪壁の照査
『河川構造物の耐震性能照査指針・解説』では、レベル2地震動に対する耐震性能の照査について、"躯体の地震時保有水平耐力が、躯体に作用する慣性力を下回らないことを照査する"と記載があります。
しかし、「地震時保有水平耐力」は片持ち梁の先端にのみ質点を有する1自由振動系における概念であり、本製品の設計対象である擁壁構造にはなじまない概念であると考えられます。
あえて照査をするとすれば、以下のようになりますが、
※ 地震時の水平力の合力(Hd)と、基部におけるモーメント(Md)より合力の作用位置(h)を算定する
※ h = Md/Hd
※ Pa = Mu/h
以上の照査は、Md≦Muと等価です。
したがって、本製品では、「鉄筋コンクリート部材に生じる曲げモーメントが、終局モーメントに達しないこと」を照査するものとします。 |
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Q2−11. |
基礎照査用は竪壁に変位が出ていないようだ。
全体の変位をみたい場合はどちらの荷重ケースを用いるべきか。 |
A2−11. |
正しく竪壁の変位量を計算するには、基礎照査用で解析を行い、竪壁基部の変位量δを取得した後、竪壁照査用の解析を行って、その変位量δを、竪壁基部から上の竪壁変位量に足し合わせるのが良いと考えられます。 |
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Q2−12. |
各検討ケースの水位はどの値を使用しているのでしょうか。
入力条件にH.W.LとL.W.Lの入力欄があることは確認していますが実際に前面水位、背面水位で使用している水位を知りたいです。
また、各ケースで水位の変更は可能でしょうか。 |
A2−12. |
前面水位に低水位、背面水位に残留水位を使っています。
計算には低水位のみを用いており、申し訳ございませんが計算ケースで水位を変更することはできません。
なお高水位は、(1)残留水位の自動算定(2)竪壁照査位置の照査位置で参照され、計算自体には影響いたしません。 |
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Q2−13. |
本ソフトウェア単体で使用した場合、杭を含めたモデル化が可能でしょうか。
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A2−13. |
弊社製品「基礎の設計」が無くても杭を含めたモデル化が可能ですが、杭列から一部の杭をずらしたり、杭径や杭長を一部変更したりするような複雑なモデル化を行う場合は、「基礎の設計」が必要となります。
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Q2−14. |
せん断照査における斜引張鉄筋(スターラップ鉄筋)の断面積計算において、せん断スパンaがd/1.15よりも小さい場合には、せん断ひび割れを横切る斜め引張鉄筋を課題に見積もることのないよう、d/1.15に代わってせん断スパンaを用いるという考え方に対応しておりますか。
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A2−14. |
はい、対応しております。
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Q2−15. |
杭基礎の照査は、どのような方法で行っているのでしょうか。
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A2−15. |
道路橋示方書W(H24)p.430の記載より、「杭基礎の降伏に達しないこと」を照査します。
したがって、「部材に生じる曲げモーメントが、降伏モーメントに達しないこと」を照査するものとします。
※現行製品では、杭基礎に塑性化が生じることを考慮する場合には対応していません。
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Q2−16. |
震度の算出時に構造物特性補正係数を考慮していないようですが、理由は何でしょうか。
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A2−16. |
RC特殊堤は門柱などとは異なり、壁構造であり、トップヘビーな構造物ではありません。 よって、構造物の固有周期ではなく地盤の固有周期に影響されると考えられることから、地盤の設計震度を用いることとしています。 そのため、本製品では、構造物特性補正係数を考慮していません。
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Q2−17. |
組み合わせ荷重を竪壁照査と基礎照査で別々に作成されていますが、それぞれの考え方はどのように決められていますでしょうか。
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A2−17. |
土圧の作用面と荷重値が異なります。 詳細は、製品ヘルプの[計算理論及び照査の方法|作用力の計算|作用力の考え方]および[計算理論及び照査の方法|土圧|各種条件]をご参照ください。
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Q2−18. |
壁天端の「残留変位」は、常時状態からの水平変位でしょうか。
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A2−18. |
元の位置からの絶対変位でございます。
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Q2−19. |
杭の発生モーメントが降伏モーメント以下であれば、基礎の残留変位は0と考えてよろしいですか。
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A2−19. |
はい、お考えの通りです。 本プログラムにおきましてもそのように扱います。
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Q2−20. |
液状化判定は1m毎のN値および土質定数によりFLおよびRを算出し、層としての平均値を採用していますか。
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A2−20. |
はい、お考えの通りです。
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Q2−21. |
地震時の計算を行っている最中に計算エラーが発生します。原因は何でしょうか。
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A2−21. |
地震時の計算でのみ計算エラーが生じる場合、概ね地盤ばねが塑性化してしまっていることが原因となります。 特にレベル2地震時におきましては、深度が大きく地盤ばねが塑性化しやすくなります。 地層入力に誤りがない場合は、基礎の条件を変更して頂くか、地盤改良を施す前提で地層入力を変更して頂く必要がございます。
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Q2−22. |
発生モーメントが降伏モーメントを上回ってる場合のみ残留変位が算出されるのでしょうか。
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A2−22. |
はい、お考えの通りでございます。
Ver.1.1.7以前は、常に残留変位を算出および結果出力をしていたため誤解を招く仕様でした。
そこで、Ver.1.1.8にて発生モーメントが降伏モーメントを上回ってる場合のみ残留変位を算出および結果出力する仕様に修正しました。
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Q2−23. |
RC杭およびPHC杭の場合、くいの許容引抜き力Puの計算時に、[杭基礎]-[許容引抜き力]-[有効重量Wを考慮する]にチェックを入れることで有効重量Wを考慮するかどうかを設定することができますが、鋼管杭およびH鋼杭の場合にこの設定は反映されないのでしょうか。
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A2−23. |
はい、お考えの通りでございます。 鋼管杭およびH鋼杭の場合は、この設定が考慮されず、常に有効重量を無視して計算いたします。
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Q2−24. |
各配筋画面にて「単鉄筋」と「複鉄筋」を選択する入力がありますが、これはどういう設定でしょうか。
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A2−24. |
単鉄筋は、引張側とみなす鉄筋のみ考慮します。 複鉄筋は、設定された全ての鉄筋を考慮します。
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Q2−25. |
検討ケースの入力画面を確定ボタンで閉じるとM-φモデル画面のアイコンがピンク色になります。これはなぜでしょうか。
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A2−25. |
検討ケースにおける入力が変更されると、M-φモデルの条件も変わるため、再度M-φ計算をしなければ、現在入力されている条件で本計算が行えません。 そのため、本計算前に再度M-φ計算を求める目的でM-φモデル画面のアイコンを変更しています。
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Q2−26. |
竪壁照査用と基礎照査用の2ケースがありますが、「耐震設計上の地盤面より上方は地盤バネ上限値をゼロ」は基礎照査用ケースのみが対象で、竪壁照査用ケースは考慮されないという認識は正しいでしょうか?
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A2−26. |
竪壁照査用または基礎照査用に限った設定ではございません。 [考え方]-[計算条件]-[部材設計タブ]-[地盤反力度の上限値]-[□耐震設計上の地盤面より上の上限値は0にする]は、荷重ケース「レベル2液状化時(タイプT)」と「レベル2液状化時(タイプU)」にのみ作用する設定でございます。 地震時に地盤反力が期待できない土層がある場合は、その下にある[耐震設計上の地盤面G.L]と併せて設定してください。
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Q2−27. |
竪壁照査用モデルでは、基礎照査用モデルに比べ変位が小さくなるのはなぜでしょうか?
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A2−27. |
竪壁照査用モデルでは、以下の荷重を考慮しないため、基礎照査用モデルに比べ変位が小さくなります。 ・裏込め土土砂重量および土砂重量に起因する慣性力 ・地表面載荷荷重および地表面載荷荷重に起因する慣性力 ・安定計算用土圧(代わりに竪壁計算用土圧を載荷) 以下のヘルプページにもまとめておりますので、ご一読ください。 ヘルプ[計算理論及び照査の方法|作用力の計算|作用力の考え方]
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Q2−28. |
モデル化条件のみの計算書を出力するにはどうすればよいか?
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A2−28. |
[オプション]メニューの[計算モード]でモデル化条件を選択し計算実行をいたします。ESモデル解析を行う前までの作用力(土圧や水圧、地盤ばねの結果など)まで計算を行って、モデル化条件のみの計算書を出力することができます。 全計算を選択した場合は入力された設計条件で応力度照査、耐力照査までのすべての計算を実行します。
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Q2−29. |
残留水圧の算定方法を教えてください。
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A2−29. |
残留水圧は次式によって算定します。
ただし、考慮するのは R.W.L>L.W.L を満たすの場合のみです。
(1)y<hwの場合:Pw=γw×y (2)y≧hwの場合:Pw=γw×hw
ここに、
Pw :残留水圧 (kN/m2)
γw:水の単位体積重量 (kN/m3)
y :構造物の背面の水位から残留水圧を算定する面までの土層の深さ(m)
hw :構造物の背面の水位が前面の水位より高い場合のこれらの水位の水位差(m)=R.W.L−L.W.
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