1−22.地震時保有水平耐力 |
Q1−22−1. |
底版レベル2地震時照査において、「以上のように、基礎はkhyF=0.###で降伏に達したが 〜」のようなコメント(詳細欄参照)が表示され、応答塑性率照査を行わない場合があるが、どういう意味か?
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A1−22−1. |
表示されるコメント
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以上のように、基礎はkhyF=0.###で降伏に達したが
khcF≦khyF(0.###≦0.###)より、基礎の降伏が生じるが基礎本体あるいは
基礎周辺地盤に塑性化が生じることにより減衰の影響が大きくなるので基礎の
損傷はそれ以上進展しないと判断される。
上表の青表示は基礎が降伏に達した条件を示しています。
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『道路橋の耐震設計に関する資料 (平成9年3月) 社団法人日本道路協会』のP.2-62〜2-63に、基礎の応答塑性率の照査に関する記述があります
ここに、「……khyFがkhc以下であるが,道路橋示方書V編式(11.4.3)により算出される基礎の地震時保有水平耐力法に用いる設計水平震度khcF(=CD・khc)以上の場合には,基礎に降伏が生じるが基礎本体あるいは基礎周辺地盤に塑性化が生じることにより減衰の影響が大きくなるので,基礎の損傷はそれ以上に進展しないと判断される。」とあり、本プログラムではこれを参照しています。
khcF≦khyFの関係で基礎が降伏に達したとき、応答塑性率の算式、
μFR=1/2{1+(khcF/khyF)2}
に代入すると、μFR<1の関係になりますが、前述の資料のP.2-63の図-2.3.12より、応答塑性率μFR=1.0となるため、応答変位時=基礎降伏時としています。
このため、応答塑性率の照査結果は出力しておらず、上記の解説文を表示・出力しています。 |
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Q1−22−2. |
杭基礎の「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「計算条件(1)」で『塑性化した部材の曲げ剛性の取り扱い』に10000を入力しているが問題ないか? |
A1−22−2. |
基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行う場合、基礎降伏後、応答変位となる状態を求めるために水平震度を増加させながら計算を続行していますが、応答変位状態とな
る前に地中部杭体モーメントが終局モーメントあるいは全塑性モーメントに達する部材が発生した場合、この部材の曲げ剛性は、「レベル2地震時基本条件」−「計算条件」画面の『塑性化した部材の曲げ剛性の取扱い』により与えられます。
本入力は、地中部杭体モーメントが終局モーメントあるいは全塑性モーメントに達し た部材の曲げ剛性を、コンクリート杭は道示W12.10.4(P.412)図-解12.10.3のY−U区
間,鋼管杭及び鋼管ソイルセメント杭はY−Y’区間の勾配に対する低減率(何分の1とするか)として指定します。
この低減率は、道示モデルのように、曲げ剛性が極めて0に近い値となるよう1/10000 を初期設定していますが、あまりにも曲げ剛性が小さくなりすぎると、プログラム内
部で用いている実数値の有効範囲(桁数)が不足し、桁落ちし、『0割が発生しました。』とエラーが発生するケースがあります。
この状態となる低減率は計算モデルに依存し、事前に適切な低減率を提示することはできません。計算可能な範囲内で低減率を設定して下さい。 |
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Q1−22−3. |
「地盤データ」画面の『上載荷重』で、浮力無視と浮力考慮が同じである。
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A1−22−3. |
「地盤データ」画面上の[ヘルプ]に記載しておりますように、上載荷重算出用の水位は、「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面で設定された『予備計算用水位』を用いております。
『予備計算用水位』が浮力無視/考慮で同じ場合、上載荷重は同じになります。 |
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Q1−22−4. |
左ツリー部の「流動荷重」が選択できない。 |
A1−22−4. |
「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(共通)」画面で『計算条件=流動化考慮』を選択ください。
なお、入力画面上の[ヘルプ]に記載しておりますように、「地層」−「低減係数」で流動荷重強度>0.000の地層が存在する場合のみ『計算条件=流動化考慮』が選択可となります。
以上より、「レベル2地震時照査」−「流動荷重」画面の入力が可能となります。 |
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Q1−22−5. |
作用力直接指定によるレベル2地震時照査時において、huは何に用いているのか? |
A1−22−5. |
荷重変位曲線(作用水平力と上部構造慣性力作用位置の水平変位の関係をグラフ化したもの)を出力するために用いており、具体的には、上部構造慣性力作用位置での水平変位(=基礎天端水平変位δo+基礎天端回転角αo・hu)として算出しております。
以上より、huは底版下面から上部構造慣性力作用位置までの高さを入力してください。
なお、荷重変位曲線のための入力であるため、huを変更しても、基礎の安定計算に影響はありません。
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Q1−22−6. |
釣合鉄筋量の算出方法は? |
A1−22−6. |
釣合鉄筋量は、道示W7.3(P.176)(2)において、次のように定義されています。
「釣合鉄筋量は、軸方向引張鉄筋が降伏点に達すると同時にコンクリートの縁圧縮ひずみがその終局圧縮ひずみに達するような引張鉄筋量とする。」
釣合鉄筋量の算出方法は以下のとおりです。
a)引張側の最遠位置のひずみをεsy(鉄筋の降伏ひずみ)、コンクリート圧縮縁のひずみをεcu(終局圧縮ひずみ)として中立軸位置を求める。
b)各位置のひずみを用いて、コンクリートの圧縮応力度の合力、および圧縮側鉄筋に生じる圧縮力を算出する。
c)(作用軸力が0なので)コンクリートの圧縮力と圧縮鉄筋の圧縮力の合計値を、鉄筋の降伏点強度で除した面積を、釣り合い鉄筋量とする。
参考)道示V4.2.4(P.141)では、次の様に定義されています。
「コンクリートの終局ひずみと引張鋼材の降伏ひずみが同時に生じる場合をつり合い状態といい、その時の引張鋼材量を終局つり合い鋼材量と呼ぶ。」
(解 4.2.5)を軸力が無い場合に変更すると以下のようになります。
Asb=(b・d・0.68・εcu/(εcu+εsy)・σck+As’・σs’)/σsy
この式ではコンクリートの応力度分布として「図-解4.2.3」(P.140)を用いるのに対し、本プログラムでは「図-解4.2.2」-「(c)」(P.140)の応力度分布を用いておりますが、この点を除けば(解4.2.5)と同じ方法です。
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Q1−22−7. |
レベル2地震時の底版前面水平抵抗において、液状化考慮時は前面抵抗を考慮せずに照査したい。 |
A1−22−7. |
「底版前面水平抵抗」画面の『低減係数DEレベル2』に0.0を入力することで、液状化考慮時は底版前面水平抵抗を考慮しない状態となります。(※液状化無視時は底版前面水平抵抗を考慮します。)
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Q1−22−8. |
計算書の最小鉄筋量照査で「Mc=Muとなる鉄筋量」が表示されている場合と「−」の違いは? |
A1−22−8. |
「Mc=Muとなる鉄筋量」は、曲げモーメントの1.7倍がひびわれ曲げモーメントより大きくなるとき(1.7M>Mcの関係となるとき)出力しています。
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Q1−22−9. |
「作用力を指定する」とは、どのような場合に使用するのか? |
A1−22−9. |
作用力直接指定によるレベル2地震時照査は、道示X7.4(P.117)に記述されている「動的解析の結果,橋脚の挙動が弾性域にとどまる場合には,橋脚基部に生じる断面力を橋脚基礎に作用する地震力とみなして、6.4.7の規定に基づいて照査を行えばよい。」に対応したもので、入力された作用力に対して、基礎が降伏に達するか否かを計算しています。
現行では、上記の柱基部断面力を指定する方法の他、底版下面中心の作用力を直接与えて照査する方法も用意しております。
具体的な計算は、下記の初期作用力から全作用力まで、荷重を増加させながら計算を行い、全作用力時に基礎が降伏に達しないことを照査しています。
・初期作用力
V=Vp+V’
Ho=H’・SW
Mo=M’・SW
慣性力の向きが正方向のとき、SW=1
慣性力の向きが負方向のとき、SW=−1
・全作用力
V
H=Hp+WF・kh+H’・SW
M=Mp+Hp・(底版厚)+WF・hF・kh+M’・SW
ここに、
Vp:柱基部における鉛直力(kN)
Hp:柱基部における水平力(kN)
Mp:柱基部におけるモーメント(kN・m)
V’:柱基部断面力以外の鉛直力(kN)
H’:柱基部断面力以外の水平力(kN)
M’:柱基部断面力以外のモーメント(kN・m)
h:頂版厚
kh:地盤面の水平震度
計算方法につきましては、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「レベル2地震時照査」−「基礎の耐力の照査」−「作用力を指定してレベル2地震時照査を行う」に記載しておりますので、ご参照くださいますようお願いいたします。
なお、作用力直接指定の場合、前述の通り、基礎の耐力照査(設定された全作用力を載荷したときに基礎が降伏に達しているか否か)のみを行っており、応答塑性率の照査は行いません。
詳しくは、ヘルプの「Q&A」−「杭基礎」−「23.地震時保有水平耐力」−「Q23−32」に詳しく記載しておりますのでご参照ください。
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Q1−22−10. |
作用力を指定してレベル2地震時照査を行う場合に柱間の底版レベル2地震時照査を行う方法は? |
A1−22−10. |
「レベル2地震時基本条件」画面上の[ヘルプ]の「(3)作用力を指定する場合」に記載しておりますように、本プログラムでは、作用力を指定して杭基礎レベル2地震時照査を行う方法として、
@柱基部の作用力を指定し、プログラム内部にて底版下面中心の作用力を算出を行い、この作用力を用いて照査する方法
A底版下面中心の作用力を直接指定する方法
の2種類を用意しております。
ただし、@の柱基部の作用力を指定する方法は、単柱橋脚のみのサポートとしており、多柱式橋脚の場合、Aの方法により照査していただく必要があります。
よって、本件につきましては、「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(共通)」画面で「作用力を指定してレベル2地震時照査を行う=する(底版下面作用力)」と設定したあと、同画面の「基本条件(杭基礎)」において、底版下面中心の初期作用力(=死荷重時の作用力),全作用力(=慣性力が作用した状態における全荷重)を別途算出し、直接入力することによりご対処くださいますようお願いいたします。
これにより、「底版設計」−「計算条件」画面の「レベル2地震時照査:連続フーチングの柱間照査」が選択できるようになりますので、安定計算を実施した後、「計算・結果確認」−「底版照査」−「X方向」−「柱基部断面力」画面にてそれぞれの柱の断面力(断面照査時の柱基部の断面力)を入力し、底版レベル2地震時照査を行ってください。 |
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Q1−22−11. |
レベル2地震時基本条件の計算条件の「上限値pHuの取扱い」にある「L/DE」とは?また計算のどの部分に用いられているのか? |
A1−22−11. |
レベル2地震時照査では、杭前面地盤の非線形性を考慮した照査を行っておりますが、砂質地盤の水平地盤反力度の上限値は、道示W(P.409)のとおり、最前列/2列目以降で異なり、2列目以降の上限値を1/2とします。
しかしながら、増し杭工法で既設杭の外側に増し杭が増設されたとき(全杭を考えたとき既設杭が最前列とならないとき)、既設杭の最前列の地盤反力度の上限値を1/2とするか否か、道示において明確な規定がありません。
したがって、本プログラムでは、既設杭の最前列の地盤反力度の上限値を1.0とするか、1/2とするかを選択していただくようにしております。
ここで、「上限値pHuの取扱い」に表示される「L/DE」は、「既設基礎の耐震補強技術の開発に関する共同研究報告書(その3)(平成14年9月)」の
・既設杭径DE/増し杭径DM≧3.4
・増し杭1列目から既設杭1列目までの距離L/既設杭径DE≧1.8
をいずれも満たすとき、既設杭の最前列の地盤反力度の上限値を低減せず1.0として評価してよいとの記述を参照し、参考値として表示しているもので、計算には用いておりません。
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Q1−22−12. |
壁式橋脚の橋軸直角方向に対してのみ、基礎の塑性化を考慮した設計を行うものと考えていたが、橋軸方向に対しても考慮しても良いのか? |
A1−22−12. |
旧道路橋示方書X(H8.12)の5.2(2)2),11.1におきまして、「橋軸直角方向において橋脚躯体が設計水平震度に対して十分大きな終局水平耐力を有している場合」という記述があり、橋軸直角方向に限定して応答塑性率の照査を満足すればよいとされておりましたが、改訂後の道示X(H14.3)
6.4.7(3),12.1におきましては、『橋軸直角方向』との記述が削除されており、方向に依存せず、橋脚躯体が十分大きな水平耐力を有している場合は応答塑性率の照査を満足すればよいという記述となっております。
したがって、本プログラムでは、橋軸方向に対しても応答塑性率の照査を行っています。
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Q1−22−13. |
盛りこぼし橋台の設計において基準変位量Soには何を入力すればよいか
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A1−22−13. |
「杭の基準変位量So」についての情報を持っておらず、適切な返答ができません。ご了承ください。
レベル2地震時の地盤反力係数は、「設計要領第二集 橋梁建築編(H18.4)」の図4-4-21(P4-57)におけるワイブル曲線にて推定すると規定されておりますが、本項における基準変位量So(=ひずみ1%)をどのように算出すべきか明確な記述がなく、本説明から把握することができません。
このため、設計者の方のご判断で入力していただく仕様としております。 |
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Q1−22−14. |
「レベル2地震時基本条件」−「計算条件B」画面の照査判定用の軸力の取扱いはどれを選択したらよいか |
A1−22−14. |
杭基礎設計便覧(P.303の4行目)では、「仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントの算定においては軸力Nを零とする。」と記載されております。
これより、仮想鉄筋コンクリート断面My算出用の軸力は「軸力=0」で良いのではと思われますが、杭基礎設計便覧(P.303の5行目)に、「ただし、レベル2地震時の照査において、基礎に主たる塑性化を考慮する場合は・・・・」と記載されております。
取り方によっては、(P.303の4行目)の「軸力Nを零とする。」は「基礎に主たる塑性化を考慮しない」場合に対してと読み取ることもできます。
以上より、杭基礎設計便覧では軸力の取扱いが詳しく明記されておりませんので、本プログラムは、
(1)降伏判定用
(2)基礎に主たる塑性化を考慮するとき
(3)基礎に主たる塑性化を考慮しないとき
に用いる仮想鉄筋コンクリート断面My算出用の軸力を選択していただく仕様としております。
杭基礎設計便覧をご参照いただき、最終的には設計者の方のご判断により選択してください。
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Q1−22−15. |
2柱式のフーチングで断面力の耐力照査を行いたい |
A1−22−15. |
レベル2地震時照査につきましては、次の手順にて入力,計算を行ってください。
1)「底版設計」−「計算条件」画面の【連続フーチングの柱間照査】で『連続フーチングの柱間照査=する』と指定する。
2)レベル2地震時の安定計算を行う。
3)「計算・結果確認」−「底版照査(レベル2)」結果確認画面を開き、「X方向」−「柱基部断面力」で、断面照査時の『柱基部断面力』を入力する。
4)同画面の「曲げ照査」,「せん断照査」に移動し、照査結果を確認する。
なお、連続フーチング柱間レベル2地震時照査を行うには、底版自重,上載土重量,浮力,杭頭反力,および部材照査時の各柱基部の作用力が必要となりますが、例えば、ラーメン橋脚において柱基部断面力を算出する際に部材の曲げ剛性等をどのように評価して算出すべきか基準類に明示されておらず、また、本プログラムには多柱式橋脚そのものの設計機能がありませんので、設計者の方のご判断により別途算出された部材照査時の荷重状態における柱基部断面力を直接入力していただくようにしております。
部材照査時の荷重状態は次のとおりです。
・基礎が降伏に達しなかったとき:最終震度時
・基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行わないとき:基礎降伏時
・基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行ったとき:応答変位時
詳しくは、各入力画面,結果確認画面の[ヘルプ]をご参照ください。
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Q1−22−16. |
基礎が降伏に達し、応答塑性率の照査を行うことが可能な条件にもかかわらず、応答塑性率の照査が行われない。これはなぜか? |
A1−22−16. |
「レベル2地震時基本条件」−「計算条件A」画面の「橋脚に主たる塑性化が生じるとき、基礎に主たる塑性化を考慮しない」をご確認ください。
本スイッチは、道示X12.1(P.211)の「ただし、橋脚基礎に主たる塑性化が生じることを考慮する場合には、主たる塑性化が橋脚基礎にのみ生じるようにするために、図-解12.1.2に示すように、基礎の降伏耐力が橋脚の終局水平耐力あるいは橋脚躯体基部に生じる断面力を上回らないことを確認するものとする。」に対応したもので、基礎が降伏に達したときの水平震度khyFを用いて、
khyF≧khp・・・・橋脚基部に主たる塑性化が生じる
khyF<khp・・・・基礎〜地盤系に主たる塑性化が生じる
により、橋脚基部に主たる塑性化が生じているか否かを判断し、khyF≧khpの関係で基礎が降伏に達したとき、応答塑性率の照査を行いません。
また、作用力を直接指定してレベル2地震時照査を行う場合、基礎の耐力照査(設定された作用力を載荷したときに基礎が降伏に達しているか否か)のみを行っており、応答塑性率の照査は行っておりません。
この他、「A1−22−1」の条件も考えられます。こちらも合わせてご参照ください。 |
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Q1−22−17. |
「レベル2地震時照査」−「地盤データ」の「杭間隔÷杭径」はどの計算に用いられ、どこに影響するのか? |
A1−22−17. |
杭間隔÷杭径は、道示W12.10.4の解12.10.8(P.409)の
ηp・αp=荷重載荷直角方向の杭の中心間隔/杭径
を指しており、次に示される、砂質地盤の群杭効果を考慮した水平地盤反力度の上限値の補正に用いられます。
pHu=ηp・αp・pu
ここに、
pHu:水平地盤反力度の上限値
pu:地震時の受働土圧強度
杭間隔÷杭径が異なった場合、水平地盤反力度の上限値が変わるため、杭前面地盤に塑性化領域が生じるケースでは、杭前面地盤抵抗が異なり、基礎の挙動に影響を与えます。
詳しくは、上記道示をご参照くださいますようお願いいたします。
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Q1−22−18. |
レベル2地震時の計算書において、(1)杭,(2)杭・・・とあるが、これはどの杭を示しているのか? |
A1−22−18. |
本プログラムでは、水平地盤で杭径,杭長が全杭同一となるとき、全杭の結果は出力せず、条件が同一となる杭をまとめ (1)杭,(2)杭・・・として結果出力を行っています。
(1)杭,(2)杭の分け方については下記説明をご参照ください。
杭体のM−φ関係,水平地盤反力度の上限値が同一の杭の場合、レベル2地震時照査結果は、杭頭から杭先端までの杭体状態量(曲げモーメント,せん断力,変位)分布が同じになります。これに対し、杭体のM−φ関係,水平地盤反力度の上限値が異なる杭の杭体状態量分布は異なります。
本プログラムでは、杭体状態量分布が同一となる杭を同一タイプとし、このタイプ番号を(1)杭,(2)杭,・・・としています。
例えば、道示W12.10.4に記述されていますように、コンクリート杭の場合、杭体のM−φ関係は
(A)図心より押込み側(軸力=死荷重時反力)
(B)図心位置および引抜き側(軸力=0.0)
で異なります。
また、水平地盤反力度の上限値は
(a)最前列
(b)2列目以降
で異なります。
これらを組み合せる事により、
(1)杭:最前列の杭
・M−φ関係:(A)図心より押込み側(軸力=死荷重時反力)
・地盤反力度の上限値:(a)最前列
(2)杭:2〜3列目の杭
・M−φ関係:(B)図心位置および引抜き側(軸力=0.0)
・地盤反力度の上限値:(b)2列目以降
のようにタイプが割り振られます。
計算書の「レベル2地震時の照査」−「荷重変位曲線」の出力において、(1)杭,(2)杭の説明を出力しております。また、「液状化無視/考慮,地震動タイプT/U,水位無視/考慮」の出力に、それぞれのタイプ番号に該当する杭を杭配置図で図示しておりますので、こちらでご確認くださいますようお願いいたします。
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Q1−22−19. |
レベル2地震時の降伏判定に杭頭部の耐力(仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントMy)が用いられているが、これはどのような理由によるのか? |
A1−22−19. |
平成8年道示W10.9.3(P.371)において、「仮想鉄筋コンクリート断面の耐力は,杭本体と同程度以上とするのが望ましい。」という記述が追加されました。
また、その後、平成9年に発刊された「道路橋の耐震設計に関する資料社団法人日本道路協会」(P.4-33)において、「したがって、杭頭部における杭体の曲げモーメントM−曲率φの関係としては鋼管杭と結合部の仮想鉄筋コンクリート断面のうち降伏曲げモーメントの小さい方を用いる必要がある。ただし、杭基礎全体の耐力を向上させるという観点から、仮想鉄筋コンクリート断面の耐力は、配筋上制約のない範囲内で鋼管杭本体の耐力以上とするのが望ましい。」との記述が記載されています。
上記の道示および青本の記述は、仮想鉄筋コンクリート断面の耐力を杭体と同程度以上とした設計を行うことを期待するが、仮想鉄筋コンクリート断面の耐力を杭体以上とすることができない場合、その小さい方を用いて基礎の降伏判定を行う必要があることを示しております。
本プログラムでは、上記を参照し、杭頭部の降伏判定には、仮想鉄筋コンクリート断面の耐力と杭体の耐力のうち小さい方を用いています。
なお、平成19年1月に発刊された杭基礎設計便覧において、レベル2地震時における杭頭部の照査方法が明確に規定されました。
よって、現行では、杭基礎設計便覧に準じた杭頭部の照査を満足すれば、仮想鉄筋コンクリート断面の耐力を用いて降伏判定を行うケースは少ないものと考えられます。
ただし、例えば既設照査等においては、必ずしも杭頭部の耐力が杭体と同程度以上となっていないことが考えられます。この場合、前述の青本の記述が適用され、仮想鉄筋コンクリート断面の耐力を用いて降伏判定が行われます。
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Q1−22−20. |
3列杭のレベル2地震時照査結果において、降伏時の最大曲げモーメントに着目すると、1,2杭は制限値である降伏曲げモーメントと一致しているが、3杭は制限値を超えた状態となっている。制限値を超えた状態となるのはなぜか。 |
A1−22−20. |
本プログラムのレベル2地震時照査では、基礎が降伏に達したとき、降伏に達した状態の結果を表示,出力しています。
道示X12.3(P.217)に記述されていますように、杭基礎の降伏は、
(1)全ての杭において杭体が降伏する。
(2)一列の杭の杭頭反力が押込み支持力の上限値に達する。
のいずれかに最初に達する状態となります。
本ケースの場合、上記の(1)に該当しています。
3列目の最大曲げモーメントが制限値(降伏曲げモーメントMy)に達しても、1,2列目の杭列がMyに達していない場合、基礎が降伏したとは判断せずさらに水平震度を増加させて計算を行います。
最終的には、「全ての杭において杭体が降伏する」、つまり1,2列目の杭列がMyに達して初めて基礎が降伏したと判断され、この状態を降伏時の状態として表示,出力します。
よって、1,2列目の杭列はMyと一致し、3列目については制限値を超えた状態となっています。
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Q1−22−21. |
レベル2地震時照査―基本条件のkhgはCzをかけた値を入力するのか? |
A1−22−21. |
「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(共通)」画面の『khG』は、道示X6.4.3(P.89〜)の「khg=Cz・khgo」を入力して下さい。
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Q1−22−22. |
作用力を指定してレベル2地震時照査を行う場合の初期作用力,全作用力は具体的には何を示しているのか。
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A1−22−22. |
初期作用力,全作用力とは、次の荷重を示しています。
■初期作用力
初期作用力とは、死荷重時(慣性力が作用しない状態)における底版下面中心の作用力となります。
なお、初期水平力,初期モーメントは通常0となりますが、柱中心位置と底版下面中心位置が一致していない、橋脚形状,上部工反力が左右非対称で偏心モーメントが生ずる、死荷重時に水平力が作用している等により発生する荷重がある場合、入力してください。
■全作用力
慣性力が作用した状態における底版下面中心の全荷重となります。
「柱基部断面力」を指定する場合であれば、指定した柱基部断面力より底版下面中心の全作用力を内部計算し、この作用力を用いて照査します。これに対し、「底版下面作用力」を指定する場合であれば、底版下面中心に作用する荷重を直接指定してください。
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Q1−22−23. |
底版レベル2地震時照査における降伏曲げモーメントはどのように算出されるのか? |
A1−22−23. |
以下の条件にて算出しております。
・コンクリートの応力度−ひずみ曲線:道示V図−4.2.2
・鉄筋の応力度−ひずみ曲線:道示V図−4.2.3(a)
・考慮する鉄筋:引張側のみ(圧縮側鉄筋無視)
本プログラムでは、上記の条件にて、中立軸を仮定し各要素の応力度を積分し軸力を求め、作用軸力(底版の場合は0)と比較することで最終的な中立軸位置を求める(中立軸を移動し計算を繰り返す)という収束計算を行っています。
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Q1−22−24. |
レベル2地震時の照査で「M−φ関係において、My≦0.0,Mu≦0.0となるケースが発生しました。」というメッセージが表示されるが、どういう状態を表しているのか? |
A1−22−24. |
本警告は、軸力変動を考慮したレベル2地震時照査を行う場合に表示されます。
本プログラムでは、レベル2地震時照査を荷重増分法により行っており、「レベル 2地震時基本条件」−「基本条件(共通)」画面の『分割数』より、水平震度0.0から最終水平震度までを何分割して計算するかを入力していただき、死荷重時から最終水平震度まで水平震度を増加させながら計算を行います。
軸力変動を考慮した照査では、この分割されたステップごとに、各杭列の杭頭反力を軸力としてM−φ関係を再定義し、より厳密に杭体の曲げ剛性を評価した照査を行います。
ただし、レベル2地震動による慣性力を考慮した杭頭反力を軸力とするため、慣性力が作用する押込み側では軸力が非常に大きくなり、逆に引抜き側では引抜き力(負値の軸力)が生じます。
通常の設計では、死荷重時あるいは軸力を零としてM−φ関係を算出しますが、上記の通り、軸力変動を考慮する場合、大きな押込み力,引抜き力を軸力とするため、軸力が範囲外となりM−φ関係を算出することができず、Mc<My<Mu,φc<φy<φuの関係とならない場合や、M−φ関係が負値となるケースが生じます。
本プログラムでは、このようなケースの時、計算を中断し、計算不能としております。
なお、計算書の詳細出力である「レベル2地震時の照査」−「液状化無視/考慮・地震動タイプT/U・浮力無視/考慮」の「・M−φ関係」により、計算不能となる直前の杭体のM−φ関係を確認することができます。
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Q1−22−25. |
有効長とは? |
A1−22−25. |
入力画面上の[ヘルプ]に記載しておりますように、有効長dはレベル2地震時照査時のM−φ算出に用いており、道示X10.4(P.160〜)記述のdを示しています。この値を入力してください。
なお、P.162には、「図-解10.4.1に示すように、円形断面の場合には、帯鉄筋によって拘束される内部コンクリートの直径を用いる」と記述されています。
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Q1−22−26. |
杭頭鉛直反力PNiによる単位幅当たりの底版の曲げモーメントMp1の算出方法 |
A1−22−26. |
杭頭鉛直反力PNiによる単位幅当たりの底版の曲げモーメントMp1は、
Mp1=Σ(PNi・Xi)/L
Xi:照査断面から各杭中心までの距離(m)
L:奥行き幅(m)
となります。
なお、計算書の「レベル2地震時の照査」−「底版照査」−「断面力算出」−「b)杭反力」の出力において、杭頭反力による曲げモーメントMp1(鉛直反力),Mp2(水平反力),Mp3(モーメント)を出力しておりますので、ご参照ください。
(「断面力算出」で出力している照査位置は、平面図上でY方向は下から上,X方向は左から右の順に出力しております。)
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Q1−22−27. |
レベル2の最小鉄筋量の照査は必要か |
A1−22−27. |
本件につきましては、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「レベル2地震時照査」−「基礎の非線形性を考慮した解析方法」−「底版照査」の『最小鉄筋量照査』に記載しておりますのでご参照ください。
「道路橋の耐震設計に関する資料(H.9.3)社団法人日本道路協会」の「2.鉄筋コンクリート橋脚を用いた場合の設計計算例」では、フーチングの最小鉄筋量照査は許容応力度法照査に対して行っており、地震時保有水平耐力法照査では行っておりません。
本プログラムでは、当初、この方法を参照し、橋台,橋脚ともにレベル2地震時では最小鉄筋量照査を行っておりませんでしたが、その後、複数のユーザ様から、レベル2地震時においても最小鉄筋量照査を行うことができるようにしてほしいとのご要望をいただき、「基礎の設計計算Ver.5,杭基礎の設計Ver.5
(Ver.5.00.01)」(2006/02/14リリース)において、「底版設計」−「計算条件」画面に照査の有無の選択を設けました。
このような経緯があり、本プログラムでは、最小鉄筋量照査を行うことができるようになっておりますが、文献,基準類等に照査が必要と明記されているわけではございませんので、最小鉄筋量照査を行うか否かにつきましては、設計者の方のご判断で決定してくださいますようお願いいたします。
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Q1−22−28. |
作用力を指定してレベル2地震時照査を行うときの『地盤面の水平震度kh』は何に用いているか?
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A1−22−28. |
『地盤面の水平震度kh』は、「底版慣性力」および「突出時の杭体慣性力」の算出に用いております。
底版下面中心における作用力を直接入力する場合は、突出時(底版下面〜耐震設計上の地盤面間)の杭体慣性力の算出のみに用いております。
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Q1−22−29. |
地震時保有水平耐力法による橋脚基礎の照査に用いる設計水平震度Khpは、どのように使われているか? |
A1−22−29. |
杭基礎のレベル2地震時照査では、水平震度0.0〜Cz・khcoを計算範囲としています。
橋脚に生じる応答が塑性域に達する場合は、khp<Cz・khcoの関係のケースで、この場合、上部構造および橋脚躯体の水平震度の上限はkhpとしています。
一方、橋脚に生じる応答が弾性域にとどまる場合は、Cz・khco<khpの関係のケースで、この場合、khpではなく、Cz・khcoまでを計算範囲としています。
本プログラムは、「レベル2地震時基本条件」画面上の[ヘルプ]に記載しておりますように、上記のとおり、0.0〜Cz・khcoを計算範囲とし、上部構造および橋脚躯体の水平震度khiは0.0≦khi≦khpの範囲でkhi、khp<khi≦Cz・khcoの範囲でkhpとしています。
鉛直力 V=Vo
1)0.0≦khi≦khpのとき
水平力 H=(Wu+Wp)・khi+WF・khG・(khi/Cz・khco)+Hd
モーメント M=(Wu・hu+Wp・hp)・khi+WF・hF・khG・(khi/Cz・khco)+Md
2)khp<khi≦Cz・khcoのとき
水平力 H=(Wu+Wp)・khp+WF・khG・(khi/Cz・khco)+Hd
モーメント M=(Wu・hu+Wp・hp)・khp+WF・hF・khG・(khi/Cz・khco)+Md
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Q1−22−30. |
断面力算出の照査位置Lは引抜き側からの距離? |
A1−22−30. |
計算書の「レベル2地震時の照査」−「底版照査」−「断面力算出」の『照査位置』は、 Y方向:平面図上で下からの距離 X方向:平面図上で左からの距離となります。
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Q1−22−31. |
「橋脚の設計」との連動時、橋脚の水平耐力に余裕がない場合でも基礎の応答塑性率照査を行う方法はあるか? |
A1−22−31. |
応答塑性率の照査は、橋脚が十分大きな終局水平耐力を有している場合、あるいは液状化が生じる場合に行うことが可能ですが、「橋脚の設計」,「基礎の設計計算,杭基礎の設計」との連動時、橋脚の水平耐力に余裕があるか否かは、「橋脚の設計」側で自動的に判定され、これを任意に変更することはできません。
したがって、この場合、基礎単独設計にてご検討いただくことになります。
基礎単独設計であれば、「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(共通)」画面の「橋脚の終局水平耐力」により、橋脚の終局水平耐力に大きな余裕があるか否かを変更することができるため、便宜的に「余裕がある」と設定することにより、基礎が降伏に達した場合、応答塑性率の照査,応答変位の照査を行うことが可能となります。
なお、基礎単独設計を行うには、
@橋脚連動時に基礎側メニューの「ファイル」−「名前を付けて保存」より基礎単独ファイル(*.F8F)を保存し、保存したファイルを読み込む。
A 基礎単独にて起動し、新規作成状態から「地層」,「基本条件」,「形状」,「予備計算」までを設定したあと、橋脚側のメニューの「ファイル」−「基礎連動用XMLファイル」より連動ファイルをエクスポートし、基礎側のメニューの「ファイル」−「橋脚連動用XMLファイル」よりインポートすることにより、基礎の設計に必要な柱形状,作用力,設計水平震度等を読み込む。
のいずれかの方法にて行ってください。
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Q1−22−32. |
作用力直接指定によるレベル2地震時照査を行う場合、プッシュオーバー解析を行っているのか? |
A1−22−32. |
本プログラムの杭基礎レベル2地震時照査は、プッシュオーバー解析として荷重増分法を採用しており、これは作用力を直接指定する場合においても同様です。
具体的には、死荷重時から全作用力まで、徐々に荷重を増加させながら地盤および杭部材の非線形性を考慮した計算を行っています。
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Q1−22−33. |
盛りこぼし橋台の杭基礎の設計において、杭基礎設計便覧(H19.1)準拠時であっても、レベル2地震時の杭頭部の照査が行われない理由は? |
A1−22−33. |
盛りこぼし橋台は、「設計要領第二集 橋梁建設編 4章基礎構造(平成18年4月)NEXCO」に準じた設計法で、杭の変形性能の照査として、全杭体の曲率が許容曲率塑性率以下となることを照査します。
これに対し、杭頭仮想鉄筋コンクリート断面の照査方法は、「杭基礎設計便覧(平成19年1月)社団法人日本道路協会」(P.303〜)に規定された設計法で、基礎に主たる塑性化を考慮するか否かにより、
■基礎に主たる塑性化を考慮する場合
杭体の降伏曲げモーメント≦仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメント
■基礎に主たる塑性化を考慮しない場合
杭頭発生曲げモーメント≦仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメント
として照査します。
両者は基本的な設計方法が異なっており、盛りこぼし橋台に対し、単純に仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントと杭体の降伏曲げモーメントまたは杭頭発生曲げモーメントと比較することにより照査してもよいか判断することができません。
また、盛りこぼし橋台では、全ての杭において杭体が塑性化し、道示の考え方によれば降伏するとみなされる状態となったとしても、杭の変形性能の照査を満足すればよいと規定されており、基礎に主たる塑性化を考慮するか否かは設計において考慮されていません。
以上のように、盛りこぼし橋台における杭頭部のレベル2地震時照査は、その照査方法が明確でないと判断されるため、現行では設計対象外としています。
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Q1−22−34. |
「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面の鉛直力算出用水位と予備計算用水位は何に影響するのか。
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A1−22−34. |
それぞれ次を示しています。
■鉛直力算出用水位
底版,上載土,および橋脚躯体の浮力の算出に用いており、底版下面における鉛直力に影響します。
■予備計算用水位
極限引抜き力や上載荷重、受働土圧強度等の算出に影響します。
鉛直力算出用水位は底版下面の鉛直力を算出するための水位であるため、底版下面以深となるよう設定しても結果に影響はありません。これに対し、予備計算用水位は極限引抜き力や受働土圧強度に影響するため、底版下面以深に対しても適切に設定する必要があります。
浮力無視時の予備計算用水位を地震時水位とすべきか底版下面位置とすべき判断することができないため、現行では、選択スイッチを設け、設計者の方のご判断として設定していただくようにしています。 |
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Q1−22−35. |
「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面の「鉛直力算出用水位」,「予備計算用水位」の取扱い |
A1−22−35. |
レベル2地震時の照査に用いる水位は、「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面で入力される『鉛直力算出用水位』と『予備計算用水位』の2種類あり、これらを用いてレベル2地震時の照査を行っております。
「地層」−「地層線」−「設計地盤面」画面の『水位(地震時)』は、[水位高連動]ボタン押下時にのみ用いており、レベル2地震時の照査には直接使用しておりません。
■『鉛直力算出用水位』について
(1)「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面上の[作用力計算]ボタンを押下時に用います。
(2)底版レベル2地震時照査で断面力算出に用います。
「橋脚の設計」との連動の場合、橋脚側の「荷重」−「保有耐力法ケース」画面の『水位』を標高に置き換えてセットしております。((1)は連動値をそのまま用いるため無効([作用力計算]ボタンは非表示)となります。)
■『予備計算用水位』について
予備計算用水位は、下記の画面の『計算』ボタンから算出される計算項目に用いています。
・「杭本体」画面
・地盤から決まる極限引抜き力
・「地盤データ」画面
・上載荷重
・受働土圧強度pp
・水平地盤反力係数kHEの層分け
・「底版前面水平抵抗」画面
・上載荷重
・水平地盤反力度の上限値pHu |
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Q1−22−36. |
杭基礎レベル2保耐時に鋼管杭の場合せん断耐力照査を行わないのはなぜ? |
A1−22−36. |
道示W12.10.5(P.414)に、「鋼管杭,鋼管ソイルセメント杭及びSC杭においては、(中略)杭体の塑性化においては曲げモーメントの影響が支配的であることから、せん断耐力の照査は省略してよい。」と記載されております。
よって、上記杭種の場合は、せん断耐力照査は行っておりません。 |
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Q1−22−37. |
場所打ち杭の杭頭結合部の耐力照査(L2)において、杭頭結合部と杭体の鉄筋量が同じであるにも関わらず、杭頭結合部の降伏曲げモーメントMyの方が小さく判定がOUTとなる。これはなぜか。 |
A1−22−37. |
場所打ち杭で杭体の主鉄筋が杭頭補強鉄筋をなすとき、杭体と杭外径+200(mm)とした杭頭結合部の仮想鉄筋コンクリート断面とを比較すると、コンクリートの設計基準強度および軸力が同じと仮定すれば、より断面の大きい杭頭結合部の方が降伏曲げモーメントMyは大きくなるものと考えられます。
ただし、本プログラムでは、「レベル2地震時基本条件」−「計算条件B」画面において、「仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントMy算出用の軸力の取扱い」の選択を設けています。
本選択は、仮想鉄筋コンクリート断面のMy値を算定する際の軸力の取扱いを指定していただくものですが、本選択を「軸力=0」とした場合、場所打ち杭の押込み側では、
・杭体=死荷重反力によるMy値
・杭頭結合部=軸力0によるMy値
とした条件により算定されるため、この場合であれば、軸力を0とした杭頭結合部の方がMy値が小さくなるケースが生じます。
なお、上記スイッチにつきましては、設計者の方のご判断として選択してください。 |
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Q1−22−38. |
レベル2地震時基本条件−計算条件Bの杭頭仮想鉄筋コンクリート断面の照査で「1列(本)ごとに照査」「全列(杭)で照査」が選択できるが、どちらを選択したらよいか |
A1−22−38. |
本プログラムの仮想鉄筋コンクリート断面の照査は、杭基礎設計便覧(H19.1)6-3-2(P.301〜)を参照し作成しておりますが、本文献では、一部
の杭列のみ杭体の降伏曲げモーメントあるいは杭頭発生曲げモーメントが仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントを超えたとき、仮想鉄筋コンクリート断面の照査を満足したとみなすべきか否か、明確な記述がありません。
ただし、杭基礎設計便覧の執筆者による各論(基礎工2006.12月号.P.048〜)では、
・結合部に損傷が生じた場合の基礎の挙動や変形性能は、現在のところ不明である。設計法を確立するためには、今後も実験や万が一損傷が生じた場合の補修方法などの研究が必要である。
・基礎の許容塑性率に関するこれまでの実験的研究については、杭頭結合部に損傷が生じる場合を想定していない。したがって、確実に基礎で塑性化を先行させるためにも、杭頭結合部をフーチング−杭体間で確実に荷重伝達が行えるような構造としておく必要がある。
とあります。
本記述は、結合部に損傷が生じた場合の基礎の挙動は未解明な部分が多く、今後の研究成果により設計法が確立されるまでは確実に安全性が確保される構造とする必要があると述べているものと考えられます。
本プログラムでは、上記の記述を参照し、本照査に対応したVer.6.01.00においては、安全側の評価となるよう、部分的にでも杭頭結合部に損傷が生じるケースは許容せず、1列でも仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントを超える杭列が生じたとき、仮想鉄筋コンクリート断面の照査を満足しないもの
と考え、最終的な判定をOUTとしておりました。
しかしながら、その後、他のユーザ様より、一部の杭の杭頭部が損傷を受けたとしても、ただちに基
礎全体の挙動が不安定とはならないケースも考えられることから、部分的に杭頭に損傷が生じることを許容した照査を行ってもよいのではないかとのご意見,ご要望をいただき、Ver.6.04.00において、お問合せの選択を設けました。
ただし、前述のとおり、杭基礎設計便覧には、本選択に関する明確な記述はありません。
最終的には設計者の方のご判断により選択してくださいますようお願いいたします。
なお、「1列(本)ごとに照査」が部分的な損傷を許容せず、全杭の耐力を満足して初めてOKと判断する方法、「全列(杭)で照査」が部分的な杭頭結合部の損傷を許容する方法となります。 |
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Q1−22−40. |
レベル2地震時の計算で表示されるメッセージについて解説してほしい。
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構造系が不安定になりました。
支持力の上限値に達していない杭が2列以上なく、且つ、全杭の杭頭に塑性ヒンジが
発生しました(杭頭M≧Mu,Mp)。
------------------------- |
A1−22−40. |
本プログラムは、杭基礎のレベル2地震時照査を荷重増分法により行っており、死荷重時から最終水平震度まで水平震度(荷重)を増加させながら地盤および杭部材の非線形性を考慮した計算を行っています。
このときの解析モデルは、道示W12.10.4(P.409)図-解12.10.1のとおりで、杭頭の鉛直バネ(杭軸方向バネ定数KvE)により鉛直方向(杭軸方向)の荷重に抵抗し、また杭頭から杭先端までの水平バネ(水平方向地盤反力係数kHE)により水平荷重に対して支持されます。これらの杭は、剛体と仮定したフーチングに杭頭が剛結された状態です。
この解析モデルを用いて、水平震度(荷重)を増加させながら計算を行う過程において、杭頭モーメントが終局モーメントあるいは全塑性モーメントに達した場合、杭頭に塑性ヒンジが発生した状態となります。杭頭部がピン結合された状態と等しくなるため、杭頭に作用する回転に対し抵抗することができません。
また、杭頭鉛直反力が押込み支持力あるいは引抜き支持力の上限値に達した場合、これ以上の鉛直荷重(杭軸方向力)に対し抵抗することができません。
ここで、全杭の杭頭に塑性ヒンジが発生した場合、全杭の杭頭がピン結合された状態であることから、基礎に生じる回転に対して抵抗できるのは杭軸方向の抵抗のみとなります。
押込み/引抜き支持力の上限値に達していない杭が2列以上残っていれば、これにより基礎の回転に抵抗することができますが、上限値に達していない杭が1列しかない場合、基礎の回転に抵抗することができず、力の釣合がとれなくなり、構造系が不安定となります。
構造系が不安定となった場合、結果を得ることができないことから、本メッセージを表示し、計算を中断しています。
計算不能となる直前の状態を参考値として出力していますが、この参考値を近似値として採用することはできません。
本出力を参照していただき、必要に応じて構造諸元の見直し等を行ってください。 |
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Q1−22−41. |
杭基礎レベル2地震時の最大曲げモーメントの抽出結果が実際の最大曲げモーメントとなっていないのはなぜか。 |
A1−22−41. |
図をご参照ください。本画面は杭基礎レベル2地震時の結果確認画面ですが、グラフは、杭体の曲げモーメント分布(赤線),降伏曲げモーメント分布(青点線)を示しています。
本例では、杭頭から11.4(m)位置の杭体曲げモーメントが降伏曲げモーメントに達し、杭体が降伏しています。しかしながら、杭体の降伏が発生しているのは、最大曲げモーメント発生位置ではありません。
これは、11.4(m)位置で主鉄筋の段落としが行われ、第1区間は大きな降伏曲げモーメント,第2区間は小さな降伏曲げモーメントとなっているためで、最大曲げモーメントが発生する第1区間は降伏曲げモーメントに対して余裕があり、逆に第2区間は降伏曲げモーメントに対して余裕がない状態となっています。よって、最大曲げモーメント発生位置とは異なる第2区間(段落とし位置)において杭体が降伏しています。
多くのケースでは、最大曲げモーメント発生位置が杭体の降伏に対して最も厳しくなりますが、上記の例のように、段落としが行われる場合、必ずしも最大曲げモーメント発生位置にて杭体が降伏に達するとは限らないことから、本プログラムでは、基礎の降伏に対して最も厳しい箇所の結果を抽出し、これを最大曲げモーメントの欄に出力しています。
具体的にどのような方法にて抽出されたかについては、計算書の「レベル2地震時の照査」−「計算結果一覧表」の条件1〜条件4にてご確認いただけますのでご参照ください。
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Q1−22−42.
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杭頭仮想鉄筋コンクリート断面のMyの計算に帯鉄筋(横拘束筋)は考慮しているのか。
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A1−22−42. |
降伏曲げモーメントMyの算出に用いるコンクリートの応力度−ひずみ曲線は、
(1)道示V4.2.4(横拘束効果なし)
(2)道示X10.4 (横拘束効果あり)
がありますが、本プログラムの杭頭仮想鉄筋コンクリート断面のMy計算では、上記(1)の道示Vを用いています。
よって、帯鉄筋(横拘束筋)はMy計算に用いておらず、底版内仮想鉄筋コンクリート断面の帯鉄筋の入力は設けておりません。
ここで、道示Vのコンクリートの応力度−ひずみ曲線を用いているのは、
・「道路橋の耐震設計に関する資料(平成9年3月)社団法人日本道路協会」
・「鋼管杭基礎の設計と施工 道路橋示方書(平成14年3月版)改訂対応 (平成14年4月)鋼管杭協会」
の設計計算例等を参考としたものです。
道示,杭基礎設計便覧等の基準・文献において、道示Vを用いるべきか道示Xを用いるべきか明確な記述がないことから、現行では、上記の設計計算例等を参考とし、道示Vとしています。 |
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Q1−22−43. |
「橋脚の設計」連動時、底版下面中心における作用力を直接指定する方法
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A1−22−43. |
「橋脚の設計」との連動時は、下記手順にて底版下面中心における作用力を直接指定することができます。
(1)橋脚側の「考え方」−「保有耐力法」−「はり・フーチング・基礎」画面で『レベル2地震時の作用力を直接指定する』にチェック(レ)する。
(2)杭基礎側の「レベル2地震時基本条件」−「基本条件」画面で『作用力を指定してレベル2地震時照査を行う=する(底版下面作用力)』を選択する。
(3)「基本条件(杭基礎)」画面で作用力を入力する。
詳しくは、入力画面上の[ヘルプ]をご参照くださいますようお願いいたします。 |
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Q1−22−44. |
「レベル2地震時基本条件」−「計算条件A」画面において、「免震橋のとき、基礎に主たる塑性化を考慮しない」の項目を設けている理由は? |
A1−22−44. |
現行道示の耐震性能の照査では、橋全体系として考えたときの部材(橋脚,基礎,免震支承や上部構造)のいずれかに塑性化を考慮し、塑性化に伴うエネルギー吸収を期待する構造とする考え方が示されていますが、道示X(P.34)の記述、「複数の部材に同時にエネルギー吸収を期待する構造とする考え方もあるが、地震時の挙動が複雑になる可能性もあり、このような構造系の地震応答特性についてはさらに研究が必要であることから、現段階では、確実にエネルギー吸収を図るための主たる塑性化あるいは非線形性を考慮する部材としては、図-解5.3.1に示すように、橋脚,基礎あるいは免震橋であれば免震支承のいずれかを選択するのが望ましい。」のように、原則として主たる塑性化を考慮する部材は1つとすることが基本となります。
免震橋の場合、免震支承の変形に伴いエネルギーを吸収する構造であるため、道示X(P.33)のとおり、非線形性を考慮する部材として取り扱われます。よって、主たる塑性化を考慮する部材を一つとする上記の考え方によれば、非線形性を考慮する免震支承を用いる場合、橋脚や基礎に塑性化は考慮することは望ましくありません。更に、(P.36)4)の記述、「橋脚のエネルギー吸収の分担を高めすぎると、免震支承の保有する減衰性能が発揮できず、免震支承による確実なエネルギー吸収を担保できなくなる場合も生じる。」のとおり、免震橋では、橋脚(基礎も同様と考えられる)にエネルギー吸収を期待すると、所要の免震効果を確保できなくなる可能性も生じます。
以上より、免震支承においては、橋脚および基礎の塑性化を考慮しないよう設計することが必要と考えられます。(P.38)図-解5.3.1(b)、および(P.35) 3)の記述「なお、基礎に塑性化を考慮する場合は、橋脚,橋台,支承部,上部構造の各部材は、力学特性が弾性域を超えない限界の状態が限界状態となる。」からも、同様の主旨を確認することができます。よって、本プログラムでは、「免震橋のとき、基礎に主たる塑性化を考慮しない」スイッチを設け、基礎に主たる塑性化を考慮しない設計を行うことを可能としています。 |
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Q1−22−45. |
斜引張鉄筋の負担するせん断耐力Ssの算出方法は?
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A1−22−45. |
ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「レベル2地震時照査」−「基礎の非線形性を考慮した解析方法」−「底版照査」の『(2)はりとしてのせん断照査』に記載しておりますように、斜引張鉄筋の負担するせん断耐力Ssは、下記のように算出しております。
・せん断スパンa≧d/1.15の場合
Ss=(Aw・σsy・Cds・d)/(1.15・s)
・せん断スパンa<d/1.15の場合
Ss=(Aw・σsy・Cds・a)/s |
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Q1−22−46. |
底版が存在せず、柱と杭を直接結合する構造の場合、どのように入力,計算すればよいか。
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A1−22−46. |
本プログラムの杭基礎の安定計算は、基礎天端(杭頭)から杭先端までをモデル化しています。底版形状は、 ・常時,レベル1地震時の作用力自動計算, ・底版照査(許容応力度法,レベル2地震時) ・「レベル2地震時基本条件」画面の底版重量の算出 に用いていますが、これらの計算,照査を行わなければ、底版形状の入力の必要はありません。 よって、本件につきましては、次のようにご対処ください。
■「計算条件」−「基本条件」画面 次のように設定します。 ・作用力(常時,レベル1地震時)=入力 ・底版許容応力度法の照査=しない ・底版レベル2地震時照査=しない
■「底版形状」画面 入力せず、ツリービューの項目を未入力(項目がピンク色)の状態としたままとします。
■「レベル2地震時基本条件」画面
「基本条件(杭基礎)」タブにおいて、『WF』,『hF』,『Ws』,『WF’』を全て0.000と入力します。他の入力については、通常どおり指定します。
また、動的解析結果等により基礎に作用する荷重が別途求められている場合、「基本条件(共通)」タブの「作用力を指定してレベル2地震時照査を行う」を「する(底版下面作用力)」とした上で、「基本条件(杭基礎)」タブの初期作用力/全作用力に荷重を直接入力します。
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Q1−22−47. |
レベル2地震時の計算書において、下記の設計荷重の算式の見方が分からないので説明してほしい。
鉛直力 V = Rd + Wp - Up + Ws + WF'
水平力 H = (Wu + Wp)・khp + WF・khg・khi/(Cz・khco) + Hd
モーメント M = (Wu・yu + Wp・yp)・khp + WF・khg・khi/(Cz・khco)・yF + Md
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A1−22−47. |
レベル2地震動の設計水平震度は、道示X6.4.3(P.89〜)の khc =
Cs・Cz・khco ここに、 khc:レベル2地震動の設計水平震度 Cs :6.4.4に規定する構造物特性補正係数 Cz :4.4に規定する地域別補正係数 khco:レベル2地震動の設計水平震度の標準値 が該当しますが、Csは下部構造の照査に用いる補正係数であるため、基礎の照査に用いる設計水平震度はCz・khcoとなります。 よって、死荷重時(水平震度=0.0時)の状態から上部構造および橋脚躯体にはCz・khcoを,フーチングにはkhgに相当する荷重を漸増載荷させながらプッシュオーバー解析を行っています。
ただし、上部構造および橋脚躯体に作用する水平震度が橋脚の終局水平耐力に相当する設計水平震度khpを超えると、橋脚躯体基部に塑性ヒンジが形成され、橋脚から基礎に伝達される作用力はこれ以上増加しないものと仮定した計算を行っています。 よって、水平震度khiがkhpに達するまでは上部構造,橋脚躯体,フーチングの慣性力を増加させながら計算を行い(領域@)、水平震度khiがkhpを超えた以降の計算(領域A)については、フーチングの慣性力のみを増加させながら計算を行っています。 この考え方は、「道路橋の耐震設計に関する資料(平成9年3月)社団法人日本道路協会」(P.2-60〜)以降に詳しく記載されておりますのでご参照ください。(※文中のkhcは現行道示のCz・khcoにあたります) また、現行道示を対象とした資料としては、「鋼管杭基礎の設計と施工
道路橋示方書(平成14年3月版)改訂対応(平成14年4月)鋼管杭協会」(P.67)に同様の説明がございますのでご参照ください。
ここで、本プログラムの計算書の設計荷重の出力では、水平震度を0.0〜Cz・khcoまで計算する過程における水平震度をkhiと表記しています。 上部構造および橋脚躯体の慣性力は、 (Wu
+ Wp)・khi となります。ただし、khiがkhpを超える場合、 (Wu +
Wp)・khp と表記し、水平震度をkhpに固定しています。 また、最終震度Cz・khcoが作用した状態(khi = Cz・khcoの状態)をαi
= 1.000と考えると、αiは、 αi =
khi/(Cz・khco) と表されます。よって、フーチングに作用する水平震度は、 khg・αi =
khg・khi/(Cz・khco) となります。これは、最終震度Cz・khco時のとき、khgが作用することを示しています。
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Q1−22−48. |
レベル2地震時照査において、基礎の応答塑性率の照査を行うときに限り、基礎の変位の照査が行われる理由は?
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A1−22−48. |
道示W9.2(P.247)の設計の基本において、「なお,基礎が降伏に達しないことを照査する場合には過大な残留変位が生じないものと考えられるため,許容変位に対する照査を行う必要はない。」と記載されています。よって、応答塑性率の照査を行わない場合、基礎の変位の照査は行っていません。
なお、基礎の変位の照査は、基礎に主たる塑性化を考慮する場合において、基礎に著しい残留変位が生じ、修復が難しく、橋としての機能の速やかな回復が困難となることがないよう規定されたものであるため、基礎が降伏に達しない状態に対しては本照査を行う必要はありません。
道示では、この状態(副次的な塑性化。基礎全体の挙動を見たときに弾性範囲内とみなせる範囲に収まっている状態)であれば、残留変位が無視できなくなる範囲に達することはないと判断しているものと考えられます。
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Q1−22−49. |
計算書の「荷重変位曲線」の章にある表中の「杭本体状態」とは?
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A1−22−49. |
杭本体状態は、杭体に生じる曲げモーメントとM−φとの関係を示しており、
・コンクリート系杭の場合
1 : M<Mc 2 : Mc≦M<My 3 : My≦M<Mu 4 : M = Mu ・鋼管系杭の場合 1
: M<My 3 : My≦M<Mp 4 : M = Mp の状態となります。
数値が大きくなるほど厳しい状態となっていることを示しており、杭頭から杭先端までの杭部材の中で最も厳しい状態を出力しています。
これにより、多数の杭が配置されている杭基礎においても、杭基礎全体の状態をある程度把握できるようにしています。
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Q1−22−50. |
レベル2地震時照査結果の応答変位時とはどのような状態か。
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A1−22−50. |
道示W12.10.5(P.414)の記述、「基礎の応答塑性率の照査を行う場合は、耐震設計編12.4(※橋台基礎の場合は13.3)の規定により算定された応答塑性率あるいは応答変位の状態において杭体に生じるせん断力に対し照査するものとする。」のように、基礎の変位の照査(回転角≦許容変位0.02rad)や杭体のせん断耐力照査,フーチングの照査等の部材照査は、「応答塑性率あるいは応答変位の状態」を用いて照査します。 この状態は、基礎の塑性化を考慮する場合の設計水平震度khcF(橋台基礎の場合はkhA)を作用させたときの杭基礎の状態を示していますが、一般に、上部構造慣性力作用位置の水平変位が応答変位δFrと一致する状態とします。
具体的には、
@基礎が降伏に達し応答塑性率の照査が可能な条件であれば、応答塑性率が許容塑性率以下であることを照査する。
A@の応答塑性率を用いて応答変位を算定する。
B@の状態から基礎に作用する水平震度(荷重)を徐々に増加させながら荷重増分法によるプッシュオーバー解析を行う。 CBの計算の過程において徐々に増加する上部構造慣性力作用位置の水平変位がδFrと一致する状態を求める。 として求めています。
本プログラムでは、この状態を「応答変位時」と呼んでいます。
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Q1−22−51. |
レベル2地震時の作用力と杭反力の向きはどのように取り扱われているか
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A1−22−51. |
レベル2地震時の作用力の向きは、鉛直力の正方向は下向きですが、水平力,モーメントの正方向は、「レベル2地震時基本条件」で指定された慣性力(土圧)の向きに応じて異なります。
杭反力の正方向は作用力の正方向の逆向きとなり、鉛直反力の正方向は上向き、水平力,モーメントの反力の正方向は、慣性力(土圧)の向きに応じて異なります。
ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「作用力及び反力の向き」に図示しておりますのでご参照ください。
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Q1−22−52. |
連続フーチングの柱間レベル2 地震時照査を行う場合、柱基部断面力Vpi,Hpi,Mpiには、どのような断面力を入力したらよいか
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A1−22−52. |
連続フーチング柱間レベル2地震時照査を行うには、底版自重,上載土重量,浮力,杭頭反力,および部材照査時の各柱基部の作用力が必要となりますが、例えば、ラーメン橋脚において柱基部断面力を算出する際に部材の曲げ剛性等をどのように評価して算出すべきか基準類に明示されておらず、また、本プログラムには多柱式橋脚そのものの設計機能がありませんので、部材照査時の荷重状態における柱基部断面力を直接入力していただくようにしております。
恐れ入りますが、部材照査時の荷重状態における柱基部断面力につきましては、設計者の方のご判断により別途算出してくださいますようお願いいたします。
なお、「計算・結果確認」−「底版照査(レベル2)」−「X方向」画面において、画面下部の作用力は、それぞれ次の値を示しています。
■断面照査時の底版下面作用力 基礎の安定計算に用いた設計荷重を示しており、計算書の「レベル2地震時の照査」−「液状化無視/考慮・地震動タイプI/U・浮力無視/考慮」−「橋軸直角方向」の設計荷重がこれに該当します。
この荷重状態は、 ・基礎が降伏に達しなかったとき:最終震度時 ・基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行わないとき:基礎降伏時 ・基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行ったとき:応答変位時 となります。
■柱基部断面力より算出した作用力 本画面で入力した各柱の基部断面力に底版自重,慣性力,上載土重量,浮力を考慮し、底版下面中心の作用力に換算した値です。
具体的には、 V=Σ(Vpi)+上載土重量+底版重量−浮力+任意荷重
H=Σ(Hpi)+底版慣性力 M=Σ(Mpi)+Σ(Vpi・xi)+底版慣性力によるモーメント+上載土および底版自重の左右非対称性によるモーメント−浮力によるモーメント+任意荷重によるモーメント
xi:底版下面中心を原点とした各柱中心のx座標 となります。
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Q1−22−53. |
杭基礎設計便覧(P.296)より、フーチング縁端距離が十分でない場合はレベル2地震時に対する杭頭結合部の計算が必要と考えられるが、プログラムは対応しているのか。
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A1−22−53. |
杭基礎設計便覧(P.296)の規定では、杭頭結合部のレベル2地震動に対する照査は、被災例や様々な載荷試験等より得られた過去の実績,信頼性より、常時,レベル1地震時の照査を満足していれば省略してよいとあります。 しかしながら、本項の意図するところを勘案すると、道示に規定された構造細目を満たしていない場合(フーチング縁端距離を満たしていないケース等)においては、常時,レベル1地震時の照査を満足していたとしても、レベル2地震動に対する安全性を保証することができず、杭頭結合部に対するレベル2地震時照査を行わなければならないと記述されているようにみえます。
ただし、現行の杭基礎設計便覧に示される杭頭結合部の照査方法は、いずれも応力度が許容応力度以下であることを照査するものであり、あくまで耐震性能1(レベル1地震動)に対する考え方です。 レベル2地震動に対してこれらの照査方法を適用することはできず、また、仮にレベル2地震動において生じる杭軸方向力や杭軸直角方向力,モーメント等を当てはめてみたところで、想定する地震動レベルが異なることから、許容応力度を満足させることは困難ではないかと思われます。 したがって、杭頭結合部の押抜き,引抜きせん断方向力や水平方向力、あるいはフーチング端部の水平方向力に対する耐力照査が必要となりますが、これらに対する明確な評価指標は、今のところ示されておりません。
以上のように、NEXCOの規定を適用する場合や施工上の制約から道示に規定される縁端距離を満たさないケースがあるとしても、レベル2地震動に対する評価指標が示されていない現時点では、照査しようがないというのが現状です。
よって、現行では、レベル2地震動に対する杭頭結合部の照査は行っておりません。
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Q1−22−54. |
レベル2地震時照査−基本条件−計算条件@の「軸力変動を考慮したレベル2地震時照査」は一般的にどちらを選択したらよいか
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A1−22−54. |
道示W12.10.4(P.412)では、杭体の曲げモーメント〜曲率関係は杭体に作用する軸力により変化するため、本来、杭基礎に作用する
水平力の変化に伴って変化する杭頭での反力を用いて、適宜、曲げモーメント〜曲率関係を修正する必要があるとしながらも、計算の簡略化のため、
・コンクリート杭(場所打ち杭,PHC杭,SC杭,RC杭)においては,杭群図心位置から押込み側の杭では死荷重時反力,引抜き側の杭では 軸力を零
・鋼管杭,鋼管ソイルセメント杭では、死荷重時反力 を軸力として算出した曲げモーメント〜曲率関係を用いてよいとあります。
本プログラムでは、従来、上記の軸力により算出した曲げモーメント〜曲率関係を用いて杭基礎レベル2地震時照査を行っていましたが、「基礎の
設計計算Ver.5,杭基礎の設計Ver.5」において、軸力変動に関する選択を設け、「軸力
変動を考慮したレベル2地震時照査=考慮する」としたとき、荷重増分法計算のステップごとに杭頭反力を軸力とした曲げモー
メント〜曲率関係を再定義し、より厳密に杭体の曲げ剛性を評価した照査を行うことができるようにしました。これにより、杭基礎全体の挙動をよ
り正確に把握することが可能と考えられます。
上記の通り、道示Wでは計算の簡略化のため軸力変動を考慮しなくてもよいと記載されております。
よって、通常の設計においては「考慮しない」を選択し、設計者の方のご判断により、より厳密な照査を行う必要があると判断される場合に「考慮
する」を選択していただきますようお願いいたします。
なお、杭基礎設計便覧(H19.1)の参考資料「7.斜杭の設計法」(P.414〜)におきましては、「斜杭基礎では杭体が斜角を有することから、直杭基礎に比べて杭頭の軸力変動による影響が顕著となる。したがっ
て、レベル2地震時の解析においては杭頭の軸力変動を考慮するものとする。」(P.427)と記載されており、本設定項目より「軸力変動を考慮したレベル2地震時照査=考慮する」として照査を行う必要があるものと考えられます。
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Q1−22−55. |
レベル2地震時照査を行うと以下のエラーが発生する ------------------- 底版照査エラー:[-90054]
底版レベル2地震時照査において、せん断耐力Ss算出に用いる有効高dが0となっています 「底版設計」画面で入力してください
-------------------
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A1−22−55. |
「底版設計」−「配筋」−「Y方向/X方向」画面で『せん断照査用有効高d(cm)』をご確認ください。
こちらが入力されていない場合、お問合せのメッセージが表示されます。
『せん断照査用有効高d』は、増し杭工法時の既設底版上に増厚された位置の照査に用いる有効高で、許容応力度法照査では必要斜引張鉄筋量の算
出に,レベル2地震時照査ではせん断耐力Ss算出に用いております。
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Q1−22−56. |
照査断面と杭位置が一致するとき、作用曲げモーメントに杭頭水平反力と杭頭モーメントが考慮されているが、どういう考えに基づいているのか。
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A1−22−56. |
道示W8.7.3(P.225〜)の規定によると、図-解8.7.5のように、レベル2地震時においては杭頭水平反力および杭頭モーメントによる曲げモーメントを考慮した設計を行う必要があります。 ただし、道示には、照査断面位置と杭中心位置が一致する状態となるとき、この杭の杭頭水平反力および杭頭モーメントによる曲げモーメントを考慮すべきか否か、明確に規定されてはおりません。 現実の構造物を考えたとき、着目する断面の直下に杭が配置されていたとすると、この断面に曲げ破壊が生じる状態となるとき、少なからずこの直下の杭の影響が曲げ破壊に寄与するのではないかと思われますが、道示(杭基礎設計便覧等の他の文献も含む)には一切触れられておりません。 よって、現行では、安全側として常に照査断面直下の杭の影響を考慮するようにしています。
なお、この杭の影響を無視した検討を行うのであれば、杭位置を1mmずらしてご検討いただくようお願いいたします。 |
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Q1−22−57. |
「Y−U,Y−Y’区間に対する低減率」とは?
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A1−22−57. |
杭体部材の曲げ剛性は、コンクリート杭は道示W12.10.4(P.412)図-解12.10.3のバイリニアとして、また鋼管杭及び鋼管ソイルセメント杭は(P.413)図-解12.10.6のトリリニアとしてモデル化しております。 本図をご参照いただくとお分かりのように、杭体モーメントが終局モーメントあるいは全塑性モーメントに達した部材の曲げ剛性は、本来0となります。 しかしながら、曲げ剛性を0として計算することはできません(曲げ剛性が0の部材が存在するとき理論上解を得ることができない)ので、何らかの曲げ剛性を与える必要があります。 よって、本プログラムでは、終局モーメントあるいは全塑性モーメントに達した部材に対しては、前述の道示の図-解のY−U区間,あるいはY−Y’区間の勾配に対する低減率(何分の1とするか)を指定することより計算を行う仕様としております。
この低減率は1/10000を初期設定しておりますが、あまりにも曲げ剛性が小さくなりすぎると、プログラム内部で用いている実数値の有効範囲(桁数)が不足し、桁落ちし、『0割が発生しました。』とエラーが発生するケースが生じます。 低減率が大きいほど(曲げ剛性が小さいほど)道示モデルに近い解析結果を得ることが可能と考えられますが、前述のエラーが発生するか否かは計算モデルに依存するため、一概にどれくらいの低減率まで許容できるか判断することができません。 よって、前述の低減率を初期設定し、必要に応じ、設計者の方のご判断により低減率を設定できるようにしております。
なお、本設定は、杭体モーメントが終局モーメントあるいは全塑性モーメントに達した部材が生じたときに有効となり、これらの部材が生じていないとき、本設定は計算に影響を与えません。 終局モーメントあるいは全塑性モーメントに達した部材が生じているか否かは、計算書の「レベル2地震時の照査」−「荷重変位曲線」の「杭本体状態」が「4」となっているか否かによりご確認いただけます。
本件につきましては、「レベル2地震時基本条件」画面上の[ヘルプ]も合わせてご参照くださいますようお願いいたします。
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Q1−22−58. |
基準値−杭基礎−その他−レベル2地震時照査の制限値はどのように取り扱っているか
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A1−22−58. |
本プログラムにおきましては、お問い合わせの『基礎の塑性率の制限値』を以下の様に取り扱っております。
1.「杭基礎設計便覧(H19.1)(P.418)(4)2)斜杭の軸直角方向の抵抗特性」に準じた、斜角により補正した水平地盤反力度の上限値を用いた照査を行う場合 塑性率の制限値=「斜角を考慮するKEP,pHuのとき:基礎の塑性率の制限値」に入力された制限値 2.直杭もしくは、斜杭の場合でも杭基礎設計便覧の記述に準じた照査(斜角により補正した水平地盤反力度の上限値を用いた照査)を行わない場合 塑性率の制限値=「斜角を考慮しないKEP,pHuのとき:基礎の塑性率の制限値」に入力された制限値 なお、斜杭の場合に上記の便覧の記述に準じた照査を行うか否かは、「レベル2地震時基本条件」−「計算条件A」画面の「斜杭に対する受働土圧係数KEP,地盤反力度の上限値pHuの取扱い」スイッチによって選択可能となっております。
【補足】
入力箇所における『斜角』という表現は、「杭基礎設計便覧(H19.1)(P.418)(4)2)斜杭の軸直角方向の抵抗特性」に記載されている表現をそのまま使用しております。ご了承ください。
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Q1−22−59. |
レベル2地震時照査-杭本体-杭種別データの「プレストレスの損失を考慮する範囲」 の入力値範囲が 100.0〜100.0 となり100以外の値を入力できない
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A1−22−59. |
本プログラムの杭頭カットオフを行ったPHC杭のレベル2地震時のせん断耐力照査は、杭基礎設計便覧(H19.1)の3-8-2(P.237)を参照し作成しております。 上記便覧では、杭頭カットオフ部(カットオフした位置から50φ(φ=PC鋼材の径)の範囲)はプレストレストコンクリート断面ではなく鉄筋コンクリート断面と考え、 (a)杭体部分を円環RC断面として算出する(ただし有効プレストレスσe=0とする) (b)中詰め部分は等積正方形断面に置き換えて算出する としてせん断耐力を算出し、(a)+(b)を最終的なカットオフ区間のせん断耐力として照査するよう記述されています。
これらの内容を考慮し、本プログラムでは「杭本体」画面における『プレストレスの損失を考慮する範囲』の入力範囲を、以下の様に設定しております。 ●最小値・・・「杭頭結合計算」−「杭径・底版形状」の『杭の埋込み長』 ●最大値・・・中詰めコンクリートのせん断耐力を考慮した計算となるため、「杭配置」−「杭データ」の『(中詰めコンクリートの)充填範囲』に『杭の埋込み長』を加えた値
上記の入力仕様と、ご質問内容から推測すると、ご検討中のデータでは「杭配置」画面において『(中詰めコンクリートの)充填範囲』が0.0mと入力されているのではないかと思われます。
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Q1−22−60. |
端堰柱の水門の設計を行う場合、レベル2地震時照査−基本条件−基本条件(共通)で地震動タイプが選択できない
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A1−22−60. |
端堰柱の水門の設計を行う場合、土圧を考慮した照査を行いますが、本プログラムでは、土圧を考慮する場合、プログラムの構造上、タイプT/タイプUの同時計算を行うことができません。 よって、現行では、タイプU地震動に固定しています。
ただし、「土木研究所資料
地震時保有水平耐力法に基づく水門・堰の耐震性能照査に関する計算例(平成20年3月)独立行政法人土木研究所」(P.29)では、「レベル2地震動に対する基礎の照査は、レベル2-1地震動およびレベル2-2地震動のうち、慣性力の大きい方を用いて照査を行えばよい。」とあります。 また、道示X13.2(P.225)の橋台基礎に対する規定では、「橋台基礎の照査に用いる設計水平震度は、値の大きいタイプUの地震動の地盤面における設計水平震度を用いて算出すればよい。」とあります。 地震動タイプによって照査方法が異なるわけではないため、一般に、設計水平震度の大きなタイプU地震動によって決定されるケースが多いことから、上記の記述を勘案すると、タイプUの計算のみを行えばよいのではないかと考えられます。
なお、「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(共通)」画面の「堰柱の水平震度」の選択につきましては、「河川構造物の耐震性能照査指針(案)一問一答(平成19年11月版)河川局治水課
河川保全企画室」(P.27)の
「問.V−4−2」をご参照ください。
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Q1−22−61. |
二次剛性の比r=0の根拠
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A1−22−61. |
二次剛性の比rについて、道示W12.10.3の解説に、杭基礎の降伏が杭体の塑性化から決まる場合、押込み支持力により決まる場合、いずれもr=0とするのがよいと記述されており、これより、本プログラムでは、常にr=0として計算しています。
なお、押込み支持力により基礎の降伏が決まる場合で、降伏耐力が杭体から決まる耐力と比較して著しく小さい場合にはrを考慮してよいと記述されていますが、プログラムでは、著しく小さい場合か否かを判定することは困難なため、現行では、常にr=0として計算しております。
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Q1−22−62. |
地盤変位荷重算出用の水平方向地盤反力係数kHDの算出方法は?
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A1−22−62. |
設計要領第二集では、杭体に作用する地盤変位荷重の推定はワイブル曲線にて行うよう明確に規定されています。 よって、本プログラムでは、地盤変位荷重算出用の水平方向地盤反力係数kHDは、下記のように常にワイブル曲線にて推定しています。
kHD=pmax/δmax ここに、pmax :最大荷重(kN/m2) {=kHE・So/(1−e^-1)} py :降伏荷重(kN/m2) kHE
:レベル1地震時の水平方向地盤反力係数(kN/m3) So :基準変位量(m) kHD
:レベル2地震時の水平方向地盤反力係数(kN/m3) δDmax :フーチング底面での最大変位(m)
詳しい計算理論につきましては、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「橋台特殊設計(側方移動/盛りこぼし橋台)」をご覧下さい。
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Q1−22−63. |
フーチング上面引張時のせん断スパン算出式、 a=L+min(tcc/2,d)
におけるL(もしくはM/S)は、杭基礎設計便覧p291に記載されているように、下面引張時の値を用いているのか
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A1−22−63. |
フーチング上面側引張時のせん断スパンの算出に用いる有効高は、上面側引張時の有効高(上面鉄筋図心位置〜フーチング下面)を用いています。
「杭基礎設計便覧平成19年1月」(P.291)には、「有効高」という表記のほか、特に下面側引張時の有効高を用いるように明記されておりません。
「道路橋示方書・同解説W下部構造編 平成14年3月」p.228の図にもありますように、下側引張時の有効高の場合も、上側引張時の有効高の場合もdで表されておりますので、単に「有効高」という表記の場合は、その時の引張面に応じた有効高であると判断しています。
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Q1−22−64. |
水門(端堰柱)のレベル2地震時照査で、Vdは端堰柱の重量は含めて入力するのか
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A1−22−64. |
Vdは計算に用いる全自重(土圧の鉛直分を除く)を設定してください。
Vdが基礎に作用する全鉛直力(土圧の鉛直分を除く)となります。
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Q1−22−65. |
水門(端堰柱)のレベル2地震時照査で、H3、h3には何を入力するのか
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A1−22−65. |
H3,h3は、ゲートの重量および重心高を入力します。これに地震動タイプT,地震動タイプUの設計水平震度Cz・kho(ただし堰柱に主たる塑性化を考慮する場合は堰柱の終局水平震度khuW)を乗じた慣性力をそれぞれ考慮した検討を行います。また、動水圧を考慮する場合、H3,h3には動水圧の影響を加味した値を入力します。
H3はゲート重量となります。
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Q1−22−66. |
慣性力算出時、レベル2地震時基本条件−基本条件(杭基礎)の「Wp」は考慮されるのか
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A1−22−66. |
慣性力算出の際Wpは考慮されます。
「レベル2地震時基本条件」画面上の[ヘルプ]に記載しておりますように、水平震度khiのとき底版下面中心での作用力は次のように算出しています。 鉛直力
V=Vo(=Rd+Wp−Up+Ws+WF’) 1)0.0≦khi≦khpのとき 水平力
H=(Wu+Wp)・khi+WF・khG・(khi/Cz・khco)+Hd モーメント
M=(Wu・hu+Wp・hp)・khi+WF・hF・khG・(khi/Cz・khco)+Md
2)khp<khi≦Cz・khcoのとき 水平力
H=(Wu+Wp)・khp+WF・khG・(khi/Cz・khco)+Hd
モーメント
M=(Wu・hu+Wp・hp)・khp+WF・hF・khG・(khi/Cz・khco)+Md
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Q1−22−67. |
レベル2地震時の降伏震度が常時・レベル1地震時の設計水平震度よりも小さい
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A1−22−67. |
道示W12.7に記述されていますように、常時,レベル1地震時では、杭及び地盤を線形弾性体として計算します。 一方、レベル2地震時では、道示W12.10.4に記述されていますように、杭および地盤の非線形性を考慮した計算を行います。そのため、前面地盤の塑性化(地盤の水平バネの喪失)や杭体にかかる曲げモーメントによる杭体剛性の低下のために、解析モデルが逐次変遷します。
したがって、レベル2地震時の降伏震度が必ずしも常時,レベル1地震時の設計水平震度より大きくなるとは限りません。
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Q1−22−68. |
連続フーチング柱間の照査を行う場合、断面力は直接入力しなければならないのか
またその場合入力する断面力をどこで確認したらよいか
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A1−22−68. |
連続フーチングの照査には、柱から伝えられる断面力が必要となりますが、レベル2地震時において、この断面力をどのように求めるか基準類に明示されておらず、また、本プログラムには多柱式橋脚そのものの設計機能がありません。
したがって、本プログラムでは、設計者の方のご判断により別途算出された全作用力載荷時の柱基部断面力を、上記画面の「柱基部断面力」にて直接入力していただくようにしております。
上記の柱基部断面力入力時にご注意いただきたい点として、『(1)照査時の荷重状態における作用力(基礎反力の集計値)』と『(2)入力された柱基部断面力より算出したフーチング下面中心における作用力』が一致するように入力していただく必要があります。
(1)と(2)が一致しない場合、作用力と反力とが釣り合わない荷重載荷状態になりますので、支点に反力が生じ、設計断面力に影響が生じてしまいます。
このような状態となる入力を防ぐため、本プログラムでは柱基部断面力の入力画面に[誤差判定]ボタンを設けており、ボタン押下時に、(1)と(2)の誤差が約5%を超える場合警告を表示します。(あまりに頻繁に警告が表示されるのを防ぐため許容誤差は5%と大きく設定していますが、本来は完全に一致させる必要があります)
詳しくは、以下のヘルプにおいて説明しておりますので、そちらも併せてご参照ください。
・「操作方法」-「メニューの操作」-「入力」-「杭基礎」-「計算・結果確認」−「底版照査(レベル2)」画面より開くヘルプ内の『連続フーチングの柱間照査』
・「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」-「レベル2地震時照査」−「基礎の非線形性を考慮した解析方法」−「底版照査」内の『連続フーチングの橋軸直角方向の照査』
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Q1−22−69. |
レベル2地震時照査-任意荷重で入力する底版と杭の任意荷重の荷重強度はどのような値を入力したらよいか
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A1−22−69. |
底版の任意荷重の場合は、底版奥行き方向の幅を乗じた後の荷重強度を入力下さい。
杭の任意荷重の場合は、杭1本の幅を乗じた後の荷重強度を設定してください。
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Q1−22−70. |
橋台と連動時に、レベル2地震の底版照査が「しない」でグレー表示となっており照査できない
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A1−22−70. |
底版形状が台形となる場合は照査対象外となります。
ただし、平行四辺形となる場合は照査できます。橋台の設計での、[形状]-[躯体]-[平面形状]で底版の斜角をご確認ください。
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Q1−22−71. |
鋼管ソイルセメント杭の場合、せん断耐力照査はしないのか
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A1−22−71. |
道示W12.10.5(P.414)に、「鋼管杭,鋼管ソイルセメント杭及びSC杭においては、(中略)杭体の塑性化においては曲げモーメントの影響が支配的であることから、せん断耐力の照査は省略してよい。」と記載されております。
よって、上記杭種の場合は、せん断耐力照査は行っておりません。
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Q1−22−72. |
施工誤差で、1本の杭座標を数センチ変更したら基礎が降伏した
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A1−22−72. |
砂質地盤の水平方向地盤反力度の上限値(以下pHu)は、2列目以降は1列目(慣性力作用方向最前列)の1/2の値を用います。プログラムでは最前列杭か2列目以降かは、杭座標で判断しています。従いまして、最前列の杭座標を1本だけ前方に移動した場合、その1本のみが最前列の杭として認識され、残りの杭は2列目以降として取り扱われます。そのため、pHuが小さくなり、照査結果に大きく影響したものと考えられます。
元々の最前列の杭を最前列として取り扱うことはできませんが、座標上2つ目となった杭の杭タイプを移動した杭と異なる杭タイプとすることで、pHuを正規の計算値の2倍の値(砂質土のみ)を設定することで想定するpHuで計算することが出来ます。
杭タイプの変更は、他の杭位置の杭長と異なる杭長(例えば+1cm)とすることで、異なる杭長とすることが出来ます。
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Q1−22−73. |
レベル2計算値−制限値比判定が一番厳しいときの値を指していない理由はなぜか
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A1−22−73. |
[計算・結果確認]-[総括表]-[総括表]における基礎降伏杭体の判定は、全ての杭が降伏に達している場合において判定を「降伏」として出力します。言い換えるならば、全ての杭の中における最も安全な状態が降伏に達している場合は「降伏」という判定を結果として出力しています。
そのため、表示する許容比率の値に関しては最も厳しい状態ではなく、最も安全な状態のものを出力しています。この時の許容比率の値が降伏に達している場合(100%以上の場合)、必然的に全ての杭が降伏しているとみなせるため判定として「降伏」が表示されます。
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Q1−22−74. |
杭体の発生モーメントにおける降伏照査は上杭(第1断面)で行っているのか
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A1−22−74. |
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Q1−22−75. |
軽量土を用いた橋台基礎の設計についてL2時の作用力に水平土圧はどう考慮するのか
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A1−22−75. |
「橋台の設計」で軽量土橋台基礎とした場合は、地震時土圧は考慮されません。
ただし施工時残留土圧は作用するものとして、死荷重時のVHMについては考慮されております。この点につきましてはNEXCO 設計要領 第二集 橋梁建設編の5-18〜5-19を参考としておりますので、併せてご参照ください。 |
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Q1−22−76. |
PHC杭のレベル2地震時、M-φの降伏曲げモーメントMyが0となる理由は何か
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A1−22−76. |
M-φにおいて降伏モーメントMyが0となるのは降伏耐力が計算できず、0を返していることが原因となります。
対処方法といたしましては、[レベル2地震時照査]-[杭本体]-[杭種別データ]の下段にあるPC鋼材の入力において鋼材量を増やして頂きまして、降伏に対する耐力を挙げて頂くことが挙げられます。
なお[レベル2地震時照査]-[杭本体]-[杭種別データ]において「データ連動」を押した場合について、PHC杭の場合では連動先を「断面計算」とする場合は配置半径のみが連動されることとなります。
これは現状の[断面計算]の入力においては鋼材量を指定することがないためとなります。連動先を基準値として頂きました場合は、[基準値]-[杭基礎]-[杭体データ]-[PHC杭]のPC鋼材断面積を参照して鋼材量にセットする仕様となっております。
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Q1−22−77. |
レベル2押込み力の上限値の算出根拠書籍はなにか
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A1−22−77. |
道示Wp434の解 12.10.1より押込み支持力の上限値に関する算出式がございます。
それに基づき、押込み支持力PNUは地盤から決まる杭の極限支持力RUと、杭体から決まる押込み支持力の上限値RPUの、より厳しい方を採用します。
PNU = min( RU, RPU )
このとき、杭の極限支持力RUは道示Wp384の解 12.4.3より求められます。また、PNUについては道示Wp396の解 12.4.6より求められるため、合せてご確認いただきますようお願い申し上げます。
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Q1−22−78. |
盛りこぼし橋台のレベル2地震時の検討において、収束しません
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A1−22−78. |
盛りこぼし橋台の設計は、「設計要領第二集 4章基礎構造 NEXCO(平成18年4月)」を参照し、全杭体の曲率が許容曲率塑性率以下(本プログラムでは、同意である全杭体の曲げモーメントが許容曲げモーメント以下)であることを照査しておりますが、制限値である許容曲げモーメントは、杭体のM−φ関係を用いて算出されます。
したがって、
・杭径を大きくした場合、M−φ関係が大きくなることから、許容曲げモーメントは大きくなる。
・杭体鉄筋を増やした場合、M−φ関係が大きくなることから、許容曲げモーメントは大きくなる。
・杭本数を増した場合、杭1本当たりの死荷重時の軸力が減少することにより、コンクリート杭である場所打ち杭では、M−φ関係および許容曲げモーメントが小さくなる。
の傾向を示します。
これに対し、杭体の発生曲げモーメントは、杭径を大きくした場合、地盤変位による土圧力を大きく受けるようになるため大きく生じます。
また、杭体のM−φ関係から求まる杭体の曲げ剛性EI(=M/φ)が大きくなると、杭体の曲げモーメント分布が変化し、多くの場合、曲げモーメントが大きく生じるようになります。
このように、盛りこぼし橋台のレベル2地震時照査では、杭径,杭本数の追加によって、制限値に対し大きく有利な状態とすることができないケースが生じますが、このようなケースのとき、どのような対策を行うかについては、様々な要因が考えられ一概にどのように対処すればよいとは言えないことから、適切な返答を行うことができません。
申し訳ございませんが、本件につきましては、設計者の方のご判断によりご対処くださいますようお願いいたします。
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Q1−22−79. |
PHC杭のL2結果で大きな引抜き力が生じていて、断面照査を行うと杭体が持たない結果となるがL2結果はOKとなっている。
これは良いのか。
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A1−22−79. |
道示では、曲げ耐力に対しては照査を省略できるとなっているため、ご質問のような場合でもOK判定となります。
また、このような場合の照査方法についての記述もありませんので、設計者判断でOKとするか否かをご判断ください。
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Q1−22−80. |
計算出力結果について(1)、(2)、(3)と3つ出てくるのですが、それぞれどういった意味があるのでしょうか。
また、違う計算書では(1)、(2)しか出てこないですが、出力の設定は可能なのでしょうか。
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A1−22−80. |
杭長や杭径、杭の地層構成が異なるなど、計算条件が異なる杭は、それぞれの異なる条件によって、異なる杭タイプとなります。
異なる杭タイプは、計算結果が他の杭タイプとは異なりますので、それぞれの杭タイプごとの計算結果を表示します。
上記の条件が全て同じ場合でも、レベル2地震時照査では、レベル2地震時照査特有の解析条件によって、複数の杭タイプとなる場合があります。
杭タイプの別れ方は以下の条件によって杭種別に異なります。
■コンクリート系の杭の場合(場所打ち杭、PHC杭、PC杭、RC杭など)
1)押込み側の杭のM-φ算定に用いる軸力は死荷重、引抜き側の杭のM-φ算定に用いる軸力は0とする。
2)砂質層の地盤反力度の上限値は、2列目は、1列目の1/2とする。
■鋼管系の杭の場合(鋼管杭、鋼管ソイルセメント杭など)
1)押込み側及び引抜き側の杭のM-φ算定に用いる軸力は0とする(押込み側と引抜き側で区別が無い)。
2)砂質層の地盤反力度の上限値は、2列目は、1列目の1/2とする。
例えば、杭列数が4列で、砂質層を含む場合。
・コンクリート系の杭の場合
1列目:最前列杭−押込み側 ・・・(1)
2列目:2列目以降−押込み側・・・(2)
3列目:2列目以降−引抜き側・・・(3)
4列目:2列目以降−引抜き側・・・(3)
以上のように3タイプとなります。
・鋼管系の杭の場合
1列目:最前列杭 ・・・(1) ※M-φ関係による区別なし
2列目:2列目以降・・・(2)
3列目:2列目以降・・・(2)
4列目:2列目以降・・・(2)
以上のように2タイプとなります。
杭列数が3列で、砂質層を含む場合。
・コンクリート系の杭の場合
1列目:最前列杭−押込み側 ・・・(1)
2列目:2列目以降−引抜き側・・・(2) ※杭中心位置は引抜き側に含めます。
3列目:2列目以降−引抜き側・・・(2)
以上のように2タイプとなります。
・鋼管系の杭の場合
1列目:最前列杭 ・・・(1) ※M-φ関係による区別なし
2列目:2列目以降・・・(2)
3列目:2列目以降・・・(2)
以上のように2タイプとなります。
杭列数が3列で、砂質層を含まない場合。
・コンクリート系の杭の場合
1列目:押込み側・・・(1)
2列目:引抜き側・・・(2) ※杭中心位置は引抜き側に含めます。
3列目:引抜き側・・・(2)
以上のように2タイプとなります。
・鋼管系の杭の場合
1列目:(1) ※M-φ関係による区別なし
2列目:(1)
3列目:(1)
以上のように1タイプとなります。
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Q1−22−81. |
道示XP283の15.4(2)2)基礎に塑性化を考慮する場合において12.4の規定に基づく橋脚基礎の変形による上部構造の慣性力の作用位置における応答変位に相当する水平力とする。
以上の記述がありますが具体的には計算書のどこを参照すればよいでしょうか?
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A1−22−81. |
基礎の塑性化を考慮すると判定された場合の基礎の応答変位に相当する水平力は、基礎の変形による上部構造の慣性力作用位置における
応答変位δFrが生じるときの上部構造慣性力としており、具体的には以下の通りです。
Pu=min(khi,khp)・Wu (kN)
ここに、
khp:基礎の照査に用いる設計水平震度
khi:基礎の最大応答変位に相当する水平震度
・基礎が降伏に達し、応答塑性率の照査を行うとき
khi:応答変位が生じるときの水平震度
・基礎が降伏に達するが、khcF≦khyFとなるとき(応答塑性率の照査を省略するとき)
khyF:降伏に達するときの水平震度
Wu:上部構造部分の重量 (kN)
計算書の「レベル2地震時の照査」−「荷重変位曲線」で出力しております『断面照査時』は、上記、応答変位δFrが生じた状態を示しており、「断面照査時」の水平震度より、上記khiを確認することができます。
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