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Q&A控え壁式擁壁の設計計算 Q&A ('24.11.29)

NEW! 更新内容

Q9−12.設計震度計算時の地盤種別を自動的に選択してくれる機能はありませんか('24.11.29)

目  次
 1.適用範囲、制限条件

Q1−1.控え壁式擁壁の設計計算で用いている適用基準は?

Q1−2.たて壁照査位置を指定してもどれも同じ断面力になっているのですが、高さが変われば断面力が小さくなると思います。
プログラムの操作上で対応できるのでしょうか?


Q1−3.杭基礎の場合に結合鉄筋の照査が出力されないのは、連続梁の照査が行なわれていないからでしょうか?

Q1−4.土地改良「水路工」に準拠したL2照査は可能ですか

Q1−5.コンクリートブロック塀の設計は可能ですか

Q1−6.控え壁式擁壁の設計計算と橋台の設計・3D配筋(旧基準)との計算の違いについて教えてください。
 2.部材設計

Q2−1.「考え方−部材設計」画面の「共通」−「壁下端の係数を使用する高さの割合」
はどの様な値を入力したら宜しいのでしょうか?


Q2−2.配筋を行ったにも関わらず下記メッセージが表示されます。
「竪壁の引張側に鉄筋が配置されていません。」


Q2−3.控え壁の設計の断面計算結果に表示されている「鉄筋量」と「かぶり」が、入力した値と異なります

Q2−4.土工指針P185に記載されている、かかと版付け根の曲げモーメントM3が竪壁つけ根の曲げモーメントM1よりも大きくなる場合(M3>M1)は、かかと版の設計で用いる曲げモーメントはたて壁つけ根の曲げモーメントを用いるとあります。
擁壁の設計プログラムではその考え方を採用するか選択することができますが、控え壁式擁壁の設計計算ではその選択を行えません。
考慮できないということなのでしょうか?


Q2−5.竪壁やかかと版を片持ち梁として照査することはできますか

Q2−6.引張の応力計算式で「(参考)」とありますが、出典と参考の意味をお教えください

Q2−7.基礎形式を杭計算として、この状態でかかと版の設計をしたいのですが、連続ばりとしての計算が出来ません。
杭基礎の場合は連続ばりとしては、計算は行わないのでしょうか。


Q2−8.竪壁と同様に、かかと版と控え壁のT桁梁で解析することはできますか

Q2−9.竪壁やかかと版の照査で連続ばりとして計算する場合は、全幅で計算するのでしょうか。それとも単位幅で計算するのでしょうか。

Q2−10.接合部の照査における対象鉄筋は、「控え壁間隔の内側鉄筋」と「控え壁1枚における両面」のどちらを考慮するのでしょうか

Q2−11.突起の無筋計算を行うことはできますか

Q2−12.T形ばり検討時の、中央部と端部の有効長を変更することはできますか

Q2−13.竪壁やかかと版の控え壁の無い区間は、片持ち梁での照査となるのでしょうか。
また控え壁の有る範囲や控え壁はどのように設計するのでしょうか。


Q2−14.控え壁の必要鉄筋量を、T形断面におけるコンクリートの全圧縮応力度が竪壁の厚さの中心に作用するものと仮定した方法で算出することはできますか

Q2−15.控え壁の有効幅は、照査位置にかかわらず常に全高に対して初期化されていますが、照査位置より上の範囲に対して初期化するようにできますか

Q2−16.奥行き方向の控え壁のスパン長は、どのような値で初期設定されるのでしょうか

Q2−17.竪壁T形はりのスターラップはどのように入力すればよいですか

Q2−18.「許容値−部材設計」画面にσsnaの入力がありますが、計算過程でどこか影響してくるのでしょうか


Q2−19.竪壁傾斜時に、断面照査で用いる鉄筋量に傾斜角度を考慮することはできますか

Q2−20.せん断応力度の照査で、計算値が許容値τa1を満たしていないのに最終判定がOKとなっています

Q2−21.竪壁設計で柱部材の最小鉄筋量を照査することはできますか

Q2−22.T型ばり断面の有効幅の算出方法を教えてください。

Q2−23.考え方―部材設計の共通で、控え壁で支持されている竪壁、底版の設計方法で「両端固定ばり」以外が選択できない

Q2−24.ハンチを含んだ断面形状を入力しているが、部材設計時にハンチを考慮しない方法

 3.形状寸法

Q3−1.端部に控え壁の無い場合の入力方法を教えてください

Q3−2.控え壁の枚数を変更することはできますか。
また、何枚まで設定することができますか。


Q3−3.つま先版上に支え壁を設定することはできますか

Q3−4.天端が大きく前面に張り出した形状となっているのですが、このような形状に対応していますか。
また、張り出した部材の断面照査を行うことはできますか。


Q3−5.土砂形状の形状タイプとして任意形を選択して竪壁天端や前面張出部上に土砂を設定しましたが、土砂ブロック割が適切に計算できていないようです
Q3−6.波返し工の設定方法及びブロックの計算方法を教えてください。
 4.杭基礎

Q4−1.基礎形式を杭基礎としています。杭の許容支持力は算出可能でしょうか

Q4−2.杭基礎の計算において、計算確認の結果総括で押込力や引抜力の値が表示されていますが、これらの値は杭全体の総計でしょうか、それとも1本ごとの値となるのでしょうか

Q4−3.液状化を考慮するには、どこで設定すれば良いのでしょうか

Q4−4.杭基礎検討時に計算実行すると「バネ定数の値が、指定されていません」とエラーメッセージが表示されます

Q4−5.杭頭の曲げモーメントと杭頭結合部照査時の設計曲げモーメントが異なる。

Q4−6.杭基礎設計時の液状化無視と液状化考慮の両方の結果を同時に計算することはできますか?
 5.土圧

Q5−1.土圧力が試行くさび法とクーロン式とで異なるのはなぜか?

Q5−2.安定計算では土圧を考慮せず、竪壁設計時では土圧を考慮することはできますか

Q5−3.受働土圧を算出する際の式が「道路土工 擁壁工指針」記載の式と異なっている

Q5−4.透水マットを使用した場合の壁面摩擦角は何に準拠したものか

Q5−5.「背面土圧による影響(前→後 地震時の有効率)」の設定とはどのようなものか

Q5−6.地震時合成角の算出式が擁壁工指針P.109等の一般式と異なるのはなぜでしょうか

Q5−7.地震時の壁面摩擦角を自動設定しましたが、入力画面の初期化ボタンで設定される値と異なります

Q5−8.受働土圧の有効率が「一般的には0.5程度」の根拠

Q5−9.切土を設定している場合には、土圧式としてクーロン式を選択できないのでしょうか

Q5−10.形状変更すると土圧作用面角度が毎回初期化されるのですが、固定にできないでしょうか

Q5−11.擁壁工指針(H24)のP105の切土土圧式は常時式しか掲載されていませんが、プログラムでは地震時にも対応しているようです。
地震時式の出展を教えてください。


Q5−12.構造物が隣接している場合の設定方法

Q5−13.入力した土砂高さと土圧計算時の土圧高さが異なります

Q5−14.仮想のり面傾斜角β’は、かかと版の後端位置が背面盛土の上側水平部であれば 0.0(°)ではないのでしょうか

Q5−15.土砂の入力画面にある残留強度(φres)とピーク強度(φpeak)とは?

Q5−16.試行くさび計算で、土くさびを形成する多角形の座標系を確認できますか

Q5−17.試行くさび計算で土圧係数を表示することはできますか

Q5−18.切土部土圧の計算で、 安定計算時は切土部土圧で計算されるのに、竪壁設計時は盛土部土圧になるのはなぜですか

Q5−19.クーロン式による土圧算定時に粘着力を考慮したところ、土圧力<0となりました。どのように粘着力を考慮しているのでしょうか。

Q5−20.クーロン式により土圧算出を行う場合、土圧作用高さに盛土分が含まれていない

Q5−21.切土を考慮した場合の切土部土圧と盛土部土圧の違いは何ですか。また、切土を考慮しない場合の盛土土圧との違いについて教えてください。

Q5−22.フローリッヒの理論による盛土の荷重換算において、盛土と載荷荷重をプログラムでは同時に換算しているようですが、個別に換算することはできませんか。
 6.浮力・水圧

Q6−1.躯体の浮力を考慮したい

Q6−2.動水圧を考慮する方法を教えてください

Q6−3.躯体上に水だけの部分がありますが水重が考慮されません

Q6−4.水位ケースの名称を変更できません

Q6−5.浮力と揚圧力の違いについて教えてほしい

Q6−6.動水圧を考慮する場合の作用位置を変更することはできますか。
 7.平板解析

Q7−1.平板解析時に考慮できる荷重は何ですか

Q7−2.平板解析用の底版照査位置の入力で、スパン位置L1,L2はそれぞれどこからの距離を入力すればいいのでしょうか

Q7−3.平板解析時に、控え壁部分の杭反力は考慮されるのでしょうか

Q7−4.平板解析は杭基礎の時のみしか行えませんか
 8.土砂

Q8−1.初期入力画面の「前面土砂高」と「根入れの深さ」の使い分けを教えてください

Q8−2.前面土砂を設定しましたが、安定計算やつま先版設計時に前面土砂の重量が考慮されていません。
 9.荷重

Q9−1.任意荷重は全幅当たりの荷重で設定するのでしょうか。
また、控え壁部分のみに荷重を設定することはできますか。


Q9−2.つま先前面で安定計算作用力を集計する場合、前面水圧の水平力によるモーメントが負値になるのはなぜですか

Q9−3.慣性力の作用方向を荷重ケース毎に設定することは可能でしょうか

Q9−4.任意荷重に慣性力を考慮することはできますか

Q9−5.安定計算時に載荷荷重による慣性力が考慮されません

Q9−6.「載荷荷重」・「任意荷重」でそれぞれ同一条件となるように入力したデータで結果が異なるのはなぜか

Q9−7.設計震度の地盤種別の判定を行う際に、地盤の特性値TG=0となるのはなぜでしょうか?

Q9−8.衝突荷重の水平力の作用位置が天端の背面位置になりますが、問題ありませんか。

Q9−9.荷重−組み合わせ画面の荷重状態はどのような基準で設定するのでしょうか

Q9−10.地盤種別の判定におけるTGの値を手計算したところプログラムの値と異なるのですが、注意点はありますか

Q9−11.常時, レベル1地震時のケースは許容応力度法で、レベル2地震時のケースは限界状態設計法で照査を行うことはできますか

Q9−12.設計震度計算時の地盤種別を自動的に選択してくれる機能はありませんか
 10.安定計算

Q10−1.突起を考慮した検討を行いました。
突起が無い場合の検討結果を同時に確認することはできますか。


Q10−2.「滑動に対する検討を行わない」というスイッチがありますか

Q10−3.せん断抵抗角を変えても、支持力係数が変わらない

Q10−4.土圧を壁全体に作用させた場合と、土圧を考慮しない高さを設定した場合の2つのケースで後者の方がNGとなるのはなぜでしょうか

Q10−5.転倒に対する照査で安全率に対する検討を行いたい場合の設定はどのようにすればよいでしょうか。

Q10−6.転倒に対しては受働土圧は考慮しないのか?

Q10−7.杭基礎の許容押込み支持力について、道路橋示方書Wの式(12.4.1)のように杭の自重を考慮したい

Q10−8.国交省告示式(土質試験)を用いて許容支持力の計算を行っています。
形状係数α、βを計算する際のB, L の値ですが、
 B:基礎荷重面の短辺又は短径
 L:基礎荷重面の長辺又は長径
となっています。
場所打ちではBLとなる場合が考えられます。
B>Lとなる場合は、α、βの計算式中のB/L を、L/B として計算したα、βの値を、直接入力で設定する方法が正しいのでしょうか。


Q10−9.鉛直支持力の照査基準を「土地改良(農道)」とした場合に、許容支持力の計算値に荷重の傾斜が考慮されません。

Q10−10.滑動に対する照査にて、安全率Fsを算出する算式で、底面幅Bを擁壁底面全幅にする場合と有効載荷幅で計算を行うことがタブで選択可能になっておりますが、どのような場合に使い分けを行うのでしょうか?
 11.その他

Q11−1.3Dモデルをファイル出力することはできますか

Q11−2.3Dモデルの寸法線の表示有無を選択することはできますか

Q11−3.ファイル読み込み時に「共有データとして設定されたファイルの基準値データと、読み込まれたファイルの基準値データが一致しません」と表示されました。
共有データとは何でしょうか。また、これを解除するにはどうすればよいでしょうか。


Q11−4.平成29年版道路橋示方書に対応していますか

Q11−5.メイン画面の描画が常時ケースとなっているが地震時ケースの描画はできないのか

Q11−6.湿潤重量と飽和重量の違いについて教えてください

Q11−7.地層入力画面でボーリングデータを読み込むことはできますか

Q11−8.3D属性表示で表示方法及び表示できる項目は

Q11−9.32bit版と64bit版で利用可能な機能の違いはありますか?



 1.適用範囲、制限条件

Q1−1.

控え壁式擁壁の設計計算で用いている適用基準は?
A1−1. 「控え壁式擁壁の設計計算」で参考にしている適用基準及び参考文献は以下の通りです。
※ヘルプ−概要−プログラムの機能概要−適用基準及び参考文献より

(社)日本道路協会、道路土工 擁壁工指針平成11年 3月
(社)日本道路協会、道路土工 擁壁工指針平成24年 7月
(社)日本道路協会、道路橋示方書・同解説 T共通編平成14年12月
(社)日本道路協会、道路橋示方書・同解説 W下部構造編平成14年 3月
(社)日本道路協会、道路橋示方書・同解説 W下部構造編平成24年 3月
(社)日本道路協会、道路橋示方書・同解説 X耐震設計編平成14年 3月
東・中・西日本高速道路株式会社、設計要領 第2集 −擁壁編・カルバート編−平成18年 4月
東・中・西日本高速道路株式会社、設計要領 第2集 −擁壁編−平成25年 7月
東・中・西日本高速道路株式会社、設計要領 第2集 −カルバート編−平成23年 7月
東・中・西日本高速道路株式会社、設計要領 第2集 −橋梁建設編−平成18年 4月
東・中・西日本高速道路株式会社、設計要領 第2集 −橋梁建設編−平成25年 7月
(社)全日本建設技術協会、土木構造物標準設計 第2巻 解説書(擁壁類)平成12年 9月
農業土木学会、土地改良事業計画設計基準設計「農道」基準書・技術書平成17年 3月
農林水産省農村振興局、土地改良事業計画設計基準
                設計「水路工」基準書・技術書
平成13年 2月
農林水産省農村振興局整備部設計課、土地改良事業計画設計基準
   及び運用・解説 設計「水路工」基準・基準の運用・基準及び運用の解説
平成26年 3月
農林水産省構造改善局、土地改良事業標準設計図面集「擁壁工」平成11年 3月
(社)日本道路協会、杭基礎設計便覧平成19年 1月
(社)日本河川協会、建設省河川砂防技術基準(案)同解説 設計編[1]平成 9年10月
理工図書、続・擁壁の設計法と計算例平成10年10月
(財)林業土木コンサルタンツ、森林土木構造物標準設計 擁壁T平成 9年 3月
ぎょうせい、宅地防災マニュアルの解説 第二次改訂版平成19年12月
大阪府建築都市部建築指導室、擁壁構造設計指針平成14年 5月
(社)土木学会、[2002年制定]コンクリート標準示方書 構造性能照査編平成14年 3月
(社)土木学会、[2007年制定]コンクリート標準示方書 設計編平成20年 3月
(社)土木学会、土木学会コンクリート標準示方書に基づく設計計算例[道路橋編]平成14年 3月
現代理工学出版、土留擁壁・石積の設計と解説平成 9年 6月

 

Q1−2.

たて壁照査位置を指定してもどれも同じ断面力になっているのですが、高さが変われば断面力が小さくなると思います。
プログラムの操作上で対応できるのでしょうか?
A1−2. 竪壁、底版の断面力の集計時の荷重の扱いには2通りの考え方をご用意しています。

・設計位置:設計位置での荷重強度の合計より断面力を集計します。
・平均  :連続版となる範囲の荷重を合計し平均した断面力を集計します。

「考え方」−「部材設計」画面の「共通」にあります、「控え壁で支持されている竪壁、底版の荷重の扱い」で選択できますので、「設計位置」を選択してお試しいただきますようお願いいたします。

 

Q1−3.

杭基礎の場合に結合鉄筋の照査が出力されないのは、連続梁の照査が行なわれていないからでしょうか?
A1−3. 連続ばり、接合部、控え壁の照査位置は共通となりますので、連続ばりの照査位置が設定されていない場合には、接合部も照査されません。
照査を行う必要が有る場合には、最低1箇所は照査位置を設定いただけますようお願いいたします。
 

Q1−4.

土地改良「水路工」に準拠したL2照査は可能ですか
A1−4. 可能です。
初期入力画面の「考え方−計算方法の選択」で「限界状態設計法」を選択してください。
 

Q1−5.

コンクリートブロック塀の設計は可能ですか
A1−5. コンクリートブロック塀は一般的な擁壁とは異なりますので、本プログラムで設計することはできません。
 

Q1−6.

控え壁式擁壁の設計計算と橋台の設計・3D配筋(旧基準)との計算の違いについて教えてください。
A1−6. 控え壁式擁壁の設計計算と橋台の設計・3D配筋(旧基準)との計算の違いは主に以下となります。
  1. 保有水平耐力法によるレベル2地震時の照査ができない。
  2. 胸壁、翼壁の設計ができない。
  3. 直角方向の安定照査の検討ができない。
  4. 胸壁形状、上部工反力が指定できない。
 2.部材設計

Q2−1.

「考え方−部材設計」画面の「共通」−「壁下端の係数を使用する高さの割合」
はどの様な値を入力したら宜しいのでしょうか?
A2−1. 「壁下端の係数を使用する高さの割合」は、連続ばりとしての計算を行う場合に、曲げモーメント算出に必要となる項目となります。

曲げモーメントは「土留擁壁・石積の設計と解説(現代理工)」P.180を参考に以下のように計算しています。

Mx = ±(px・L^2)/K
ここに、
    Mx:曲げモーメント
    px:任意の高さにおける荷重強度
    L :竪壁の中心間隔
    K :係数

また、Kの値は以下の記載がされております。
 壁下端付近   :K=12
 壁化端付近以高 :K=10

しかしながら、その割合までは記載されていないため、
「道路土工構造物の設計計算例(山海堂)」P.305に記載されております、
「擁壁天端から、0.9hの位置の荷重強度を使用する」
を参考に、壁の下端から壁高/10をK=12、それ以高をK=10として計算するよう初期設定しています。
 
お問い合わせの入力項目は、この係数を使用する高さの割合を自由に変更することができるものとなります。

また、上記考え方の詳細につきましては、
ヘルプ「計算理論及び照査の方法」−「竪壁の設計」−「竪壁の断面力の集計(鉄筋)」にあります、(2)連続ばりとしての計算をご覧ください。
 

Q2−2.

配筋を行ったにも関わらず下記メッセージが表示されます。
「竪壁の引張側に鉄筋が配置されていません。」
A2−2. 控え壁断面照査時に負のモーメントが発生している場合、前壁部への配筋が必要となります。
「部材」−「竪壁配筋」画面−「T形ばり」−「前壁」にて配筋を行ってください。

 

Q2−3.

控え壁の設計の断面計算結果に表示されている「鉄筋量」と「かぶり」が、入力した値と異なります
A2−3. T型ばりの控え壁有効鉄筋量As’及び控え壁鉄筋かぶりC’は、控え壁が水平面となす角度をα、鉛直面となす角度をθとした場合に、下記の計算式にて控え壁鉄筋の角度を考慮して計算を行います。

■T型ばりの控え壁有効鉄筋量As’
竪壁 : As’=As・sinα
底版 : As’=As・sinθ

■T型ばりの控え壁鉄筋かぶりC’
竪壁 : C’=C/sinα
底版 : C’=C/sinθ


 

Q2−4.

土工指針P185に記載されている、かかと版付け根の曲げモーメントM3が竪壁つけ根の曲げモーメントM1よりも大きくなる場合(M3>M1)は、かかと版の設計で用いる曲げモーメントはたて壁つけ根の曲げモーメントを用いるとあります。
擁壁の設計プログラムではその考え方を採用するか選択することができますが、控え壁式擁壁の設計計算ではその選択を行えません。
考慮できないということなのでしょうか?
A2−4. 土工指針P185に記載のかかと版のモーメントの扱いは、片持ち梁として計算する場合の矛盾を解消するためのものです。
本プログラムでも片持ち梁照査は可能ですが、通常、付け根位置は連続梁として計算を行いますので、この考え方を適用することはできません。
 

Q2−5.

竪壁やかかと版を片持ち梁として照査することはできますか
A2−5. 可能です。下記の照査位置設定を行ってください。
竪壁・・・竪壁照査位置画面で「照査位置2」を設定。
かかと版・・・底版照査位置画面で「かかと版2」を設定。
 

Q2−6.

引張の応力計算式で「(参考)」とありますが、出典と参考の意味をお教えください
A2−6. お問合せの参考式は、下記の基準等を参考にしています。
・土地改良事業標準設計図面集「擁壁工」利用の手引き(平成11年3月)

こちらに記載の参考式は作用力と内力が釣り合うように導かれた計算式です。
プログラム内部では様々な形状に対応できるように収束計算で求めていますが、同じ考え方となります。
ただし、プログラムでは参考式を直接用いているわけではありません為、計算書においては参考用として上記計算式を表示しています。

矩形式の導き方等、実際の計算内容の詳細については、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「断面計算」−「許容応力度法」−「曲げ応力度計算」をご参照ください。
 

Q2−7.

基礎形式を杭計算として、この状態でかかと版の設計をしたいのですが、連続ばりとしての計算が出来ません。
杭基礎の場合は連続ばりとしては、計算は行わないのでしょうか。
A2−7. 直接基礎の場合、かかと版の設計は、かかと版と控え壁とで支えられたスパンを連続版としてみなして設計しますが、杭基礎の場合は、杭からの反力が集中荷重として作用するため連続ばりとしての設計を行うことができません。
これは、連続ばりとしての設計では、等分布荷重が載荷されていることが前提となっているため、杭基礎の場合には対応できないためです。
そのため、かかと版と控え壁とで支えられたスパンでは、別途ご検討いただく必要がございます。
 

Q2−8.

竪壁と同様に、かかと版と控え壁のT桁梁で解析することはできますか
A2−8. かかと版と控え壁のT桁梁の照査を行う場合は、「初期入力画面−考え方−照査の有無」−「底版:T形ばり」にチェックを入れてください。

尚、T型梁の底版の設計は、一般的な設計例等では考慮しておりませんため、控え壁式擁壁の設計計算におきましても初期状態では照査しない設定としております。
照査する場合におきましては、最終的には設計者の判断で設定していただきますようお願いいたします。
 

Q2−9.

竪壁やかかと版の照査で連続ばりとして計算する場合は、全幅で計算するのでしょうか。それとも単位幅で計算するのでしょうか。
A2−9. 連続ばりの計算は、全て単位幅で照査を行います。
 

Q2−10.

接合部の照査における対象鉄筋は、「控え壁間隔の内側鉄筋」と「控え壁1枚における両面」のどちらを考慮するのでしょうか
A2−10. 「控え壁1枚における両面」を考慮して照査を行います。
 

Q2−11.

突起の無筋計算を行うことはできますか
A2−11. 可能です。
「材料」−「躯体」画面の断面計算時の扱いで、「無筋」を選択してください。
 

Q2−12.

T形ばり検討時の、中央部と端部の有効長を変更することはできますか
A2−12. 可能です。
竪壁(底版)照査位置画面の分担幅、有効幅で設定してください。
 

Q2−13.

竪壁やかかと版の控え壁の無い区間は、片持ち梁での照査となるのでしょうか。
また控え壁の有る範囲や控え壁はどのように設計するのでしょうか。
A2−13. 竪壁の控え壁より上方部分や、かかと版の控え壁より後方部分は片持ち梁として設計します。
また竪壁(かかと版)と控え壁とで支えられたスパンについては、連続版とみなして設計します。
控え壁の設計については、竪壁(かかと版)と控え壁で形成されるT形ばりとして分布幅を考慮して照査を行います。
 

Q2−14.

控え壁の必要鉄筋量を、T形断面におけるコンクリートの全圧縮応力度が竪壁の厚さの中心に作用するものと仮定した方法で算出することはできますか
A2−14. 可能です。
「考え方」−「部材設計」画面の「共通」−「控え壁の必要鉄筋量算出方法」で「簡易式」を設定してください。
 

Q2−15.

控え壁の有効幅は、照査位置にかかわらず常に全高に対して初期化されていますが、照査位置より上の範囲に対して初期化するようにできますか
A2−15. 可能です。
「初期入力」画面の「考え方」−「控え壁有効幅初期化」で「照査位置より上の高さ」を設定してください。
 

Q2−16.

奥行き方向の控え壁のスパン長は、どのような値で初期設定されるのでしょうか
A2−16. スパン長の初期化は、全ての控え壁位置毎に間隔とその両端の壁厚の総計を算出し、その最大値を設定します。
 

Q2−17.

竪壁T形はりのスターラップはどのように入力すればよいですか
A2−17. 水平筋として入力してください。
 

Q2−18.

「許容値−部材設計」画面にσsnaの入力がありますが、計算過程でどこか影響してくるのでしょうか
A2−18. σsna(鉄筋の許容圧縮応力度)は、全圧縮となった場合の照査に用いられます。
そのため、照査断面が全圧縮とならない場合には使用しません。
 

Q2−19.

竪壁傾斜時に、断面照査で用いる鉄筋量に傾斜角度を考慮することはできますか
A2−19. 可能です。
「考え方」−「部材設計」−「オプション」の「鉄筋量算出時の竪壁傾斜」で設定してください。
またその際の傾斜角度には、竪壁前側と後側の平均角度を用いるか、それぞれの配筋側の角度を用いるかを選択することができます。
 

Q2−20.

せん断応力度の照査で、計算値が許容値τa1を満たしていないのに最終判定がOKとなっています
A2−20. 通常せん断応力度照査ではτa1と計算値τの比較を行ないますが、スターラップ(帯鉄筋)が入力されている場合は、τ>τa1となったケースにおいて、必要なスターラップ断面積Aw(必要量)を計算し、下記の判定を行います。

・Aw≦使用量As 且つ τ≦τa2・・・OK判定
・Aw>使用量As 又は τ>τa2・・・NG判定
 

Q2−21.

竪壁設計で柱部材の最小鉄筋量を照査することはできますか
A2−21. 可能です。
考え方−部材設計画面の許容応力度タブで「竪壁の柱部材としての最小鉄筋量照査」を「照査する」としてください。
なお、竪壁設計タブの「断面計算時の軸力考慮」を「考慮する」及び許容応力度タブの「最小鉄筋量の照査」を「照査する」の場合に選択が可能となります。
 

Q2−22.

T型ばり断面の有効幅の算出方法を教えてください。
A2−22. T形断面の有効幅Beは以下のように算出しています。

有効幅be = b0+2λ
λ = h/8+bs

ここで、
b0:控え壁の厚さ
λ:片側有効率
h :控え壁高さ
bs:ハンチ寸法
 

Q2−23.

考え方―部材設計の共通で、控え壁で支持されている竪壁、底版の設計方法で「両端固定ばり」以外が選択できない
A2−23. 連続ばり、n径間連続ばりは、全ての控え壁の壁厚及び壁の間隔が一致していることが前提となります。
一致しない場合は「両端固定ばり」以外は選択できません。
 

Q2−24.

ハンチを含んだ断面形状を入力しているが、部材設計時にハンチを考慮しない方法
A2−24. 形状−側面−ハンチにてハンチを設定しますと、「考え方」−「部材設計」画面で『ハンチの範囲』を設定できるようになります。こちらで「考慮しない」を選択してください。
 3.形状寸法

Q3−1.

端部に控え壁の無い場合の入力方法を教えてください
A3−1. 「形状」−「平面」画面の端部のチェックを外してください。
 

Q3−2.

控え壁の枚数を変更することはできますか。
また、何枚まで設定することができますか。
A3−2. 形状−平面画面の中央部で、壁の枚数及び間隔と厚さを変更することができます。
また、壁の枚数は端部と合わせて2〜5枚まで設定することができます。
 

Q3−3.

つま先版上に支え壁を設定することはできますか
A3−3. 可能です。
初期入力画面で壁条件を「支え壁式」としてください。
 

Q3−4.

天端が大きく前面に張り出した形状となっているのですが、このような形状に対応していますか。
また、張り出した部材の断面照査を行うことはできますか。
A3−4. 天端張出部は、「形状」−「天端」画面において天端形状を「前面張出」とすることで照査可能となります。
前面張出の形状入力後、「部材」−「張出配筋」、「張出照査位置」を入力してください。
 

Q3−5.

土砂形状の形状タイプとして任意形を選択して竪壁天端や前面張出部上に土砂を設定しましたが、土砂ブロック割が適切に計算できていないようです
A3−5. 竪壁天端や前面張出部上に土砂を設定することはできません。
この場合はあらかじめ算出した土砂重量を任意荷重で代用頂く等、別途ご検討いただく必要があります。
 

Q3−6.

波返し工の設定方法及びブロックの計算方法を教えてください。
A3−6. 初期入力画面で「波返し工」を「有り」とし、「形状」−「側面」画面で波返し工の形状を入力してください。

ブロックの計算方法は下記のように計算します。
まず、弧の部分を無視し、直線のみで構成された形状を分割します。
その後、弧の部分を控除します。

 4.杭基礎

Q4−1.

基礎形式を杭基礎としています。杭の許容支持力は算出可能でしょうか
A4−1. 可能です。
許容支持力の算出は以下の手順で行うことができます。
(1)「初期入力」画面の「考え方」において、「杭の許容支持力の算出」を「する」としてください。
(2)「基礎」−「杭の条件」画面において、各条件を設定してください。許容支持力算出用のデータにつきましては、同画面のヘルプをご参照下さい。
(3)「基礎」−「杭の配置」画面において杭配置を設定してください。
(4)「基礎」−「地層データ」画面において、土質設定をしてください。許容支持力算出用のデータにつきましては同画面のヘルプをご参照下さい。
(5)「杭の条件」画面や「地層データ」画面において、許容支持力算出に関連するデータを変更した場合は許容支持力が自動的に計算され、「許容値」−「安定計算」画面に反映されます。
また、許容支持力の計算過程につきましては、計算書(結果詳細)の設計条件−安定計算の許容値及び部材の許容応力度−杭の許容支持力に表示されます。
 

Q4−2.

杭基礎の計算において、計算確認の結果総括で押込力や引抜力の値が表示されていますが、これらの値は杭全体の総計でしょうか、それとも1本ごとの値となるのでしょうか
A4−2. 1本ごとの値で、最も危険な位置での値となります。
杭の安定計算(変位量、押込力、引抜力)は、1本当たりの値として照査を行っています。
 

Q4−3.

液状化を考慮するには、どこで設定すれば良いのでしょうか
A4−3. 液状化を考慮する場合は、「基礎」−「地層データ」画面において該当する層の低減係数DEを指定してください。
 

Q4−4.

杭基礎検討時に計算実行すると「バネ定数の値が、指定されていません」とエラーメッセージが表示されます
A4−4. バネ定数値「杭軸方向Kv」は0.0を指定すれば自動計算しますが、L/D<10(L:杭長、D:杭径)の場合は道路橋示方書の定義から外れるため適用外となります。

尚、場所打ち杭では、杭長L/杭径D≦10のとき、L/D=10として杭軸方向バネ定数を算出しています。
これは、「設計要領第二集橋梁建設編」(平成24年7月)4章基礎構造 4-2-1の「場所打ち杭ではL/Dが10以下の場合は,L/D=10の値を用いてもよい。」の記述を参照したものです。
 

Q4−5.

杭頭の曲げモーメントと杭頭結合部照査時の設計曲げモーメントが異なる。
A4−5. 「考え方」−「安定計算」画面の「杭頭結合部照査時の設計曲げモーメントの扱い」により、杭頭結合部照査時の設計曲げモーメントが異なります。
杭頭モーメントで計算したい場合は、「杭頭の曲げモーメント」を選択してください。
 

Q4−6.

杭基礎設計時の液状化無視と液状化考慮の両方の結果を同時に計算することはできますか?
A4−6. 可能です。
「考え方」−「安定計算」で「レベル1地震時照査の液状化考慮」を「液状化無視,考慮の両方」を選択してください。
尚、「基礎」−「地層データ」で「低減係数DE」が全て1.000の場合は上記スイッチが表示されませんのでご注意ください。
 5.土圧

Q5−1.

土圧力が試行くさび法とクーロン式とで異なるのはなぜか?
A5−1. 試行くさび法とクーロン式は、同一条件下では同じ土圧合力を得ることが可能な計算式ですが、土圧力によるモーメント値は同一の値とはなりません。
これは、クーロン式では台形分布を考慮しているのに対して、試行くさび法では土工指針に従い土圧の作用位置を仮想背面下端より仮想背面高さHの1/3の点としているためです。
一般的には、載荷荷重が作用する場合には台形分布と考えるのが妥当ですが、土工指針では計算の簡便化を図るために三角形分布と仮定しているものと考えられます。
 

Q5−2.

安定計算では土圧を考慮せず、竪壁設計時では土圧を考慮することはできますか
A5−2. 下記手順にて設定してください。
(1)土圧式を「土圧係数(詳細入力)」とする
(2)土圧係数等の情報を設定し、安定計算土圧係数のみ0とする
(3)組み合わせ画面で(2)の土圧係数をチェックする
 

Q5−3.

受働土圧を算出する際の式が「道路土工 擁壁工指針」記載の式と異なっている
A5−3. 一般に受働土圧の壁面摩擦角は、正負の向きを主働土圧と同じとした場合の負値を考慮します。
本プログラムにおきましては、受働土圧の壁面摩擦角は主働土圧と同様に正値を入力して頂く仕様としております。そのため、土工指針の表記とはδに関する符号が異なっておりますが、式自体は等価となります。
 

Q5−4.

透水マットを使用した場合の壁面摩擦角は何に準拠したものか
A5−4. 透水マットを使用した場合の壁面摩擦角は、下記基準(文献)を参考にしています。
・宅地防災マニュアルの解説[第二次改訂版] 平成19年12月 宅地防災研究会(ぎょうせい)P312
 

Q5−5.

「背面土圧による影響(前→後 地震時の有効率)」の設定とはどのようなものか
A5−5. 本プログラムにおける地震時慣性力の方向は、←向きを初期値としており、これは主動土圧の作用方向と一致しています。慣性力の向きを→向きに変更した場合、慣性力の方向と主動土圧の作用方向が異なることになります。この時、主動土圧は通常より低減されることが予想されますが、この扱いについては明確になっていません。
そこで、この低減率を指定してもらうために設けているのが「背面土圧による影響」です。
この考え方については、擁壁の基準類や文献では明確にされているものがないため、「鉄道構造物等設計標準・同解説 基礎構造物・抗土圧構造物」のP555の「地震時の橋台背面土の取扱い」の「橋台背面方向に地震力が発生する場合」を参考にしています。
但し、→向きの慣性力を考慮することは稀であると考えられるので、ほとんどの場合、本項目を設定する必要はありません。
 

Q5−6.

地震時合成角の算出式が擁壁工指針P.109等の一般式と異なるのはなぜでしょうか
A5−6. 地震時合成角の一般式tan^-1 kHは、載荷荷重及び土砂全てに設計震度が考慮されている状態を想定しています。
実際には以下のように考えます。

θ=tan^-1(H/V)=tan^-1(W・kH/W)=tan^-1 kH

上記は気中で、載荷荷重にも慣性力を考慮する場合の算出方法ですが、載荷荷重に慣性力を考慮しない場合や水位を考慮するときには上記では算出できません。
そのためHとVを厳密に評価してθを算出しています。
 

Q5−7.

地震時の壁面摩擦角を自動設定しましたが、入力画面の初期化ボタンで設定される値と異なります
A5−7. 入力画面の初期化ボタンで設定される地震時の壁面摩擦角は、中規模(レベル1)地震の設計震度で算出した値が設定されます。
地震規模は土圧画面の後で設定する組合せ画面で決まるため、このように処理しています。
そのため、大規模(レベル2)地震時の壁面摩擦角とは異なる値となります。
 

Q5−8.

受働土圧の有効率が「一般的には0.5程度」の根拠
A5−8. 擁壁工指針 H24年度版 p114の以下の記述を根拠としています。
「また、受働土圧が発揮される地盤変位は主働土圧に比べて大きいので、算出した受働土圧におおむね0.5を乗じた値を前面地盤の抵抗力としている」
 

Q5−9.

切土を設定している場合には、土圧式としてクーロン式を選択できないのでしょうか
A5−9. クーロン式を適用して算定するには、下記のクーロン式の前提条件を満たす必要があります。
 ・背面土砂形状が水平、または一定勾配
 ・載荷荷重が無限長載荷
 ・背面土砂の条件が一定

そのため切土の条件の場合は、クーロン式を適用することはできません。
 

Q5−10.

形状変更すると土圧作用面角度が毎回初期化されるのですが、固定にできないでしょうか
A5−10. 可能です。
オプションメニューの動作環境の設定で、「規定形状変更時の土圧作用面初期化」のチェックを外してください。
 

Q5−11.

擁壁工指針(H24)のP105の切土土圧式は常時式しか掲載されていませんが、プログラムでは地震時にも対応しているようです。
地震時式の出展を教えてください。
A5−11. 弊社では、地震時式を掲載している基準類を把握しておりません。
そのため、擁壁工指針(H24)のP106を参考に地震時連力図を作成し、式を導きました。
地震時連力図は、常時のW1、W2を慣性力分傾斜させることで作成できます。
 

Q5−12.

構造物が隣接している場合の設定方法
A5−12. 初期入力画面の考え方タブで「構造物隣接時土圧算出」を「する」とします。
「形状」−「側面」の隣接構造物タブ内で「隣接構造物までの距離λ」を入力すると隣接構造物を考慮した土圧算出が可能です。

構造物隣接時土圧の考え方については、ヘルプの[計算理論及び照査の方法]−[荷重の考え方]−[土圧の考え方]−[構造物隣接時土圧]に記載しておりますのであわせてご覧ください。
 

Q5−13.

入力した土砂高さと土圧計算時の土圧高さが異なります
A5−13. 擁壁工指針では、「嵩上げ盛土高比が1を超える場合でも土圧は,盛土高が15mまでは嵩上げ盛土高比を1とみなして計算してよい」と記載されています。
本プログラムの初期設定でもこの考え方に従っているため、盛土高比によってはご指摘の状態となります。
常に入力値を採用したい場合は、「考え方」−「浮力、土圧・水圧」画面の「土圧」において、「かさ上げ盛土高比(H1/H)の場合」の設定を変更してください。
 

Q5−14.

仮想のり面傾斜角β’は、かかと版の後端位置が背面盛土の上側水平部であれば 0.0(°)ではないのでしょうか
A5−14. 仮想のり面傾斜角β’は、擁壁工指針の基準年度によって考え方が異なります。
H11年版のβ’算出には、かかと版の後端位置を用いますが、H24年版の場合には天端の後端位置を用います。
そのため、かかと版の後端位置が背面盛土の水平部の場合でも、0.0(°)であるとは限りません。

詳しくは、下記ヘルプに基準年度ごとの図を表示していますのでご確認ください。
「計算理論及び照査の方法」−「荷重の考え方」−「土圧の考え方」−「算定の原則」
 

Q5−15.

土砂の入力画面にある残留強度(φres)とピーク強度(φpeak)とは?
A5−15. 残留強度とピーク強度は、地震時の土圧式を修正物部・岡部式(「荷重」−「主働土圧」画面)とした場合にのみ使用します。それ以外の土圧式や常時では、使用しません。
修正物部・岡部式の考え方については、製品ヘルプの以下の内容をご確認ください。
・計算理論及び照査の方法−荷重の考え方−土圧の考え方−物部・岡部式(修正物部・岡部式)

設定値につきましては、道示XP68に砂及び砂れき,砂質土の値が記載されておりますので、ご確認ください。
 

Q5−16.

試行くさび計算で、土くさびを形成する多角形の座標系を確認できますか
A5−16. 「オプション」−「計算書表示の設定」で「試行くさび法土圧図の座標値」を「表示する」としてください。
計算書の土圧図に番号が表示され表形式で座標値が確認できます。
 

Q5−17.

試行くさび計算で土圧係数を表示することはできますか
A5−17. 可能です。
「オプション」−「計算書表示の設定」で「試行くさび法の土圧係数」を「表示する」としてください。
計算書にて土圧合力より逆算された土圧係数を確認することができます。
 

Q5−18.

切土部土圧の計算で、 安定計算時は切土部土圧で計算されるのに、竪壁設計時は盛土部土圧になるのはなぜですか
A5−18. 竪壁背面と切土面の距離が大きい場合、土圧は切土面の影響を受けないためです。
かかと版が長い場合にはこの傾向が強くなります。
 

Q5−19.

クーロン式による土圧算定時に粘着力を考慮したところ、土圧力<0となりました。どのように粘着力を考慮しているのでしょうか。
A5−19. クーロン式で粘着力を考慮する場合の土圧強度p’の算出は、以下のようになります。

p’=p−2c√K
ここに、
p:粘着力を考慮しない土圧強度
c:粘着力
K:土圧係数

粘着力を考慮する際は、上載分の土砂を考慮した土圧強度から粘着力分を差し引きます。この状態で算出されたp’が負となった場合は土圧が作用しないと考えます。
 

Q5−20.

クーロン式により土圧算出を行う場合、土圧作用高さに盛土分が含まれていない
A5−20. 一般的にクーロン式により土圧算出を行う場合、土砂形状は一定勾配となっていることが前提となっております。
本プログラムでは、「荷重」−「主働土圧」画面の「背面盛土の扱い」の指定により盛土を有する場合でも適用できるようにしており、この選択により土圧作用高さが異なります。

(1)荷重換算
盛土部分を全て荷重に置き換えます。
土圧算出高さは、土砂形状を水平とした場合の高さとなります。

(2)一定勾配モデル化
背面土砂が水平若しくは勾配nの一定勾配であるとして、土圧算出を行います。
土圧算出高さは、nにより決定します。

(3)土圧分布を推定
試行くさび法によって土砂の折れ点毎にすべり面を仮定し土圧強度分布を推定することにより、分布位置毎の土圧係数を算出します。
土圧算出高さは、実高さとなります。

上記設定をご確認頂きますようお願い致します。
 

Q5−21.

切土を考慮した場合の切土部土圧と盛土部土圧の違いは何ですか。また、切土を考慮しない場合の盛土土圧との違いについて教えてください。
A5−21. 切土を考慮している場合は、すべり角の全範囲のうち、すべり面と切土面が交差する範囲を切土部土圧、それ以外の範囲を盛土部土圧としています。
それに対して切土を考慮していない場合は、すべり角の全範囲(通常10〜80度)で土圧を算出しています。
 

Q5−22.

フローリッヒの理論による盛土の荷重換算において、盛土と載荷荷重をプログラムでは同時に換算しているようですが、個別に換算することはできませんか。
A5−22. 可能です。
「考え方−浮力、土圧・水圧」画面の土圧−「盛土及び載荷荷重の換算方法(クーロン系土圧時)」を「盛土と載荷荷重を別々に換算する」としてください。
尚、同時に換算する手法は「農道」の考え方となります。
 6.浮力・水圧

Q6−1.

躯体の浮力を考慮したい
A6−1. 浮力を考慮したい時は、下記設定を行なってください。
(1)「荷重」−「荷重の扱い」画面において、「水位の使用」をチェックします
(2)「荷重」−「水位」画面において、水位を入力します
(3)「荷重」−「組み合わせ」画面において、「A水位」を選択します
(4)「考え方」−「浮力、土圧・水圧」画面の「浮力」において、浮力の考え方を「考慮しない」以外に設定します。
 

Q6−2.

動水圧を考慮する方法を教えてください
A6−2. 「考え方」−「浮力、土圧・水圧」画面の「水圧」において「地震時の動水圧−外水圧(動水圧)」を「考慮」として下さい。

尚、動水圧は地震時ケースの以下の条件の場合にのみ考慮します。
・土砂<水位
・慣性力作用方向の水圧
上記を満たしていない場合、動水圧は考慮されません。
 

Q6−3.

躯体上に水だけの部分がありますが水重が考慮されません
A6−3. 水圧鉛直成分(水重)が考慮されるのは以下を満たした場合です。
 ・「考え方」−「浮力、土圧・水圧」画面で揚圧力が選択されている
 ・躯体上に水だけの部分が存在する
水圧鉛直成分は重量として必要なものではなく、揚圧力に関連付けられるものして考慮しているため、揚圧力を考慮しない場合は、水圧鉛直成分も考慮されません。
 

Q6−4.

水位ケースの名称を変更できません
A6−4. 初期入力画面「考え方」で「浮力の安定照査毎指定」を設定している場合は水位名称を変更することはできません。
本設定は安定照査毎(転倒、滑動、支持)に浮力ありケース、浮力なしケースの両方の計算を行い、自動的に危険な方を採用する機能となります。
この設定を行っている場合は、浮力(揚圧力)の有無を両方計算して両方の結果を表示するために、水位の名称を指定することはできません。
 

Q6−5.

浮力と揚圧力の違いについて教えてほしい
A6−5. 浮力と揚圧力の区別ですが、各基準類では明確にされておりません。
擁壁工指針P56では「浮力」という言葉が使用されていますが、「上向きの水圧によって生じる浮力」という説明から、「浮力相当の揚圧力」を考慮していると読み取ることもできます。

そのため、本プログラムではどちらを採用した場合でも基本的には同じ考え方のもとで計算を行っています。
揚圧力を選択している場合におきましても、前背面の水位差がなければ、浮力と同じ効果を得ることができます。

浮力と揚圧力の違いは下記の通りです。
●浮力について
浮力は、水位以下の躯体体積×水の単位重量(躯体用)+水位以下の土砂体積×水の単位重量(土砂用)となります。
地震時の土砂慣性力は、湿潤重量×体積×設計震度にて設計されます。
前面水位の位置により、浮力1〜浮力3の選択があります。
「考え方」−「浮力、土圧・水圧」のガイド図をご確認ください。

●揚圧力について
揚圧力は、水位高×水の単位重量(躯体用)×底版幅となります。
地震時の慣性力は、(湿潤重量×水位より上の体積+飽和重量×水位より下の体積)×設計震度にて設計されます。

下記ヘルプもあわせてご参照ください。
・計算理論及び照査の方法−荷重の考え方−浮力の取り扱い−浮力
 

Q6−6.

動水圧を考慮する場合の作用位置を変更することはできますか。
A6−6. 「考え方」−「浮力、土圧・水圧」画面の「水圧」−「動水圧の作用位置」で「2/5H」「3/5H」より選択することが可能です。
 7.平板解析

Q7−1.

平板解析時に考慮できる荷重は何ですか
A7−1. 断面力としては、かかと版に作用する底版自重,土砂重量,浮力,反力(地盤反力,杭反力)を考慮して設計を行います。
反力については、鉛直力のみ考慮するか鉛直力,水平力,モーメントを考慮するかの選択が可能です。
 

Q7−2.

平板解析用の底版照査位置の入力で、スパン位置L1,L2はそれぞれどこからの距離を入力すればいいのでしょうか
A7−2. スパン位置L1は前壁背面付け根位置からの距離、スパン位置L2にはかかと版後端位置からの距離を入力してください。
初期値は形状寸法画面の入力より、竪壁の中心位置,かかと版後端位置としています。
 

Q7−3.

平板解析時に、控え壁部分の杭反力は考慮されるのでしょうか
A7−3. 「考え方」−「部材設計」画面の「平板解析」−「杭反力の扱い」の「壁内の杭反力を考慮する」の入力によって、杭反力の考慮有無を選択することができます。
 

Q7−4.

平板解析は杭基礎の時のみしか行えませんか
A7−4. Ver.7.0.0以降のバージョンでは、直接基礎でも平板解析が可能です。
直接基礎時の照査位置の初期値は、「構造物標準設計図集IV(下部構造編)」を参考に設定しています。
 8.土砂

Q8−1.

初期入力画面の「前面土砂高」と「根入れの深さ」の使い分けを教えてください
A8−1. 前面土砂高はつま先版上の土砂重量を考慮する場合に設定して下さい。但し、通常は考慮しません。
根入れの深さは許容支持力計算を行う場合の根入れDfとして設定して下さい。許容支持力計算を行わない場合は設定不要です。
 

Q8−2.

前面土砂を設定しましたが、安定計算やつま先版設計時に前面土砂の重量が考慮されていません。
A8−2. 入力の「荷重」−「組み合わせ」画面の「前面土砂の扱い」の入力をご確認ください。
鉛直力考慮にチェックを入れることにより重量が考慮されて計算が行われます。
 9.荷重

Q9−1.

任意荷重は全幅当たりの荷重で設定するのでしょうか。
また、控え壁部分のみに荷重を設定することはできますか。
A9−1. 任意荷重は全て単位幅のみの設定となります。
そのため控え壁部分のみの荷重設定はできません。
 

Q9−2.

つま先前面で安定計算作用力を集計する場合、前面水圧の水平力によるモーメントが負値になるのはなぜですか
A9−2. 抵抗モーメント(鉛直力によるモーメント)に対しては時計まわりが正、転倒モーメント(水平力によるモーメント)に対しては反時計まわりが正となります。
前面水圧は右向きの水平力となりますので負値となります。
 

Q9−3.

慣性力の作用方向を荷重ケース毎に設定することは可能でしょうか
A9−3. 可能です。
「荷重−組み合わせ」画面の地震時ケース毎に「慣性力方向」を指定してください。
 

Q9−4.

任意荷重に慣性力を考慮することはできますか
A9−4. 可能です。
任意荷重画面の「慣性力」で、考慮したい震度を選択してください。
ただし、震度を選択したケースの荷重タイプは鉛直力固定となります。
 

Q9−5.

安定計算時に載荷荷重による慣性力が考慮されません
A9−5. 入力の「考え方」−「安定計算」の「載荷荷重による慣性力」を「考慮する」としてください。
 

Q9−6.

「載荷荷重」・「任意荷重」でそれぞれ同一条件となるように入力したデータで結果が異なるのはなぜか
A9−6. 載荷荷重と任意荷重は下記のように取り扱いが異なり、同じ荷重を設定した場合でも結果は異なりますので、お考えの設計条件にあわせて設定してください。

■載荷荷重
・土圧算出時に考慮します。試行くさび法による土圧計算時は、土くさび上に載荷されている分を土塊重量の一部として考慮します。
・片持ち梁擁壁でかかと版を有する形状の場合(仮想背面が土−土の場合)は、作用外力としてかかと版上に載荷された部分を外力として考慮します。

■任意荷重
・土圧算出に考慮しません。
・有効な検討により、設定された範囲を作用外力として考慮します。
 

Q9−7.

設計震度の地盤種別の判定を行う際に、地盤の特性値TG=0となるのはなぜでしょうか?
A9−7. 1層目が基盤面(粘性土:N25以上、砂質土:N50以上)となっている場合0となります。

 

Q9−8.

衝突荷重の水平力の作用位置が天端の背面位置になりますが、問題ありませんか。?
A9−8. 衝突荷重の水平力につきまして、計算に用いるのは作用する高さ位置のみのため、x座標による計算結果への影響はありません。
 

Q9−9.

荷重−組み合わせ画面の荷重状態はどのような基準で設定するのでしょうか
A9−9. 本プログラムにおいては、
常 時  : 「主荷重(P)+主荷重に相当する特殊荷重」
常 時(T)  : 「主荷重(P)+主荷重に相当する特殊荷重+温度変化の影響(T)」
常 時(W)  : 「主荷重(P)+主荷重に相当する特殊荷重+風荷重(W)」
常 時(T+W) : 「主荷重(P)+主荷重に相当する特殊荷重+温度変化の影響(T)+風荷重W)」
常 時(CO) : 「主荷重(P)+主荷重に相当する特殊荷重+衝突荷重(CO)」
地震時   : 「活荷重及び衝撃以外の主荷重+地震の影響(EQ)」
の値を各々示しています。
本設定により許容値の割増係数が異なります。
上記を参考に設計者の判断にて設定ください。

 

Q9−10.

地盤種別の判定におけるTGの値を手計算したところプログラムの値と異なるのですが、注意点はありますか
A9−10. 基盤面の考え方にご注意下さい。
耐震設計上の基盤面は、耐震設計上振動するとみなす地盤の下に存在する十分堅固な地盤の上面を想定しています。
この基盤面は、せん断弾性波速度300m/s程度(粘性土層ではN値25、砂質土層ではN値50以上)となりますので、該当層の上部層までが対象となります。
道路土工要綱(平成21年6月)p.354 又は 道示V(平成24年3月)p.33 もあわせてご確認下さい。
 

Q9−11.

常時, レベル1地震時のケースは許容応力度法で、レベル2地震時のケースは限界状態設計法で照査を行うことはできますか
A9−11. 可能です。
「荷重」−「組み合せ」画面の「照査項目選択」ボタンより、各ケースで行う照査内容を個別に設定できます。
 

Q9−12.

設計震度計算時の地盤種別を自動的に選択してくれる機能はありませんか
A9−12. 「条件」ボタンにより表示される画面で地層データを設定することで、地盤種別を自動的に判定することが可能です。
地盤種別の判定では、地表面から耐震設計上の基礎面までの層について、地盤の特性値TGを求めることによって判定を行います。
 10.安定計算

Q10−1.

突起を考慮した検討を行いました。
突起が無い場合の検討結果を同時に確認することはできますか。
A10−1. 可能です。
「基礎」−「支持地盤、根入れ地盤」画面の「滑動に対する照査」−「突起無時の照査」で「照査する」を選択してください。
 

Q10−2.

「滑動に対する検討を行わない」というスイッチがありますか
A10−2. 「考え方」−「安定計算」−「基本設定」にて滑動照査の有無を設定いただけます。
滑動に対する検討を行いたくない場合は、「滑動に対する照査」にて『照査しない』を選択ください。
 

Q10−3.

せん断抵抗角を変えても、支持力係数が変わらない
A10−3. 「基礎」−「支持地盤、根入地盤」をご確認ください。
「鉛直支持力の照査」の「支持力算出用データ」で、「直接指定」が設定されていないでしょうか?
こちらを自動設定に変更ください。
 

Q10−4.

土圧を壁全体に作用させた場合と、土圧を考慮しない高さを設定した場合の2つのケースで後者の方がNGとなるのはなぜでしょうか
A10−4. 土圧を考慮しない高さを設定したケースでは、土圧力は小さくなります。
しかしながら、作用高さは高くなりますので、条件によっては転倒モーメントが大きくなることがあります。
この時、土圧を壁全体に作用させたケースよりも危険な結果となる場合があります。
 

Q10−5.

転倒に対する照査で安全率に対する検討を行いたい場合の設定はどのようにすればよいでしょうか。
A10−5. 入力の「考え方」−「安定計算」の「転倒に対する照査」で「安全率のみ」か「偏心量・安全率」を選択してください。
安全率照査については「土圧全体」か「水平分力」の照査が選択可能です。

各計算内容に関しましては、
ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「安定計算(直接基礎)」−「許容応力度法」−「転倒に対する照査」をご覧ください。
 

Q10−6.

転倒に対しては受働土圧は考慮しないのか?
A10−6. 前面土砂による受働土圧は安定計算時の滑動照査にのみ考慮し、外力としては考慮していません。従いまして、転倒照査(偏心算出)には影響を与えません。

一般に、受働土圧とは外力として作用するものではなく、受働土圧を期待する地盤に躯体が変位した場合に発生する地盤の抵抗力の上限値と考えます。
従いまして、つま先版の根入れ部に常に受働土圧が発生しているわけではありません。
滑動照査に対して受働土圧を考慮できるのは、滑動に対する照査は抵抗力と作用力を比較することにより行われるためです。
 

Q10−7.

杭基礎の許容押込み支持力について、道路橋示方書Wの式(12.4.1)のように杭の自重を考慮したい
A10−7. 「基礎」−「地層データ」画面の「算出オプション」において、「押込み杭の有効重量」を「考慮」としてください。
 

Q10−8.

国交省告示式(土質試験)を用いて許容支持力の計算を行っています。
形状係数α、βを計算する際のB, L の値ですが、
 B:基礎荷重面の短辺又は短径
 L:基礎荷重面の長辺又は長径
となっています。
場所打ちではBLとなる場合が考えられます。
B>Lとなる場合は、α、βの計算式中のB/L を、L/B として計算したα、βの値を、直接入力で設定する方法が正しいのでしょうか。
A10−8. B>Lとなる場合におきましても、直接入力する必要はありません。

基礎荷重面の短辺幅,長辺幅は、底版長と擁壁長を比較し、自動的に短い方を短辺幅B、長い方を長辺側のLとして計算いたします。

尚、長さに関わらずに側面側(底版長)をB, 正面側(擁壁長)をLとして検討することも可能です。
「考え方」−「安定計算」画面の「鉛直支持力の照査」−「基礎幅」で選択してください。
  1.「B:短辺,L:長辺」
  2.「B:側面,L:正面」
 

Q10−9.

鉛直支持力の照査基準を「土地改良(農道)」とした場合に、許容支持力の計算値に荷重の傾斜が考慮されません。
A10−9. 平成17年 土地改良事業計画設計基準「農道」の初版では、荷重傾斜を考慮した支持力係数が記載されておりましたが、その後正誤表において荷重の傾斜を考慮しないように修正されているため、本製品においても荷重傾斜は考慮しておりません。
 

Q10−10.

滑動に対する照査にて、安全率Fsを算出する算式で、底面幅Bを擁壁底面全幅にする場合と有効載荷幅で計算を行うことがタブで選択可能になっておりますが、どのような場合に使い分けを行うのでしょうか?
A10−10. 準拠する基準や年度によって、滑動照査時の底版幅を「全幅」とするか「有効載荷幅」とするかが異なります。
主な基準・年度による違いは以下となります。

土工指針(H24年版):有効載荷幅(B-2e)
土工指針(H11年版):全幅
標準設計:全幅
設計要領(R元年版):有効載荷幅(B-2e)
宅地防災(R4年版):全幅

また、「有効載荷幅3(B/2-e)」に関しましては、一部自治体等で採用されている考え方となり、下記を参考にしています。
・建築基礎構造設計指針 P362
・神奈川県−擁壁の取り扱い 平成24年4月1日 P21
何れも、式は記載されておりませんが、「フーチング底面の接地圧が0の部分(浮上り部)を除いた幅」と記載されております。
フーチング底面の接地圧が0の部分(浮上り部)を除いた幅=地盤反力の作用幅であるので、3(B/2-e)となります。

 11.その他

Q11−1.

3Dモデルをファイル出力することはできますか
A11−1. 可能です。
様々な形式での出力に対応しております。下記手順でご確認下さい。
1. 3Dモデルを右クリックし、「エクスポート」を選択。
2. 表示されたサブメニューから出力したいファイル形式を選択。
 

Q11−2.

3Dモデルの寸法線の表示有無を選択することはできますか
A11−2. 可能です。
3Dモデル上右クリックで表示されるポップアップメニュ−から「寸法線(W)」を選択してください。
 

Q11−3.

ファイル読み込み時に「共有データとして設定されたファイルの基準値データと、読み込まれたファイルの基準値データが一致しません」と表示されました。
共有データとは何でしょうか。また、これを解除するにはどうすればよいでしょうか。
A11−3. 共有データとは基準値ファイルを複数の設計で共有できるようにしたものです。
共有化が行われている場合は、計算用設定値画面の左上の「基準値ファイル」にファイル名が表示されています。
解除したい場合はファイル名の右側に表示されている「解除」を実行してください。
再共有したい場合は、基準値ファイルを読み込んだ後に表示されるメッセージに対して「はい」を選択してください。
 

Q11−4.

平成29年版道路橋示方書に対応していますか
A11−4. 平成29年版道路橋示方書発刊から現在に至るまで、道路土工や水工関連などの関連基準の改定が行われていないため対応しておりません。
改定後、道路橋示方書と同内容の照査内容についての記載があれば、その時点で対応する予定としています。
 

Q11−5.

メイン画面の描画が常時ケースとなっているが地震時ケースの描画はできないのか
A11−5. 描画を変更することは可能です。
メイン画面を右クリックし、「荷重状態(Y)」で表示させたいケースを選択することで表示されます。
 

Q11−6.

湿潤重量と飽和重量の違いについて教えてください
A11−6. H24年版 擁壁工指針(p66)では、土砂の水中単位重量(飽和重量)は湿潤重量から9.0を差し引くことで良いとされています。
例えば、湿潤重量が19である場合、水位以下の土砂の単位体積重量は19−9=10となります。
一般的には、水の単位体積重量は9.8となりますので、飽和されている土砂の単位体積重量(飽和重量)は10+9.8=19.8となります。
 

Q11−7.

地層入力画面でボーリングデータを読み込むことはできますか
A11−7. 本製品の耐震設計時においては、「地質・土質調査成果電子納品要領(国土交通省)」の「第2編 ボーリング柱状図編」で規定された『ボーリング交換用データ(XMLファイル)』をインポートすることが可能です。
初期入力画面の設計震度「条件」画面及び杭基礎時の「地層データ」画面の[ボーリング交換用データインポート]ボタンより、ボーリング交換用データ(XMLファイル)を指定してください。
データをインポートすると、層ごとの深度、堆積時代、土質、平均N値が設定されます。
 

Q11−8.

3D属性表示で表示方法及び表示できる項目は
A11−8. 3D表示画面を右クリックし、「躯体属性」より表示・非表示を選択してください。
表示項目は下記となります。
・ファイル名
・業務名等の一般事項の項目
・設計基準強度(各部材毎)
 

Q11−9.

32bit版と64bit版で利用可能な機能の違いはありますか?
A11−9. 基本的に利用可能な機能は同じです。






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