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Q&A橋脚の設計・3D配筋(旧基準) Q&A ('24.11.11)
>> 部分係数法・H29道示対応製品Q&A

NEW! 更新内容

Q13−28.はり増厚補強時の降伏曲げ耐力Myはどのように算出しているか。('24.11.11)



目  次
 1.適用範囲、制限条件

Q1−1.既設部と補強部のコンクリートの材質を変えることは可能か?

Q1−2.「国総研資料 第700号」に対応しているか

Q1−3.インターロッキング式橋脚の設計には対応しているか?

Q1−4.複数の円形柱で構成されるロッキング式橋脚の設計に対応しているか?

 2..形状

Q2−1.橋軸方向に偏心したはり形状は入力可能か

Q2−2.逆L形橋脚の設計に対応しているか?

Q2−3.はりが連結していない二柱の橋脚の照査は可能か

 3.自重、慣性力

Q3−1.橋脚天端の添架物重量を考慮する場合、その他荷重として入力すれば偏心モーメントは内部計算されるか?

Q3−2.補強設計時において鋼板や繊維シートの重量は自動的に考慮されているか

Q3−3.大口径深礎基礎上の上載土砂重量を考慮することは可能か

 4.上部工反力、任意荷重

Q4−1.上部工反力の入力方法は?

Q4−2.橋軸直角方向にて下部構造に風荷重を考慮する方法は?

Q4−3.常時と地震時で上部工死荷重反力を変える方法は?

 5.浮力、土圧・水圧

Q5−1.土圧式を「修正物部・岡部」とすると土圧係数の算出に失敗する

Q5−2.土圧のセット数はどのような場合に使用するのか

Q5−3.土圧の作用方向と主働・受働の関係について教えてほしい

 6.安定計算

Q6−1.フーチング上の上載土の地震時慣性力を載荷したい。

Q6−2.安定計算(直接基礎)において、温度変化時など特定のケースの照査を省略したいが可能か

Q6−3.計算実行時に「エラー:基礎の有効載荷幅Beが0以下となりました。」と表示される。

 7.直接基礎

Q7−1.寸法効果に関する補正係数が考慮されていないのはなぜか。

Q7−2.「安定計算」の出力において、支持地盤の単位重量γ1の値が水位無視と水位考慮いずれも水中重量になってしまうのはなぜか。

Q7−3.直接基礎時の基礎バネに関する計算書を出力したい。

Q7−4.段差フーチングにおいて、段差直交方向の常時(偏心なし)の地盤反力度が両側で同一とならないのはなぜか

Q7−5.段差なしフーチングの場合も斜面上の基礎として計算可能か

Q7−6.直接基礎のフーチングの照査位置は任意に指定できるか?

Q7−7.斜面上の基礎として計算しているが水平地盤として計算される

Q7−8.斜面上の基礎として計算時に支持力係数が算定されない

Q7−9.直接基礎の塑性率による照査に対応しているか

Q7−10.滑動の照査時のせん断抵抗力に付着力CBを考慮したい

 8.杭基礎

Q8−1.杭基礎の場合、設計調書にフーチングの保耐計算を出力する方法は?

Q8−2.杭基礎連動において、常時・レベル1地震時、レベル2地震時の計算を行わない場合の設定方法を教えてほしい

 9.配筋

Q9−1.横拘束鉄筋の有効長が不等間隔の場合、最大間隔を有効長とする場合の入力方法は?

Q9−2.拘束筋の有効長を任意の長さで入力したい場合はどのようにすればよいか?

Q9−3.「コーナー部」にある鉄筋の入力方法は?

Q9−4.インターロッキングの帯鉄筋間隔diの算出方法は?

Q9−5.インターロッキング橋脚のレベル1地震時の計算において橋軸方向と橋軸直角方向の鉄筋本数のカウントの方法は?

Q9−6.中間帯鉄筋のピッチを直接指定したい

Q9−7.「部材|柱帯鉄筋」画面の「中間帯鉄筋間隔倍数」とは何か

Q9−8.無筋コンクリート構造に対応しているか

Q9−9.既設部やRC巻立て補強部の断面に径の異なる軸方向鉄筋を交互に配置することは可能か。

Q9−10.多段配筋で帯鉄筋配置間隔が異なる場合の入力に対応しているか。

Q9−11.橋軸方向と直角方向で柱主鉄筋のかぶりを変更することはできるか。

 10.はりの設計

Q10−1.はりの設計において、保耐法を行う必要があるか?

Q10−2.はりの照査において『水平方向のせん断照査時には、せん断スパンaの影響は考慮しません』とする理由は?

Q10−3.「荷重|はり設計用水平反力」のコーベルに設定する水平力には何を入力したらよいか?

Q10−4.せん断応力度の計算において、死荷重時の必要鉄筋量(Awreq)算出時、常時の基本値ではなく、σsa=100で算出しなくてもよいのか?

Q10−5.せん断摩擦理論の出典を教えてほしい

Q10−6.はりスターラップ入力時に「エラー: 配筋指定文字列は定義されたピッチ数が設定可能な上限を越えます。」となる

Q10−7.「考え方|保有水平耐力」画面の「はり|水平方向せん断スパンa<d/1.15のときaを適用する」のスイッチを追加したのはなぜか

Q10−8.はり部材に架け違い台座を設定できるか。

Q10−9.はり形状と配筋が全く同じの場合、形状タイプが「はり式(矩形)」と「張出し」の選択で照査結果は変わりますか。

Q10−10.コーベルとしてのレベル2地震動に対する照査に対応しているか。

Q10−11.水平方向断面のせん断照査において、はり付け根を照査位置としているのはなぜか。

Q10−12.はり補強時に既設部と補強部の鉄筋材質の相違は計算に考慮されるのか。

 11.柱の設計

Q11−1.中立軸が断面外にある場合の応力計算(柱)の計算式は?

Q11−2.設計調書と計算書で柱軸方向鉄筋の本数と鉄筋量が異なる。

Q11−3.応答塑性率が計算されないが?

Q11−4.柱の保有耐力照査において、McとMuまたはMyとMuが逆転した場合に保証外と警告がでるのはなぜか。

Q11−5.中空円柱橋脚の場合、橋軸、橋軸直角方向合成のケースを検討する必要性はあるのか?

Q11−6.小判形中空断面の場合のせん断モデル(ウェブ厚、有効高さ)はどのように考えているか。

Q11−7.計算書の主荷重のモーメントは、死荷重偏心モーメントの値以外にどのような値が考慮されているか。

Q11−8.橋軸方向のみの段落としの場合、直角方向の損傷断面の判定や段落とし部の照査を省略することはできないか。

Q11−9.基部以外の任意の位置におけるせん断耐力を用いて破壊形態の判定を行いたい。

Q11−10.柱の保有水平耐力照査のひび割れ、初降伏、終局の各モーメントの算出方法が計算書で確認できない。

Q11−11.「既設橋梁の耐震補強工法事例集 平成17年4月(財)海洋架橋・橋梁調査会」(T−44)に記載されている、橋脚が十分な耐力を有する場合の段落し部の照査を行いたい。

Q11−12.最小・最大鉄筋量照査でMuの算定方法は道示Vと道示Xどちらに従っているのか

Q11−13.レベル1地震時の柱の照査を動的解析で行っているため、常時のみの検討を行いたい

Q11−14.せん断耐力にディープビーム効果を考慮しているが、応答塑性率が1より大きくなるという警告が表示される

Q11−15.H24道示X(P.167)の適用範囲は計算書に表示されていないのか

Q11−16.偏心橋脚で躯体にねじりモーメントが作用する場合の照査に対応しているか

Q11−17.柱のせん断応力度照査で許容応力度に補正係数CNを考慮したい

Q11−18.免震橋の許容塑性率μmと補正係数CEを用いた保有水平耐力法による照査を行うことは可能か

Q11−19.下部工及び基礎の減衰効果を考慮した設計水平震度で照査を行いたい

Q11−20.曲げ破壊型の場合に許容塑性率を1.0とするスイッチはどのようなケースで適用するのか

Q11−21.P-δ関係算定に用いる初降伏曲げモーメントMy0と、損傷断面の判定に用いるMty0に相違があるのはなぜか

Q11−22.保有水平耐力の照査において、基部以外がひび割れ状態となり警告が表示されるが計算上問題があるか

Q11−23.塑性ヒンジ長Lpが柱高より大きくなる場合はどのように計算しているのか

Q11−24.「予備計算|M-φ」画面で「適用」ボタンを押しても補正が行われない

Q11−25.橋軸方向または直角方向のCz・khcoに「0.4・Cz」が入力されていると警告が表示される

Q11−26.既設設計時の「予備計算|M-φ」画面において、トリリニア2の補正が選択できない

Q11−27.旧データ読込み時に警告[372]が表示されるがどうすればよいか

Q11−28.段落し部の照査を別途動的解析で実施しているため省略したい

Q11−29.最小鉄筋量の「mあたり500(mm^2)の鉄筋量」はどのように算定しているのか

Q11−30.動的解析を行う場合に静的解析による残留変位照査を不要と考える根拠はあるか

Q11−31.水中部材を選択しているのに鉄筋の許容引張応力度が一般部材の値になる。

Q11−32.柱に雪荷重(雪崩の影響)を考慮することは可能か。

Q11−33.柱のレベル2地震動に対する照査おいて、柱基部に初期断面力(水平力、曲げモーメント)を作用させることは可能か。

Q11−34.柱のレベル2地震時のせん断照査において、せん断耐力を求めるときのせん断スパンの考え方を変更できるか。

Q11−35.既設検討・補強設計時において、許容塑性率算定時の安全係数αを1.0としたい。

Q11−36.軸方向鉄筋比が2.5%超える場合に警告を表示しているが、0.5%未満の場合に警告を表示しないのはなぜか。

Q11−37.水平耐力が負となる場合に警告が表示されるが照査上問題があるか。

Q11−38.せん断耐力算定用データ設定時の[配筋から設定]を押下しても中間部の諸値が反映されない。

Q11−39.「RC断面計算」で算出されるひび割れモーメントの値が異なる。

Q11−40.レベル2地震時に柱基部に生じる断面力を確認したい。

Q11−41.既設検討時に、許容応力度法照査を行わないのはなぜか。

Q11−42.柱の許容変位を確認することは可能か。

Q11−43.耐震性能に応じた許容塑性率の算定に対応しているか。
 12.フーチングの設計

Q12−1.フーチングのスターラップを千鳥配置または無視したい。

Q12−2.「フーチングなし」の計算は可能か?

Q12−3.フーチング設計時の鉄筋量の考え方は?

Q12−4.フーチングのスターラップの設定で、フーチングの上側と下側で配置ピッチが異なる場合、どちらの配置が適用されるか?

Q12−5.フーチングスターラップの設定方法を具体的な配筋例で確認したい

Q12−6.フーチングの設計において、張出し長が形状寸法と一致しない

Q12−7.フーチングの上載土砂の考慮有無を指定したい

Q12−8.フーチング設計時の照査位置を任意の位置としたいが可能か

Q12−9.小判形柱の場合、設計上のフーチング張出長を求めるための柱形状をどのように考えているのか。

Q12−10.フーチングの設計(保有耐力法)の曲げモーメントに対する照査において、タイプTの結果が出力されない。

Q12−11.柱補強時において、計算に用いるフーチング付け根位置を補強後の柱前面位置としたい。

 13.補強設計

Q13−1.柱とフーチングを同時に補強する場合の手順は?

Q13−2.H24道示対応版において、既設橋脚の照査を行う場合に、ρs=0として計算したい

Q13−3.段落し位置の初降伏モーメントが「損傷断面の判定時」と「P-δ関係算出時」で異なるのはなぜか

Q13−4.連続繊維巻立て補強で計算時に「致命的エラー:応力度−ひずみ曲線の下面勾配Edesが負となる断面が存在します」というエラーが発生するのはなぜか。

Q13−5.補強工法:炭素繊維巻き立てとした場合のM-φを算出したい

Q13−6.H24道示対応版において、RC巻立て補強後の塑性ヒンジ長の算定に用いる断面二次モーメントIhはどのように考えればよいか

Q13−7.補強設計時に許容応力度法の照査は行わないのか

Q13−8.フーチングの補強を行う場合に、補強コンクリートの材質の入力がない

Q13−9.「考え方|補強」画面の「P-δを求めるときのモデル化」を「基部の断面モデルを全高に適用」とするのは一般的か

Q13−10.フーチング補強時にスターラップを変更しても結果に反映されない

Q13−11.曲げ耐力制御式補強工法で「鋼板巻立て+橋軸方向のみアンカー筋あり」とすることは可能か

Q13−12.「補強|柱部材」画面で全ての補強主鉄筋を定着筋としたいがエラーとなってしまう

Q13−13.連続繊維巻き立て補強において、繊維シートの枚数や補強区間の入力は可能か。

Q13−14.補強に用いる中間貫通鋼材で用いる下記設定の初期値の出典は?
・PC鋼材降伏点強度σy 930.0(N/mm^2)
・PC鋼材許容応力度σa 648.0(N/mm^2)


Q13−15.連続繊維巻立て補強検討時に「補強不可能」と表示されるのはなぜか。

Q13−16.RC巻き立ての有効長の考え方について教えてほしい。

Q13−17.中間貫通PC鋼材の断面積Apcの初期値789.3(mm2/本)の出典は?

Q13−18.RC巻立補強において中間貫通鋼材を橋軸方向と直角方向の両方に配置した計算は可能か。

Q13−19.「考え方|保有耐力法」画面の「せん断耐力算出時|中間部でLpより上の領域ではcc=1.0とする」というスイッチを設けた経緯、根拠を教えてほしい。

Q13−20.はり補強時の水平方向に対する照査において、スターラップが考慮されないのはなぜか。

Q13−21.はり補強時の水平方向照査におけるせん断補強鉄筋量Awの算定方法は?

Q13−22.RC巻立補強時の柱の終局ひずみの発生位置を確認したい。

Q13−23.RC巻立て補強時に「部材|柱帯鉄筋」画面の「終局ひずみεcuに下降勾配Edesを考慮する」のスイッチが変更できない。

Q13−24.鋼板巻立て補強を行ったが設計水平震度が変化しない。

Q13−25.「補強|フーチング部材」画面で「せん断耐力算定条件」の「鉄筋量Aw」を0としたい。

Q13−26.鋼板巻立て補強で既設柱の表面にアンカー筋が沿っているものとしてモデル化したい。

Q13−27.中間貫通鋼材を設置した場合に横拘束効果が小さくなってしまうのはなぜか。

Q13−28.はり増厚補強時の降伏曲げ耐力Myはどのように算出しているか。

 14.付属設計

Q14−1.縁端拡幅設計での鉄筋の許容せん断応力度のデフォルト値115(N/mm~2)の出典は?

Q14−2.橋座の設計で「支承の配置」を「斜角橋軸」と設定した場合に下記エラーが表示され計算が実行されない。
・「控除長さL1、L2はアンカーボルト縁端距離以下でなければなりません。」


 15.連動


Q15−1.基礎連動時に、橋脚側のフーチング形状が正しく連動されない。

Q15−2.「基礎の設計計算,杭基礎の設計」で求めたケーソン基礎の基礎バネを設定する場合、どのように入力したらよいか。

Q15−3.H14道示X(P.117)に従って、動的解析により別途求められている橋脚基部の断面力を用いて基礎の照査を行う手順は?

Q15−4.「橋脚の設計」と「基礎の設計計算,杭基礎の設計」連動時、浮力考慮時の計算を行う方法は?

Q15−5.「橋脚の設計」から「基礎の設計計算」へ連動される基礎設計用水平震度khpに偏心モーメントの影響をどのように考えているか?

Q15−6.「UC-win/FRAME(3D)」や「Engineer's Studio」へのエクスポートを行う場合はどのようにすればよいか

Q15−7.「UC-win/FRAME(3D)」,「Engineer's Studio」へのエクスポート時に支承ばねの位置が選択できるがどのように使い分ければよいか

Q15−8.「UC-win/FRAME(3D)」,「Engineer's Studio」へのエクスポート時に基礎ばねを支点として設定したい

Q15−9.「基礎の設計計算,杭基礎の設計」との連動時に増し杭工法とする手順を教えてほしい

Q15−10.「UC-win/FRAME(3D)」,「Engineer's Studio」へのエクスポート時に、はりやフーチングの配筋を変更しても動的解析の結果が変わらない

Q15−11.ケーソン基礎または鋼管矢板基礎として「Engineer's Studio」へエクスポートする方法は?

Q15−12.「震度算出(支承設計)」との連携において、分担分担重量等が最新の結果とならない

Q15−13.「震度算出(支承設計)」との連携において、正負両方向の同時検討・結果の取込はできないのか

Q15−14.非線形動的解析モデルのエクスポートで断面変化点でも任意中間部節点でもない節点が生成される

Q15−15.非線形動的解析モデルを「Takeda(M-Φ)」とした場合のモデル化はどのようになるか。

Q15−16.せん断破壊型の場合に基礎設計用の水平震度khp算定にPs0を用いることは可能か。

Q15−17.非線形動的解析モデルエクスポート時に検討方向毎のファイルが生成されないのはなぜか。

Q15−18.「荷重|許容応力度法ケース|許容応力度法荷重ケース」画面のデータを変更し、計算実行すると下記メッセージが表示される。
・「エラー:杭基礎の安定計算が実行できません」


Q15−19.杭基礎連動において、橋脚側で水の単位重量を変更しても基礎側に反映されないのはなぜか。

Q15−20.「震度算出(支承設計)」との連携において、橋脚側と震度側の柱断面積が異なるのはなぜか。

 16.設計調書

Q16−1.補強時の設計調書の出力で、補強後の計算値が表示されない場合がある

 17.その他

Q17−1.入力画面のボタンが重なり入力項目が選択できない。

Q17−2.数量表を計算書に出力する方法は?

Q17−3.側面図で前面側、背面側を変更したい

Q17−4.基礎地盤の土質タイプ(初期値)は何を参考にしているか?

Q17−5.新しいバージョンで作成したデータファイルを古いバージョンで読み込むことは可能か

Q17−6.設計調書をMicrosft Excel形式で保存したいが可能か

Q17−7.「UC-1 Engineer's Suite積算」との連携に対応しているか。

Q17−8.橋脚寸法や配筋の自動設定は行えるか。

 18.システムリソースに関するQ&A


 19.図面作成

Q19−1.支承補強筋平面図で一番左側のアンカーボルトしか作図されないのはなぜか

Q19−2.DXF・DWGへの出力において、文字がばらばらになる。



 1.適用範囲、制限条件

Q1−1.

既設部と補強部のコンクリートの材質を変えることは可能か?
A1−1. Ver.3.02.00より対応しています(Ver.3のライセンスが必要です)。
ただし、コンクリート材質が異なる場合の計算方法は基準類に明記されていないため、適用の可否については、製品ヘルプの「既設部と補強部のコンクリート材質が異なる場合」をご覧の上、設計者ご自身でご判断ください。
 

Q1−2.

「国総研資料 第700号」に対応しているか
A1−2. Ver.10.5.0より対応しています。
ただし、Ver.10.6.0において、一部仕様の変更を行っているため、Ver.10.5.0以前をご利用の場合は最新バージョンへ更新しご利用ください。
また、具体的な設定方法や考え方等につきましては、製品ヘルプの「計算理論及び照査の方法|橋脚柱の補強設計|計算の方法|H14道示に準拠した水平耐力-水平変位,許容塑性率の算定」をご覧ください。
※上記のヘルプは、「概要|バージョン及び改良点|Ver.10.6.0について」のリンクからも参照できます。
 

Q1−3.

インターロッキング式橋脚の設計には対応しているか?
A1−3. 以下を参考に対応しています。
・「設計要領 第2集 橋梁建設編(平成24年7月 東・中・西日本高速道路株式会社)」
・「設計要領 第2集 橋梁建設編(平成26年7月 東・中・西日本高速道路株式会社)」
 

Q1−4.

複数の円形柱で構成されるロッキング式橋脚の設計に対応しているか?
A1−4. 申し訳ございませんが、対応しておりません。
別途、ご検討ください。


 2..形状

Q2−1.

橋軸方向に偏心したはり形状は入力可能か
A2−1. 現行バージョンでは、はりの橋軸方向偏心形状を設定することはできません。
恐れ入りますが、近似的な形状を設定いただき、オプション荷重の「橋脚天端に作用するその他死荷重」で荷重の調整を行う等の対応をご検討ください。
 
Q2−2. 逆L形橋脚の設計に対応しているか?
A2−2. 「橋脚の設計・3D配筋」は逆L型橋脚に対応しています。
以下の画面で形状、偏心モーメント等を設定を行ってください。
なお、現在はねじりに対する照査を行うことはできません。

・「形状|はり」
はり形状タイプが「はり式(矩形)」の場合、はり中心の偏心「x」を調整してください。
はり形状タイプが「張出し」の場合、「スタイル」を「左側のみ」または「右側のみ」としてください。

・「形状|フーチング」
柱の中心位置とフーチング形状の関係を「Xc」、「Zc」で設定してください。

・「荷重|許容応力度法ケース|許容応力度法荷重ケース」
上部工反力により、はり中心で偏心モーメントが発生する場合は、「上部工反力|RM」を設定してください。

・「荷重|保有耐力法ケース」
上部工反力により、はり中心で偏心モーメントが発生する場合は、「死荷重偏心モーメント」を設定してください。
 
Q2−3. はりが連結していない二柱の橋脚の照査は可能か
A2−3. 「橋脚の設計・3D配筋」では二柱式橋脚の照査には対応しておりません。
弊社のはり無し二柱式橋脚に対応した「二柱式橋脚の設計計算」をご利用ください。


 3.自重、慣性力

Q3−1.

橋脚天端の添架物重量を考慮する場合、その他荷重として入力すれば偏心モーメントは内部計算されるか?
A3−1. お考えのとおり、プログラム内部で偏心モーメントを求め考慮します。
「橋脚天端に作用するその他死荷重」として設定された項目は、鉛直力のほか、
・偏心モーメント(それぞれの集計中心に対して偏心があるとき)
・地震の影響を考慮するときの慣性力
が考慮されます。
 
Q3−2. 補強設計時において鋼板や繊維シートの重量は自動的に考慮されているか
A3−2. 現行バージョンでは、下記のような理由により、鋼板や繊維材、根巻きコンクリート等は付属物扱いとして、その他死荷重で入力いただく仕様としており、内部的に計算はしておりません。
恐れ入りますが、鋼板の重量および慣性力を考慮する場合は、「柱に作用するその他死荷重」にてご対応くださいますようお願いいたします。
・重量を厳密に算定するために、計算上の鋼板入力と別に実形状の入力を設ける必要がある。
 ※下端に50〜100mm程度の隙間があるなど全高巻立てではないケースもあるため。
・基部の根巻きコンクリートやH形鋼についても同様と考えられ、重量を自動算定するための詳細情報が必要となる。
・鋼板の重量を内部的に算定する場合、鋼板部の浮力や土砂控除、風荷重や流(動)水圧算定時の柱寸法の補正等が発生し計算が煩雑になる。
※「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料(平成9年8月(社)日本道路協会)」の計算例では、鋼板重量は考慮されていません。
 
Q3−3. 大口径深礎基礎上の上載土砂重量を考慮することは可能か
A3−3. 下記の項目で考慮有無を選択することが可能です。
・「考え方|共通」画面の「深礎フレームプログラムとの連動時|大口径深礎基礎の場合に基礎上の土砂(重量・浮力)を考慮する」
考慮する場合は、上記のスイッチをチェック(レ)しご検討ください。


 4.上部工反力、任意荷重
 
Q4−1. 上部工反力の入力方法は?
A4−1. (1)柱の照査および安定計算に用いる上部構造反力ははりの中心における作用力として、[初期入力]ダイアログの[荷重|上部工死荷重反力RD]、[荷重|活荷重反力RL]に設定してください。
設定された値は[許容応力度法荷重ケース]ダイアログに反映されます。
RD、RLは[許容応力度法荷重ケース]ダイアログでの設定は不可ですので、変更等は[初期入力]ダイアログにて行なってください。

(2)はりの設計を行なう場合の上部構造反力は[はり設計用鉛直反力]ダイアログにて各支承毎の[RD(上部工鉛直反力)]、[RL(上部工鉛直反力)]に設定してください。
 
Q4−2. 橋軸直角方向にて下部構造に風荷重を考慮する方法は?
A4−2. 橋軸直角方向に下部構造に風荷重を考慮する場合は、[許容応力度法ケース]ダイアログで、[荷重状態]として風荷重を考慮した荷重状態(デフォルトでは[風荷重時])を選んでください。

詳細な手順は次のとおりです。

■1.[基準値|計算用設定]ダイアログ
 このダイアログでの設定は、デフォルトと異なる条件で検討したいときのみ必要となります。
1.1.荷重状態
 デフォルトの[風荷重時]は、「活荷重考慮」となっております。
 「活荷重」を考慮しない「風荷重時」を行うには、[荷重状態]タブの[風荷重]の列で、[活荷重考慮]を[非考慮]にする他、適切に荷重状態を変更してください。
 また、「活荷重」を考慮した「風荷重時」と「活荷重」を考慮しない「風荷重時」を同時に検討するには、「活荷重を考慮しない風荷重時」となる荷重状態を追加します。
1.2.荷重強度
 デフォルトでは、道示I 2.2.9(5)表-2.2.15で規定された荷重強度が設定されています。
 これ以外の強度を用いるときは、[荷重]タブで変更してください。
■2.ケースの追加と設定
 ケース一覧で[橋軸直角方向ケース]を追加します。
 「ケース」の詳細を設定するダイアログが開きますので、[荷重状態]に「風荷重考慮」とした荷重ケースを選択します([風荷重作用方向]が有効になりますので必要に応じて方向を変更してください)。
 その他、反力に風荷重を考慮した値を設定してください。

あわせて、下記のヘルプをご覧ください。
・「計算用設定値」画面ヘルプの「[荷重]タブ」の[風荷重強度]〜
・「計算理論及び照査の方法|許容応力度法による安定計算及び柱、フーチングの設計|作用荷重|風荷重(荷重ケース毎に入力)」
 
Q4−3. 常時と地震時で上部工死荷重反力を変える方法は?
A4−3. 「荷重|許容応力度法ケース」の各荷重ケース画面において、上部工反力「Rex」を設定することでご対応ください。


 5.浮力、土圧・水圧
Q5−1. 土圧式を「修正物部・岡部」とすると土圧係数の算出に失敗する
A5−1. 現行バージョンでは、土圧式を「修正物部・岡部」とした場合、H24道示X(P.72〜75)に従い土圧係数を算定しています。
具体的には、H24道示X(P.74)の「B 水平震度を増加させながら〜(以下略)」に従い、水平震度を増加させながら計算を行い、二次主働破壊面及び土圧係数−水平震度の関係を求めています。
上記の方法は、例えば地表面の傾斜角が大きい条件下など、この過程においてθsが算定不可(φpeak−α−θ0≦0)となり、二次主働破壊面(KEA1=KEA2となるステップ)を求めることができないケースが発生します。
このような場合、適用については設計者の判断となりますが、次のような方法が考えられますので参考にしてください。
・地表面の角度αを「0.0(度)」とする。
・地表面の角度αを計算可能な上限値程度とする。
・土圧式を「土圧係数指定」とし、H24道示X(P.72)の式(6.2.5)より算定した土圧係数を設定する。
 ※式(6.2.5)は、地表面の角度αを「0.0(度)」と仮定した簡易式となります。
 
Q5−2. 土圧のセット数はどのような場合に使用するのか
A5−2. 例えば、以下のようなケースを想定しています。
・特定のケースのみ異なる土圧式(土圧強度直接指定など)としたい
・橋軸方向と直角方向で異なる土圧条件を適用したい
 
Q5−3. 土圧の作用方向と主働・受働の関係について教えてほしい
A5−3. ■土圧の向き
「荷重|土圧」画面の「作用方向」に従います。
  ※↑,→は正方向となり、土圧の水平力は「+」となります。
  ※↓,←は負方向となり、土圧の水平力は「−」となります。

■主働,受働の扱い
同画面の「土圧の扱い」に従います。
土圧式が「クーロン/修正物部・岡部」の場合は、主働土圧のみとなります。


 6.安定計算

Q6−1.

フーチング上の上載土の地震時慣性力を載荷したい。
A6−1. 「荷重|許容応力度法ケース」の各荷重ケース画面の下記スイッチをチェックしてください。
・地震の影響−土砂の慣性力を考慮する。
 
Q6−2. 安定計算(直接基礎)において、温度変化時など特定のケースの照査を省略したいが可能か
A6−2. 可能です。
「基準値|計算用設定」画面の「荷重状態」タブにおいて、「安定照査(直接基礎)」の項目で照査の有無を選択してください。
安定照査を「行わない」とした場合、判定及び許容値の表示を行わず、設計調書の危険ケース抽出対象からも除外されます。
 
Q6−3. 計算実行時に「エラー:基礎の有効載荷幅Beが0以下となりました。」と表示される。
A6−3. フーチング寸法、または、鉛直力に対して、水平力,モーメントが過大なため、有効載荷幅が求められないときに表示されます。
この場合、許容力度法荷重ケースの水平力(またはモーメント)を確認してください。
または、フーチング幅を大きくしてご検討ください。


 7.直接基礎

Q7−1.

寸法効果に関する補正係数が考慮されていないのはなぜか。
A7−1. 「考え方|許容応力度法」画面において、鉛直支持力の準拠基準を「道示W」としている場合は、同項目の「寸法効果を考慮する(道示W)」の設定に従います。
準拠基準が上記以外の場合は常に考慮します。
 
Q7−2. 「安定計算」の出力において、支持地盤の単位重量γ1の値が水位無視と水位考慮いずれも水中重量になってしまうのはなぜか。
A7−2. 本プログラムでは、水位が0以上に設定されているとき(水位無視時含む)、すべり円より下までは水位は下がっていないと考え、γ1は水中重量を用いγcからγw’を控除する仕様となっております(詳しくは[土砂、地盤]ダイアログのヘルプからリンクされている「支持地盤の単位体積重量(γ1)、根入れ地盤の単位重量(γ2)、および上載荷重(q)の算出方法」を参照ください)。

1.実際の水位がすべり円より下に位置するとき
水位として負値を設定してください。

2.実水位が0以上であるが、支持地盤が岩盤のときはγ1に対して浮力を考慮したくない
現在のプログラムでは対応しておりません。
本ケースにつきましては、ご要望としてバージョンアップ時に対応を検討したいと思いますが、示方書にはお考えのような方法についての記載がございません。
お考えの論拠または参考文献等ございましたらご教授くださいますようお願いいたします。
    
Q7−3. 直接基礎時の基礎バネに関する計算書を出力したい。
A7−3. 以下の何れかの方法で出力を行ってください。
・「基礎」画面の「プレビュー」ボタンを押下する。
・計算書「結果詳細」の出力項目の設定画面において、「基礎ばね計算(直接基礎)」または「基礎ばね」にチェックし、「プレビュー」を行う。
※直接基礎以外または「基礎」画面の設定方法を「直接指定」としている場合は、基礎ばね値のみの出力となります。
    
Q7−4. 段差フーチングにおいて、段差直交方向の常時(偏心なし)の地盤反力度が両側で同一とならないのはなぜか
A7−4. 段差直交方向においては、段差方向の偏心荷重の影響も考慮し、地盤反力度の補正を行います。
詳しくは、以下の項目をご覧ください。
・製品ヘルプ
 「計算理論及び照査の方法|許容応力度法による安定計算及び柱、フーチングの設計|安定計算|直接基礎の場合の安定計算」の「・段差フーチングによる地盤反力度の補正」
・計算書
 「結果詳細|安定計算|各荷重ケース毎の作用力の集計および、安定計算|■地盤反力度」
    
Q7−5. 段差なしフーチングの場合も斜面上の基礎として計算可能か
A7−5. 可能です。
「材料|地盤/埋め戻し土」画面において、斜面上の基礎として計算するスイッチを方向ごとに指定してください。
    
Q7−6. 直接基礎のフーチングの照査位置は任意に指定できるか?
A7−6. 現在は、直接基礎時の照査位置を下記の位置固定としており、任意の照査位置を指定することはできません。
・曲げ照査:設計上の付け根位置
・せん断照査:付け根高h/2位置
    
Q7−7. 斜面上の基礎として計算しているが水平地盤として計算される
A7−7. 「材料|地盤/埋め戻し土」画面の「谷方向」の設定をご確認ください。
荷重の作用方向と谷方向が一致しない場合、常に水平地盤として計算します。
    
Q7−8. 斜面上の基礎として計算時に支持力係数が算定されない
A7−8. 「H28.8 設計要領第二集 橋梁建設編(NEXCO)」(P.4-24〜)より支持力係数を算定できない場合はエラー(支持力係数0.0)としています。
この場合、支持力係数を直接入力いただくか、表より計算可能な角度を設定してください。
    
Q7−9. 直接基礎の塑性率による照査に対応しているか
A7−9. 現時点で、対応に必要な情報が不足しているため保留とさせていただいております。
ご了承くださいますようお願いいたします。
    
Q7−10. 滑動の照査時のせん断抵抗力に付着力CBを考慮したい
A7−10. 現在は、フーチング底面に突起を設置することはできないため、付着力CBを考慮することはできません。
※H24道示W(P.309)の表-解10.3.4より、現在は常にCB=0として扱っています。


 8.杭基礎

Q8−1.

杭基礎の場合、設計調書にフーチングの保耐計算を出力する方法は?
A8−1. 杭基礎側でレベル2地震時のフーチングの照査を実行することで橋脚側の設計調書に反映されます。
 
Q8−2. 杭基礎連動において、常時・レベル1地震時、レベル2地震時の計算を行わない場合の設定方法を教えてほしい
A8−2. ■常時・レベル1地震時
常時・レベル1地震時の照査を省略することはできません。
ご了承ください。

■レベル2地震時
1.「荷重|保有耐力法ケース」画面を開きます。

2.「検討する方向」のチェック(レ)を全て外し「確定」ボタンを押下します。
  ※確認メッセージは「はい」を選択してください。


 9.配筋

Q9−1.

横拘束鉄筋の有効長が不等間隔の場合、最大間隔を有効長とする場合の入力方法は?
A9−1. 新設設計・既設検討時は、「考え方|共通」画面の「柱の横拘束鉄筋、せん断補強鉄筋」の選択に従い下記の手順で入力してください。

■「配筋情報から求める」としている場合
 1.「部材|柱帯鉄筋」画面で「横拘束鉄筋の有効長を直接指定」をチェックします。
 2.同画面で「da,dr」を設定します。

■「考え方|共通」画面の「柱の横拘束鉄筋、せん断補強鉄筋」を「鉄筋量、有効長等を設定する」としている場合
 1.「部材|帯鉄筋」画面で「da,dr」を設定します。


※塑性ヒンジ長の算定に用いる有効長は、上記の「横拘束鉄筋の」→「塑性ヒンジ長の算定に用いる」、「da,dr」→「da',dr'」に読み替えて下さい。
※RC巻立て系補強時は「補強|柱部材」画面の「帯鉄筋」で「横拘束筋の有効長を直接指定」にチェックして下さい。
 
Q9−2. 拘束筋の有効長を任意の長さで入力したい場合はどのようにすればよいか?
A9−2. [考え方]ダイアログで、[柱の横拘束筋、斜め引張鉄筋]を[計算に用いる鉄筋量、有効長等を設定する]に変更してください。
これにより、[柱帯鉄筋]ダイアログが設計計算に用いる有効長等を直接設定するモードに変わります。
ただし、このモードでは有効長だけではなく、鉄筋量等も設定する必要があり、現在は図面作成を行うこともできません。ご了承ください。
 
Q9−3. 「コーナー部」にある鉄筋の入力方法は?
A9−3. 新設・既設時の入力において、橋軸、橋軸直角共通の『コーナー部』にある鉄筋は以下のように扱う仕様としています。
 許容応力度法:橋軸方向および橋軸直角方向の両方向の計算に用います。
 保有耐力法 :断面内の全鉄筋を使用しますが、ダブルカウントをしないように処理しています。
 ※許容応力度法、保有耐力法ともに位置が重複している鉄筋については径の大きい方を用います。
 ※実際に考慮する主鉄筋につきましては、[部材|柱主鉄筋]画面の「配筋図」より開かれる配筋図および同画面ヘルプをご覧ください。

また、補強主鉄筋に関しては、現行バージョンでは、コーナー部の鉄筋は橋軸、直角方向で重複しないように設定していただく必要があります。
 
Q9−4. インターロッキングの帯鉄筋間隔diの算出方法は?
A9−4. インターロッキング式橋脚の場合、橋軸方向と橋軸直角方向のかぶりは同じであると考え、次のようなルールで円形帯鉄筋の中心間隔を決定しています。

・小判形(2連〜4連)、4連で中心間隔を指定しない場合
円弧部と直線部の交点両端に円の中心がくると考え「直線部の幅/(連数−1)」で算出しています。

・小判形(4連)、中心間隔を指定する場合
円弧部と直線部の交点両端に円の中心がくると考え、中心2円の間隔は入力値、両端2円の間隔は「(直線部の幅−中心2円の間隔)/(連数−2)」で算出しています。

・矩形面取り(2連〜4連)、4連で中心間隔を指定しない場合
面取り部の寸法が短辺長/2となる幅と高さが等しい小判形断面を考え、小判形時と同様に「直線部の幅/(連数−1)」で算出しています。

・矩形面取り(4連)、中心間隔を指定する場合
面取り部の寸法が短辺長/2となる幅と高さが等しい小判形断面を考え、小判形時と同様に「(直線部の幅−中心2円の間隔)/(連数−2)」で算出しています。
 
Q9−5. インターロッキング橋脚のレベル1地震時の計算において橋軸方向と橋軸直角方向の鉄筋本数のカウントの方法は?
A9−5. 現行バージョンでは、「考え方|共通」画面の「インターロッキング式橋脚の計算時の鉄筋配置」に従って下記のようにモデル化しています。
また、矩形面取り時の面取り部「※2」を除き、全ての軸方向鉄筋を有効とし、許容応力度法(レベル1地震時)と保有耐力法(レベル2)で同じモデル化としています。

・「[配筋図]と同配置とする」の場合(デフォルト)
「部材|柱主鉄筋」画面の[配筋図(=図面作成時の配置)]で表示される鉄筋と同じ位置に段鉄筋として配置し計算を行います。
インターロック部の交点に重複して配置される鉄筋は1本としてカウントします。
・「帯状に配置する」の場合
入力された鉄筋本数の鉄筋量が各円弧上に帯状に配置されているものとして計算を行います。
インターロック部の交点に重複して配置される鉄筋の控除は行いません。

※1.計算時の鉄筋配置につきましては、計算書「結果詳細|柱の設計(レベル2地震動時の保有耐力法による照査)|主要断面のMc、Myo、Mu」の「1) 条件 主鉄筋」等をご覧下さい
※2.柱形状タイプが矩形面取りの場合、保有耐力法による照査時は、面取り部のコンクリートが剥離すると考え、有効断面を小判形として「M−Φ」関係を求めます(面取り部のコンクリートおよびR部・直線部の主鉄筋は無視します)。
 
Q9−6. 中間帯鉄筋のピッチを直接指定したい
A9−6.
中間帯鉄筋のピッチを直接指定することはできません。
帯鉄筋ピッチの倍数値による指定か、帯鉄筋ピッチに換算した鉄筋量を入力していただくかのどちらかとなります。
帯鉄筋は「考え方|共通」画面の「柱の横拘束筋、斜め引張鉄筋」で入力方法の選択が可能ですので、タイプに応じて下記設定を行ってください。
 
■配筋情報から求める場合
 「部材|柱帯鉄筋」画面の「高さ方向配置」の表において「中間帯鉄筋間隔倍数」を設定してください。
 例えば、帯鉄筋間隔が300mm、中間帯鉄筋間隔が600mmの場合は、「中間帯鉄筋間隔倍数=2」としてください。
 
■鉄筋量、有効長等を設定する
 「部材|柱帯鉄筋」画面で、計算に用いる条件を直接設定してください。
 入力の際は、中間帯鉄筋の断面積を帯鉄筋の高さ間隔に換算し、帯鉄筋の断面積に加算した最終的な値を設定してください。
 
Q9−7. 「部材|柱帯鉄筋」画面の「中間帯鉄筋間隔倍数」とは何か
A9−7.
帯鉄筋(外周)の高さ間隔に対する中間帯鉄筋の高さ間隔の倍数となります。
たとえば、帯鉄筋の高さ方向間隔が150(mm)で中間帯鉄筋の高さ方向間隔が300(mm)の区間では、「中間帯鉄筋間隔倍数」は「中間帯鉄筋の高さ方向間隔300(mm)/帯鉄筋の高さ方向間隔150(mm)=2」となります。
 
Q9−8. 無筋コンクリート構造に対応しているか
A9−8.
本製品は鉄筋コンクリート構造のみに限定しており、無筋コンクリート構造とすることはできません。
ご了承ください。
 
Q9−9. 既設部やRC巻立て補強部の断面に径の異なる軸方向鉄筋を交互に配置することは可能か。
A9−9.
現在、同じ位置(芯かぶり)に径の異なる配筋を設定することはできません。
この場合、かぶりを1mm、または鉄筋表面位置(純かぶり)が同じ位置になるようにかぶりの調整を行うことでご対応ください。
※本製品のかぶりは、コンクリートの表面から鉄筋の中心位置までの距離(芯かぶり)で入力します。

また、柱の帯鉄筋については、下記を参考に1段配筋時のモデルとなるように設定を行って下さい。
■既設部
「考え方|共通」画面の「柱の横拘束鉄筋、せん断補強鉄筋」の選択に応じて、「部材|柱帯鉄筋」画面を設定してください。
・「配筋情報から求める」としている場合
「主鉄筋が多段配筋(全周鉄筋)時の帯鉄筋の取り扱い」のチェック(レ)を2つとも外してください。
・「鉄筋量、有効長等を設定する」としている場合
1段配筋としてモデル化した場合の断面積を設定してください。

■補強部
1.「補強|柱部材」画面の「帯鉄筋」において、「横拘束筋および斜引張鉄筋の断面積を直接指定」をチェックします。
2.既設部と同様に1段配筋としてモデル化した場合の断面積を設定してください。
 
Q9−10. 多段配筋で帯鉄筋配置間隔が異なる場合の入力に対応しているか。
A9−10. 多段配筋で帯鉄筋配置間隔が異なる場合、下記の手順で計算に用いる諸値を直接入力することでご対応下さい。
  1. 「考え方|共通」画面の「柱の横拘束鉄筋、せん断補強鉄筋」において「鉄筋量、有効長等を設定する」とします。
  2. 「部材|帯鉄筋」画面において、計算に用いる断面積を設定してください。
 
Q9−11. 橋軸方向と直角方向で柱主鉄筋のかぶりを変更することはできるか。
A9−11. ■矩形
初期状態で変更可能です。
「部材|柱主鉄筋」画面にて、方向ごとに入力して下さい。

■矩形面取り
下記の手順で変更可能です。
1.「考え方|共通」画面の「矩形面取り柱配筋の入力方法」を「矩形配筋」とします。
2.「部材|柱主鉄筋」画面が矩形時と同等の入力となりますので方向ごとにかぶりを入力して下さい。
※R部または直線面取り部についても段鉄筋として設定いただく必要がございます。

■円形、小判形
全周同一かぶりとなります。
方向ごとに変えることはできません。


 10.はりの設計
Q10−1. はりの設計において、保耐法を行う必要があるか?
A10−1. 本プログラムでは、道示IV p.164 5.2.2(1)塑性化を考慮しない部材として、はりの照査ができるようにしています。
詳しくは、上記項目をご参照ください。
また、設計する必要があるかどうかは、設計者のご判断で決定してください。
 
Q10−2. はりの照査において『水平方向のせん断照査時には、せん断スパンaの影響は考慮しません』とする理由は?
A10−2. 鉛直方向および固定部材(道路橋の耐震設計に関する資料(社)日本道路協会 p2-136)では、片持ちばりモデルの支点部分が十分に固定されていると考えられますが、水平方向の照査においては、図(網掛け部分を支点部とお考えください)に示すように、十分に固定されているとは考えられません。
上記の理由により、構造からせん断スパンの影響を考える必要はないと判断し、現行バージョンでは、鉛直方向とは異なるモデルで照査を行っています。
    
Q10−3. 「荷重|はり設計用水平反力」のコーベルに設定する水平力には何を入力したらよいか?
A10−3. お問い合わせの入力につきましては、他のお客様からご要望をいただき、H14道示V(P.324 図−解18.4.1)における「水平荷重H」(橋軸直角方向に作用する支点水平反力)を考慮できるようにVer3.06.02より対応したものです。
上記の荷重の扱いにつきましては、「コンクリート道路橋設計便覧(平成6年2月(社)日本道路協会)」の(P.477〜478)をご覧ください。
※プログラム上は任意の水平荷重として扱い、コーベルとしての設計時の「設計引張力」に加算します。
    
Q10−4. せん断応力度の計算において、死荷重時の必要鉄筋量(Awreq)算出時、常時の基本値ではなく、σsa=100で算出しなくてもよいのか?
A10−4. 初期状態では、スターラップ量の算定に用いる許容引張応力度として、荷重の組み合わせに衝突荷重又は地震の影響を含まないときの許容引張応力度を用いて算出する仕様としております(はりに適用する死荷重時の許容引張応力度は、曲げ照査のみに適用すると解釈しております)。
本件につきましては、基準類に明記されているわけではありませんが、道示W(p.156 (1) 1) )の下記の記述より判断し現在の仕様としています。
『はり部材等のように活荷重及び衝撃荷重以外の主荷重が作用する状態において引張応力度が発生する部材に対し、活荷重等の作用による有害なひび割れの進展を抑えるために、その状態における鉄筋の許容応力度を新たに規定した。』
お考えのモデル化が異なる場合は、「考え方|許容応力度法」画面の「死荷重時の必要斜引張鉄量計算は死荷重時のσsaを用いる」で考え方を設定してください。
    
Q10−5. せん断摩擦理論の出典を教えてほしい
A10−5. せん断摩擦理論については、中部地方整備局や阪神高速道路公団等で採用されております設計マニュアルに記載されています。
詳しくは各設計マニュアルをご覧くださいますようお願いいたします。
    
Q10−6. はりスターラップ入力時に「エラー: 配筋指定文字列は定義されたピッチ数が設定可能な上限を越えます。」となる
A10−6. 現在は、「+」で区切られたピッチの組合せの上限を10組としています。
上限チェックにより設定が行えない場合、下記の何れかの方法によりご対応ください。

・せん断照査位置において正しいピッチが取得できるようにピッチを集約する。
 例えば、照査を行なわない柱上部のピッチを一つにまとめる。

・「簡易指定」により計算上のピッチを区間ごとに直接指定する。
    
Q10−7. 「考え方|保有水平耐力」画面の「はり|水平方向せん断スパンa<d/1.15のときaを適用する」のスイッチを追加したのはなぜか
A10−7. H24道示対応版以前のはり水平方向の検討では、せん断スパン関連の扱いが明確にされておらず、cdc,cds等の補正係数及びせん断スパンaがd/1.15より小さい場合の例外規定は適用しておりませんでした。
しかし、H29道示対応版では、H29道示において部材設計の規定が一般化され、鉛直断面と水平断面の区分けはされておらず、水平方向の検討にa≦d/1.15となる場合の考え方を適用することに問題はないと判断し仕様を変更しております。
この仕様変更に伴い、H24道示対応版でも同様の考え方を適用できるよう、本スイッチを追加しました。
    
Q10−8. はり部材に架け違い台座を設定できるか。
A10−8. 「形状タイプ」が「はり式(矩形)」の場合、下記の手順で設定可能です。
1.「形状|はり」画面において、「設定方法」を「拡張モード」とします。
2.「架け違い台座」の項目でガイド図を参考に位置と寸法を設定してください。
※台座は重量と慣性力のみに考慮し、はり照査時の断面に考慮することはできません。

なお、「形状タイプ」が「はり式(矩形)」以外の場合につきましては、対応しておりません。
この場合、架け違い台座の死荷重をオプション荷重の「橋脚天端に作用するその他死荷重(集中もしくは分布)」として設定いただくことでご対応ください。
    
Q10−9. はり形状と配筋が全く同じの場合、形状タイプが「はり式(矩形)」と「張出し」の選択で照査結果は変わりますか。
A10−9. 外形及び配筋が同じである場合は、設計上の相違はありません。
※[はり式(矩形)]は「はり」が「柱」の上に載る形状です。
 [張出し]は「はり」が「柱」の脇に付く形状です。
    
Q10−10. コーベルとしてのレベル2地震動に対する照査に対応しているか。
A10−10. Ver.14.4.0より対応しています。
照査を行うには、「考え方|保有耐力法」画面の「はり・フーチング・基礎|はりのコーベル照査|コーベルとしての条件を満たす場合はコーベルとして設計する」をチェックしてください。

<補足>
これまで、H24道示以前のコーベルとしてのレベル2地震動に対する照査方法については、破壊抵抗曲げモーメントの算定方法について基準類に明確な規定がなく通常のはりと同等の照査としておりました。
H29道示では上記の取り扱いが明確にされたため、H29道示の知見を取り入れH24道示版でも同様の照査が行えるように対応を行いました。
※H29道示では、コーベルとして設計を行う場合に、設計曲げモーメントと制限値の比較により照査を行うことが規定されています。
    
Q10−11. 水平方向断面のせん断照査において、はり付け根を照査位置としているのはなぜか。
A10−11. 照査位置は、「道路橋耐震設計に関する資料 平成9年3月(社)日本道路協会」(2-25)に従っています。
「平成29年道路橋示方書に基づく道路橋の設計計算例 平成30年6月 公益社団法人 日本道路協会」(P.421)2.2.2(1)も参考にして下さい。
    
Q10−12. はり補強時に既設部と補強部の鉄筋材質の相違は計算に考慮されるのか。
A10−12. 既設部と補強部それぞれの材質(降伏点強度)を用いて、下記の流れで計算しています。
  1. 既設部最外縁鉄筋が降伏するときの曲げ耐力My1を算定します。
  2. 補強部最外縁鉄筋が降伏するときの曲げ耐力My2を算定します。
  3. 小さい(先に降伏に達する)方を降伏曲げ耐力Myとします。


 11.柱の設計

Q11−1.

中立軸が断面外にある場合の応力計算(柱)の計算式は?
A11−1. 「応力計算」について教科書類に示されているような式で求めているとお考えのようですが、教科書類はかなり限定された条件で用いられるもので一般化されたものではないために、本製品では採用していません。
本製品で行なっている計算手法は、コンクリート断面を矩形と円形のブロックで表現し、鉄筋は段状や円状に配置されているものの組合せとして表現して、中立軸を仮定し各要素の応力度を積分し軸力、曲げモーメントを計算します。
そして、それらを作用断面力と比較することで最終の中立軸位置を求める(中立軸を移動し計算を繰り返す)、という収束計算を行なっています。
 
Q11−2. 設計調書と計算書で柱軸方向鉄筋の本数と鉄筋量が異なる。
A11−2. 本プログラムの調表様式は資料(詳細設計照査要領 H.11.3 社)関東建設広済会)を参考にしております。
上記資料において、「多段配筋の場合は、最も外側に配置した軸方向鉄筋の本数とその段数を記入し、鉄筋量はその合計値を記入する」とあり、「本数」はこれに準じています。
また、「鉄筋量」につきましては、現在は「前面+背面+側面」の合計値を表示しております。

お考えの値と異なる場合は、お手数ですが、設計調書の「必要事項の記入」ボタンにより値を直接編集いただきご対応くださいますようお願いいたします。
 
Q11−3. 応答塑性率が計算されないが?
A11−3. [初期入力]ダイアログの重要度区分が「A種の橋」の場合は、残留変位の照査を行わないため、応答塑性率の計算は行いません。
 
Q11−4. 柱の保有耐力照査において、McとMuまたはMyとMuが逆転した場合に保証外と警告がでるのはなぜか。
A11−4. お問い合わせの警告は、「Mc、My、Mu」の順番が逆転している場合に、解析方法の適用性に疑義があるため、表示しています。
また、逆転しているモーメントによっては、構造細目(道示IV 下部後編 H.14 7.3)に抵触します。
一般には、形状、鉄筋量を見直すことで、逆転を解消することが可能です。例えば、鉄筋量が極めて多い,断面高に対してかぶりが大きいことなどが要因として考えられます。

・解析方法の適用性
本プログラムでは、道示V耐震設計編(H14)式-解10.3.6により初降伏変位を求めています。この解析方法はMc≦My≦Muとなることを前提としていると解釈しております。
そのため、「Mc、My、Muの順番が逆転している」場合、どのφを用いるべきか分からないため(プログラムでは最初に見つかったφを用いています)、「この結果については保証外」としております。
・Mc、Muの逆転
道示IV H.14 7.3 解(1)1)の主旨に準じるならNGと思われます。
ただし、許容応力度法と保有耐力法における断面モデル化の違い等から、許容応力度法ではMc<Mu、保有耐力法ではMc>Muがあり得ます。
・My、Muの逆転
道示IV H.14 7.3 解(2)の主旨に準じるならNGと思われます。
ただし、許容応力度法と保有耐力法における断面モデル化の違い等から、許容応力度法ではMy<Mu、保有耐力法ではMy>Muがあり得ます。

上記より、設計者に「結果を有効とするか無効とするか」最終判断を委ねるため、警告としております。
 
Q11−5. 中空円柱橋脚の場合、橋軸、橋軸直角方向合成のケースを検討する必要性はあるのか?
A11−5. 円形の場合は断面に方向性がないため、合成方向で検討できるようにしています(文献等を参考にした訳ではありません)。
検討方向に直交する方向の作用力が設定されなければ、橋軸,直角方向でそれぞれ独立に計算しています(許容応力度法の合成方向の計算はオプション機能であるとご理解ください)。
また、照査の必要性については、設計者の判断で決定ください。
 
Q11−6. 小判形中空断面の場合のせん断モデル(ウェブ厚、有効高さ)はどのように考えているか。
A11−6. 中空小判形の場合、換算方法が基準類に明記されておりませんが、下記のようにせん断モデルを設定しています。

■許容応力度法
1.小判形の両端の円弧部を円形として、道示X(P168 図−解10.5.5)により外形の短辺を求め、小判形と等面積になるように外形の長辺を求めます。
2.中空部について同様に換算寸法を求めます。
3.上記より求まった、寸法より、「ウェブ厚=換算幅(外形)−換算幅(中空部)」として求めています(中空部はウェブ厚に含めません)。
4.有効高さは、ヘルプの「計算理論及び照査の方法|許容応力度法による安定計算及び柱、フーチングの設計|柱の設計|せん断力に対する照査」の考え方(充実の場合と同じです)により求めます。

■保有耐力法
柱が中空の場合は、[部材|柱帯鉄筋]画面においてせん断耐力算定用データを直接指定するモードのみサポートしてしています。
計算時は上記画面において設定された「be、d」を使用しますが、実際の設定値につきましては、許容応力度法を参考にお客様ご自身でご判断下さい。
 
Q11−7. 計算書の主荷重のモーメントは、死荷重偏心モーメントの値以外にどのような値が考慮されているか。
A11−7. 「主荷重によるモーメント」は、次のようなケースで柱に生じる偏心モーメントとなります。
 1.はり、柱形状の偏心によるモーメント
 2.上部工反力の偏心(はりの中心との偏心)によるモーメント
 3.「荷重|保有耐力法ケース」画面で設定している「死荷重偏心モーメント」
 4.「荷重|保有耐力法ケース」画面で設定している「死荷重水平力」によるモーメント

ここで、「1,2」については内部計算、「3,4」については入力値となります。
なお、プログラムでは、「考え方|保有耐力法ケース」画面の「柱に生じる主荷重によるモーメント」で考え方を指定することができます。
あわせて、上記入力項目のヘルプおよびH14道示X(P.190〜193)をご覧ください。
 
Q11−8. 橋軸方向のみの段落としの場合、直角方向の損傷断面の判定や段落とし部の照査を省略することはできないか。
A11−8. レベル2地震時の照査では、一般的に断面に配置される全軸方向鉄筋を考慮しますので、橋軸方向のみの段落としであっても、直角方向の結果に影響します。
上記をご留意の上、計算書から関連項目を削除する場合は、次の手順で編集を行ってください。

<項目ごと削除する場合>
1)計算書のプレビューを表示します。
2)プレビュー画面上部左上の「編集」ボタンを押下します。※閉じる(X)の下にあります。
3)削除したい項目の左にあるチェック(レ)を外します。
4)必要に応じて章番号の振り直し(「123↓」ボタン)等を行い、再度「編集」ボタンを押下することでプレビューに反映されます。

<項目内の一部の情報を編集・削除する場合>
1)計算書のプレビューを表示します。
2)編集したい項目を選択し表示します。
3)プレビュー画面上部の「ソース」を選択し、編集(結果の削除など)を行います。
4)プレビュー画面上部の「プレビュー」を選択し、印刷を行ってください。
※「印刷プレビュー」画面から開くヘルプに出力機能の説明がございますのでこちらもご参照ください。
 
Q11−9. 基部以外の任意の位置におけるせん断耐力を用いて破壊形態の判定を行いたい
A11−9.
設計対象に応じて、以下の項目を設定してください。
(1)新設、既設検討時
・「部材|柱帯鉄筋」画面の「破壊形態の判定に用いるせん断耐力|中間部を含める」にチェック(レ)します。
・「着目点から抽出」または「照査高さ指定」で中間部の算定方法を設定します。
(2)補強設計時
・「補強|柱部材」画面の「せん断耐力算定条件|破壊形態の判定|中間部を含める」にチェック(レ)します。
・「着目点から抽出」または「照査高さ指定」で中間部の算定方法を設定します。
なお、現行バージョンでは、「中間部を含める」としている場合、基部と中間部で小さい方のせん断耐力を採用する仕様としております。
従いまして、補正係数cc等の影響により、「基部のせん断耐力<中間部のせん断耐力」となる場合は、基部の値が採用されますことを予めご留意ください。
    
Q11−10. 柱の保有水平耐力照査のひび割れ、初降伏、終局の各モーメントの算出方法が計算書で確認できない。
A11−10.
現行バージョンでは、計算書上で計算過程を確認することはできません。

以下に計算の考え方、計算式、計算に用いた諸値の一部が確認可能なヘルプおよび計算書の該当個所をご案内いたしますので参考にしてください。
なお、水平耐力及び水平変位の算出は、道示X 10.3項に従っています。

・ひび割れモーメントについて
計算式につきましては、製品ヘルプの「計算理論及び照査の方法|保有耐力法による柱の照査|水平力P−水平変位δの算出|ひび割れ時の曲げモーメントと曲率の算出」をご覧ください。
あわせて、計算書の「結果詳細|柱の設計(レベル2地震動時の保有耐力法による照査)|主要断面のMc、Myo、Mu」をご覧ください。

・初降伏モーメント、終局モーメントについて
本プログラムでは、断面に対して、中立軸位置を仮定し各要素(鉄筋、コンクリート)の応力度を積分し軸力を求め、作用軸力と比較することで最終的な中立軸位置を求める(中立軸を移動し計算を繰り返す)という収束計算を行っています。
詳しくは、製品ヘルプ「計算理論及び照査の方法|保有耐力法による柱の照査|水平力P−水平変位δの算出|初降伏時及び終局時の曲げモーメントと曲率の算出」の「2.初降伏時曲げモーメント及び曲率」および「3.終局時曲げモーメント及び曲率」をご覧ください。
上記のとおり、収束計算を用いているため、算出過程を式としてご説明することができませんことをご了承ください。
    
Q11−11. 「既設橋梁の耐震補強工法事例集 平成17年4月(財)海洋架橋・橋梁調査会」(T−44)に記載されている、橋脚が十分な耐力を有する場合の段落し部の照査を行いたい。
A11−11.
以下の手順で準拠基準および考え方の設定を変更し、ご確認ください。

 1.「初期入力」画面の左上にある「基準設定」より開かれる画面において、「既設検討」項目の準拠基準を「既設橋梁の耐震補強工法事例集」へ変更します。
   ※RC巻立て、鋼板巻立て補強時は「補強検討」の項目において、選択を行ってください。
 2.同画面において、「上記の基準で関連項目を初期化する」をチェックし「確定」後、「詳細設定」ボタンを押下します。
 3.「考え方|保有耐力法」画面の「柱|段落とし部の曲げ、せん断耐力による損傷判定」において、橋軸方向・直角方向をともにチェック(レ)します。
    
Q11−12. 最小・最大鉄筋量照査でMuの算定方法は道示Vと道示Xどちらに従っているのか
A11−12.
H24道示W「7.3 最小鉄筋量,最大鉄筋量」では、最小鉄筋量判定時の最大抵抗曲げモーメントとして、コンクリート橋編4.2.2に規定している破壊抵抗曲げモーメントとして計算してよいと記載されています。最大鉄筋量についても同様に、コンクリート橋編4.2.2を参考に検討を行うとされていることから、現在は常に道示Vの方法に従っています。
※上記に伴い、Ver.11.0.0において、「考え方|許容応力度法」入力画面の「柱|鉄筋量照査時(My0、Mls算出)の準拠基準」のスイッチを削除しています。
    
Q11−13. レベル1地震時の柱の照査を動的解析で行っているため、常時のみの検討を行いたい
A11−13.
「荷重|許容応力度法ケース」画面において、地震時のケースを全て削除してください。
このとき、設計水平震度はダミーの値を設定いただくことでご対応ください。
    
Q11−14. せん断耐力にディープビーム効果を考慮しているが、応答塑性率が1より大きくなるという警告が表示される
A11−14.
本警告は、「考え方|保有耐力法」画面の[柱(特殊条件)|a/dが2.5以下のときのディープビーム効果]において、せん断耐力にディープビーム効果を見込むとしており、応答塑性率が1.0より大きくなる場合に表示しています。
ディープビーム効果は、考慮することでせん断耐力が向上し、一般的に危険側の設計となるため、設計者の判断により考慮できると考えられる場合のみ適用してください。
例えば、「既設橋梁の耐震補強工法事例集」(U-33)では、弾性応答(μr≦1.0)であることからディープビーム効果を見込めると判断しています。
また、3箇年プログラムでは、応答塑性率1.5程度までその効果を見込めるとされています。
    
Q11−15. H24道示X(P.167)の適用範囲は計算書に表示されていないのか
A11−15.
現在は、下記に該当する場合、警告を表示しておりますが、照査項目として計算書等への記載は行っておりません。
この理由としましては、H24道示X(P.167)の条文とH24道示X(P.172)解説文の6〜11行目より、「適用範囲」と「実験的に検証されている条件」が異なっており、最終的な判断が設計者に委ねられる部分があるためです。
恐れ入りますが、ご了承くださいますようお願いいたします。

■「材料|躯体」画面確定時
1.「材料」画面でSD390またはSD490を使用しσck30(N/mm^2)が選択されていない。
※H24道示X(P.172)解説文の13行目を参考にSD390もチェック対象に含めています。

■計算確認時
1.軸方向鉄筋比が2.5%を上回る(塑性化の影響を考慮する領域の充実断面部のみ)
2.横拘束鉄筋比が1.8%を上回る
3.柱基部の軸圧縮応力度が3(N/mm^2)を上回る
※上記の3点につきましては、条文の「適用範囲」を優先しています。
    
Q11−16. 偏心橋脚で躯体にねじりモーメントが作用する場合の照査に対応しているか
A11−16.
ねじりモーメントに対する照査には対応しておりません。
恐れ入りますが、別途ご検討くださいますようお願いいたします。
    
Q11−17. 柱のせん断応力度照査で許容応力度に補正係数CNを考慮したい
A11−17.
下記の項目で考慮有無を選択することが可能です。
・「考え方|許容応力度法」画面の「柱|柱の許容せん断応力度τa1に補正係数CNを考慮する」
考慮する場合は、上記のスイッチをチェック(レ)しご検討ください。
    
Q11−18. 免震橋の許容塑性率μmと補正係数CEを用いた保有水平耐力法による照査を行うことは可能か
A11−18.
H24道示では、免震橋において保有水平耐力法を適用する簡便的な方法が削除されています。
これに伴い、現在は同機能を制限しています。
本件につきましては、今後の改訂において、従来の方法を参考にした計算を行えるように拡張を予定しています。
    
Q11−19. 下部工及び基礎の減衰効果を考慮した設計水平震度で照査を行いたい
A11−19.
■単独設計時
以下の手順で設定を行ってください。
1.「荷重|保有耐力法ケース」画面において、「基礎の減衰|補正係数CEを考慮する」をチェックします。
2.同画面の「補正係数CE」を入力してください。
※単独設計時は、別途算定された補正係数CEを直接入力していただく仕様としています。

■震度連携時
「震度算出(支承設計)」(Ver.10.0.0以降)で、以下の項目を設定し連携を行ってください。
1.「基本条件」画面の「設計水平震度|下部構造の減衰特性を考慮した設計水平震度を適用」にチェック(レ)します。
2.「減衰定数|下部工及び基礎の減衰定数」画面で算定条件を設定してください。
※「震度算出(支承設計)」のVer.10.0.0以降が必要です。
    
Q11−20. 曲げ破壊型の場合に許容塑性率を1.0とするスイッチはどのようなケースで適用するのか
A11−20.
H24道示X(P.164)では、「ダム湖に架かる橋の橋脚のように地震後の点検や修復が著しく難しい条件等の場合は〜中略〜許容塑性率を1.0とする考え方もある。」と記載されています。
    
Q11−21. P-δ関係算定に用いる初降伏曲げモーメントMy0と、損傷断面の判定に用いるMty0に相違があるのはなぜか
A11−21.
P-δ関係算定に用いるMy0と損傷断面の判定に用いるMty0では、計算時の断面モデルが異なります。
具体的には、下記に該当する場合、P−δ関係(各着目点のM-φ含みます)算定において、主鉄筋の段落しを無視したモデルを用います。
また、損傷断面の判定に用いるMty0につきましては、常に段落しを考慮した実断面モデルを用います。

1.既設時
「考え方|保有耐力法」画面で「既設橋脚の検討方針」を「基部損傷の曲げ破壊型に補強することを前提とした照査」または「基部損傷となるように補強することを前提とした照査」としており、かつ損傷断面の判定で「段落とし部損傷」と判定される場合。
※実断面モデルを用いる場合は、「既設橋脚の検討方針」を「現況のまま耐震性を検討する」としてください。

2.RC巻立て、鋼板RC巻立て、PCコンファインド工法
「考え方|補強」画面で「P−δを求めるときのモデル化」を「基部の断面モデルを全高に適用」としており、かつ「補強|工法、材料」画面で、「アンカー定着」を「定着・非定着」としている場合。
※実断面モデルを用いる場合は、「P−δを求めるときのモデル化」を「実態を反映した断面モデルを適用」としてください。

3.鋼板巻立て工法
「考え方|補強」画面で「P−δを求めるときのモデル化」を「基部の断面モデルを全高に適用」としており、かつ「補強|工法、材料」画面で、「アンカーを設置する」としている場合。
※実断面モデルを用いる場合は、「P−δを求めるときのモデル化」を「実態を反映した断面モデルを適用」としてください。

4.連続繊維巻立て工法
損傷断面の判定で「段落とし部損傷」と判定される場合。
※連続繊維補強で「段落とし部損傷」となる場合、段落とし部が適切に補強されたものと仮定し、段落しがないモデルとしてP−δ関係を求めます。
    
Q11−22. 保有水平耐力の照査において、基部以外がひび割れ状態となり警告が表示されるが計算上問題があるか
A11−22.
橋脚の保有水平耐力法は、基部位置に塑性ヒンジを考慮した設計手法であるため、念のため警告としています。
計算理論上は特に問題なく、道示等の規定によるものでもありませんが、最終的には設計者の判断となります。
※ひび割れ水平耐力Pc及び水平変位δcは直接使用しません。
    
Q11−23. 塑性ヒンジ長Lpが柱高より大きくなる場合はどのように計算しているのか
A11−23.
H24道示では扱いが明記されていないため、算定された塑性ヒンジ長をそのまま適用しています。
また、この場合は計算時に警告メッセージを表示し、最終的な適用を設計者の判断に委ねています。
    
Q11−24. 「予備計算|M-φ」画面で「適用」ボタンを押しても補正が行われない
A11−24.
「適用」ボタンは、現在の画面に表示されているM-φ関係とその逆転状態に応じて補正を行います。
例えば、既に補正を行っており、画面上で逆転が発生していない場合は、ボタン押下時も補正は行われません。
この場合は、一度「内部計算」ボタンを押下後、改めて補正を行って下さい。
    
Q11−25. 橋軸方向または直角方向のCz・khcoに「0.4・Cz」が入力されていると警告が表示される
A11−25.
現行バージョンでは、以下の設定が行われている場合、設定値に誤りがある可能性があると判断し警告を表示します。
・「Cz・khco=0.4・Cz」と入力されている。
・タイプTとタイプUの「Cz・khco」が同じ値になっている。

「Cz・khco」は、基礎及びフーチングの照査においても使用します。
従いまして、道示X(解7.4.1)の照査(Pa≧0.4・Cz・W)を行う場合も、地域別補正係数Czに設計水平震度の標準値khcoを乗じた値を設定してください。
※ 道示X(解7.4.1)の照査(Pa≧0.4・Cz・W)を行う場合は、「Cz・khco=0.4・Cz」と設定するのではなく、「考え方|保有耐力法」画面の「柱(基本条件)|保有水平耐力の照査方法」を「Pa≧0.4・Cz・W(非免震)」または「Pa≧0.4・Cz・W(免震)」としてください。
    
Q11−26. 既設設計時の「予備計算|M-φ」画面において、トリリニア2の補正が選択できない
A11−26.
現在は、下記の理由よりH14道示の水平耐力−水平変位を用いる場合(一般に既設検討・補強設計)への適用を保留としています。

@Q&Aは、H24道示の構造細目を満足した橋脚に対して適用すべきと考えられる。
AH14年道示の限界状態は鉄筋の許容ひずみの規定がないため、H24道示の結果と比較し限界状態の曲率が大きく評価される場合が多い。

 →例えば、「道路橋の耐震設計に関する資料 平成9年3月(社)日本道路協会」(青本)の断面モデルにH24道示の算定方法を適用した場合、次のように引張限界時の曲率が圧縮限界時の曲率の半分以下となります。
  ・コンクリートの圧縮限界時の曲率φccl=0.03223473(1/m) ※H14道示の終局限界状態に相当
  ・鉄筋の引張限界時の曲率φst=0.01457163(1/m)

  ※Q&Aより「φls2=φst」までは確保されていると考えられますが、これをコンクリートの圧縮限界状態に相当するφcclまで確保されていると考えるのは危険側となるという点で保留としています。
    
Q11−27. 旧データ読込み時に警告[372]が表示されるがどうすればよいか
A11−27.
本警告を解消するには、下記のスイッチを「せん断耐力Ps0(cc=1.0)とする」としてください。
・「考え方|保有耐力法」画面の「はり・フーチング・基礎|杭基礎プログラムとの連動時|せん断破壊型時のPa≧1.5・khc・W式中のPa」
    
Q11−28. 段落し部の照査を別途動的解析で実施しているため省略したい
A11−28.
申し訳ございませんが、段落し部の照査を省略することはできません。
ご了承下さい。
    
Q11−29. 最小鉄筋量の「mあたり500(mm^2)の鉄筋量」はどのように算定しているのか
A11−29.
柱の全周長×500(mm2)の鉄筋量を用いています。
    
Q11−30. 動的解析を行う場合に静的解析による残留変位照査を不要と考える根拠はあるか
A11−30.
H24道示Xの下記項目をご覧下さい。
 ・P.127の(2)の1)→動的解析で求めた変位で残留変位の照査を行う
 ・P.130の(4)の解説→静的解析では最低耐力を有しているかを確認する。
    
Q11−31. 水中部材を選択しているのに鉄筋の許容引張応力度が一般部材の値になる。
A11−31. 柱設計時の常時のように、全断面圧縮状態となる場合は、鉄筋の許容圧縮応力度を用いています。
    
Q11−32. 柱に雪荷重(雪崩の影響)を考慮することは可能か。
A11−32. 可能です。
例えば、橋軸方向に作用する雪荷重を考慮する場合は、下記の手順で設定を行ってください。
1.「荷重|オプション荷重」画面の「任意荷重、その他作用力を使用する(許容応力度法のみ)」をチェック(レ)します。
2.「荷重|水平方向任意荷重(橋軸方向)」画面にて、雪荷重を設定します。
3.橋軸方向の該当する適用ケースをチェック(レ)してください。
    
Q11−33. 柱のレベル2地震動に対する照査おいて、柱基部に初期断面力(水平力、曲げモーメント)を作用させることは可能か。
A11−33. 下記の予備計算機能を用いることで、初期断面力として曲げモーメントのみ考慮することが可能です。
1.「考え方|保有耐力法」画面の「柱(基本条件)|予備計算|軸力、モーメントを直接指定する」をチェック(レ)します。
2.「予備計算|軸力、モーメント」画面で基部(i=0)のモーメントを調整します。
 ※最終的に基部に作用する曲げモーメントの合計値を設定して下さい。
 ※水平力については対応しておりません。
    
Q11−34. 柱のレベル2地震時のせん断照査において、せん断耐力を求めるときのせん断スパンの考え方を変更できるか。
A11−34. 「考え方|偶発(レベル2地震動)」画面−「柱(基本条件)」タブ−「せん断耐力算出時|せん断スパン」で下記範囲を設定することができます。
・基部から上部工作用位置
・基部から橋脚天端
・基部からはり下端
・照査位置からはり下端

詳しくは、「考え方|偶発(レベル2地震動)」画面ヘルプの「・せん断耐力算出時」をご覧ください。
    
Q11−35. 既設検討・補強設計時において、許容塑性率算定時の安全係数αを1.0としたい。
A11−35. Ver.14.3.0(Suite4.3.0)より対応しております。
「考え方|保有耐力法」画面の「許容塑性率|安全係数を1.0とする」で設定ください。
    
Q11−36. 軸方向鉄筋比が2.5%超える場合に警告を表示しているが、0.5%未満の場合に警告を表示しないのはなぜか。
A11−36. 現在は、H24道示X(P.167)の条文とH24道示X(P.172)解説文の6〜11行目より、「適用範囲」と「実験的に検証されている条件」が異なっています。
この点について、どのような扱いにするか検討しました結果、範囲として規定されるものは、コンクリートの設計基準強度のように「21〜30」と記載されていると判断し、現在の仕様としています。
※H24道示X(P.172)の9行目以降の解説も参考にしています。
 「実験的に検証されているのは〜(中略)〜であるが、評価方法の適用範囲と道路橋示方書に規定されている材料の範囲を踏まえて、適用範囲を条文のように規定している。」
    
Q11−37. 水平耐力が負となる場合に警告が表示されるが照査上問題があるか。
A11−37. 柱に非常に大きな偏心モーメントが作用する条件下では、死荷重状態において各着目断面の水平耐力が負となる場合があります。
このようなケースの扱いは、基準類で明確にされていませんが、構造物として好ましくない状態であると考えられます。
死荷重のみが作用する状態で、計算上ひび割れが発生しているため警告としていますが、最終的な判断は設計者に委ねています。
例えば、上記のひび割れが有害なレベルと判断される場合は対策を行う必要があると考えます。
※H24道示W(P.165)の(1)も参考にして下さい。

なお、死荷重時の柱に作用する可能性がある偏心モーメントは、下記のとおりです。
1.非対称形状によるモーメント。
2.オプション荷重の任意死荷重によるモーメント。
3.保有耐力法ケース画面の死荷重偏心モーメント。
4.はりの中心と柱の中心が異なる場合の上部工反力RDによるモーメント。
※RDの作用位置は、はりの中心として計算を行います。
    
Q11−38. せん断耐力算定用データ設定時の[配筋から設定]を押下しても中間部の諸値が反映されない。
A11−38. [配筋から設定]は、該当する「始端高さ(m)」の他の入力が完了していない行(下記の区間4)については機能しません。
下記の基部、区間2〜3のように、1行分のデータを設定した後、再度ボタンを押下してください。

※「始端高さ(m)」以外の値は適当な値でかまいません。
    
Q11−39. 「RC断面計算」で算出されるひび割れモーメントの値が異なる。
A11−39. 許容応力度法による照査に用いるひび割れモーメントMcにつきましては、「RC断面計算」の下記設定を変更することで橋脚側の値とほぼ一致させることができます。
  1. 「材料|コンクリート」の曲げ引張強度を小数点以下4桁まで入力します。
     ※橋脚製品では、H24道示W(P.186)のσbt = 0.23σck(2/3)の計算値を丸めずに使用しています。
  2. 「主鉄筋」の本数を「0.000」とします。
     ※H24道示W(P.186)の(解 7.3.1)より軸方向鉄筋を無視した断面積を用いています。
     ※初降伏モーメントの計算エラーとなりますが、Mcの結果は確認可能です。
    
Q11−40. レベル2地震時に柱基部に生じる断面力を確認したい。
A11−40. 橋脚柱の設計では、地震時保有水平耐力法を用いて、地震時慣性力による水平耐力の照査を行います。
この場合、実際に柱基部に生じる断面力(V、H、M)は照査に使用しないため算定しておりません。
    
Q11−41. 既設検討時に、許容応力度法照査を行わないのはなぜか。
A11−41. 既設検討時は、許容応力度法(常時,レベル1地震時)の部材照査を行うかどうかのスイッチがございます。
照査を行うには、「考え方|許容応力度法」画面の「既設検討・補強設計|既設検討時に部材の照査を行う」をチェック(レ)しご検討ください。
※「初期入力|基準設定」画面の「既設検討」を「既設橋梁の耐震補強工法事例集」としている場合、上記のスイッチは初期状態でオフとなります。
※「既設橋梁の耐震補強工法事例集」 I-28 3.2.2(1)には、「原則としてレベル1地震動に対する評価は行わなくてよい。」と記述されています。
    
Q11−42. 柱の許容変位を確認することは可能か。
A11−42. 計算書の「結果詳細|柱の設計(レベル2地震動に対する保有耐力法による照査)|結果一覧」の値より算定可能です。
・許容変位δa=μa×δy

※記号については、上記計算書をご覧ください。
※H24道示X(P.101)の(解6.4.1)も参考にしてください。
    
Q11−43. 耐震性能に応じた許容塑性率の算定に対応しているか。
A11−43. 対応しています。
橋脚の「初期入力」画面で「重要度区分」を選択して下さい。
  • A種の橋→耐震性能3として照査(残留変位の照査なし)
  • B種の橋→耐震性能2として照査(残留変位の照査あり)
計算結果については、下記項目をご覧ください。
  • 結果確認「部材設計|柱(保有耐力法)|許容塑性率及び降伏剛性」
  • 計算書「結果詳細|柱の設計(レベル2地震動に対する保有耐力法による照査)|破壊形態の判定ならびに地震時保有水平耐力及び許容塑性率」


 12.フーチングの設計

Q12−1.

フーチングのスターラップを千鳥配置または無視したい。
A12−1. 「部材|フーチングスターラップ」画面において、[配置方法]を指定してください。
 
Q12−2. 「フーチングなし」の計算は可能か?
A12−2. Ver.3.02.00より対応しています(Ver.3のライセンスが必要です)。
「初期入力」画面の「形状(基本)|フーチング形状」でフーチングの有無を指定してください。
なお、現行バージョンでは、深礎フレームとの連動時、直接基礎時(ケーソン基礎等の場合にダミーの基礎形式としての利用を想定)の場合に対応しています。
 
Q12−3. フーチング設計時の鉄筋量の考え方は?
A12−3. 結果出力の鉄筋量は有効幅を考慮した鉄筋量を単位幅あたりに換算しています。
(1)「有効幅」を求める。
(2)有効幅内に設置される鉄筋本数をカウントし、「有効幅内の鉄筋量」を求める。
(3)次式により、フーチングの単位幅当たりの鉄筋量を求める。
「単位幅当たりの鉄筋量」=「有効幅内の鉄筋量」/「有効幅」
 
Q12−4. フーチングのスターラップの設定で、フーチングの上側と下側で配置ピッチが異なる場合、どちらの配置が適用されるか?
A12−4. 上面、1段目に設定された配筋を元に間隔を求めています。
お考えのピッチが異なる場合は、「フーチングスターラップ」画面の「検討に用いるピッチ」を「ピッチ(検討用)」を全ての照査位置に適用する」としてください。
あわせて、同画面ヘルプの「ヒント ■ [検討に用いるピッチ]については、こちらをご覧ください。」の項目をご覧ください。
 
Q12−5. フーチングスターラップの設定方法を具体的な配筋例で確認したい
A12−5. 「部材|フーチングスターラップ」画面ヘルプ最下段の「■ 計算に用いるスターラップの間隔s、断面積Awについては、こちらをご覧ください。」のリンクより開かれる項目をご覧ください。
 
Q12−6. フーチングの設計において、張出し長が形状寸法と一致しない
A12−6. 柱形状が矩形面取り又は小判形の場合、フーチング張出し長算定時の柱形状は「考え方|共通」画面の「フーチング照査断面を求めるときの柱形状(小判形、矩形面取り)」の設定に従います。

上記のスイッチにチェックがある場合、等面積の矩形に換算した位置で柱付け根位置が決定されるため、張出し長は形状寸法と一致しません。
 
Q12−7. フーチングの上載土砂の考慮有無を指定したい
A12−7. 下記の手順で設定を行ってください。
 1.「荷重|許容応力度法ケース」画面を開きます。
 2.上載土砂の考慮有無を設定したい荷重ケース画面を開きます。
  ※ケース名をダブルクリックまたはケースを選択後、画面中央左から2番目の「荷重ケースの編集」ボタンで画面が開きます。
 3.同画面の「上載土砂|フーチング照査時の扱い」において考慮有無を選択して下さい。
 
Q12−8. フーチング設計時の照査位置を任意の位置としたいが可能か
A12−8. フーチングの照査位置を下記の位置固定としており、任意の位置で計算を行うことはできません。
ご了承下さいますようお願いいたします。
 ・曲げ照査:設計上の付け根位置
 ・せん断照査:付け根高h/2位置、h/2位置より外側の杭位置
 
Q12−9. 小判形柱の場合、設計上のフーチング張出長を求めるための柱形状をどのように考えているのか。
A12−9. 「考え方|共通」画面の「フーチング照査断面を求めるときの柱形状(小判形、矩形面取り)」の設定に従って、柱形状を算定しています。
■「等面積の矩形に換算する」にチェック(レ)がない場合
橋軸直角方向のみ円形柱と同様に「D/10(D:円弧部の直径)」を考慮しフーチング照査断面を求めます。

■「等面積の矩形に換算する」がチェック(レ)されている場合
H24道示W(P.241)(2)を参考に、下記のように同心の矩形に換算します。

直角方向断面幅b1=B+√(π・D^2/4)(m)
橋軸方向断面幅b2=小判断面積/b1(m)

ここに、
 D:小判形円弧部の高さ(m)
 B:小判形直線部の幅(m)

あわせて、製品ヘルプの下記の項目をご覧下さい。
・「計算理論及び照査の方法|許容応力度法による安定計算及び柱、フーチングの設計|柱の設計|せん断モデル(b,d,pt)の考え方」の「(2)矩形換算方法|■小判形(短辺を固定しない)」
※常に「短辺を固定しない」方法とします。
 
Q12−10. フーチングの設計(保有耐力法)の曲げモーメントに対する照査において、タイプTの結果が出力されない。
A12−10. フーチングのレベル2地震時曲げ照査につきましては、軸力が発生しないため、曲げ耐力は地震動タイプT、Uで常に同じ値となります。
上記より、常に両タイプの照査を行う必要性はないと判断し、設計曲げモーメントの大きい地震動タイプの結果のみを表示する仕様としています。
 
Q12−11. 柱補強時において、計算に用いるフーチング付け根位置を補強後の柱前面位置としたい。
A12−11. 柱補強時のフーチング付け根位置につきましては、「考え方|補強」画面の「柱増厚時のフーチング付け根位置」を「補強後の柱前面位置」と設定することで可能です。
なお、下記に該当する場合は、常に既設時の付け根位置に制限しています。
(1)フーチングにテーパーがある場合(ただし、フーチング補強後はテーパー部なしとなるため選択可能)。
(2)フーチング補強かつ既設死荷重による残留応力度を考慮した設計を行う場合。


 13.補強設計

Q13−1.

柱とフーチングを同時に補強する場合の手順は?
A13−1. 「補強|工法、材料」画面で柱の補強工法を選択し、あわせて「フーチングを補強する」を選択してください。
同時補強の場合、柱設計時の基部位置は、フーチング増厚後の位置としています。
 
Q13−2. H24道示対応版において、既設橋脚の照査を行う場合に、ρs=0として計算したい。
A13−2. H24道示では、応力度−ひずみ曲線を含め、水平耐力−水平変位の算定方法の適用範囲が従来より厳しく規定されています。
これに伴い、H24道示対応版では、断面モデルとして横拘束効果を完全に無視することはできないように制限を行っています。
なお、設計者の判断となりますが、横拘束効果が完全に見込めない場合に、下降勾配部を無視(εccl=εcc)するモデル化を適用することは可能です。

この場合、「部材|柱帯鉄筋」画面において、「限界圧縮ひずみεcclに下降勾配Edesを考慮する」のチェックを外してください。
※塑性ヒンジ長の算定も含め、基本的に横拘束効果があることが前提の解析方法のため、従来のように単純にρs=0とすることはできないと判断しています。
※「部材|柱帯鉄筋」画面の「帯鉄筋を横拘束鉄筋として考慮する」スイッチは、RC巻立て補強などにより「補強部の横拘束効果が有効な場合」に選択が可能となります。

<参考>
横拘束効果を全く見込めない既設橋脚を、H24道示に準拠し照査する場合は、下記のような対応をご検討ください。
・「限界圧縮ひずみεcclに下降勾配Edesを考慮する」のチェックを外す。
・「横拘束鉄筋の有効長を直接指定」をチェックし、ρsが小さくなるように大きな有効長を設定する
・「塑性ヒンジ長の算定に用いる有効長を直接指定」をチェックし、d’を設定する。

※d’は圧縮領域の軸方向鉄筋本数nsと関連するため、現時点では適切なモデル化は不明です。恐れ入りますが、設計者の判断により決定してください。
 
Q13−3. 段落し位置の初降伏モーメントが「損傷断面の判定時」と「P-δ関係算出時」で異なるのはなぜか
A13−3. 「損傷断面の判定時」と「P-δ関係算出時」では、計算時の断面モデルが異なります。

■「損傷断面の判定」の場合
・実態を反映した断面モデルを適用

■「P-δの関係算出」の場合
・基部の断面モデルを全高に適用
※こちらは、「考え方|補強」画面の「P-δを求めるときのモデル化」でモデル化の選択が可能です。
「P-δを求めるときのモデル化」を「実態を反映した断面モデルを適用」とした場合、損傷断面の判定時と同じモデルになります。

詳細につきましては、「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」、「既設橋梁の耐震補強工法事例集 平成17年4月(財)海洋架橋・橋梁調査会」をご参照ください。
 
Q13−4. 連続繊維巻立て補強で計算時に「致命的エラー:応力度−ひずみ曲線の下面勾配Edesが負となる断面が存在します」というエラーが発生するのはなぜか。
A13−4. 繊維シートの体積比が大きいため、設計要領第二集(平成9年11月)で言いますと、(P.5-22)の式5-6-13において「σcc<0.8σ’cc」の状態になっていると考えられます。
※応力度−ひずみ曲線の下面勾配が負になる場合、設計要領第二集 図5-6-2の応力度ひずみ曲線の適用性および取り扱いが明確でないため、エラーとして計算を中断するようにしております。
恐れ入りますが、このようなケースでは、繊維シートの体積比が大きくなりすぎないように、巻立て枚数を減らす、厚さを薄くする等、計算条件を変更いただくか、別途ご検討ください。
 
Q13−5. 補強工法:炭素繊維巻き立てとした場合のM-φを算出したい
A13−5.
本プログラムにおける炭素繊維巻立て補強工法は、「設計要領第二集」または「既設橋梁の耐震補強工法事例集」を元にしており、下記のように曲げ補強時とせん断補強時について必要なシートの巻立て枚数を求め、じん性補強については横拘束用に設置する連続繊維の積層枚数を設定する仕様としております。
従いまして、実際に繊維シートを巻立てた状態でのM-φ関係を算出することはできません。
恐れ入りますが、弊社の「RC断面計算」または「UC-win/Section」等を用いて別途算定くださいますようお願いいたします。
 
・段落し部の曲げ補強
段落し部損傷と判定される既設橋脚(またはじん性補強を図った既設橋脚)の段落し部補強に必要な連続繊維シートの巻立て枚数、範囲を求めます。
また、このときのM−φ関係は、段落し部が繊維シートにより補強されたと仮定して、段落しを無視した基部の主鉄筋モデルを全高に適用し求めたものとしています。
・せん断補強
せん断破壊型、曲げ損傷からせん断破壊型となったとき既設橋脚(またはじん性補強を図った既設橋脚)のせん断補強に必要な連続繊維シートの巻立て枚数を求めます。
・じん性補強
連続繊維シートの体積比ρCFの算出に用いる連続繊維シートの積層枚数を設定します。
設定された連続繊維シートは、横拘束効果としてのみ考慮しM-φ関係を算出します。
 
Q13−6. H24道示対応版において、RC巻立て補強後の塑性ヒンジ長の算定に用いる断面二次モーメントIhはどのように考えればよいか
A13−6.
H24道示の塑性ヒンジ長の算定方法は、補強設計時には適用できないと考えられます。
その上で、設計者の判断により、補強部帯鉄筋の径でIhを決定するとした場合、新設時と同様に「Iha=Ihr=(π・φh^4)/64」で求めることができます。
なお、既設部と補強部の帯鉄筋を考慮する場合、H24道示X(P.169)の式(10.3.11)に適用できるように何らかの方法で評価したIhを設定いただくことになります。

※既設部と補強部を考慮する場合のモデル化についは、残念ながら適切な方法をご案内することができません。ご了承ください。
※式中の「φh」は補強部帯鉄筋の公称径(mm)、「^」は、べき乗を表しています。
 
Q13−7. 補強設計時に許容応力度法の照査は行わないのか
A13−7.
柱補強時の許容応力度法による照査につきましては、Ver.13.0.0(Suite版3.0.0)より対応しています。
「考え方|許容応力度法」画面の「既設検討・補強設計|柱補強時に柱部材の照査を行う」で照査の有無を選択してください。
 
Q13−8. フーチングの補強を行う場合に、補強コンクリートの材質の入力がない
A13−8.
本製品は、「既設道路橋基礎の補強に関する参考資料 平成12年2月(社)日本道路協会」(4-1〜)に準じて計算を行っています。
上記の(4-5)では、既設構造材との一体化が必要であるとの理由から既設フーチングの使用材料に統一していることより、コンクリートについては既設と同じ材質としています。
従いまして、補強部コンクリートの材質の設定はご用意しておりません。

※現時点で計算方法が不明で計算例もなく、鉄筋と比較し設計計算及び連動(基礎連動,震度連携,非線形動的解析データエクスポート等)への影響が大きいため拡張は行っておりません。
 
Q13−9. 「考え方|補強」画面の「P-δを求めるときのモデル化」を「基部の断面モデルを全高に適用」とするのは一般的か
A13−9.
既設橋脚に段落しがあり、1本おきに定着筋と非定着筋が配置されるようなモデルでは一般的と考えられます。
段落し部がない場合や全定着・全非定着の場合は、設計者の判断となります。
 
Q13−10. フーチング補強時にスターラップを変更しても結果に反映されない
A13−10.
フーチング補強時は、照査位置の断面状態により次のように計算時に用いる情報を使い分けています。

1)照査位置の断面が補強部のみで構成される場合(照査位置が既設底版外にある場合)
 「補強|フーチング部材」画面の「せん断耐力算定条件|スターラップ」で設定された情報を用います。

2)照査位置の断面が既設部と補強部(増厚または拡幅)で構成される場合
 「補強|フーチング部材」画面の「せん断耐力算定条件|既設部と補強部が混在する断面のSs算出用」で設定された情報を用います。
 ※モデル化については設計者の判断となります。

3)照査位置の断面が既設部のみで構成される場合(照査位置で増厚や拡幅がない場合など)
 「部材|フーチングスターラップ」画面で設定された情報を用います。
 
Q13−11. 曲げ耐力制御式補強工法で「鋼板巻立て+橋軸方向のみアンカー筋あり」とすることは可能か
A13−11.
現在は、以下の理由によりサポート外としています。
 ・アンカー筋設置しない方向を検討する場合の断面のモデル化(降伏の定義、有効となる引張鋼材など)が明確でない。
 ・一般的な曲げ耐力制御式補強工法のP−δ算定方法(アンカー筋が全高に配置されていると仮定)の適用性が不明。
 
Q13−12. 「補強|柱部材」画面で全ての補強主鉄筋を定着筋としたいがエラーとなってしまう
A13−12.
下記の手順で「全て定着」とした上で設定を行って下さい。
 1.「補強|工法、材料」画面で「アンカー定着」を「全て定着」とします。
 2.「補強|柱部材」画面で定着筋のみの本数または配置を入力して下さい。
   ※「定着・非定着」で定着筋または非定着筋が存在しない場合は入力エラーとなります。
 
Q13−13. 連続繊維巻き立て補強において、繊維シートの枚数や補強区間の入力は可能か。
A13−13.
現在の計算方法は、下記の通り『じん性補強』時を除き必要枚数または範囲を結果とする設計方法となります。
従いまして、じん性補強を除き、枚数や区間の入力は設けておりません。

・段落し部の曲げ補強
 損傷断面の判定において、段落とし部損傷と判定された場合、不足モーメントに対し、必要枚数とその巻立て範囲を算出します。
 ※結果を元に範囲や枚数を設計者により決定いただく仕様となります。 

・せん断補強
 破壊形態が曲げ破壊型とならない場合や中間部のせん断耐力が不足する場合等にその照査位置における補強に必要な枚数を算定します。
 ※結果を元に範囲や枚数を設計者により決定いただく仕様となります。

・じん性補強
 「補強|工法、材料」画面で「じん性の向上」を「向上を図る」とした場合、繊維シートを横拘束鋼材として考慮します。
  巻立て枚数および補強区間は「補強|柱部材」画面の「横拘束」項目で設定します。
 
Q13−14. 補強に用いる中間貫通鋼材で用いる下記設定の初期値の出典は?
・PC鋼材降伏点強度σy 930.0(N/mm^2)
・PC鋼材許容応力度σa 648.0(N/mm^2)
A13−14.
下記を参考に初期値を設定しています。
・PC鋼材降伏点強度σy:「既設橋梁の耐震補強工法事例集」(U-24)
・PC鋼材許容応力度σa:H24道示V(P.134)表-解3.4.1「PC鋼材の許容引張応力度」-「鋼棒|丸棒|B種|1号」
 
Q13−15. 連続繊維巻立て補強検討時に「補強不可能」と表示されるのはなぜか。
A13−15.
「補強不可能」となる原因は、「設計要領第二集 橋梁保全編(NEXCO)」で規定されている上側定着長及び下側定着長が確保できないためです。
従いまして、上記の定着長が柱区間内に収まるように、計算書の下記の項目を参考に材質や厚さ等をご検討いただくことになります。
・「結果詳細|柱の設計(レベル2地震動に対する保有耐力法による照査)|炭素繊維シート巻立てによる段落し部の曲げ補強|(1)段落し位置1」
 
Q13−16. RC巻き立ての有効長の考え方について教えてほしい。
A13−16.
一般的には、最外縁の補強部帯鉄筋の間隔となります。
中間貫通鋼材が設置される区間では、その水平間隔を用います。
※別途「中間貫通鋼材」タブで指定します。
 
Q13−17. 中間貫通PC鋼材の断面積Apcの初期値789.3(mm2/本)の出典は?
A13−17.
中間貫通PC鋼材の有効断面積の算定式については、基準類で明確にされていません。
例えば、「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」の計算例では、中間貫通PC鋼棒をボルト止めしているため、PC鋼棒のねじ加工後の有効径から算出された断面積と思われます。

有効断面積=31.7012・π/4
     ≒789.3(mm2)
 
Q13−18. RC巻立補強において中間貫通鋼材を橋軸方向と直角方向の両方に配置した計算は可能か。
A13−18.
中間貫通鋼材は橋軸方向にのみ設置することができ、橋軸直角方向に設置することはできません。
この場合、便宜上中間帯鉄筋をなしとして、断面積及び有効長を直接指定いただくことでご対応ください。
 
Q13−19. 「考え方|保有耐力法」画面の「せん断耐力算出時|中間部でLpより上の領域ではcc=1.0とする」というスイッチを設けた経緯、根拠を教えてほしい。
A13−19.
本スイッチは、「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料 平成9年8月 (社)日本道路協会」(3-24)「b)せん断耐力の算出」を参考に、中間部が塑性ヒンジ領域より上となる場合に「Cc=1.0」とする考え方を反映できるようにご用意しています。
なお、H24道示では、上記の考え方は記載されていないため、適用可否も含め設計者の判断となりますことをご了承下さい。
 
Q13−20. はり補強時の水平方向に対する照査において、スターラップが考慮されないのはなぜか。
A13−20. はり補強時は、上下面に増厚を行わないため、既設部の外周スターラップに相当する鉄筋は配置されないものとしています。
従いまして、水平方向における補強部スターラップは考慮されません。
 
Q13−21. はり補強時の水平方向照査におけるせん断補強鉄筋量Awの算定方法は?
A13−21. 下記の通り算定しています。
Aw=(既設部スターラップ鉄筋)+(既設部スターラップ以外のせん断補強鉄筋)+(補強部スターラップ以外のせん断補強鉄筋)×(既設部鉄筋間隔/補強部鉄筋間隔)×(補強部降伏点強度/既設部降伏点強度)
 
Q13−22. RC巻立補強時の柱の終局ひずみの発生位置を確認したい。
A13−22. RC巻立系橋脚の終局ひずみの発生位置につきましては、計算書の「結果詳細|柱の設計(保耐法)|主要断面のMc、Myo、Mu」に出力しています。
※水平耐力−水平変位の算定方法がH14道示準拠としている場合に確認可能。
※Ver.14.4.0(Suite4.4.0)以降でご確認ください。
 
Q13−23. RC巻立て補強時に「部材|柱帯鉄筋」画面の「終局ひずみεcuに下降勾配Edesを考慮する」のスイッチが変更できない。
A13−23. RC巻立て補強後については、構造細目を満足している補強部の帯鉄筋により拘束されているとして、下降勾配を常に考慮した計算を行います。
計算結果への影響がないため、Ver.14.4.0よりお問合せのスイッチは選択不可としています。
併せて、下記の計算例も参考にして下さい。
・「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料 (社)日本道路協会」(3−23)
 ※図-3.3.11の「既設橋脚」は既設検討時、「補強橋脚」は補強設計時の全断面に適用します。
 
Q13−24. 鋼板巻立て補強を行ったが設計水平震度が変化しない。
A13−24. 鋼板補強を行った場合、柱の剛性が変化するため、通常は設計水平震度が変化します。
ただし、補強後の設計水平震度が道示規定の下限値を下回る場合、下限値が適用されるため設計水平震度は変化しません。
最終的に設計に用いる設計水平震度は、計算書の下記項目をご覧下さい。
・「結果詳細|柱の設計(レベル2地震動に対する保有耐力法による照査)|作用荷重|設計水平震度」
 
Q13−25. 「補強|フーチング部材」画面で「せん断耐力算定条件」の「鉄筋量Aw」を0としたい。
A13−25. 現在は補強部のフーチングのせん断補強鉄筋量Awを0(mm2)とすることはできません。
お手数ですが、下記の手順で鉄筋量を最小として設定する等の対応をご検討下さい。
  1. メイン画面上部のメニューより「基準値|計算用設定」画面を開きます。
  2. 「鉄筋|任意鉄筋追加テーブル」において、断面積を最小値0.001(mm2)とした鉄筋を設定します。
  3. 「補強|フーチング部材」画面のスターラップの鉄筋径として、上記で設定した呼び名を選択してください。
 
Q13−26. 鋼板巻立て補強で既設柱の表面にアンカー筋が沿っているものとしてモデル化したい。
A13−26. 下記の手順で対応可能です。
1.「初期入力」画面または「補強|工法、材料」画面で工法を「鋼板巻立て」とします。
2.「補強|工法、材料」画面の「アンカー筋|設置する」をチェックしてください。
※アンカー筋は自動的に既設柱の表面に沿ったものとして計算します。
 
Q13−27. 中間貫通鋼材を設置した場合に横拘束効果が小さくなってしまうのはなぜか。
A13−27. 横拘束鉄筋の体積比は、鉄筋量・軸方向間隔(高さ間隔)・有効長(水平方向間隔)で算定されます。
中間貫通帯鉄筋を配置する場合、有効長が小さくなるため一般的には横拘束効果が向上します。
ただし、この向上効果を上回る鉄筋比の減少(※)がある場合、横拘束効果が低下する可能性があります。
※部材軸方向の配置間隔が倍ピッチとなる場合など。
 
Q13−28. はり増厚補強時の降伏曲げ耐力Myはどのように算出しているか。
A13−28. 既設部と補強部それぞれの鉄筋の降伏に着目し、下記のように計算しています。
  1. 既設部最外縁鉄筋が降伏するときの曲げ耐力My1を算定します。
  2. 補強部最外縁鉄筋が降伏するときの曲げ耐力My2を算定します。
  3. 小さい(先に降伏に達する)方を降伏曲げ耐力Myとします。
※コンクリート部は既設部と補強部それぞれのσckを用いています。


 14.付属設計
Q14−1. 縁端拡幅設計での鉄筋の許容せん断応力度のデフォルト値115(N/mm~2)の出典は?
A14−1. H24道示以降のアンカー筋の「許容せん断応力度」については、具体的な許容値が記載された文献が確認できておりません。
そのため、現在は「道路橋示方書・同解説(平成24年3月)に関する質問・回答集(U)U 鋼橋編 平成25年10月 鋼橋小委員会」の「アンカー(異形棒鋼)の許容せん断応力度」等を参考に、以下の方法で求めた初期値を設定しています。

(1)許容せん断応力度=許容引張応力度×1/√3

(2)整数部の1桁目以降は0または5の安全側となる側に丸め

最終的な許容値については設計者の判断となります。
 
Q14−2. 橋座の設計で「支承の配置」を「斜角橋軸」と設定した場合に下記エラーが表示され計算が実行されない。
・「控除長さL1、L2はアンカーボルト縁端距離以下でなければなりません。」
A14−2. 本エラーは、せん断抵抗面積控除長さL1、L2が、da及びθより算定される最大控除長さより大きくなる場合に表示しています。
この場合、下記に示すせん断抵抗面積算定式の適用外となるためエラーとしています。
・ヘルプ「計算理論及び照査の方法|付属設計|橋座の設計」

本エラーが発生する場合、下記いずれかの方法でご対応ください。
・せん断抵抗面積控除長さL1,L2が最大控除長さより小さくなるよう設定する。
・せん断抵抗面積Acを直接指定する。※「コンクリートのせん断抵抗面積指定」を「直接指定」。


 15.連動

Q15−1.

基礎連動時に、橋脚側のフーチング形状が正しく連動されない。
A15−1. 基礎連動時に基礎側の「杭配置」画面を開いている状態で橋脚側のフーチング寸法を変更した場合、「杭配置」画面側の変更前の寸法情報が有効となり、橋脚側のフーチング寸法が無効となる場合があります。
従いまして、橋脚側でフーチング寸法等の連動データを変更される場合は、基礎側の画面を閉じ、メイン画面の状態にしていただきますようお願います。
また、フーチング形状が不整合となった状態を改善するには、下記の手順で操作を行ってください。
(1)橋脚側の「形状|フーチング」画面で、フーチング高さH等を適当な値に変更し[確定]してください。
(2)再度橋脚側の「形状|フーチング」画面に入り、変更した入力値を元の値に変更し[確定]してください。
 ※この間、基礎側の「杭配置」画面は閉じた状態としてください。
(3)基礎側の「杭配置」画面に入り、フーチング寸法が正しく連動されていることを確認します。
 
Q15−2. 「基礎の設計計算,杭基礎の設計」で求めたケーソン基礎の基礎バネを設定する場合、どのように入力したらよいか。
A15−2. 「橋脚の設計」側の「基礎」画面または「震度連携メニュー」−「基礎バネ」画面において、次のように設定してください。

<橋軸方向>
・kx =Y方向の「Ass」
・ky =「固定」を選択
・kz =Y方向の「Arr」
・kxy =「無視する」を選択
・kxz =Y方向の「Asr」
・kyz =「無視する」を選択

<橋軸直角方向>
・kx =X方向の「Arr」
・ky =「固定」を選択
・kz =X方向の「Ass」
・kxy =「無視する」を選択
・kxz =X方向の「Ars」
・kyz =「無視する」を選択

※「震度連携メニュー」−「剛性モデル確認」画面において、上記の設定を確認することができます。
 
Q15−3. H14道示X(P.117)に従って、動的解析により別途求められている橋脚基部の断面力を用いて基礎の照査を行う手順は?
A15−3. H14道示X(P.117)に従って、動的解析により別途求められている橋脚基部の断面力を用いて基礎の照査を行う手順は以下のとおりです。

1.「橋脚の設計」側で「考え方|保有耐力法|はり・フーチング|杭基礎プログラムとの連動時|レベル2地震時の作用力を直接指定する」にチェック(レ)する。
2.「基礎の設計計算」側の「レベル2地震時照査|基本条件(共通)」で該当する断面力を入力する。
※橋脚の挙動が弾性域にとどまる場合に適用可能です。
※橋脚基礎に塑性化が生じることを考慮する方法(応答塑性率の照査)は行わず、基礎の耐力照査のみを行います。
 
Q15−4. 「橋脚の設計」と「基礎の設計計算,杭基礎の設計」連動時、浮力考慮時の計算を行う方法は?
A15−4.
安定照査及びフーチング照査において浮力を考慮する場合には、水位をご入力ください。

許容応力度法では、[荷重]‐[許容応力度法ケース]の各荷重ケース画面で入力します。
保有耐力法では、[荷重]‐[保有耐力法ケース]画面で入力します。

水位入力時の指定方法につきましては、以下のとおりです。
(1)水位有無を選択した場合
 水位>0.0(m)と設定した場合は、「水位無視/考慮」2ケースについて照査します。
 水位≦0.0(m)と設定した場合は、「水位無し」1ケースについて照査を行います。

(2)水位有のみを選択した場合
 入力した水位1ケースについて照査を行います。

(3)低水位・高水位を選択した場合
 入力した水位2ケースについて照査を行います。
    
Q15−5. 「橋脚の設計」から「基礎の設計計算」へ連動される基礎設計用水平震度khpに偏心モーメントの影響をどのように考えているか?
A15−5.
H14道示X(P.193)の3行目以降の記述では、偏心モーメントが作用する橋脚基礎の設計においては、安全側の震度を用いるとされています。
上記の解説では具体例として、偏心モーメントの作用方向と検討方向が同じ場合、偏心モーメントの影響を考慮しないとされていますが、安全側となる震度という観点でいえば、次のように考えることができます。
・検討方向と同じ方向に作用する場合は偏心モーメントを考慮しない。
・検討方向と逆方向に作用する場合は偏心モーメントを考慮する。
なお、現行バージョンでは、「橋脚の設計」側の「考え方|保有耐力法」画面の「はり・フーチング・基礎|杭基礎プログラムとの連動時|設計水平震度khp算出時の偏心モーメント」において、khp算出時に偏心モーメントの考え方を選択することが可能ですので、設計者の判断により考え方を選択してください。
    
Q15−6. 「UC-win/FRAME(3D)」や「Engineer's Studio」へのエクスポートを行う場合はどのようにすればよいか
A15−6.
使用状況(単独設計、震度連携)に応じて、下記の手順にて出力を行ってください。
なお、何れの場合も「橋脚の設計」側の入力データは設定済みであるとします。
■「橋脚の設計」単独設計時
@メイン画面「ファイル」メニューの「UC-win/FRAME(3D)データファイル」または「Engineer's Studioデータファイル」を選択します。
Aモデル化を選択後、同画面の「出力実行」を押下してください。
■「橋脚の設計」と「震度算出(支承設計)」との連携時
@「橋脚の設計」を起動します。
A「橋脚の設計」のメイン画面のツールバーから「震度連携へ」ボタンを押下し、震度連携モードとします。
B「橋脚の設計」にて震度連携ファイル(*.F3W)を開き、該当する橋脚データを読み込みます。
C「橋脚の設計」のメニュー「オプション|動作環境の設定」を開いて、「震度算出(支承設計)連携時」の以下のオプションにチェックを入れます。
・「非線形動的解析データを付加する」
・「非線形動的解析データの出力設定画面を表示する」
D「橋脚の設計」のメニュー「ファイル|上書き保存」を実行します。
E「D」を実行すると出力設定画面が開きますので、モデルを適宜選択し「続行」します。
F保存が完了したら「震度算出(支承設計)」にて、上記で更新した震度連携ファイル(*.F3W)を開きます。
G「震度算出(支承設計)」の「ファイル」メニューよりエクスポートを行ってください。
※複数の橋脚が登録されている場合は、同様の手順でデータを付加したあと、出力実行を行ってください。
※「橋脚の設計」からF3Wファイルを「新規作成」する場合、非線形動的解析データを付加することはできません。
なお、基本的なモデル化およびルールにつきましては、製品ヘルプの「非線形動的解析プログラムへのエクスポート|非線形動的解析モデル」をご覧ください。
    
Q15−7. 「UC-win/FRAME(3D)」,「Engineer's Studio」へのエクスポート時に支承ばねの位置が選択できるがどのように使い分ければよいか
A15−7.
本製品では支承の設定をご用意していないため、単独エクスポート時に構造系が不安定とならないように最上端の節点に支点を設けることができます。
この支点は、橋脚側の出力設定画面において、「上部構造慣性力作用位置の支点」を「設定する」とした場合に設定され、同画面の「支承ばねの位置」により下記のように初期設定されます。
※初期設定であるため、詳細なモデル化は条件に応じて、「UC-win/FRAME(3D)」,「Engineer's Studio」側で設定いただくことになります。

・min(橋軸hIL,直角hIT)
 一般的な直橋のように、橋軸方向の上部工慣性力作用位置を橋脚天端、直角方向の上部工慣性力作用位置を重心位置として設定する場合に選択します。
 計算上は、ばね特性の回転Rzlを自由とすることで、橋軸方向の天端(橋軸hIL)より上に作用するモーメントが0となります。
 直角方向については固定とするため、天端より上の慣性力によるモーメントが考慮されることになります。

・橋脚天端
 斜橋のように、橋軸方向及び直角方向ともに上部工慣性力作用位置として重心位置を用いるケースを想定しています。
 この場合、ばね特性の回転Rzlを固定とすることで、橋軸方向についても天端より上の慣性力によるモーメントが考慮されることになります。
    
Q15−8. 「UC-win/FRAME(3D)」,「Engineer's Studio」へのエクスポート時に基礎ばねを支点として設定したい
A15−8.
橋脚からエクスポートしたデータであれば、基礎ばねは支点ばねとして反映されています。
別途算定された基礎ばねを支点として設定したい場合は、橋脚の以下のヘルプを参考にしてください。
・「非線形動的解析プログラムへのエクスポート|非線形動的解析モデル|非線形動的解析データ(モデル化)」の「■支点ばね」
    
Q15−9. 「基礎の設計計算,杭基礎の設計」との連動時に増し杭工法とする手順を教えてほしい
A15−9.
「初期入力」画面で設計対象を「RC橋脚補強」とし、補強工法で「フーチング補強」を選択してください。
上記の設定により、杭基礎側が増し杭工法となりますので、増し杭に関する設定を行ってください。
    
Q15−10. 「UC-win/FRAME(3D)」,「Engineer's Studio」へのエクスポート時に、はりやフーチングの配筋を変更しても動的解析の結果が変わらない
A15−10.
一般的な橋脚の動的解析モデルでは、はり及びフーチングの鉄筋を考慮しない「弾性はり要素」または「剛体要素」としてモデル化するため、配筋を変更した場合も結果への影響はありません。
※柱の主鉄筋や帯鉄筋情報を変更した場合は、結果に影響します。
    
Q15−11. ケーソン基礎または鋼管矢板基礎として「Engineer's Studio」へエクスポートする方法は?
A15−11.
下記手順のように便宜上「直接基礎」としてご検討ください。
1.「初期入力」画面で基礎形式を「直接基礎」、フーチング形状を「フーチング無し」とします。
2.「基礎」画面で基礎ばねを入力します。
3.メイン画面メニューの「Engineer's Studioデータファイル」またはスピードボタンよりエクスポートを実行してください。
    
Q15−12. 「震度算出(支承設計)」との連携において、分担分担重量等が最新の結果とならない
A15−12.
・「震度算出(支承設計)」から橋脚データを読み込んだ後に結果の「取込」を行っているか。
・「震度算出(支承設計)」側で計算後にファイルの上書き保存を行っているか。
    
Q15−13. 「震度算出(支承設計)」との連携において、正負両方向の同時検討・結果の取込はできないのか
A15−13.
大変申し訳ございませんが、正方向と負方向のデータを個別に作成いただくことになります。
ご了承下さいますようお願いいたします。
    
Q15−14. 非線形動的解析モデルのエクスポートで断面変化点でも任意中間部節点でもない節点が生成される
A15−14.
M-θトリリニア2モデルの場合、「設計要領 第2集 橋梁建設編」(平成28年8月 東・中・西日本高速道路株式会社)の(3−27)を参考にモデルを作成しています。
上記の設計要領の図3-2-22では、0.4hの位置で許容曲率が変化するため節点を設けています。
    
Q15−15. 非線形動的解析モデルを「Takeda(M-Φ)」とした場合のモデル化はどのようになるか。
A15−15.
「M-φのモデル化」の設定に応じて下記のとおりモデル化します。
・M-φモデル:バイリニア、トリリニア1
 柱の塑性ヒンジ部を非線形部材とし、他の部材は全て線形部材とします。
・M-φモデル:トリリニア2
 はり、フーチング部は全て剛域とし、柱部は非線形部材とします。
    
Q15−16. せん断破壊型の場合に基礎設計用の水平震度khp算定にPs0を用いることは可能か。
A15−16. 「考え方|保有耐力法」画面の下記の項目で選択可能です。
・「はり・フーチング・基礎|せん断破壊型時の設計水平震度khp算出時の耐力」
    
Q15−17. 非線形動的解析モデルエクスポート時に検討方向毎のファイルが生成されないのはなぜか。
A15−17. エクスポート設定画面の「基部の部材長設定に用いる塑性ヒンジ長Lp」に従い、生成されるデータが異なります。
  • 「Lp(方向毎)」以外
    3次元動的解析を想定しています。
    1データで橋軸方向・橋軸直角方向を計算し、ファイルは方向ごとに分割されません。
  • 「Lp(方向毎)」
    道示Xに準拠し方向毎に計算を行います。ファイルも方向毎に生成します。

    
Q15−18. 「荷重|許容応力度法ケース|許容応力度法荷重ケース」画面のデータを変更し、計算実行すると下記メッセージが表示される。
・「エラー:杭基礎の安定計算が実行できません」
A15−18. 橋脚側で作用力に影響する項目を変更した場合、基礎側の「作用力」の項目が未入力状態になります。
このまま橋脚側で計算実行した場合、「許容応力度法(フーチング)」に対する計算エラーが発生し、基礎プログラムの安定計算に関する入力において未確定の項目が無いかを確認する旨のメッセージが表示されます。
基礎側で「作用力」項目についての内容を確認後「確定」ボタンを押下の上、橋脚側で計算を実行してください。
    
Q15−19. 杭基礎連動において、橋脚側で水の単位重量を変更しても基礎側に反映されないのはなぜか。
A15−19. 何らかの原因により、入力値の整合が取れていない状態となっています。
お手数ですが、下記の手順によりデータの更新を行うことでご対応ください。
1.橋脚側の「基準値|計算用設定」画面の「荷重|単位重量|水γw」の値を他の値に変更し「確定」します。
2.再度上記の項目を開き、「水γw」をお考えの値に戻した上で「確定」して下さい。
 ※この間、「基礎の設計」の「地層」画面は閉じた状態としてください。

<補足>
基礎側の「地層」画面を開いた状態でデータ連動後、「地層」画面を確定する等の操作を行った場合、更新前の基礎側の設定が上書きされることがあります。
このようなケースで、再度同様の現象が発生した場合、上記の手順にてデータの更新を行ってください。
    
Q15−20. 「震度算出(支承設計)」との連携において、橋脚側と震度側の柱断面積が異なるのはなぜか。
A15−20. 橋脚側の既設部と補強部で異なるコンクリート材質が設定されていると考えられます。
この場合、下記のように既設部のヤング係数に換算した面積としています。
換算断面積=既設部断面積+(補強部ヤング係数/既設部ヤング係数)×補強部断面積
ヘルプの下記も参考にしてください。
・「計算理論および照査の方法|橋脚柱の補強設計|計算の方法|既設部と補強部のコンクリート材質が異なる場合」

 16.設計調書

Q16−1.

補強時の設計調書の出力で、補強後の計算値が表示されない場合がある
A16−1. 現在は、既設部と補強部の横拘束材料や材質が異なる場合や鋼板や繊維シートを用いる場合など、規定の書式にそのまま出力できない場合がございます。
このようなケースでは、一部の結果を既設時または空白とし、設計者の判断により最終的な値を設定いただくようにしています。
※ρsについては最終的に計算に用いた値を表記しています。

 17.その他

Q17−1.

入力画面のボタンが重なり入力項目が選択できない。
A17−1. 入力項目ボタンは、メイン画面上の形状に合わせて表示するようになっていますので、形状によってはボタンが重なり選択できなくなる場合があります。
ボタンが重なる場合には、メイン画面上でマウスを右クリックしてポップアップメニューを表示させ[ボタンを並べて表示]を選択してください。これにより、左上から順に並べて表示されます。
 
Q17−2. 数量表を計算書に出力する方法は?
A17−2. 計算書における数量表は図面作成部にて算出しています。
コンクリート体積及び型枠面積は「計算確認」時に算出します。
鉄筋質量は「図面生成」時に算出します。
上記のようなルールとなっておりますので、計算書に数量表を記述したい場合には、上記操作が必要であることにご注意ください。
※図面作成モードに移行できない場合は、計算書への数量計算結果は記述されません。
※図面作成モードに移行できた場合において、生成不可となる構造物がある場合、その構造物に対する鉄筋質量につきましては数量表の鉄筋質量は記述されません。
(例:柱が4段の場合、柱の鉄筋質量は計算書には記述されません)
 
Q17−3. 側面図で前面側、背面側を変更したい
A17−3.
「橋脚の設計Ver.4」Ver.4.03.00にて表示方向の設定に対応しました。
メニューの「オプション|表示項目の設定|表示・描画」で、「側面図で右を前面側とする」で設定ください。
画面、計算書(設計条件)でこちらの設定に応じて表示を行います。 
    
Q17−4. 基礎地盤の土質タイプ(初期値)は何を参考にしているか?
A17−4.
現行バージョンでは、基準値の基礎地盤に関する初期値について以下の文献を参考に設定しています。

1.単位体積重量γ
H12設計要領第ニ集 4章 基礎構造(P.4-3)およびH18設計要領第一集 1章 総説(P.I-44)の表1-16等を参考に初期値を設定しています。
なお、岩盤については適当な記述が確認できないため、H12設計要領第ニ集 4章 基礎構造(P.4-7)の図4-2-4の測定例(N=70)の分布を参考に初期値を設定しています。

2.せん断抵抗角φ
H12設計要領第ニ集 4章 基礎構造(P.4-11)の表4-2-7を参考に初期値を設定しています。

3.粘着力c
H12設計要領第ニ集 4章 基礎構造(P.4-11)の表4-2-7を参考に初期値を設定しています。

4.基礎底面とのせん断抵抗tanφB
H14道示W(P.281)の表-解10.3.4より求めた値を設定しています。

5.αEo
H14道示W(P.250)の1),2)の記述と、(P.255)の表−解9.5.1「標準貫入試験のN値よりEo=2800・Nで推定した変形係数」を参考に設定しています。
なお、岩盤と砂れき地盤については、適当な記述が確認できないため、岩盤(N=70)、砂れき(N=50)として計算した値を設定しています。

6.最大地盤反力度の上限値
H14道示W(P.271)の表-解10.3.1および表-解10.3.2より設定しています。

なお、お考えの値が初期設定値と異なる場合は、該当値を直接指定してくださいますようお願いいたします。
 
Q17−5. 新しいバージョンで作成したデータファイルを古いバージョンで読み込むことは可能か
A17−5. Ver.14.1.0より、データに大きな変更がない場合は、警告を表示した上で読み込みを行えるようにしています。
 
Q17−6. 設計調書をMicrosft Excel形式で保存したいが可能か
A17−6. 可能です。
テンプレートを選択後、印刷ボタン(プリンタアイコン)右側の▼をクリックし「Excelファイル(E)」より保存して下さい。
 
Q17−7. 「UC-1 Engineer's Suite積算」との連携に対応しているか。
A17−7. Ver.13.2.0より対応しています。
メイン画面の「ファイル」−「積算連携データの保存」より、下記ファイルのエクスポートが可能です。
・製品から算出したコンクリートや鉄筋等の数量を連携する積算連携用データファイル(*.FLK)
・概算工費自動算定用データファイル(*.DLK)
 
Q17−8. 橋脚寸法や配筋の自動設定は行えるか。
A17−8. 新設橋脚を対象として、形状寸法や鉄筋配置を与えられた範囲内で自動的にトライアル計算を行うことが可能です。
「初期入力」画面の「自動設定」ボタンを押下すると、自動設定モードへ移行します。
詳細につきましては、製品ヘルプの「計算理論及び照査の方法|自動設定」をご覧ください。


 18.システムリソースに関するQ&A


 19.図面作成

Q19−1.

支承補強筋平面図で一番左側のアンカーボルトしか作図されないのはなぜか
A19−1. 支承補強筋平面図には、個々のアンカーボルトタイプに対し、そのタイプの中で一番左側に位置するものに対して作図を行う仕様としています。
これは、全てのアンカボルト穴に対し作図を行うと図形内の引出線・寸法線の重複が予想されることと、参考図面においても支承アンカーボルト穴に対し、1つしか作図していなかったことからこのような仕様としております。

現行版につきましては、図面生成後弊社のUC-Draw(ヘルプの「Q&A」→「図面作成」を参照)やSXF出力後SXFデータを編集可能な汎用CADで編集して頂き、目的の図面を作成して頂きますようお願い申しあげます。
また、「基準値」-「図面生成条件」-「配筋図」の入力画面の「支承補強筋平面図」の設定を「タイプ毎に作図」とし図面生成を行うと、アンカーボルト穴のみの外形に対し、補強筋を作図するスタイルとすることができます。
 
Q19−2. DXF・DWGへの出力において、文字がばらばらになる。
A19−2.
DXF・DWGに保存する際には、文字の作図位置を正確に反映させるため、デフォルトでは、文字を1文字ずつバラバラに出力する仕様としております。
以下の手順にて出力条件を変更し、DXF・DWG出力を行ってください。

(1)図面確認メインメニューで「編集」ボタンを押し、「出力(O)」→「DWG・DXF出力(O)」を選択します。「DWG・DXF一括出力」ウィンドウが表示されます。
(2)「設定」ボタン押下で表示される「DWG・DXF出力の設定」ウィンドウの「DWG・DXF出力1」−「文字の出力単位」で「文字列単位」を指定します。

なお、「詳細」ボタンを押すことにより表示される「文字出力の詳細設定」ウィンドウ上の「DWG・DXF出力文字幅の調整」は「文字列により調整」と設定することを推奨します。



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