1 杭基礎 |
1−1.適用範囲・準拠基準等 |
Q1−1−1.
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フーチングの剛性評価は出来るか。
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A1−1−1. |
杭基礎,直接基礎でフーチングの許容応力度照査を行う場合、あわせて、フーチングの剛体判定を行っています。
ただし、連続フーチングの場合は2柱式のみを対象としています。
3柱式の場合を対象としていないのは、「杭基礎設計便覧」の記述によるものです。
H.27.3版では、P.354に、β・λによる剛性評価方法は3柱以上の連続フーチングには適用できない旨が記述されています。
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Q1−1−2. |
「既設フーチング下面よりも下まで補強フーチング+増杭」という補強に対応しているか。 |
A1−1−2. |
「基礎の設計・3D配筋」では対応しておりません。
増し杭工法での増設フーチング下面は、既設フーチング下面と同じ高さの場合にのみ対応しております。
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Q1−1−3. |
動的解析に用いる基礎ばね(固有周期算出用)を算出する場合、基礎の設計・3D配筋側で、2.5次元解析を選択している場合、このばねを算出することは可能か。 |
A1−1−3. |
可能です。動的解析には固有周期算出用の基礎ばねを用いてください。
※計算書の「基礎ばねの計算」−「地盤ばね定数」−「固有周期算定用」
動的解析に用いるばねの場合、H24道示X7.3.2(P.123)に、「基礎の抵抗を表すばね定数は、式(解6.2.1)及び式(解6.2.2)による地盤反力係数の基準値を用いて計算する。」とあります。
この式は固有周期算定用の式ですので、動的解析には、動的変形係数EDを用いて計算した地盤ばね値を適用してください。
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Q1−1−4. |
基礎部の補強設計において、増し杭無しでフーチング厚のみ増し厚の設計は可能か。 |
A1−1−4. |
「基礎の設計・3D配筋」の増し杭工法では、フーチング増厚のみ(増し杭なし)の検討を行うことはできません。ご了承ください。
「橋脚の設計・3D配筋」との連動時には、フーチング上面のみに増厚する形の補強に対応しておりますが、このとき「基礎の設計・3D配筋」の照査対象は「既設・新設」として連動されます。
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Q1−1−5. |
断面変化を杭1本ごとに別々に設定可能ですか? |
A1−1−5. |
杭を配置する全杭で、断面変化数は共通の設定です。 新設既設杭の場合は断面数を2とした場合、杭全ての断面数が2となります。 増し杭の場合は既設杭と増し杭は別々の断面数、異種杭混在の場合は杭1と杭2は別々の断面数で検討が可能です。
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Q1−1−6. |
杭体の断面力結果(例えばモーメントM)が通常とは異なる描画になっているのは何故か? |
A1−1−6. |
2.5次元解析のときの曲げモーメント図は、M = (My^2+Mx^2)^(1/2)(”^”はべき乗を示しています)により、図化しています。 Y,X両方向に曲げモーメントが生じるケースを考えると、合成された曲げモーメントの方向は深度とともに変化し一定しないため、2.5次元解析時には、上記のように出力しております。 そのため、モーメントは常に正値となり、途中で折れ点が生じることがあります。せん断力,水平変位についても同様です。
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1−2.解析方法、設計の基本的な考え方 |
Q1−2−1.
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突出杭の設定方法は?
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A1−2−1. |
本プログラムでは、設計地盤面が基礎天端(フーチング底面)よりも下方に定義された場合、突出杭と判断しております。
具体的には、「地層」−「地層線」−「設計地盤面」画面の『設計地盤面(常時)』,『設計地盤面(地震時)』(@)の入力が、「杭配置」−「基礎天端」画面の『基礎天端標高』(A)より下方となる場合に突出杭と判断されます。
(A−@が突出長(水平方向地盤反力係数を0.0とする区間)となります。)
完全な突出杭であれば、@を『現地盤面』として設定してください。
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Q1−2−2.
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杭先端条件の固定/ヒンジ/自由/ばねの4種類があるが、使い分けはどのようにすればよいか。 |
A1−2−2. |
H24道示W12.6.2(p.410)において、「一般的には、良質な支持層に杭径程度の根入れが確保されれば、先端ヒンジと考えてよい」と記載されていますのでご参照ください。
他の文献等における杭先端条件の記載については情報を持っておりません。
なお、杭先端条件は、次のように取り扱って、杭軸直角方向バネ定数K1〜K4を算出しています。
・固定
水平,回転ともに拘束されている(杭先端で水平,回転変位が生じない)ものとして計算します。
・自由
水平,回転ともに拘束されていないものとして計算します。
・ヒンジ
水平方向が拘束され、回転は拘束されていないものとして計算します。
・バネ
杭先端が次の関係となるものとして計算します。
せん断力=せん断バネ×水平変位
曲げモーメント=回転バネ×回転変位
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Q1−2−3. |
対象基礎が斜面で杭長が異なるため、各方向の基礎ばねを出すためにデータを対称で2つ作成した。その結果が両方同じ結果になった。なぜか。 |
A1−2−3. |
本プログラムでは、ヘルプの「Q&A」−「杭基礎」−「Q3−2」に記載しておりますように、杭中心で地層と交差する点を求め、この交点間の深さ方向の距離を地層厚としており、前背面で層厚を変えること,地盤反力係数を変えることはできません。
よって、傾斜の方向を対称にしたモデルを作成しても、両データでは同じ基礎ばねとなります。
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Q1−2−4. |
基礎の安定計算(レベル1地震時)解析は、変位法で計算されているのか。 |
A1−2−4. |
「基礎の設計・3D配筋」(H24年度版ソフト)における、レベル1地震時の解析は変位法で計算しています。
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Q1−2−5. |
鋼管ソイルセメント杭の場合の設計杭長(杭の先端)は? |
A1−2−5. |
鋼管ソイルセメント杭のとき、「杭配置」−「杭データ」画面の設計杭長(杭先端)は、鋼管の先端位置を入力して頂くことを想定しております。
鋼管長(フーチング下面から杭先端までの鋼管部の長さ)を入力してください。
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1−3.地層・土質定数 |
Q1−3−1.
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「計算条件」−「基本条件」画面の常時,レベル1地震時の「液状化の影響」のスイッチが選択できない。
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A1−3−1. |
「地層」−「低減係数」画面のDE(レベル1)の低減係数が全て1.0になっている場合は、選択できません。
該当画面の低減係数が1.0以外で地層画面を確定すると、本スイッチを選択できることが確認できます。
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Q1−3−2. |
「地層」−「低減係数」画面の耐震設計上の地盤面(A/B/C)の設定はどれを選択すればよいか。 |
A1−3−2. |
設計地盤面の設定につきましては、H24道示X4.6解説文(p.34)において、「耐震設計においては、一般に、その面より上方の土層については地盤抵抗を考慮しないが・・・」とあります。
上記のように、耐震設計上の地盤面より上の層の地盤抵抗を考慮しない場合は、「耐震設計上の地盤面」の選択をCとしてください。
このとき、耐震設計上の地盤面より上の層にDE>0の層が存在しても、その層の水平方向地盤反力係数は0として扱います。
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Q1−3−3. |
「N<5はc値から推定」の対象は? |
A1−3−3. |
Ver.2.2.0より前のバージョン及び旧製品(H.8.12,H14.3道示対応版)を含め、本プログラムでは上記の「軟弱層」を粘性土だけではなく緩い砂質土も含むものとして扱っています。
Ver.2.2.0では、「地層」画面に「N<5の砂質土はN値から推定する」を用意しており、チェックがあるときは砂質土に対してN値から推定できるようにしました。
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Q1−3−4. |
周面摩擦力を直接指定する場合はどのようにすればよいか? |
A1−3−4. |
「地層」−「土質一覧」−「土質データA」画面で、 周面摩擦力の選択を「入力」に切り替えて、最大周面摩擦力度fを直接変更してください。
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Q1−3−5. |
「地層」−「地層線」−「設計地盤面」の水位の入力があるが、設計上、この水位を考慮しないようにするにはどうすればよいか? |
A1−3−5. |
「設計地盤面」画面の水位(常時)及び水位(地震時)の設定を最小値-999.00、杭が配置されても問題ない標高に設定して頂く事で、水位は考慮されません。
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Q1−3−6. |
フーチング直下の地層部分を突出杭として、地震時の慣性力を載荷させるにはどうすればよいか? |
A1−3−6. |
本プログラムでは、設計地盤面が基礎天端(フーチング底面)よりも下方に定義された場合、突出杭と判断しております。
具体的には、「地層」−「地層線」−「設計地盤面」画面の『設計地盤面(常時)』,『設計地盤面(地震時)』(@)の入力が、「杭配置」−「基礎天端」画面の『基礎天端標高』(A)より下方となる場合に突出杭と判断されます。
突出杭となっているかは、「予備計算・結果確認」−「層厚」画面で、突出長=数値>0で確認することができます。
「作用力」−「杭突出部水平荷重」画面において、突出部のすべての範囲に慣性力を考慮する場合、載荷位置を0.0(m)にする必要があります。
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Q1−3−7. |
地層傾斜を考慮する場合、地層はどの範囲で入力すればよいか? |
A1−3−7. |
計算上、最左端部の杭中心〜最右端部の杭中心までの範囲になる様に入力して頂く必要があります。
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Q1−3−8. |
常時とレベル1地震時とレベル2地震時タイプTとタイプUで設計地盤面を変えられますか? |
A1−3−8. |
■常時とレベル1地震時 「地層」−「地層線」−「設計地盤面」画面の設計地盤面(常時/地震時)で設定します。 ■レベル2地震時タイプTとタイプU 「地層」画面のDE及び「地層」−「低減係数」画面の設定「耐震設計上の地盤面」により、耐震設計上の地盤面が決定されます。 常時及びレベル1地震の様に直接指定する方法はありません。
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1−4.支持力・周面摩擦力 |
Q1−4−1.
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杭の周面摩擦力度の計算について、N値が5未満の軟弱層の最大周面摩擦力度は0とするとなってるが、この5未満の規定は道路橋示方書のどこに規定されているか。
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A1−4−1. |
最大周面摩擦力度について、基準類には次のように記述されています。
H.8.12道示W
「N値が2以下の軟弱層では、粘着力をN値により推定することは信頼性が乏しいのでN値により最大周面摩擦力度を推定してはならない。しかしながら、N値は小さくても粘着力cが大きく周面摩擦力が期待できる場合もあるので、別途土質試験により粘着力を求め、これにより最大周面摩擦力度を推定してよい。」
H.14.3道示W
「N値が2以下の軟弱層では、粘着力をN値により推定することは信頼性が乏しいのでN値により最大周面摩擦力度を推定してはならない。しかしながら、N値は小さくても粘着力cが大きく周面摩擦力が期待できる場合もあるので、別途土質試験により粘着力を求め、これにより最大周面摩擦力度を推定するのがよい。」
H.24.3道示W
「2章の示されているように、N値が5未満の軟弱層では粘着力をN値によって推定することは困難なため、別途土質試験により粘着力を求め最大周面摩擦力度を推定するのがよい。」
H.27.3杭基礎設計便覧
「なお、N値が5未満の軟弱層では粘着力をN値によって推定することは精度が悪いため、別途土質試験より粘着力を求め最大周面摩擦力度を推定するのがよい。」
上記を踏まえまして、旧製品(H.8.12,H14.3道示対応版)を含め、本プログラムでは上記の「軟弱層」を粘性土だけではなく緩い砂質土も含むものとして扱っています。
道示W(H24.3)(P.140)で、N値が5未満となる軟弱層においては「標準貫入試験の結果からせん断強度を推定するのは適当でない」との記載があり、そのような場合はP.394より粘着力から推定することができます。
本プログラムでは「N<5はc値から推定」のチェックを用意していますが、砂質土の場合は、粘性土における粘着力のようなN値代わりの指標となるものがなく、また前述のように軟弱地盤は砂質土も含むものとして考えておりますので、N値が5未満の場合には最大周面摩擦力を0として設定しております。
現状においては「周面摩擦力」のコンボボックスより「入力」を選択し直接値を設定して頂くことで対応ください。
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Q1−4−2. |
負の周面摩擦検討を有効にしても計算結果の負の周面摩擦力は0と出力される。設定が不足しているのか。 |
A1−4−2. |
負の周面摩擦力の設定が必要が箇所は、以下のとおりです。
・「計算条件」−「設計条件」−「既設・新設」−「その他条件」の負の周面摩擦力のスイッチを有効にする
・「作用力」−「荷重ケースの設定」で負の周面摩擦力で検討したい荷重ケースを指定する(荷重ケース番号の指定)
・「地層」−「地層線」−「設計地盤面」−「中立点」
・「地層」−「土質一覧」−「土質データA」−「fn」
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Q1−4−3. |
押込み力の周面摩擦は杭先端から任意の範囲を控除できますが、引抜き力は杭先端まで周面摩擦力を考慮しています。 引抜き力照査で周面摩擦力を控除できないようにしている理由は? |
A1−4−3. |
H24道示W P.394の「押込み力のみに対して周面摩擦力を考慮する範囲となる」の記述から押込み力に対して、「計算条件−押込力・引抜力」画面の押込支持力の周面摩擦力の控除範囲で指定して頂くようにしています。
押込力及び引抜力を含めて支持層の最大周面摩擦力度fを考慮しない場合は、「土質データA」の周面摩擦力で『入力』とし、該当する層のf=0にする方法で対処する事ができます。
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Q1−4−4. |
回転杭の閉端/開口タイプの入力はどうすればよいか? |
A1−4−4. |
以下のように設定をお願いします。 ・閉端タイプは、「杭配置」−「杭データ」画面の羽根内径Dwi=0 ・開口タイプは、「杭配置」−「杭データ」画面の羽根内径Dwi≠0
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1−5.地盤反力係数、杭軸方向のバネ定数 |
Q1−5−1.
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「予備計算」で内部計算した地盤反力係数や杭軸方向ばね定数はどこで詳細な結果を確認できますか?
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A1−5−1. |
計算書の「予備計算−水平方向地盤反力係数」及び「予備計算−杭軸方向鉛直ばね定数」で確認できます。
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Q1−5−2.
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周面摩擦力度fは杭の軸方向ばね定数Kvに影響しますか?
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A1−5−2. |
影響しません。
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1−6.杭配置・作用力 |
Q1−6−1. |
杭配置画面の確定時に「杭縁端距離に誤りがある」のメッセージが出るのはどうしてですか? |
A1−6−1. |
H24道示W編12.3(P.381)の「最外周の杭とフーチング縁端との距離(縁端距離)は、・・・標準的には杭径の1.0倍とすればよい。」を参照し、入力された杭縁端距離が杭径の1.0倍より小さくなるとき警告の意味で表示しておりますが、杭縁端距離は杭基礎の安定計算には影響しないことから、[強行]でそのまま計算できるようにしています。ただし、この結果の適用の是非につきましては、道示の記述をご参照いただいた上で、最終的には設計者の方のご判断により決定してくださいますようお願いいたします。
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Q1−6−2. |
斜杭を設定するにはどうすればよいか? |
A1−6−2. |
斜杭は次のように設定してください。
- 「杭配置」画面「基本条件」タブで「斜杭=あり」を選択する
- 「杭配置」画面の「斜角」タブで杭ごとに斜角を指定する。
「斜角」タブの設定方法
■地層傾斜、杭径変化なしのとき(X方向、Y方向に斜角がある場合)
- X方向の杭列ごとの斜角、Y方向の杭列ごとの斜角を設定する。(角度の向きは下図のとおりです)
- 斜角を設定する方向としてX方向を選択する
- X方向、Y方向の角度を杭列ごとに指定する
- 画面左側の平面図で、斜角を設定する杭を選択する。
(杭の選択方法は、画面上の説明のように平面図のクリック、ドラッグで可能です)
- [適用]ボタンを押す(X方向の斜角が反映されます)
- 斜角を設定する方向としてY方向を選択する
- [適用]ボタンを押す(Y方向の斜角が反映されます)
■地層傾斜または杭径変化ありのとき
- 『入力』を選択する。
- 画面左側の平面図で斜角を設定する杭を選択。
(杭の選択方法は、画面上の説明のように平面図のクリック、ドラッグで可能です)
- X方向、Y方向の斜角を入力し、[適用]ボタンを押す。(角度の向きは下図のとおりです)
- 『入力状況』を選択すると、斜角が設定されている杭が平面図上に表示されます。
- 『入力状況』を選択すると、平面図上で選択した杭の設定値を確認できます。
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Q1−6−3. |
橋台杭基礎の連動で底版に斜角がある場合、斜角底版が「基礎の設計」側に反映されていないのはなぜか? |
A1−6−3. |
底版に斜角がある場合でも、「基礎の設計・3D配筋(旧基準)」では矩形の底版形状しか設定できません。
橋台杭基礎連動時には、橋台側の「基礎−基礎の扱い」画面の設定により基礎側の底版幅が決定されます。
・タイプ1:斜角の考慮無、断面寸法換算
・タイプ2:斜角の考慮有、断面最大寸法
・タイプ3:斜角の考慮有、断面中心位置
底版傾斜に沿って杭配置を行う場合は、基礎側の「杭配置」画面において、「杭配置の指定方法=任意配置」として杭ごとに座標値を指定してください。
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Q1−6−4. |
杭配置の設計杭長(第1断面=7.9m、第2断面=2m、第3断面=24.5m)と入力し、計算実行後に設計杭長が変更されているのはなぜか?
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A1−6−4. |
「断面計算」画面の「断面変化位置を自動計算する」をチェックしている場合、部材計算が実行されると、断面2・断面3の設計杭長が自動的に変更されるケースに該当しています。 指定した断面変化長で常に計算・保存したい場合は、この断面変化位置を自動計算するのチェックを外してご検討ください。
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Q1−6−5. |
橋台の設計と連動させる時に杭基礎の設計側で地層傾斜を選択した場合、橋台側で2.5次元を選択しなければいけないのでしょうか。 2次元でも計算は可能でしょうか。
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A1−6−5. |
地層傾斜を考慮したレベル2地震時照査を行う場合は橋台側で2.5次元を選択する必要がございます。 2次元では計算することはできません。レベル2地震時照査を行わない場合は、2次元でも計算は可能です。 地層傾斜においては、「地層」画面ヘルプに地層傾斜を考慮する場合の制限を記載しています。
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1−7.突出部の水平荷重 |
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1−8.底面前面水平抵抗 |
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1−9.安定計算(杭反力・変位) |
Q1−9−1.
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常時、暴風時及びレベル1地震時の安定計算において、ある特定ケースで、変位が15mmを超えているのに、画面上には「---」表示になるのなぜか。
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A1−9−1. |
本プログラムは、「作用力」−「荷重ケースごとの設定」画面の「安定照査をする」の設定により、荷重ケースごとに基礎の安定性の照査を行うか否かを指定できるようにしております。
この設定を一度、ご確認ください。
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Q1−9−2.
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単杭(剛結結果)で杭頭モーメントが発生しないのはなぜか?
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A1−9−2. |
杭頭反力については、以下の力の釣合いから作用力と杭頭反力との関係から求めます。
V=Σ(PNi)
H=Σ(PHi)
M=Σ(PNi・xi+Mti)
V,H,M:作用力
PNi:鉛直反力
PHi:水平反力
Mti:杭頭モーメント
xi:杭頭座標
単杭の場合(フーチング中心と一致)では、xiは0となり、M:作用力を入れないとMti:杭頭モーメントは発生しません。
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Q1−9−3.
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杭基礎の段差フーチング計算はどの基準を参考に計算していますか?
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A1−9−3. |
基礎の設計・3D配筋(旧基準)は、段差フーチングに対応しております。
本プログラムでは、道示W12.7(P.412)に記載されている、フーチングを剛体と仮定し杭基礎全体の変位を杭頭部のバネマトリクスを介して杭基礎全体に作用する水平力,鉛直力,回転モーメントにつり合わせた式を解く方法にて計算しています。
@各杭の杭軸方向バネ定数Kvを算出する
A各杭の水平方向地盤反力係数kH分布を算出する
BAおよび杭体の曲げ剛性を用いて、各杭の杭軸直角方向バネ定数K1〜K4を算出する
C@および杭頭座標,斜角を用いて道示W12.7(P.414)(解12.7.2)のフーチング下面中心におけるバネマトリックスを作成する
D作用力とCを用いて道示W(解12.7.1)により原点変位を算出する
E道示W(解12.7.4)により各杭の杭頭の杭軸方向変位,杭軸直角方向変位を求める
F道示W(解12.7.3)により各杭の杭頭反力を求める
G杭1本の弾性床上梁モデルに杭頭の軸直角方向反力および曲げモーメントを載荷し、伝達マトリクス法により各杭の状態量分布(杭体の変位,曲げモーメント,せん断力分布)を求める
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Q1−9−4.
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杭の許容変位量の15mmの出典は?
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A1−9−4. |
H24道示WP.270には、常時?暴風時及びレベル1地震時における杭の許容変位について下記のように記載されております。
- 原則として基礎幅の1%とする。
- 基礎幅>5.0(m)の場合は50(mm)とする。
- 杭径1.5(m)以下は15(mm)とする。
- 橋台基礎の常時は基礎幅によらず15(mm)とする。
これをもとに、許容変位量の初期値は、常時,レベル1地震時ともに、杭径1.5(m)以下を想定して15(mm)としています。
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1−10.断面変化の扱い |
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1−11.杭体断面力・断面計算 |
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1−12.杭体応力度計算 |
Q1−12−1.
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PHC杭の許容曲げ圧縮応力度について、割増1.5の時の40.0と基準値の表示があるが、根拠は?
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A1−12−1. |
杭基礎設計便覧(H27.3)の表-V.2.13(P.247)において、許容曲げ圧縮応力度σcaの地震時は、27×1.5=40.5(N/mm2)ではなく丸め処理した40(N/mm2)が記載されております。
よって、本プログラムも同様に、割増係数1.5に対するσcaの初期値は40(N/mm2)としております。
なお、常時の27(N/mm2)は設計基準強度σck(=80(N/mm2))の1/3を丸めたもので、地震時は常時の丸め前の値に1.5倍したもの(σck×1/3×3/2)となり、σckの1/2(=40(N/mm2))としています。
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Q1−12−2.
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杭体照査において、レベル1地震時の許容曲げモーメント−軸力相関図による照査やレベル2地震時の終局曲げモーメント−軸力相関図による照査を行っているか。 |
A1−12−2. |
杭体照査は行っておりますが、常時・レベル1地震時については、発生応力度が許容応力度以下であることを照査しており、また、レベル2地震時における杭体降伏判定においては、降伏曲げモーメントに達したか否かで判定しています。
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1−13.結果一覧表 |
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1−14.出力 |
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1−15.杭頭結合照査 |
Q1−15−1. |
「設計要領第二集 4章 基礎構造」に記載されているフーチング下面鉄筋の効果を期待する水平方向押抜きせん断応力度の照査が可能か。 |
A1−15−1. |
フーチング下面鉄筋の効果を期待する水平方向押抜きせん断応力度の照査にはレベル2地震時のみ対応しています。
「底版設計」画面の「計算条件」−「レベル2地震時」タブにある「底版下面鉄筋を考慮した水平方向押抜きせん断照 査」を 「する」としてください。
また、「レベル2地震時照査−水平方向押し抜きせん断照査」画面で、計算に使用する鉄筋量を入力してください。
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Q1−15−2. |
杭頭補強鉄筋の必要鉄筋量はどのようにしているか。 |
A1−15−2. |
杭頭補強鉄筋の必要鉄筋量算出は、以下のように行っています。
・断面:「杭頭結合計算」−「杭頭補強鉄筋」画面で入力された『直径Do』の円形断面
・軸力:「杭頭結合計算」−「杭頭作用力」画面で設定された鉛直最大反力,鉛直最小反力
・曲げモーメント:「杭頭結合計算」−「杭頭作用力」画面で設定されたモーメント
・許容応力度:「杭頭結合計算」−「底版許容値」画面で設定されたσca,σsa
以上のデータを用いて、荷重ケースごとに
(1)σc=σcaとなるときの鉄筋量
(2)σs=σsaとなるときの鉄筋量
を算出し、最大となる鉄筋量を必要鉄筋量としています。
なお、必要鉄筋量が0と表示される場合は、微小な鉄筋量で許容応力度を満足していることを表しております。
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Q1−15−3. |
場所打ち杭の場合、H27杭基礎便覧P.370〜373の記述により、下記(1)(2)の設定を行うにはどのようにすればよいか? (1)L1の杭とフーチング結合部の照査(仮想RC断面照査を除く)は必要 (2)L2の杭頭部と杭体の降伏曲げの比較は必要ない |
A1−15−3. |
L1の杭頭接合部のコンクリート断面の照査のみ行いたい場合は、以下のように設定してご検討ください。 ・「計算条件」画面「基本条件」タブにおいて、 常時レベル1地震時−杭頭接合計算の「する」のチェックを付ける。 常時レベル1地震時−杭頭接合計算の「□コンクリート照査を省略する(B法のみ)」のチェックを外す。 ・「杭頭接合計算」画面において、「杭頭補強鉄筋=しない」を選択する。
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1−16.杭頭補強鉄筋照査 |
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1−17.杭頭カットオフ照査 |
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1−18.他「UCー1シリーズ」との関連 |
Q1−18−1.
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擁壁基礎連動を用いて、保耐法によるL2基礎照査まで行うには、どの製品を連動させればよいか。
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A1−18−1. |
この場合、最新版「基礎の設計・3D配筋 Ver.2」と連動するのではなく、H14年度道示対応の最新版「基礎の設計計算、杭基礎の設計 Ver.9」をご利用ください。
擁壁基礎連動は、「土木研究所資料 地震時保有水平耐力法に基づく水門・堰の耐震性照査に関する計算例」の計算方法を用いるためH14年版基準の「基礎の設計計算、杭基礎の設計 Ver.9」が必要となります。
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Q1−18−2. |
橋脚の設計の「基準値」→「計算用設定」→「荷重」の水の単位重量をγw=9.8に設定しているが、UC-1連動基礎連動の場合、基礎の設計ではγw=10.0となっているのはなぜか。
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A1−18−2. |
お問い合わせの状況より、何らかの原因で、橋脚側と基礎側で水の単位重量の整合が取れていない状態となっています。
大変お手数ですが、下記の手順によりデータの更新を行うことでご対応くださいますようお願いいたします。
1.「橋脚の設計」側の「基準値|計算用設定」画面を開き、「荷重|単位重量|水γw」を「10.0」に変更し「確定」します。
2.再度上記の項目を開き、「水γw」を「9.8」に戻し「確定」します。
※この間、「基礎の設計」側の「地層」画面は閉じた状態としてください。
3.「基礎の設計」側の「地層」画面にて、単位重量が「9.8」に更新されていることをご確認ください。
なお、「基礎の設計」側の「地層」画面を開いた状態でデータ連動後、「地層」画面を確定する等の操作を行った場合、更新前の基礎側の設定が上書きされることがあります。
このようなケースで、再度同様の現象が発生した場合、お手数ですが、上記「1〜3」の手順にてデータの更新を行ってくださいますようお願いいたします。
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1−19.その他 |
Q1−19−1.
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PC杭の諸元を変更して検討できるか。
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A1−19−1. |
本プログラムでは、PC杭の諸元を固定しており変更することはできません。PHC杭として入力,計算していただくしか方法がございません。
参考までに、PC杭をPHC杭として入力する手順をご案内いたします。
但し、使用方法や詳細な計算方法等把握されていない状態でのご利用は混乱の元となりますためお勧めはしておりません。
1)「基準値」−「杭基礎」−「杭体データ」−「PHC杭」画面の表の最下行に、杭径、厚さ等諸元を入力する。
2)「杭配置」−「杭データ」画面の「杭径D(mm)・厚さt(mm)」は、一覧の最下行を選択する。
3)「許容値」画面において、降伏応力度σy,ヤング係数,許容値にPC杭の値を直接入力する。
4)レベル2地震時照査を行う場合、PC杭,PHC杭で設計基準強度が異なるため、「杭本体」−「M−φ」のM−φ関係は、別途算出した値を直接入力する。
5)4)と同様、設計基準強度が異なるため、「杭本体」−「その他」画面の杭体から決まる押込み支持力の上限値が異なります。押し込み支持力の上限値が杭体から決まる押込み支持力の上限値から決定される場合、別途算出した値を直接入力してください。
6)杭体のせん断耐力照査に用いる軸方向圧縮力による補正係数CNが異なるため、別途算出を行う。
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Q1−19−2. |
PHC杭のスパイラル鉄筋(JIS強化杭)を配置する方法は?
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A1−19−2. |
下記設定を用意しています。
■常時,レベル1地震時
「基本条件」−「設計条件」−「既設・新設」−「応力度照査」−「PHC杭のスパイラル鉄筋」を考慮する/しない
「杭配置」画面で断面変化を設定する
「断面計算」−スパイラル鉄筋σsa,σsa(基本値),配置区間
■レベル2地震時
「レベル2地震時」−「基本条件」−「計算条件@」画面でスパイラル鉄筋を考慮する、せん断照査方法=杭体のせん断力≦杭体のせん断耐力を選択します。
「レベル2地震時」−「杭本体」−「杭種別データ」−スパイラル鉄筋(有効長、降伏強度、配置区間、断面積、間隔)
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Q1−19−3. |
橋台と基礎を連動して使用している。基礎側の計算書において、橋軸方向と橋軸直角方向の名称が反対になっている。対処方法はあるか。 |
A1−19−3. |
「基準値」画面の荷重ケースの項目において、方向名称の指定があります。
橋台と連動した際のX方向を「橋軸方向」、Y方向を「橋軸直角方向」へ変更して再度ご検討ください。
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Q1−19−4. |
鉄筋かご無溶接工法の吊り荷重(鉄筋かご総重量W)の自動計算に対応していますか? またどのような重量を設定するのですか? |
A1−19−4. |
自動計算には対応していません。 例えば、鉄筋かごを吊り下げながら設置すると考えたとき、吊り下げ時の全荷重(杭鉄筋、補強リング等、想定される鉄筋かごの総重量)を入力致します。
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Q1−19−5. |
フーチング補強の設計において、既設上面の鉄筋を変更(増減)しても結果が変わらないのはなぜか? |
A1−19−5. |
「底版設計」−「計算条件」−「共通」画面の「補強時の既設底版上面鉄筋」の設定をご確認ください。 考慮しない場合は、既設上面の鉄筋を変更しても計算には考慮されません。
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Q1−19−6. |
杭のレベル2地震時の杭体入力の箇所にプレストレスの損失を考慮する範囲があります。 一般的に50Φとありますので(9mmx50=450mm)を入力しようとしましたが範囲が100mm-100mmになっていて入力できないのはどうしてか? |
A1−19−6. |
プレストレスの損失を考慮する範囲は、充填範囲以内としています。 「杭配置」画面「杭データ」タブにおいて、充填範囲=0.0となっているため、杭の埋め込み長(0.1m)しか設定できない状態となっています。 充填範囲の入力をご確認ください。
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Q1−19−7. |
橋脚杭基礎連動時に、任意杭で検討する(常時・L1地震時のみ実施、レベル2地震動照査を実施しない)にはどうすればよいか? |
A1−19−7. |
橋脚杭基礎連動時に、任意杭でレベル2地震動照査を計算しない方法は、橋脚側の「荷重」−「保有耐力法検討ケース」画面の検討する方向のチェックを全て外して確定を押下してください。
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1−20.段落し自動配筋 |
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1−21.設計調書 |
Q1−21−1.
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設計調書出力時、数種類の杭を1つの比較表にまとめる手順は?
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A1−21−1. |
比較表等で複数の設計調書データを使用される場合は、ファイルをBTDTファイルで保存していただき、それを使用して設計調書の出力を行ってください。
(1)安定計算,杭体応力度計算が終了している状態にします。
(2)杭基礎側の[ファイル]メニューの[設計調書データの保存]を選択します。
(3)任意の名前を設定し保存します(拡張子*.BTDT のファイルが保存されます)
⇒比較表を作成したい杭基礎データそれぞれについてBTDTデータの保存を上記手順で行ってください。
(4)[設計調書]をクリックします。
(5)「設計調書の出力設定」画面で「確定」−「閉じる」ボタンを押し、「調表出力ライブラリ」画面まで進みます。
(6)調表出力ライブラリ画面上の左から2番目の[調表作成実行]ボタンよりデータファイル選択画面が開きますので、(3)で作成した設計調書用データファイル(*.BTDT)を指定してください。
(7)同様の手順で設計調書用データファイル(*.BTDT)を選択してください。
(8)対象とするファイルの指定が終わったら、「確定」ボタンで画面を閉じます。
(9)画面下に表示されている調表シートを選択(ダブルクリック)すると、先ほど選択したデータの調表を表示します。
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1−22.地震時保有水平耐力 |
Q1−22−1.
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鋼管系の杭で、「レベル2地震時照査」−「杭本体」−「M−φ」の降伏曲げモーメントMyが0となり、計算が実行できない。どのように対処すればよいか。
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A1−22−1. |
H24道示W P437の記載の方法で降伏曲げモーメントは算出していますが、断面に対して軸力が異常に大きい場合や断面積が小さくなる場合、降伏曲げモーメントMyを求める事ができません。軸力や断面(鋼管厚)の設定を見直しても問題がない場合、降伏曲げモーメントMy=0では
計算を進める事はできませんので、「計算条件」−「入力条件」−「レベル2地震時」の「M−φ」を直接指定に変更し、別途求めた値を「レベル2地震時照査」−「杭本体」−「M−φ」に指定する事で対処可能となります。
Q1−12−1. PHC杭の許容曲げ圧縮応力度について、割増1.5の時の40.0と基準値の表示があるが、根拠は?
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Q1−22−2.
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レベル2地震時照査において、鋼管杭のM-φ算出時のAやIでの腐食代の扱い方は常に考慮しているか。 |
A1−22−2. |
鋼管杭及び鋼管ソイルセメント杭の曲げモーメント〜曲率の関係は、道示W12.10.4(P.433)(解12.10.12)(解12.10.9)を用い、
断面積A等の計算時には、常に腐食代を考慮した計算を行っています。
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Q1−22−3. |
レベル2地震時の2.5次元解析時において、杭本体画面の区間の分割が考えていたものと異なる。 |
A1−22−3. |
断面計算画面で杭毎のデータが正しく適用されていない可能性があります。
下記の手順で再度、杭の断面データを設定してください。
1.「断面計算」画面を開く
2.「データ確認」を選択し1行1列目の杭を選択する。次に「入力」へ変更後、1行目の杭をすべて選択し共通データで適用を押下する。
同様に使用鉄筋についても1行目の杭を選択し適用を押下する。
3.2〜n行目の杭について、2と同様の手順を行う。
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Q1−22−4. |
レベル2地震時の2.5次元解析時において、作用力直接指定の場合に作用力をどのように入力すればよいのか。 |
A1−22−4. |
レベル2地震時の慣性力の向きは、計算方向(Y方向またはX方向)に固定しますので、計算方向の作用力を全作用力に入力します。
また、計算方向と直交する方向の作用力は、初期作用力の死荷重時水平力,モーメントに入力します。
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Q1−22−5. |
杭基礎のレベル2地震時照査において、水平震度〜変位曲線を算出する際に「基礎の降伏」と「断面照査時」と出力されるケースがある。
「断面照査時」とはどのような状態か。 |
A1−22−5. |
道路橋示方書W下部構造編12.10.5(P.440〜)に記述されている部材の照査を行う状態を示しており
(1)基礎が降伏に達しなかったとき:最終震度時
(2)基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行わないとき:基礎降伏時
(3)基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行ったとき:応答変位時
質問のケースは、この(3)に該当します。
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Q1−22−6. |
杭基礎レベル2地震時:仮想鉄筋コンクリート断面の照査において、杭タイプが2つあり、(1)杭、(2)杭のうち、
a) (1)杭と(2)杭がそれぞれで分かれて判定(出力)されるケース
b) (1)杭と(2)杭をまとめて判定(出力)されるケース
があるのはなぜか。 |
A1−22−6. |
レベル地震時照査「基本条件」−「計算条件B」の杭頭仮想鉄筋コンクリート断面の照査
の選択による判定の違いがあります。
「一列(本)ごとに照査」を選択するとa)判定方法
「全列(杭)で照査」を選択するとb) 判定方法
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Q1−22−7. |
「基礎の設計・3D配筋」で流動力を考慮した計算はどうすればよいか。 |
A1−22−7. |
サンプルデータの「Kui_4.F1F」が流動化検討例となっています。
(1)「地層」入力
・「低減係数」タブで流動荷重強度qLを設定してください。
・「計算条件」タブで「液状化の判定を行う」,「流動化の判定を行う」をチェックして、本画面,「液状化」タブで、判定,計算に必要なデータを入力された場合、計算値を「低減係数」タブに設定します。
(2)「レベル2地震時基本条件」入力
・「基本条件(共通)」タブで「計算条件:流動化」をチェックしてください。
・(1)のqLが設定されている場合に上記のスイッチが有効になります。(※作用力を指定してレベル2地震時照査を行わない条件に限る)
(3)「流動荷重」入力
・底版下面以上に作用する流動荷重データを設定してください。
・(2)で流動化がチェックされたときに本画面が有効になります。
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Q1−22−8. |
応答塑性照査に用いる許容塑性率の値は変更できるか。 |
A1−22−8. |
「レベル2地震時照査」−「基本条件(共通)」画面で「既設/補強時の応答塑性率照査を行う」をチェックされている場合、同画面で任意の許容塑性率を入力していただくようにしております。
一方、「既設/補強時の応答塑性率照査を行う」がチェックされない場合、「基準値」画面「杭基礎|その他」タブの「レベル2地震時照査の制限値」を参照しており、この値は変更可能です。
各状態の初期値は次のとおりです。
橋脚基礎
・通常時:4.000
・斜杭の場合:3.000
・場所打ち杭でSD390,SD490の場合:2.000
橋台基礎
・通常時:3.000
・斜杭の場合:2.000
・場所打ち杭でSD390,SD490の場合:1.000
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Q1−22−9. |
レベル2水平力に対して押抜きせん断照査をする場合、どこで設定するのか。 |
A1−22−9. |
水平方向押抜きせん断照査は下記の手順で検討することができます。
1.「底版設計」−「計算条件」−「レベル2地震時」−「底版下面鉄筋を考慮した水平方向押抜きせん断照査」において「する」を選択する。
2.「レベル2地震時」−「水平方向押抜きせん断照査」画面で鉄筋断面積Asを設定する。
3.レベル2地震時を計算を実行する。
4.「底版設計(レベル2)」−「Y方向(X方向)」−「水平方向押抜きせん断照査」の抽出対象にチェックを付ける。
上記手順にて、計算結果及び計算書のレベル2地震時の照査に結果が表示されますのでご確認ください。
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Q1−22−10. |
基礎応答塑性率の制限値(橋台=3、橋脚=4)は、道示のどの項に記載されていますか? |
A1−22−10. |
平成24年道路橋示方書X
P.248 12.5 橋脚基礎の塑性率及び許容変位
P.258 13.4 橋台基礎の塑性率
に記載があります。
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Q1−22−11. |
「レベル2地震時結果の総括表」画面において、判定OK時の許容比率(計算値/制限値)を表示する」を選択した時、「杭体」が最大比率を表示していないのはどうしてですか? |
A1−22−11. |
「総括表」画面における「判定OK時の許容比率(計算値/制限値)を表示する」を選択したとき、制限値以下となる部材にのみ着目して、最大許容比率ではなく最小許容比率を表示するようにしています。
杭体の降伏による降伏の目安は、全ての杭体が降伏する場合ですので、100本の杭があり99本が降伏していても残り1本が降伏していなければ、基礎は降伏しているとはみなされません。
言い換えますと、残り1本の発生曲げモーメントが降伏曲げモーメント未満(100%未満)であればよいということになります。
既に降伏に達した残りの杭はいくら(発生曲げモーメント)/(降伏曲げモーメント)の比率が大きくても関係ありません。
従いまして抽出する杭としましては、(発生曲げモーメント)/(降伏曲げモーメント)の比率が最も小さい杭となります。
これは、本抽出の目的が「基礎が降伏しているか否か」を判定するためであるからです。
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Q1−22−12. |
杭基礎のL2照査におけるMy算出式は道示のどこに記載がありますか? |
A1−22−12. |
全杭種でMy算定式が掲載されているわけではありませんが、H24道示W P.437〜P.439をご確認ください。
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Q1−22−13. |
khpは杭基礎計算にどのように反映されますか? |
A1−22−13. |
本プログラムは杭基礎のレベル2地震時照査を荷重増分法により行っており、水平震度0.0から最終水平震度Cz・khcoまでを入力された「分割数」で分割して計算しています。
最終震度Cz・khoが上限になりますが、Cz・kho>khpの場合はkhpが上限となります。
荷重増分法では、前ステップまでの状態における杭前面地盤の弾塑性状態、杭体の曲げ剛性等を用いて作成した計算モデル(杭基礎の剛性行列)に、前ステップからの荷重増分を載荷して得られた変位、反力、断面力等の状態量を、前ステップまでの累計値に加算していきます。
つまり、ステップごとに上記の計算を行って、原点変位の増分,各杭の杭頭反力の増分,各杭の状態量分布の増分を算出し、累計しています。
具体的には、ステップごとに前ステップまでの累計値を用いて次のように計算しています。
(1)各杭の杭軸方向ばね定数Kvを設定
押込み・引抜きの上限値に達した杭はKv=0.0とします。
(2)各杭の地盤反力係数kHE分布を設定
水平地盤反力度の上限値に達した部材はkHE=0.0とします。
(3)(2)と杭体曲げ剛性を用いて各杭の杭軸直角方向ばね定数K1〜K4を算出
杭頭モーメントが全塑性モーメントに達した杭は杭頭ヒンジとします。
(4)(解12.7.1),(解12.7.2)の三元連立方程式を作成
(5)(4)の三元連立方程式を解いて原点変位を算出
(6)(解12.7.4)より、各杭の杭頭変位を算出
(7)(5),(6)を用いて(解12.7.3)より、各杭の杭頭反力を算出
(8)(7),(2)と杭体の曲げ剛性を用いて各杭の状態量(断面力,変位)分布を算出
例えば、橋脚基礎の場合、水平震度khiのとき底版下面中心での作用力は、次式で求めています。
鉛直力 V=Vo
(1)0.0≦khi≦khpのとき
水平力 H=(Wu+Wp)・khi+WF・khG・(khi/Cz・khco)+Hd
モーメント M=(Wu・hu+Wp・hp)・khi+WF・hF・khG・(khi/Cz・khco)+Md
(2)khp<khi≦Cz・khcoのとき
水平力 H=(Wu+Wp)・khp+WF・khG・(khi/Cz・khco)+Hd
モーメント M=(Wu・hu+Wp・hp)・khp+WF・hF・khG・(khi/Cz・khco)+Md
以上のような箇所で、khpは計算に使用されています。
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Q1−22−14. |
「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「基本条件(共通)」画面でkhgを範囲内で入力したのに、Khgは0.0100〜10.0000の範囲で入力してください。のメッセージが表示されるのはなぜか? |
A1−22−14. |
「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「基本条件(共通)」画面内に、Y方向とX方向タブごとにkhgの設定があります。 両方向のkhgを設定する必要があります。
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Q1−22−15. |
「計算条件@|杭体から決まる引抜き支持力の上限値」の選択の出典元は? |
A1−22−15. |
杭体の鋼材と杭頭補強鉄筋の小さい方より算出する選択は「道路橋の耐震設計に関する資料(平成9年3月)」P.4-31を参考にしています。
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Q1−22−16. |
「地層」−「低減係数」画面の地震動タイプ2(タイプT/U)低減係数DEで、入力(液状化判定による計算値)以外の値が安定計算に反映されているのはなぜか? |
A1−22−16. |
「地層」−「低減係数」画面の設定「耐震設計上の地盤面」は、レベル2地震時に影響する設定です。
【Aが指定された場合】
地盤反力が期待できる土層の層厚に関わらず、地盤反力が期待できる土層の最上面を耐震設計上の地盤面とします。
【Bが指定された場合】
土質定数を零としない(地盤反力が期待できる土層)層厚3.0m未満の中間層がある場合、道示X3.5により、耐震設計上の地盤面を層厚3.0m以上の土質定数を零としない(DE(レベル2)0.0)層の上面に設定します。
【Cが指定された場合】
Bと同じ耐震設計上の地盤面を設定し、それより上方の土層に対しては、低減係数がDE>0.0であっても、地盤反力係数,地盤反力度の上限値を0.0としてレベル2地震時の計算を行います。
Cを選択している場合は、耐震設計上の地盤面からその上方の土層の低減係数が0.0となり、お考えの低減係数DEと異なる場合があります。
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Q1−22−17. |
レベル2地震時照査(2.5次元解析)において、集計表のPHxと断面力結果の杭頭せん断力が一致しないのはなぜか? |
A1−22−17. |
2.5次元解析では、X,Y両方向の作用力を考慮した計算を行うため、各杭ごとに、
PN :杭頭杭軸方向反力(kN)
PHx:X方向の杭頭水平反力(kN)
PHy:Y方向の杭頭水平反力(kN)
MTy:Y軸回りの杭頭モーメント(kN・m)
MTx:X軸回りの杭頭モーメント(kN・m)
のように、両方向の杭頭反力が算出されます。地中部も同様に両方向の杭体断面力が算出されます。
このとき、杭体設計時の杭体モーメントおよびせん断力については、
M=√(My2+Mx2)
S=√(Sx2+Sy2)
として合成しています。
例えば、
PHx = 1108.096(kN)
PHy = -49.967(kN)
の場合だと、
杭頭せん断力S = √(1108.0962+(-49.967)2) = 1109.222(kN)となります。
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Q1−22−18. |
レベル2地震時照査を計算を実行したとき、杭前面地盤がすべて塑性化し(水平地盤反力度が水平地盤反力度の上限に達し)、水平方向地盤反力係数を考慮する範囲がなくなった杭が発生しました。 のメッセージが表示される場合がある。計算書はどこをみれば、その判断が可能ですか? |
A1−22−18. |
計算結果につきましては、計算書の「レベル2地震時の照査」−「液状化**・地震動タイプ**・浮力**」の「前面地盤状態」をご確認ください。 本出力の「死荷重時」で地盤反力係数>0.0,「設計荷重時」で地盤反力係数=0.0と出力している範囲は、地盤抵抗を考慮した結果、設計荷重時には地盤反力度が上限値に達し塑性状態にあることを示しています。 また、「死荷重時」,「設計荷重時」ともに地盤反力係数>0.0と出力している範囲は、設計荷重時においても地盤反力度が上限値に達しておらず、弾性状態にあることを示しています。
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Q1−22−19. |
杭基礎の結果一覧出力で「レベル2地震時の照査」-「部材照査-杭頭」の結果が最も厳しい結果になっていないのはどうしてか? |
A1−22−19. |
仮想鉄筋コンクリート断面の照査において、以下のようなケースを考えてみます。
@杭 1746.8(応答値)/2488.4(許容値)=0.702
A杭 1476.6(応答値)/2079.4(許容値)=0.710
「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「計算条件B」画面に「杭頭仮想鉄筋コンクリート断面の照査 照査方法」1列(本)ごとに照査/全列(杭)で照査のスイッチを用意しており、取り扱いの違いがあります。
全列(杭)を選択している場合、最も余裕の有るデータを抽出して出力、1列(本)ごとに照査を選択している場合は、最も厳しい結果を抽出しています。
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Q1−22−20. |
2柱式橋脚(フーチング柱間照査)を検討する場合の底版設計を行うときに、各柱の作用力はどのような値を設定すればよいか? |
A1−22−20. |
製品ヘルプ「計算理論及び照査の方法」−「レベル2地震時照査」−「基礎の非線形性を考慮した解析方法」−「フーチング照査」内の『連続フーチングの橋軸直角方向の照査」を再度ご確認ください。
上記にも記載のとおり、連続フーチングの柱間照査を行うには柱から伝えられる断面力が必要ですが、レベル2地震時においてこの断面力をどのように考えて求めるか基準類に明示されていません。
また、本プログラムは多柱式橋脚の設計機能は有しておりません。このため、本プログラムでは、別途算出された柱基部の断面力を直接入力していただくようにしています。
照査時の荷重状態は次のとおりです。
・基礎が降伏に達しなかったとき
最終震度時
・基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行わないとき
基礎降伏時
・基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行ったとき
応答変位時
上記の荷重状態に応じた柱基部断面力を入力して頂くことになります。
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Q1−22−21. |
レベル2地震時基本条件−計算条件Bの杭頭仮想鉄筋コンクリート断面の照査で「1列(本)ごとに照査」「全列(杭)で照査」が選択できるが、どちらを選択したらよいか |
A1−22−21. |
本プログラムの仮想鉄筋コンクリート断面の照査は、杭基礎設計便覧(H19.1)6-3-2(P.301〜)を参照し作成しておりますが、本文献では、一部の杭列のみ杭体の降伏曲げモーメントあるいは杭頭発生曲げモーメントが仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントを超えたとき、仮想鉄筋コンクリート断面の照査を満足したとみなすべきか否か、明確な記述がありません。
ただし、杭基礎設計便覧の執筆者による各論(基礎工2006.12月号.P.048〜)では、
- 結合部に損傷が生じた場合の基礎の挙動や変形性能は、現在のところ不明である。設計法を確立するためには、今後も実験や万が一損傷が生じた場合の補修方法などの研究が必要である。
- 基礎の許容塑性率に関するこれまでの実験的研究については、杭頭結合部に損傷が生じる場合を想定していない。したがって、確実に基礎で塑性化を先行させるためにも、杭頭結合部をフーチング−杭体間で確実に荷重伝達が行えるような構造としておく必要がある。
とあります。
本記述は、結合部に損傷が生じた場合の基礎の挙動は未解明な部分が多く、今後の研究成果により設計法が確立されるまでは確実に安全性が確保される構造とする必要があると述べているものと考えられます。
本プログラムでは、上記の記述を参照し、本照査に対応した旧ソフトVer.6.01.00においては、安全側の評価となるよう、部分的にでも杭頭結合部に損傷が生じるケースは許容せず、1列でも仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントを超える杭列が生じたとき、仮想鉄筋コンクリート断面の照査を満足しないものと考え、最終的な判定をOUTとしておりました。
しかしながら、その後、他のユーザ様より、一部の杭の杭頭部が損傷を受けたとしても、ただちに基礎全体の挙動が不安定とはならないケースも考えられることから、部分的に杭頭に損傷が生じることを許容した照査を行ってもよいのではないかとのご意見,ご要望をいただき、旧ソフトVer.6.04.00において、この選択を設けました。
ただし、前述のとおり、杭基礎設計便覧には、本選択に関する明確な記述はありません。
最終的には設計者の方のご判断により選択してください。
なお、「1列(本)ごとに照査」が部分的な損傷を許容せず、全杭の耐力を満足して初めてOKと判断する方法、「全列(杭)で照査」が部分的な杭頭結合部の損傷を許容する方法となります。
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Q1−22−22. |
レベル2地震動のM−φ算定における杭群図心と底版中心は一致しますか? |
A1−22−22. |
杭群図心と底版中心が必ず一致するとはかぎりません。イレギュラーなケースも想定して別途算出しています。
ΣKvi・(xi−ex)=0
ΣKvi・(yi−ey)=0より
ex=ΣKvi・xi/ΣKvi
ey=ΣKvi・yi/ΣKvi
ここに、
ex:仮の図心から図心までのX方向の離れ
ey:仮の図心から図心までのY方向の離れ
xi:仮の図心を原点としたときの杭iのX座標
yi:仮の図心を原点としたときの杭iのY座標
Kvi:杭iの軸方向ばね定数
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Q1−22−23. |
鋼管系(鋼管杭,鋼管ソイルセメント杭,SC杭,回転杭)において、レベル2地震時のせん断照査を省いている理由は? |
A1−22−23. |
H24道示W編 P.440 「鋼管杭...せん断力に対する照査は省略することができる」と記載されており、せん断照査は行っておりません。
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