Q2−1. |
「考え方−部材設計」画面の「共通」−「壁下端の係数を使用する高さの割合」
はどの様な値を入力したら宜しいのでしょうか? |
A2−1. |
「壁下端の係数を使用する高さの割合」は、連続ばりとしての計算を行う場合に、曲げモーメント算出に必要となる項目となります。
曲げモーメントは「土留擁壁・石積の設計と解説(現代理工)」P.180を参考に以下のように計算しています。
Mx = ±(px・L^2)/K
ここに、
Mx:曲げモーメント
px:任意の高さにおける荷重強度
L :竪壁の中心間隔
K :係数
また、Kの値は以下の記載がされております。
壁下端付近 :K=12
壁化端付近以高 :K=10
しかしながら、その割合までは記載されていないため、
「道路土工構造物の設計計算例(山海堂)」P.305に記載されております、
「擁壁天端から、0.9hの位置の荷重強度を使用する」
を参考に、壁の下端から壁高/10をK=12、それ以高をK=10として計算するよう初期設定しています。
お問い合わせの入力項目は、この係数を使用する高さの割合を自由に変更することができるものとなります。
また、上記考え方の詳細につきましては、
ヘルプ「計算理論及び照査の方法」−「竪壁の設計」−「竪壁の断面力の集計(鉄筋)」にあります、(2)連続ばりとしての計算をご覧ください。 |
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Q2−2. |
配筋を行ったにも関わらず下記メッセージが表示されます。
「竪壁の引張側に鉄筋が配置されていません。」 |
A2−2. |
控え壁断面照査時に負のモーメントが発生している場合、前壁部への配筋が必要となります。
「部材」−「竪壁配筋」画面−「T形ばり」−「前壁」にて配筋を行ってください。
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Q2−3. |
控え壁の設計の断面計算結果に表示されている「鉄筋量」と「かぶり」が、入力した値と異なります |
A2−3. |
T型ばりの控え壁有効鉄筋量As’及び控え壁鉄筋かぶりC’は、控え壁が水平面となす角度をα、鉛直面となす角度をθとした場合に、下記の計算式にて控え壁鉄筋の角度を考慮して計算を行います。
■T型ばりの控え壁有効鉄筋量As’
竪壁 : As’=As・sinα
底版 : As’=As・sinθ
■T型ばりの控え壁鉄筋かぶりC’
竪壁 : C’=C/sinα
底版 : C’=C/sinθ
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Q2−4. |
土工指針P185に記載されている、かかと版付け根の曲げモーメントM3が竪壁つけ根の曲げモーメントM1よりも大きくなる場合(M3>M1)は、かかと版の設計で用いる曲げモーメントはたて壁つけ根の曲げモーメントを用いるとあります。
擁壁の設計プログラムではその考え方を採用するか選択することができますが、控え壁式擁壁の設計計算ではその選択を行えません。
考慮できないということなのでしょうか? |
A2−4. |
土工指針P185に記載のかかと版のモーメントの扱いは、片持ち梁として計算する場合の矛盾を解消するためのものです。
本プログラムでも片持ち梁照査は可能ですが、通常、付け根位置は連続梁として計算を行いますので、この考え方を適用することはできません。 |
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Q2−5. |
竪壁やかかと版を片持ち梁として照査することはできますか |
A2−5. |
可能です。下記の照査位置設定を行ってください。
竪壁・・・竪壁照査位置画面で「照査位置2」を設定。
かかと版・・・底版照査位置画面で「かかと版2」を設定。 |
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Q2−6. |
引張の応力計算式で「(参考)」とありますが、出典と参考の意味をお教えください |
A2−6. |
お問合せの参考式は、下記の基準等を参考にしています。
・土地改良事業標準設計図面集「擁壁工」利用の手引き(平成11年3月)
こちらに記載の参考式は作用力と内力が釣り合うように導かれた計算式です。
プログラム内部では様々な形状に対応できるように収束計算で求めていますが、同じ考え方となります。
ただし、プログラムでは参考式を直接用いているわけではありません為、計算書においては参考用として上記計算式を表示しています。
矩形式の導き方等、実際の計算内容の詳細については、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「断面計算」−「許容応力度法」−「曲げ応力度計算」をご参照ください。 |
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Q2−7. |
基礎形式を杭計算として、この状態でかかと版の設計をしたいのですが、連続ばりとしての計算が出来ません。
杭基礎の場合は連続ばりとしては、計算は行わないのでしょうか。 |
A2−7. |
直接基礎の場合、かかと版の設計は、かかと版と控え壁とで支えられたスパンを連続版としてみなして設計しますが、杭基礎の場合は、杭からの反力が集中荷重として作用するため連続ばりとしての設計を行うことができません。
これは、連続ばりとしての設計では、等分布荷重が載荷されていることが前提となっているため、杭基礎の場合には対応できないためです。
そのため、かかと版と控え壁とで支えられたスパンでは、別途ご検討いただく必要がございます。 |
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Q2−8. |
竪壁と同様に、かかと版と控え壁のT桁梁で解析することはできますか |
A2−8. |
かかと版と控え壁のT桁梁の照査を行う場合は、「初期入力画面−考え方−照査の有無」−「底版:T形ばり」にチェックを入れてください。
尚、T型梁の底版の設計は、一般的な設計例等では考慮しておりませんため、控え壁式擁壁の設計計算におきましても初期状態では照査しない設定としております。
照査する場合におきましては、最終的には設計者の判断で設定していただきますようお願いいたします。 |
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Q2−9. |
竪壁やかかと版の照査で連続ばりとして計算する場合は、全幅で計算するのでしょうか。それとも単位幅で計算するのでしょうか。 |
A2−9. |
連続ばりの計算は、全て単位幅で照査を行います。 |
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Q2−10. |
接合部の照査における対象鉄筋は、「控え壁間隔の内側鉄筋」と「控え壁1枚における両面」のどちらを考慮するのでしょうか |
A2−10. |
「控え壁1枚における両面」を考慮して照査を行います。 |
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Q2−11. |
突起の無筋計算を行うことはできますか |
A2−11. |
可能です。
「材料」−「躯体」画面の断面計算時の扱いで、「無筋」を選択してください。 |
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Q2−12. |
T形ばり検討時の、中央部と端部の有効長を変更することはできますか |
A2−12. |
可能です。
竪壁(底版)照査位置画面の分担幅、有効幅で設定してください。 |
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Q2−13. |
竪壁やかかと版の控え壁の無い区間は、片持ち梁での照査となるのでしょうか。
また控え壁の有る範囲や控え壁はどのように設計するのでしょうか。 |
A2−13. |
竪壁の控え壁より上方部分や、かかと版の控え壁より後方部分は片持ち梁として設計します。
また竪壁(かかと版)と控え壁とで支えられたスパンについては、連続版とみなして設計します。
控え壁の設計については、竪壁(かかと版)と控え壁で形成されるT形ばりとして分布幅を考慮して照査を行います。 |
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Q2−14. |
控え壁の必要鉄筋量を、T形断面におけるコンクリートの全圧縮応力度が竪壁の厚さの中心に作用するものと仮定した方法で算出することはできますか |
A2−14. |
可能です。
「考え方」−「部材設計」画面の「共通」−「控え壁の必要鉄筋量算出方法」で「簡易式」を設定してください。 |
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Q2−15. |
控え壁の有効幅は、照査位置にかかわらず常に全高に対して初期化されていますが、照査位置より上の範囲に対して初期化するようにできますか |
A2−15. |
可能です。
「初期入力」画面の「考え方」−「控え壁有効幅初期化」で「照査位置より上の高さ」を設定してください。 |
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Q2−16. |
奥行き方向の控え壁のスパン長は、どのような値で初期設定されるのでしょうか |
A2−16. |
スパン長の初期化は、全ての控え壁位置毎に間隔とその両端の壁厚の総計を算出し、その最大値を設定します。 |
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Q2−17. |
竪壁T形はりのスターラップはどのように入力すればよいですか |
A2−17. |
水平筋として入力してください。 |
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Q2−18. |
「許容値−部材設計」画面にσsnaの入力がありますが、計算過程でどこか影響してくるのでしょうか |
A2−18. |
σsna(鉄筋の許容圧縮応力度)は、全圧縮となった場合の照査に用いられます。
そのため、照査断面が全圧縮とならない場合には使用しません。 |
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Q2−19. |
竪壁傾斜時に、断面照査で用いる鉄筋量に傾斜角度を考慮することはできますか |
A2−19. |
可能です。
「考え方」−「部材設計」−「オプション」の「鉄筋量算出時の竪壁傾斜」で設定してください。
またその際の傾斜角度には、竪壁前側と後側の平均角度を用いるか、それぞれの配筋側の角度を用いるかを選択することができます。 |
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Q2−20. |
せん断応力度の照査で、計算値が許容値τa1を満たしていないのに最終判定がOKとなっています |
A2−20. |
通常せん断応力度照査ではτa1と計算値τの比較を行ないますが、スターラップ(帯鉄筋)が入力されている場合は、τ>τa1となったケースにおいて、必要なスターラップ断面積Aw(必要量)を計算し、下記の判定を行います。
・Aw≦使用量As 且つ τ≦τa2・・・OK判定
・Aw>使用量As 又は τ>τa2・・・NG判定 |
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Q2−21. |
竪壁設計で柱部材の最小鉄筋量を照査することはできますか |
A2−21. |
可能です。 考え方−部材設計画面の許容応力度タブで「竪壁の柱部材としての最小鉄筋量照査」を「照査する」としてください。 なお、竪壁設計タブの「断面計算時の軸力考慮」を「考慮する」及び許容応力度タブの「最小鉄筋量の照査」を「照査する」の場合に選択が可能となります。
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Q2−22. |
T型ばり断面の有効幅の算出方法を教えてください。 |
A2−22. |
T形断面の有効幅Beは以下のように算出しています。
有効幅be = b0+2λ
λ = h/8+bs
ここで、
b0:控え壁の厚さ
λ:片側有効率
h :控え壁高さ
bs:ハンチ寸法
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Q2−23. |
考え方―部材設計の共通で、控え壁で支持されている竪壁、底版の設計方法で「両端固定ばり」以外が選択できない |
A2−23. |
連続ばり、n径間連続ばりは、全ての控え壁の壁厚及び壁の間隔が一致していることが前提となります。 一致しない場合は「両端固定ばり」以外は選択できません。
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Q2−24. |
ハンチを含んだ断面形状を入力しているが、部材設計時にハンチを考慮しない方法 |
A2−24. |
形状−側面−ハンチにてハンチを設定しますと、「考え方」−「部材設計」画面で『ハンチの範囲』を設定できるようになります。こちらで「考慮しない」を選択してください。
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