1.設計条件入力 |
Q1−1. |
放置期間はいつを起点にするのか? |
A1−1. |
施工開始日からの累積ではなく、各施工段階における期間で入力して下さい。 |
|
|
Q1−2. |
オスターバーグで沈下計算を行うとき、上載荷重として交通荷重を入力するには? |
A1−2. |
本プログラムにおける載荷重の区分についてご説明します。
本プログラムにおける載荷重の区分につきましては、この定型に対する応力図表を使用するか否かを選択するものであり、載荷重の材質が盛土であるか交通荷重であるか等の荷重の実際の種別には依存しません。
「盛土(単位重量)」とは、オスターバーグ図表用に設けている台形入力(原地盤面はフラット)用であり、この応力図表には、お問合せのような盛土天端の載荷重を含まれておりません。
オスターバーグの応力図表とは、原地盤面が水平であり盛土に小段がない、つまり載荷重形状が台形である場合に対応する応力図表です。
そのため、お問合せのように、盛土荷重と交通荷重との双方を考慮されますような任意形状の荷重につきましては、「盛土(単位重量)」ではなく、「荷重(単位重量)」にて入力して下さいますようお願い致します。
このオスターバーグの応力図表は、ブーシネスク法によって台形形状の寸法をパラメータとして図表化したものであり、両者は基本的には等価となります。
―応力算出法―
●ブーシネスク法
○オスターバーグ図表
―載荷重の入力―
●荷重(荷重強度q)
○盛土(単位重量γ) |
|
|
Q1−3. |
透水係数はどういう数値を入力したらよいか。(Ver.5) |
A1−3. |
本プログラムでは、ドレーンにおけるウエルレジスタンス及び、サンドマットのマットレジスタンスを考慮したドレーン全体の圧密時間の計算を行うことができます。
この場合には、ドレーン材の透水係数の有限性を考慮することにより、ドレーン材の通水能力に対する抵抗として考えて評価することになります。つまり、ここでの透水係数はあくまで通水抵抗のパラメーターとしての設定になります。
一般に、ウエルレジスタンスはドレーン長が30m以内であれば無視できるとされています。
す なわち、当該ドレーンにおいて透水性が無視できる場合には、間隙水の排水に対する支配方程式としてBarronの式により圧密時間を解法した方が良いと考 えます。一方、ドレーン延長が長く、Barronの式では圧密時間が過小評価されると判断される場合に、支配方程式を吉国の式として圧密の時間遅れを導入することにより、より現実的なシミュレーションが行えることになります。
この際の透水係数の設定としては、必ずしも、ドレーン材そのものの透水係数を設定しても現実的な値になるとは限りません。透水係数の設定に際しては、数ケースの透水係数を過程してそれぞれにおける圧密時間の遅れの程度により、妥当な透水係数を逆算する等を行う等のアプローチが良いかと思います。
|
|
|
Q1−4. |
計算条件にある地表面標高とは?(Ver.9) |
A1−4. |
座標系が標高入力の場合に単純に地表面の標高値とお考えください。
新規入力の場合は、仮にこの値を10.000mとしますと、地表面の標高が10.000mとなります。
なお、層データを入力した後で本値を変更しますと、地表面の標高のみではなく、既存の層の構成を維持したまま全体的に標高が補正されます。
|
|
|
Q1−5. |
泥炭層の計算をする場合、最終沈下量までに日数を入力する必要があるのはなぜか。 (通常の圧密計算では不要) |
A1−5. |
(二次圧密を考慮しない)通常の圧密計算では沈下量が収束しますが、泥炭層の場合は二次圧密の影響が無視できず沈下量が収束しないため、最終沈下とみなす時間を入力する必要があります。
(関連:Q8−1.)
|
2.地盤の入力 |
Q2−1. |
地表面の形状に凹凸があるときはどのように入力するのか? |
A2−1. |
[入力]-[地表面と地層幅]にて、中間点を入力することにより、地表面の凹凸を入力して下さい。 |
|
|
Q2−2. |
地盤条件を変えたのに、地盤全体での換算変形係数Emの値が同じになる理由は?(Ver.5) |
A2−2. |
多層地盤における換算変形係数につきましては、各地層の変形係数Eから地盤全体の変形係数を算定するものであり、各層の変形係数値がE=1,000で同値として設定した場合には、どのような地層分布(層厚)であっても、地盤全体の換算変形係数Em=1,000となります。なお、各地層の変形係数が異なる場合には、地盤全体の換算変形係数
Em≠1,000となり、この場合には地層分布(層厚)が異なれば、Em値も異なる結果になります。 |
|
|
Q2−3. |
入力した地層数は20以下であるにもかかわらず、メッセージが表示されて、計算できない。(Ver.6)
--------------------------
計算前入力データエラー[40000]
水位より上の地層と水位以下の地層の合計が最大値20を超えています。水位線を入力しなおすか、地層を減らして下さい。
-------------------------- |
A2−3. |
本プログラムでの地層数の制限値は最大20層までとなります。
入力された水位線はプログラム内部で地層線に変換して処理しております。
ここでいう地層数とは、水位がある地層を水没部と非水没部とに区分した状態での層数をいいます。(地下水位を入力しない場合には地層数は、入力地層数そのものです。)
成層地盤でなく地盤端部が単層で、一方の端部が多層となるような地層の入力に際しては、地層線が端部で重複させた地盤モデルになります。
ここで、それら重複線分群全てと水位線とが交差する場合には、交差した地層毎に非水没層と水没層とに分けたカウントとなり、制限値の20層を超えることになります。
水位線が複数の地層線と交差するような場合には、水位線を入力せず有効重量での計算でも等価な結果が得られます。つまり、水位線を入力せず、土質データで水没地層を水中重量で入力して計算することにより水位線を設定したのと同じ結果となります。 |
|
|
Q2−4. |
地中における荷重増加を考慮した計算は可能か。たとえば、掘削した地盤にカルバートを設置するなど。(Ver.6) |
A2−4. |
はい、可能です。
地中応力の計算は、原地盤面(プログラムの入力で“地表面”)からの地中増加応力の計算となります。
ここで、原地盤面は必ずしも掘削前の地表面である必要はございませんので、お問い合せのようなカルバート施工に伴うカルバート重量に起因した圧密沈下の計算を行う際には、カルバート底面を原地盤面(プログラムの入力で“地表面”)として入力します。
掘削前の圧密状態での過圧密を考慮する場合には、適宜、先行圧密応力を設定して下さい。
この際のブーシネスク法における地中応力の計算については、下記の[基準値]メニューのスイッチにより、ヘルプ[計算理論と照査の方法]-[補足]-[傾斜を考慮した地中応力の計算]にて記載しております理論により、載荷面の形状に応じた地中応力の計算となります。
[基準値]-[計算条件]
傾斜を考慮した計算 : ●する ○しない
(地表面の傾斜)
なお、「○しない」とした場合には、ブーシネスク法の元式に準じて、載荷面の角度を考慮しないとした載荷面からの地中応力の計算となります。 |
|
|
Q2−5. |
中間部に地盤改良を行う層があるとき、どのように入力したらよいか。(Ver.6) |
A2−5. |
層データの入力において中間点データとして、改良土部を地層線の折れ線として設定し、地盤改良する地層は改良土部で層厚ゼロとなるよう入力します。
|
|
|
Q2−6. |
「〇〇番目の沈下量算出点が地表面、地層、水位線の鉛直面となるX座標に設定されています。算出点を鉛直面の左右いずれかに再入力して下さい。」というメッセージが表示されるときの対処法は?(Ver.10) |
A2−6. |
[地表面及び地層幅]及び[層データ]で与えている座標に鉛直線となる線分が含まれていることに起因しています。
X座標を微小にずらし鉛直線とならないよう修正してください。
|
|
|
Q2−7. |
「水位線を地層線に変換する処理に失敗しました。」というメッセージが表示される。(Ver.10) |
A2−7. |
水位線を入力した場合には、プログラム内では水位を境界に地層を水没部と非水没部とに区分し直します。
地層変化点が鉛直面となるような場合に、水位線の地層線への変換が正常に行われないケースがあります。
X座標を微小にずらし鉛直線とならないよう修正してください。
|
|
|
Q2−8. |
地下水位があるが、その場合は地盤データについても水位の位置で層切りをする必要があるか。 |
A2−8. |
水位線を設定している場合は不要です。 計算実行時に、設定した水位線の位置で内部的に層切りが行われて計算されます。
水位線を設定しない場合は、地盤データを水位の位置で層切りし、地下水位より上の層については地下水位以浅のパラメータを、地下水位より下の層については地下水位以深のパラメータを設定して下さい。 (関連:Q3−3)
|
|
|
Q2−9. |
地形条件(地表面、層データ)を入力した後で、全体的に層データのY座標を移動する方法はないか。 |
A2−9. |
[設計条件]画面の[基本条件]タブにあります「座標系」で「標高」を選択しますと、地表面標高を入力することができます。 ここで、地表面標高を入力しますと、入力に応じて、元の地形形状は保たれたままY座標だけが補正されます。 (関連:Q1−4.)
|
|
|
3.土質データの入力 |
Q3−1. |
粘土層が3層連続している場合、中間の層の排水条件はどのように設定したらよいか。
また、粘土層が3層連続しており、その上下が砂層の場合の各層の排水条件はどうしたらよいか。 |
A3−1. |
「換算層圧法」の場合、層区分が同一の連続した圧密層を1層として扱いますので、層区分が異なると、それぞれを独立した層として計算を行います。排水距離が対象の層の境界までとなり、排水層までとならず計算結果に差違が生じます。
したがって沈下時間計算時に3層以上の圧密層を1層として考慮したい場合は、層区分を同一にしてください。連続する3層の上下に排水層が存在する場合は3層の層区分を全て「両面排水」に設定するのが一般的と考えますが、実際にどの層区分を設定するか(どのようにモデル化するか)については設計者ご自身でご判断ください。 |
|
|
Q3−2. |
曲線データの入力画面において、入力したデータを「delete」キーで全て削除したところ「確定」ボタンが押せなくなったが、なぜか。 |
A3−2. |
現仕様では、層区分の内容に関わらず、曲線データの入力時においてe〜logP曲線では2点以上、logmv〜logP曲線及びlogCv〜logP曲線では1点以上データが入力されるまで、確定不可となっております。従って、曲線データ未入力状態で確定終了することはできません。なお、曲線データは粘性土の場合にのみ使用され、砂層の場合砂層の沈下量はB.K.Houghの図表(砂の圧力−間ゲキ比曲線)より推定(算出)しますので、砂層の場合は、曲線データを設定する必要はありません。曲線データを入力された場合でも、先の算出値が有効となります。 |
|
|
Q3−3. |
地下水位の「考慮する」「考慮しない」について説明してほしい。 |
A3−3. |
本プログラムでは地下水位を水位線として入力するか否かにより、以下に示します2通りの入力方法があり、これらは等価な計算であります。水位線を入力する場合には、プログラム内部で自動的に水の単位体積重量γwを差し引いて水中重量により計算しますので、入力値としては飽和重量をご入力下さい。
《有効重量》
・ケースA:水位線が未入力の場合
[入力]−[土質データ]→『有効重量』
有効土被り圧及び地中増加応力の算出に際し、水没部を水中重量とした有効重量で計算します。
・ケースB:水位線が入力された場合
[入力]−[土質データ]−[土質データ]タブ→『湿潤重量』
[入力]−[土質データ]−[土質データ(水位以下)]タブ→『飽和重量』
これにより、有効土被り圧及び地中増加応力の算出に際し、水没部の土塊重量を水中重量で計算します。
なお、水位線を設定した場合には、水没部と非水没部とで異なる土性を設定することが可能ですが、特に、水没部と非水没部とで土性を変えない場合には、検討土質中に地下水位面が存在しても、地層線と交差せず、有効重量の換算が容易な場合には、水没している層の単位重量を水中重量で入力することにより、ケースAでの入力の方が容易と考えます。
《土性》
・ケースA:水位線を設定しない場合
水没部と非水没部とで異なる物性(e-logP曲線等の曲線データを含む土性値)の設定は不可です。
・ケースB:水位線を入力する場合:
水没部と非水没部とで異なる物性(e-logP曲線等の曲線データを含む土性値)の設定が可能です。 |
|
|
Q3−4. |
沈下を考慮したくない層はどのように入力したらよいか? |
A3−4. |
圧密が完了した層や、岩盤等のように沈下を考慮したくない層については、[土質データ]の[層区分]を「非圧縮層」にしてください。
ただし、非圧縮層は圧密沈下には影響しませんが、即時沈下の計算には影響します。この点は関連問合せをご確認ください。
(関連:Q6-17) |
|
|
Q3−5. |
地下水位を考慮する場合に飽和重量の入力となっているが、一般に設計基準類等では水中重量で扱うと思うが、なぜか? |
A3−5. |
入力上は、飽和重量値の入力にしていますが、プログラム内部では入力された飽和重量から水の単位体積重量を差し引き、水中重量として計算します。なお、水の単位体積重量につきましては、デフォルト値9.81kN/m3としておりますが、設計基準に応じて、10.0kN/m3や9.0kn/m3に変更することも可能です。 |
|
|
Q3−6. |
飽和重量は水の単位重量を差し引いた値を入力するのか。 |
A3−6. |
水の単位体積重量を差し引かないでください。
プログラムでは水没層に対して自動的に水の単位体積重量を差し引き水中重量γ’(=γsat−γw)として扱います。
関連:Q3-3
|
|
|
Q3−7. |
変形係数Eの求め方をおしえてほしい。 |
A3−7. |
変形係数の推定方法としては、主に以下に示す手法が挙げられます。
〈変形係数E0の推定方法〉
(1)平板載荷試験の繰り返し曲線から求めた変形係数の1/2
(2)孔内水平載荷試験で測定した変形係数
(3)供試体の一軸圧縮試験又は三軸圧縮試験から求めた変形係数
(4)標準貫入試験のN値より、推定した変形係数(E=2800N)
上記の変形係数E0に対して、「道路橋示方書・同解説 下部構造物編」における異なる試験値間で補正係数α(E=α・E0)については、以下になっています。
(1)α=1.0
(2)α=4.0
(3)α=4.0
(4)α=1.0
ここで、上記の手法により計算される変形係数Eは、いずれもE=2800Nに相当する値となります。
一方、「道路土工 軟弱地盤対策工指針」では、軟弱地盤に対しては、一軸圧縮試験における最大圧縮応力の50%の点を通る割線係数E50を用いるものとし、代表値を定めることが規定されています。また、N値を用いてE50=6N+10(kgf/cm2)による換算式が規定されています。
すなわち、一軸圧縮試験においては、土工指針における規定は、上記(3)の道示の補正係数α=4.0ではなくα=1.0として扱っていることに相当します。
これより、土工指針における規定を道路橋示方書での規定に拡大解釈すると、上記(4)のN値換算における補正係数は、軟弱地盤に対してはα=1.0でなくα=1/4となります。つまり、E=700Nでの換算になります。
「鉄道構造物等設計標準・同解説 基礎構造物・抗土圧構造物」では、道示の補正係数α=3〜4として規定されています。
E0=(3〜4)Eb
Eb=700N
E0=(3〜4)×700N≒2500N
ここに、E0:地盤の変形係数
Eb:ボーリング孔内の水平載荷試験から求まる変形係数
N:標準貫入試験のN値
「建築基礎構造設計指針」では、正規圧密か過圧密かにより、定数を変えています。
・正規圧密された砂(地下水位以上) :E=14N (kgf/cm2)
・過圧密された砂(地下水位以下) :E=28N (kgf/cm2)
ここで、建築基準では変形係数と標準貫入試験によるN値との関係を添付図のように回帰しています。
つまり、(鉄道基準における)孔内水平載荷試験値つまり、Eb=700Nは建築基準でいう、地下水面下にある正規圧密地盤と等価であることがわかります。
以上より、本プログラムに入力する変形係数については、上述の各設計基準類における規定を勘案の上、設計者ご自身にて(補正係数α=1〜4)を仮定して入力して頂くことが適切と考えます。
変形係数の値は土によって大幅に異なり、同じ土であっても試料採取などに伴う乱れによって小さめの値を示すことがあるという報告もあります。
一案として、N値が小さい軟弱地盤に対しては、このE0=700Nと、土工指針にて規定されるE50=6N+10(kgf/cm2)の換算式とが等価であると考えますと、軟弱地盤に対する変形の計算の際には、軟弱層に対してはE0=700Nまたは6N+10にて換算し、比較的安定した堅固な層に対しては、何らかの基礎や管体等が存在する場合には、E=2800Nにて評価することが提案できますが、設計者ご自身にて適宜ご判断の上ご使用下さい。 |
|
|
Q3−8. |
標準圧密曲線について解説してほしい。 |
A3−8. |
標準圧密曲線とは、e-logP曲線が試験で得られていない場合に、各種設計指針に記載されている、地盤の含水比の範囲により区分される曲線データです。
これは、多くの軟弱地盤について、自然含水比Wnの範囲をパラメータにして、e-logP曲線を統計的に処理した結果であり、e-logP曲線デが試験値で得られていない場合には、地盤の含水比の範囲を知ることにより、この図を用いて概略の曲線を求めることができるとされています。
下記の設計基準類にて規定されている、多くの軟弱地盤について、自然含水比Wnの範囲をパラメータにして、e-logP曲線を統計的に処理した結果であり、e-logP曲線が試験で得られていない場合には、地盤の含水比の範囲を知ることにより、この図を用いて概略の曲線を求めることができるとされています。
・「道路土工 軟弱地盤対策工指針 昭和61年11月 (社)日本道路協会」P48
図3-8は、多くの軟弱地盤について、自然含水比wnの範囲をパラメータにして、e-logP曲線を統計的に処理した結果である。したがって、e-logP曲線が試験で得られていない場合には、地盤の含水比の範囲を知ることにより、この図を用いて概略の曲線を求めることができる。
・「設計要領 第一集 土工編 平成18年7月 東/中/西日本高速道路株式会社」 P5-43
図5-30は、多くの軟弱地盤について、自然含水比wnの範囲をパラメータにして、e-logP曲線を統計的に処理した結果である。したがって、e-logP曲線が試験で得られていない場合には、地盤の含水比の範囲を知ることにより、この図を用いて概略の曲線を求めることができる。
・「宅地防災マニュアルの解説[解説編U],ぎょうせい」P50
自然含水比をパラメータにして、過去の代表的な軟弱地盤のe−logP曲線を統計的に処理した結果が図[.6-20である。e-logP曲線が試験によって求められていない場合には、地盤の自然含水比がわかれば、図[.6-20によりe0及びe1を求めて沈下量を計算することができる。
また、logCv〜logPや、logmv〜logP曲線の値は、JISの平均圧密圧力を入力としているのは、JISA1217にて規定される圧密試験方法のデータシートに基づく平均値の扱いのことを指しているものであり、値(試験値)が載っているわけではありません。圧密係数Cvについては標準曲線がありませんため、圧密時間の計算までされたい場合には、圧密試験値が必須となります。
詳細は(社)地盤工学会の「土質試験の方法と解説」をご参照下さい。 |
|
|
Q3−9. |
先行圧密応力q0はどのように計算に用いられるのか。(Ver.5) |
A3−9. |
先行圧密応力q0につきましては、沈下量計算時(册法,mv法,Cc法)に使用します。
q0>0とした場合には、過圧密地盤としての沈下量の計算となり、q0=0とした場合には、正規圧密地盤としての沈下量の計算となります。 |
|
|
Q3−10. |
水没部の物性は、非水没部とは必ず別の物性を設定する必要があるか。 |
A3−10. |
「地下水位以下の土質データを変更する」にチェックすることで、水没部・非水没部で別の圧密特性を設定することが出来ます。
単位体積重量についてはプログラムで自動的に水没部・非水没部を処理致します。
尚、「土質データ」タブと「土質データ(水位以下)」タブで入力している数値が同じである場合、「土質データ(水位以下)」は自動的にキャンセル(入力値は保持されない)されますのでご注意ください。
|
|
|
Q3−11. |
膨張時圧縮指数Csについてヘルプには「圧縮指数Ccの1/3〜1/5程度を入力」とあるが、その根拠は?(Ver.5) |
A3−11. |
除荷時のリバウンド量につきましては、様々な計算理論が考えられると思いますが、本プログラムにおけるリバウンド量につきましては、圧密除荷試験結果に基づくことが最も適切であり、また仮に試験値が存在しない場合におけるリバウンド量の仮定に際しての、その理論から根拠付けが容易である理由から、膨潤過程における直線近似勾配Cs値から、計算する手法を採用しております。
ヘルプ[計算理論と照査の方法]-[対策工]-[予圧密工法]をご参照下さい。
圧密過程と吸水膨張過程の両方に着目すると、間隙比eと有効拘束圧の対数logPとの関係は、ヘルプ内の図のA→B→Dのようになり、圧密過程では両者の関係が勾配Ccなる直線で近似でき、膨張過程でもほぼ直線近似(勾配Cs)が可能なことが知られています。
膨張時圧縮指数Csにつきましては、本来は除荷試験値を用いることが望ましいと思います。ヘルプに記載しております一般値「1/3〜1/5程度」につきましては、特に出展があるわけではなく、あくまで目安としての一般値を記載しているものです。 |
|
|
Q3−12. |
圧密圧力Pの初期値が0で入力できない理由は?(Ver.5) |
A3−12. |
圧密試験結果につきましては、JIS規格でのシート上は対数グラフでまとめており、載荷前の圧密圧力ゼロのでの値はプロットせず、圧密圧力>0の範囲でプロットします。
本プログラムにおきましても、e-logP曲線は対数補間の形式を採っており、初期値として圧密圧力ゼロの値での計算はできません。
このような経緯から、圧密圧力の下限値はゼロでなく、0.001kN/m2としております。
入力されたモデルにおける載荷範囲が圧密試験におけるPの範囲外にあった場合には、本プログラムではe-logP曲線の上下限値をそのまま使用しますため、プログラムでの入力上はe-logP曲線を載荷後から入力するより、載荷前の初期値を入力しておいた方が計算精度上良いので、e-logP曲線の初期値としては載荷後からではなく、載荷前の状態を0.001kN/m2として入力することを推奨いたします。 |
|
|
Q3−13. |
地盤改良により全く沈下しない設定とする方法は?(Ver.5) |
A3−13. |
改良土を「非圧縮層」として設定することにより、改良土には沈下が全く発生しないとした扱いとすることができます。
また、層区分はそのままに、圧密試験(e-logP)の入力値として水平線を設定(圧密圧力に比して間隙比が変化しない)とした入力に変更することでも可です。
なお、改良土に対していくらかの沈下を認める場合には、自然地盤における圧密試験(e-logP)を改良地盤の物性値として、曲線の勾配を緩くして設定することにより、改良土が沈下するとした扱いとなります。 |
|
|
Q3−14. |
圧密試験値がなくても計算は可能か。(Ver.6) |
A3−14. |
はい、可能です。 砂層や岩盤のようにパラメータ(圧密試験値)に無い層に対しては、[▽非圧縮層]として設定することにより、圧密沈下しない層として扱います。 なお、砂層につきましては、プログラム内部にパラメータ(B.K.Hough図表)を内蔵しておりますため、Δe法での計算では、おおよそのN値のオーダーが既知であれば、粘性土層の圧密沈下のみでなく、砂層の即時沈下の計算も可能です。(砂層はΔe法での計算に加え、DeBeer法での計算に対応しています。)
Δe法 ▽非常に緩い砂(N=0〜4) ▽緩い砂(N=4〜10) ▽中位に締った砂(N=10〜30) ▽締った砂(N=30〜50) ▽非常に締った砂(N>50)
DeBeer法 下記いずれかで計算 「標準貫入試験N値」
「オランダ式二重管コーン貫入抵抗qc」
|
|
|
Q3−15. |
土質データ入力において、圧密係数Cvの入力は「圧密係数Cv」と「補正圧密係数Cv’」でどちらを入力すれば良いか。(Ver.9) |
A3−15. |
Cv-logP曲線の入力されたCv値は圧密時間の計算に際し使用します。このCv値にいずれの値を入力すべきかは、議論の多いところですが、以下に示す経緯から、基本的には補正を行わないCv値を入力することで良いと思われますが、試験条件や現場条件等を十分に勘案の上、設計者御自身でご判断下さい。
標準圧密試験に従って求められる圧密係数Cvは圧密の進行が圧密理論に従う一次圧密域に対する値です。そのため、圧密係数Cvは、実測沈下−時間曲線の一次圧密部分から抽出されるのに対し、体積圧縮係数mvは、一次圧密と二次圧密を含んだ24時間のひずみで計算しており、そこにはCvとmvを抽出した対象に不一致があります。
そこで、Cv´=r・Cv(r:一次圧密比)として圧密係数Cvを補正するほうが、より実際的であるという意見があり、土質工学せん断試験委員会提案の圧密試験法(1969)ではこの補正法が提案されています。
この場合、Cv´値は実験で直接求めたCv値よりも小さい値となります。ところが、現場では室内の一次圧密部から得られるCv値で予想するよりも早く圧密が進むことが多いとの指摘もあり、Cv´値を用いることは実際の圧密時間の実態に合わないとする意見もあります。
このような背景から、国際的な共通の理解点も考慮して、1990年改訂の圧密試験基準(JGS)では、補正したCv´値は特に求めないことにされています。
但し、透水係数kが必要な場合には、圧密試験基準において、圧密係数にCv或いは補正圧密係数Cv´のどちらを用いて透水係数kを求めるかは設計者の判断に任されています。
|
|
|
Q3−16. |
先行圧密応力を設定した場合、基本的に沈下量は設定しない場合と比べて小さくなると考えてよいか。(Ver.10) |
A3−16. |
基本的には小さくなります。
例えば、Δe法の場合は地盤の初期状態として土被り圧P0または先行圧密応力q0の大きい方を採用し初期間隙比e0を計算します。
つまり、[土被り圧P0<先行圧密応力q0]の場合は先行圧密応力を設定していない場合よりも初期間隙比が小さくなりますので、結果として沈下量は小さくなります。
(なお、プログラムでは先行圧密応力がある場合、P0+凾o<q0ならば過圧密領域と判断し、沈下量をゼロにしています)
ただし、先行圧密応力の値が小さい場合などは沈下量が変わらない場合もあります。
関連:Q3-9
|
|
|
Q3−17. |
Cc法を用いない場合や膨張時圧縮指数CsとCvの補正係数qを考慮しない場合におけるこれら入力の意味を教えてほしい。(Ver.10) |
A3−17. |
Cc法の計算を行わない設計においてもCc値は入力できますが、Cc法を行わない場合には使用されません。
同様に、Cs値、Cvの補正係数共に入力可能ですが、Cs値は予圧密工法を選択した場合、Cvの補正係数は圧密促進工法を選択した場合において計算に使用いたします。
よってそれぞれデフォルトの値のままでよろしいかと考えます。
|
|
|
Q3−18. |
先行圧密応力 q0の入力は、地質調査結果から得られる「圧密降伏応力」をそのまま入力しても良いか。(Ver.10) |
A3−18. |
基本的には「圧密降伏応力」を入力下さい。
ただし、本プログラムで想定している先行圧密応力q0の入力は下記の概念図に示す通り、各地層中間点で供試体をサンプリングした試験値を想定しております。
qo = q‘ + Po
ここに、
qo:本プログラムで入力する先行圧密応力
q‘:有効土被り圧以外の先行圧密応力
P0:各地層の中間点までの有効土被り圧(Σγh)
つまり、サンプリング位置が層中間ではない場合、その位置より上の有効土被りを減算し「q‘:有効土被り圧以外の先行圧密応力」を求め、そのうえで層中間点より上の有効土被り圧を加えて入力値として下さい。
一度qo=0として沈下量の計算を行えば有効土被り圧P0を計算いたしますので、q'にP0を加算することで、プログラムにおける入力値を求めることが出来ます。
|
|
|
Q3−19. |
土質試験のデータがない場合に与えられる「e-logP」曲線のプリセット値の根拠について教えてほしい。 |
A3−19. |
・自然含水比Wnをパラメータとした土工指針曲線
『道路土工 軟弱地盤対策工指針 平成24年度板』 p.50, 図3−7等の基準で示される地盤の含水比の範囲により区分される曲線データです。
多くの軟弱地盤について、自然含水比Wnの範囲をパラメータにして、e-logP曲線を統計的に処理した結果であり、e-logP曲線が試験で得られていない場合には、地盤の含水比の範囲を知ることにより、この図を用いて概略の曲線を求めることができるとされています。
・標準比重Gs=2.67と仮定した三笠の曲線
「土の圧密入門,(社)地盤工学会,平成15年1月」のP41の図2.13にある標準圧密曲線です。
これは、標準比重Gsを8/3=2.67としたときの、大阪湾の沖積粘土のPと含水比、間隙比の平均的な圧密曲線として、三笠が提案したものです。
|
|
|
Q3−20. |
砂層の沈下量を册法で計算する場合、プリセットで「B.K.Houghの図表」から曲線データをセットする機能があるが、本図表の出典を教えてほしい。 |
A3−20. |
軟弱地盤対策工指針に記載があります。
本製品では同図に従い、「ゆるい砂(N=4〜10)」「中位にしまった砂(N=10〜30)」などの条件に応じて、砂層の曲線データを自動セットすることができます。
■道路土工 軟弱地盤対策工指針(平成24年度版) P.125
「砂層または砂質土層に生じる即時沈下の求め方」の「参図5-1 砂の圧力-間隙比曲線(B.K.Hough)」
(関連:Q3−19)
|
|
|
Q3−21. |
[土質データ]にある「膨張時圧縮指数Cs」とはどのようなパラメータか。どの計算に影響するのか。 |
A3−21. |
予圧密工法におけるプレロード荷重(または余盛り荷重)の除去に伴うリバウンド量の計算に用います。 予圧密工法を行わない場合は計算結果に影響しません。
(関連:Q3−11)
|
|
|
Q3−22. |
変形係数Eは圧密計算には不要だと思うが、何に使用するのか。 また、変形係数Eが表示される場合とされない場合があるが、どのような条件によるのか。 |
A3−22. |
変形係数Eは即時沈下・側方変位量の算出に使用します。 そのため、[設計条件]-[沈下量]タブの「即時沈下量の算出」や「側方変位量の算出」がONの場合に表示されます。
|
4.荷重・盛土の入力 |
Q4−1. |
任意荷重は入力できるか? |
A4−1. |
任意荷重の入力も可能です。
本プログラムにおける載荷重の入力形式の区分につきましてご説明いたします。
以下の(B)に示す[盛土データ]による入力につきましては、地中応力算出法としてオスターバーグ図法を選択した場合に対応する、地表面が水平な場合における台形形状での入力としてご用意しているものであり、定型形状の載荷となりますため、載荷面の凹凸に応じて形状が変化します。一方、以下の(A)に示す[荷重データ]による入力は、台形形状以外の任意形状の入力に相当します。
(A) [入力]-[荷重データ] → 任意形状(:地表面に起伏に応じた入力)
(B) [入力]-[盛土データ] → 台形(:地表面が水平であることが前提)
つまり、台形以外の任意形状の入力を行う場合には、『上載荷重』であるか『盛土』であるかによらず、一律に上記(A)の荷重として入力して下さいますようお願い致します。 |
|
|
Q4−2. |
矩形荷重の入力はどのようにしたらよいか(台形荷重の法面幅を0としてもよいか)。(Ver.5) |
A4−2. |
台形の入力につきましては、基本的にオスターバーグ応力図表に対応する入力フォーマットです。
地中応力の算出法をブーシネスク法とする場合には、台形を含む任意形状の荷重に対応するため、お問合せのように台形荷重で法面幅0として入力することも可能ですが、矩形荷重につきましては、原則的に無限長帯荷重で入力することを推奨致します。 |
|
|
Q4−3. |
載荷重の入力が形状でないので、原地盤面を掘削した置換工法のような圧密計算を行うことはできないのか?(Ver.6)
|
A4−3. |
圧密沈下の慣用法における理論についてご説明します。
各種設計基準類にて規定される慣用法では、圧密沈下の対象は原地盤面以下の軟弱地盤のみであり、原地盤面上の盛土については圧密を発生させる載荷重としたモデリングになります。
ここで、地盤については成層状態が圧密沈下の計算に効きますが、原地盤面上の載荷重は重量であり、これは描画のみの問題であり座標入力の必要はございません。
「オプション」メニューから「描画条件」を選択すると、載荷重の描画が載荷面を水平とした描画にするか、原地盤面の凹凸に沿わせる描画とするかを設定できます。
[オプション]-[描画条件]
施工段階毎の荷重 : ○入力通りに描画 ●下位施工へ積載
上記スイッチで「●下位施工を積載」を選択すると、載荷重の描画が段階施工の各天端形状(最下部の盛土の場合には地表面の形状)に沿って描画されます。 |
|
|
Q4−4. |
荷重データの「奥行き」には何を入力したらよいか。(Ver.6) |
A4−4. |
荷重の奥行きにつきましては、圧密沈下の計算では基本的に二次元計算でありますため、奥行きの入力には依存しません。一方、せん断変形(即時沈下、側方変位)につきましては、有限幅有限奥行きでの入力が原則となります。ここでの奥行きとは、建物の実奥行延長の入力となります。
せん断変形(即時沈下、側方変位)の計算理論につきましては、ヘルプ[計算理論と照査の方法]-[即時沈下量と側方変位量]をご参照下さい。 |
|
|
Q4−5. |
盛土はどのように入力するのか?(Ver.6) |
A4−5. |
本プログラムでの入力における荷重・盛土の区分は、「荷重(荷重強度)」の入力を基本とし、「盛土(単位重量)」とは、オスターバーグ図表用に設けている台形入力(原地盤面はフラット)用の定型入力になります。
本プログラムにおける載荷重の入力形式の区分につきましてご説明いたします。 本プログラムでの入力における、盛土と荷重とは実際にそれらが何であるかに依らず、応力図表が適用できるような台形であるか否かの排他選択入力としております。 (A)
[入力]-[荷重データ] → 任意形状(:地表面の起伏に応じた入力) (B) [入力]-[盛土データ] →
台形(:地表面が水平であることが前提)
上記の(B)に示す[盛土データ]による入力につきましては、地中応力としてオスターバーグ図表(台形盛土に対する応力図表)を適用する場合に対する地表面が水平な場合における台形形状での入力としてご用意しているものであります。載荷面に凹凸がある場合には、その凹凸に応じて形状が変化しますが、これは基本的には定型形状の載荷となります。この盛土データ(台形入力)につきましては、1施工段階あたり最大で3つまでの入力となります。 一方、上記の(A)に示す[荷重データ]による入力は、地中応力としてブーシネスク法を適用する場合に対する台形形状を含む任意形状の入力に相当します。
以上より、本プログラムでは、基本的には盛土は[盛土データ]ではなく[荷重データ]にて複数の無限長帯荷重の組合せとして入力します。 各無限長帯荷重は、原地盤面の形状変化位置と盛土の形状変化位置毎に設定します。 (荷重強度)=(当該地点の盛土高)×(盛土材の単位体積重量)
ここで、盛土の左右端部におきましては、左端荷重強度=ゼロで右端荷重強度≠ゼロの三角荷重となります。無限長帯荷重の入力に際しては、製品添付のサンプルデータをご参照頂くと良いと思います。 ・端部の無限長帯荷重:三角荷重
・端部以外の無限長帯荷重:不等分布荷重
|
|
|
Q4−6. |
盛土の上に分布荷重を載せるには?(Ver.6) |
A4−6. |
本プログラムでは、原則的に載荷重は実形状ではなく荷重強度で与える仕様としております(台形盛土は除く)。つまり、不等分布荷重(無限長帯荷重)の組合せとしてあらゆる形状の任意な載荷重を与えることができます。 盛土とその上に分布荷重がある場合に対しては、荷重強度が異なる断面ごとに「荷重」として入力して下さい。
|
|
|
Q4−7. |
任意盛土形状の入力を行ったがうまくいかない。(Ver.10) |
A4−7. |
任意盛土形状で設定する場合は、地表面に被さるよう入力していただく必要があります。
下に図を示しております。
|
|
|
Q4−8. |
余盛り(サーチャージ)工法で、余盛り分の荷重はどのように入力すればよいのか。 |
A4−8. |
[荷重データ]画面の施工段階1で余盛り分の荷重も含めて入力して下さい。
その上で、荷重の入力表に「除荷(余盛)」という入力がありますので、余盛りについては「する」を選択して下さい。
本入力で「除荷(余盛)」-「する」と設定した荷重が施工段階2(除荷過程)で除荷されます。
余盛り(サーチャージ)工法のサンプルデータといたしましては、製品付属の「sample14.f8t」をご参照ください。
|
|
|
Q4−9. |
道路(盛土+舗装)の圧密沈下を検討しようとしているが、活荷重については考慮する必要はあるか |
A4−9. |
通常は圧密沈下(長期沈下)に対しては考慮は不要と考えられます。
|
|
|
Q4−10. |
盛土と荷重は同時に考慮できるか。 |
A4−10. |
Ver.12で盛土と荷重の同時考慮に対応しました。
以下の方法で設定することができます。
(1)[設計条件]画面の「載荷重の入力」で「荷重」と「盛土」の両方のスイッチをONにする
(2)[荷重データ]画面または[盛土データ]画面でそれぞれのデータを入力する。
|
|
|
Q4−11. |
応力算出法が[慣用計算法]の場合に[荷重データ]の無限長帯荷重などの入力に「奥行き」があるが、これは計算に影響するのか。 |
A4−11. |
慣用計算法の場合は奥行き幅を考慮するため、奥行き幅が変わると荷重増加量に影響します。
|
5.その他の入力 |
Q5−1. |
複数設定した着目点を変更するには? |
A5−1. |
[入力]-[沈下量算出点]にて、”沈下時間以降の算出に用いる着目点”の入力を変更して下さい。
|
|
|
Q5−2. |
測定データから沈下挙動を予測する計算(双曲線法など)を行う場合、起点日をグラフにどのように反映させれば良いか。(Ver.8) |
A5−2. |
[計算]-[放置期間に対する残留沈下量の計算]を実行した際、双曲線法などの計算を行った後に表示される[沈下時間の計算結果]画面で「盛土完了日」を設定することで双曲線法のグラフ位置を移動することができます。
|
|
|
Q5−3. |
双曲線法などの実測値による沈下量予測は、測定データからのみ計算できると思うが、地層条件などを入れていない状態で使用できるか。(Ver.9)
|
A5−3. |
可能です。
Ver.9で「実測値による沈下予測ツール」を追加しました。本ツールでは測定データから双曲線法などにより将来の沈下挙動を単独で計算できます。
|
|
|
Q5−4. |
「放置期間に関する残留沈下量の検討」で入力する「放置期間 t」は何を基準とした期間か。(Ver.10) |
A5−4. |
施工開始日を基準とした期間をご入力下さい。
例えば、以下のような段階施工を検討時に「放置期間に関する残留沈下量の検討」に、
放置期間 t=150と入力すれば、施工2段階目途中における残留沈下量が求まることになります。
施工段階 施工期間CT 放置期間LT
1 0 100
2 0 100
3 0 0
[設計条件]で与える「放置期間LT」は各施工段階における期間を指定する入力となりますのでご注意ください。
施工段階 | 施行期間CT | 放置期間LT |
1 | 0 | 100 |
2 | 0 | 100 |
3 | 0 | 0 |
|
|
|
Q5−5. |
圧密時間の計算において、圧密応力PがP'+ΔP'/2の時の圧密係数Cvを用いて計算しているがこの出典について教えてほしい。
|
A5−5. |
道路土工 軟弱地盤対策工指針におきまして、各粘性土層のLogCv~logP曲線より
p0+ΔP/2を平均圧密応力として対応する圧密係数Cvを算出するとの記載に基づいて算出しております。
プログラムとしては、[基準値]メニュー-[計算条件]よりLogCv~logP曲線およびLogmv〜LogP曲線における平均圧密応力の取り方を相加平均(P'+ΔP'/2)、相乗平均(√P'×(P'+ΔP'))とするかのスイッチを設けております。
設計者様のご判断にて選択ください。
|
|
|
Q5−6. |
「SSDダイレクトインポート」とはどのような機能か。
|
A5−6. |
Ver.12で追加した機能です。
本製品には入力補助ツールとして、標準で「モデル作成補助ツール」が付属しています。
従来はモデル作成補助ツールで(*.ssd)データを作成し、当該データを「圧密沈下の計算」で読み込む手順となっておりました。
ダイレクトインポート機能では、(*.ssd)データの保存/読込の手順が必要なく、モデル作成補助ツールと本製品間においてファイルを介さずに検討モデルがシームレスに連携できますので、入力を省力化することができます。
以下の手順で本機能を利用することができます。
(1) [モデル作成補助ツール]でデータを作成し、「SSDダイレクトエクスポート」ボタンをクリックする。
(2) [圧密沈下の計算]で「SSDダイレクトインポート」ボタンをクリックすると、モデルがインポートされる。
|
6.沈下量の計算 |
Q6−1. |
同じ盛土高で載荷幅を広げると、圧密沈下は大きくなるのに、即時沈下は小さくなるのはなぜ? |
A6−1. |
盛土や構造物の載荷による地盤変形は、地盤を構成する個々の土に生ずる変形の集積として捉えられ、有限幅荷重においては経時的排水に伴う体積変化である圧密変形と、主応力差の増加に基づく体積変化を伴わない即時的なせん断変形とが重なって生じるものと考えられます。ここでいう即時沈下とはこの等体積せん断変形を指し主に荷重端部付近での変形であるため、盛土中央下部においては盛土幅もしくは奥行きが小さい方がより大きく、幅もしくは奥行きが大きくなるに従い小さくなります。
(A)圧密沈下量:排水に伴う体積減少変形であり、載荷幅もしくは載荷奥行が大きくなる(下図中:黄色→桃色)ことにより、載荷重自体が大きくなるため、地盤の圧縮変形は大きくなります。
(B)即時沈下量:地盤を弾性体とみなした体積変化を伴わない弾性変位量であり、載荷幅もしくは載荷奥行が大きくなる(下図中:黄色→桃色)ことにより、地盤が全体的に押されるため、地盤のせん断変形は小さくなります。
さて、わが国の多くの公共機関が示す設計指針類(例えば、「道路土工―軟弱地盤対策工指針」,「建築基礎構造設計指針」等)では、有限幅の荷重が載荷される場合の地盤変位に対して、個々の断面位置での地盤内鉛直方向応力を、弾性論を用いて算定し、その鉛直応力によって生じる鉛直方向の圧密沈下量を一次元圧密理論によって算定する方法が示されており、一般的な構造物の設計では、この手法が今日でも多用されています。
ここで、Terzaghiの圧密理論は、もともと側方の変形が完全に拘束された一次元圧密を取り扱っており、載荷幅が大きい場合においては妥当性を有していますが(上図の中央付近における変形量)、せん断変形を生じるような有限幅の載荷に対しては、設計指針類に準拠した一次元圧密理論による計算のみでは、必ずしもこのような変形機構を十分に再現できるとは限りません。
FORUM8製品では、せん断変形を伴う地盤変位量の算定に際して、別途、地盤を弾性体とみなし弾性変位量として即時沈下・側方変位を算出する機能を設けることにより、この問題点を解消しています。これにより、FORUM8製品では設計指針類に準拠した圧密沈下計算を採用しながら、かつ、必要に応じてせん断変形の影響照査も可能であり、これらを一連の計算書として出力します。
|
|
|
Q6−2. |
即時沈下・側方変位の計算を行う際に、対象地盤形状は限定されるのでしょうか? |
A6−2. |
即時沈下・側方変位の計算を行う際には、その理論上地表面が水平な場合に限られます。圧密沈下(圧縮変形)と即時・側方変形(せん断変形)とは、計算上は別事象として扱っておりますので、圧密沈下(圧縮変形)については原地盤面の凹凸形状をそのまま設定し、即時・側方変形(せん断変形)については別データファイルで地表面が水平なモデルとして別途の計算とするとしてご対処下さい。 |
|
|
Q6−3. |
砂層と粘土層の互層の即時沈下を考慮した計算をするには?(Ver.5) |
A6−3. |
即時沈下・側方変位(せん断変形相当)につきましては、砂層と排他処理としております。
この場合での、砂層については層区分を[▽非圧縮層]として設定して下さい。
これにより、当該層については圧縮変形はせず、せん断変形のみが発現するものとして計算します。 |
|
|
Q6−4. |
一部の層だけの即時沈下量を算出したい。(Ver.5) |
A6−4. |
即時沈下量の計算につきましては、各層の変形係数Eのみをパラメータとして、全多層地盤の換算変形係数Em値をもちいた全層を対象としてせん断変形を計算する機能になります
そのため、全層が対象となり、一部の層のみを対象することは出来ません。 |
|
|
Q6−5. |
圧密降伏応力がある地盤に対する、Cc法におけるe0値の考え方を説明してほしい。(Ver.5)
|
A6−5. |
Cc法による計算は、圧縮変形前後の土粒子部と間隙水部との体積比から幾何学的に導出された册法による計算において、分子の間隙比の変化量(e0−e1)をe−logP曲線の勾配、圧縮指数Ccで表記した式で両者は等価です。
S=(e0−e1)/(1+e0)×H ………………(册法)
ここに、Cc=(e0−e1)/{logPo−log(Po+儕)}より、
e0−e1=Cc・log{(Po+儕)/Po}を册法の式に代入して
S=Cc/(1+e0)×H×log(Po+儕/Po) ………(Cc法)
ここで、Cc法における圧縮指数Ccは圧密応力に依存しない一定値であり、正規圧密領域におけるe-logP曲線の勾配を表すため、圧密降伏しないような正規圧密地盤に対しては両者の解は、等価になります。
但し、圧密降伏するような地盤に対しては、e-logP曲線の勾配を一定値で代用するCc法では、過圧密領域において正規圧密領域の勾配Ccで代用することになるため、両者の解は整合しません。圧縮指数は地盤の圧縮性を圧密圧力に依存せず端的に表した指数であり、Cc法での解は地盤の圧縮性を端的に表したものと言えると考えます。
なお、Cc法の式における分母の(1+e0)につきましては、上述の理論式の導出過程の通り、基本的に册法における分母(1+e0)と等価と考えられ、本プログラムでは册法における初期間隙比e0と同様、e-logP曲線から対数補間による内挿計算により初期間隙比e0を計算しています。
ご指摘のように、Cc法の計算において、分子を降伏点のあるe-logP曲線の勾配を1つの圧縮指数Ccで代用するのに対して、分母(1+e0)の初期間隙比e0を降伏点のあるe-logP曲線から対数補間による内挿して求めることを矛盾しているとお考えの場合には、e−logP曲線の入力において、e-logP曲線を勾配がCcとなる直線で入力することにより、分母と分子との扱いを整合させることは可能です。
但し、この場合にはe-logP曲線の過圧密領域を正規圧密領域の勾配Ccで外挿処理したことになり、圧密降伏を生じる地盤に対して册法とCc法とで解を等価にする処理にはならないと考えますので、ご注意下さい。
Cc法における初期間隙比e0をe-logP曲線から補間処理のみでなく、e0値を層毎に任意値の直接入力につきましては、今後の検討課題として対応を検討させて頂きます。
なお、本プログラムでは層毎に先行圧密応力qoを設定することにより、過圧密領域においては全く沈下しない計算となります。
・Po>qoの場合 → e0は現行土かぶり圧Poで計算
・Po<qoの場合 → e0は先行圧密応力qoで計算
S=Cc/(1+e0’)×H×log(Po+儕/qo) ………(Cc法)’
ここに、初期間隙比e0’は、e-logP曲線を先行圧密応力qoで対数補間による内挿計算
つまり、この場合にはe-logP曲線において過圧密領域の勾配をゼロとして扱う計算となります。
この場合におきましても、册法による解とCc法による解とでは共に先行圧密応力を設定した場合には両者は等価になりますが、先行圧密応力を設定しない册法と、先行圧密応力を設定したCc法とでは等価にはなりません。 |
|
|
Q6−6. |
Δe法、mv法に比べ、Cc法により算出した沈下量が過大になる理由は?(Ver.5) |
A6−6. |
Cc 法での沈下量が過大に評価されますのは、Cc法が圧密降伏点を考慮していない理論であることに起因します。e-logP曲線の入力にて曲線の降伏箇所が認められますこと、当該地盤は過圧密状態であることが想定されます。Δe法やmv法では、地盤特性を曲線にて設定しますため、降伏地点前後での沈下特性は異なります。一方、Cc法では地盤特性を一つの定数(圧縮指数)で代表させますため、圧密降伏は考慮されません。そのため、正規圧密地盤に対してはこれらの計算結果はある程度整合しますが、過圧密地盤に対しては沈下量に大きな差が発生する場合があります。 |
|
|
Q6−7. |
予圧工法で、砂層の即時沈下を考慮することとし、瞬間載荷で計算したところ、施工段階Tで即時沈下、施工段階Uでリバウンド、施工段階Vで再び沈下する結果となった。この現象について説明してほしい。(Ver.5) |
A6−7. |
施工段階Uにおける砂層のリバウンドにつきましては、一般に砂層に対しては圧密試験値が得難く、Cs の入力は困難であることに配慮して、明確な根拠での仮定計算として処理しています。一般に砂の圧縮変形は極めて弾性的でありますため、砂層のリバウンドは
Csの入力にかかわりなく完全弾性として扱い、除荷に伴い変形した量だけ戻るものとして扱っております。
また、施工段階Vにおける沈下量につきましては、粘性土層であるか砂層であるかに依存せず、一律にプレロードによる過圧密化を考慮した計算としております。つまり、除荷については弾性変形となりますが、再載荷につきましては、塑性的に変形するとして、必ずプレロードの効果があるとした扱いとしております。
当該処理につきましては、何からの設計基準類等の規定に準じているわけではなく、基準に規定されない部分を、なるべく明確な根拠となるように配慮した当社独自の考え方ですので、お考えの挙動と異なる場合には、プレロード工法につきましては砂層を考慮しない設定として、適宜、設計者様のお考えにて計算書に砂層の扱いを追加してご使用下さい。 |
|
|
Q6−8. |
圧密計算結果で表示される「全沈下量」と「全圧密沈下量」の違いは?(Ver.6)
|
A6−8. |
「全圧密沈下量」とは全層における粘性層のみの沈下量、「全沈下量」とは砂層の即時沈下を含めた沈下量を指します。
|
|
|
Q6−9. |
地下水位低下工法の場合、水位低下による浮力消失量を荷重として載荷しているとあるが、具体的にどのような計算を行っているのか。(Ver.8) |
A6−9. |
地下水位の低下前後における低下前後の領域の単位重量は以下となります。
(低下前単位重量)=(水中重量γ’)=(飽和重量γsat−水の単位重量γw)
(低下後単位重量)=(湿潤重量γt)
つまり、水位低下に伴い軽くなった重量(浮力消失量)は以下となります。
(浮力消失量)={(湿潤重量γt)−(水中重量γ’)}×水位差h
|
|
|
Q6−10. |
地下水低下工法を選択して計算した場合、地下水低下による浮力減少分の荷重を地表面にかけて計算しているが、地下水面以下に関しては浮力減少分の荷重がかかるのは妥当だとしても、それより上部(特に最上位層)に関しては、過大評価になるのではないか。何か考え方の根拠となる資料があるのであれば教えてほしい。(Ver.8) |
A6−10. |
本プログラムで浮力消失分の荷重が原地盤面に作用するとしているのは、現象を簡便に表現しているだけの根拠であり、他意はございません。
ご指摘のように実現象から考えると、低下前水位より上の地層において沈下が発生する扱いとなりますため、この分だけ安全側の計算にはなります。
浮力消失量は計算書1章に出力しておりますので、現状では、設計者のご判断にて適宜、対象モデル形状を変更して、この浮力消失量を載荷する計算でご使用下さい。
|
|
|
Q6−11. |
載荷方法が瞬間載荷か緩速載荷かで最終沈下量が変わる場合はあるか。(Ver.9) |
A6−11. |
荷重が同じであれば基本的に最終的な圧密沈下量は変わりません。
瞬間載荷と緩速載荷とでは沈下の仮定(時間-沈下関係)が変わります。
|
|
|
Q6−12. |
ある粘性土層のみの即時沈下量を計算することはできるか。(Ver.9) |
A6−12. |
粘性土層のみの即時沈下量の計算には対応しておりません。
「道路土工 軟弱地盤対策工指針(H24)」には「粘性土層の即時沈下量を簡便かつ正確に計算する方法は確立されていない」とした上で、せん断変形によって生じる即時沈下量を求める式が記載されていますが、これは本製品で対応している各層の変形係数Eのみをパラメータとして全多層地盤の換算変形係数Em値をもちいた全層を対象としてせん断変形を計算する機能と同様です。
この計算は砂層も含んだ全層が対象となり、一部の層のみを対象とすることは出来ません。よって、ある粘性土層のみの即時沈下量の計算とはなりません。
|
|
|
Q6−13. |
即時沈下量・側方変位量の計算は圧密沈下量の計算とは全く別と考えて良いか。(互いに影響しない?)(Ver.9) |
A6−13. |
理論的には別の計算となります。
製品の内部的にも圧密沈下量と即時沈下量・側方変位量の計算はそれぞれ計算され、全沈下量はそれぞれの結果を足しあわせたものとなります。
|
|
|
Q6−14. |
傾斜の考慮をありとした場合としないとした場合で沈下量の結果を比較したが、ほぼ差がなかった。どのような原因が考えられるか。(Ver.9) |
A6−14. |
傾斜の考慮をありとなしでは鉛直増加応力が異なります。
(計算理論については[計算理論及び照査の方法]-[補足]-[傾斜を考慮した地中応力の計算]を参照して下さい。)
この時、荷重条件や地形の条件により鉛直増加応力の相違が大きくない場合は、必ずしも沈下量の差として顕在化しない場合があります。
関連:Q2-4
|
|
|
Q6−15. |
ブーシネスク法で地中の増加応力を計算する際、不等辺分布荷重の場合(帯状荷重でP1とP2が異なる場合)はどのように計算しているのか。(Ver.9) |
A6−15. |
無限長の帯状荷重と三角荷重に分けて計算し、重ね合わせております。
それぞれの計算理論につきましては、ブーシネスク式による鉛直増加応力についてはヘルプの[計算理論及び照査の方法]-[沈下量の推定式]-[ブーシネスク式による鉛直増加応力]をご参照ください。
|
|
|
Q6−16. |
粘性土の即時沈下は計算できるか。(Ver.9) |
A6−16. |
「設計条件」入力画面で、「即時沈下量の算出」を選択していただければ可能です。
ただし、この場合は地盤全体のせん断変形による即時沈下量の計算となります。ある粘性層のみの即時沈下の計算には対応しておりません。
関連:Q6−4, Q6−12
|
|
|
Q6−17. |
非圧縮層と圧密層で構成される地盤で即時沈下量を計算しているが、即時沈下量が非常に大きな値となった。非圧縮層が卓越するような地層構成(非圧縮層が5mでその下に2m程度の圧密層)で検討しているが、どのような原因が考えられるか。 |
A6−17. |
条件により様々な原因が考えられますが、荷重などに問題がない場合は非圧縮層や圧密層の変形係数Eが小さな値となっていないかご確認ください。
即時沈下量は、地盤全体を弾性体とみなし弾性変位量として求めております。 多層地盤の場合、非圧縮層も含めて地盤全体で換算変形係数Emを計算します。 この時、圧密層の変形係数Eについては土質試験結果などを元に入力するかと思いますが、試験値のない非圧縮層について変形係数Eを小さな値に設定しますと、その影響が大きくなり、結果として過大な沈下量が生じる場合があります。
非圧縮層は圧密沈下には影響しませんが、上述した通り即時沈下の計算には影響しますので、この変形係数Eの設定につきましてはご注意ください。
(関連:Q6−4, Q6−12)
|
|
|
Q6−18. |
双曲線法において最終沈下量を出したい場合、期間の設定はどのように設定するのか?∞などの設定がなさそうなので、50000日などの極端な長期間を入力して代用すべきなのか。(Ver.10) |
A6−18. |
双曲線法の沈下量の予測式は以下の通りですが、t→∞とすることで最終沈下量を求めることができると考えられます。
St = So + t/(α+β・t)
St : 経過日数の沈下量(cm)
So : 初期沈下量(cm)
α : 圧密度
β : 時間係数
t : 経過時間(日)
すなわち、上式でt→∞とすると最終的な沈下量は下式で示されます。
St = So + 1/β
またβは内部計算され計算書に出力されます。お手数ですが、この双曲線法による最終的な沈下量はβからお客様の方で計算していただくようお願いします。
|
|
|
Q6−19. |
盛土下に改良層を想定するような計算は可能か。(Ver.10) |
A6−19. |
当該改良層を非圧縮層として設定することで計算が行えます。
(関連:Q3-13)
|
|
|
Q6−20. |
既設盛土があり、すでに十分沈下が進行している場合は、既設盛土を現況地盤(地盤データ)として入力した方がよいか。 それとも、既設盛土も荷重として入力した方が良いか。また、それぞれで沈下量の結果はどのように変わるのか教えてほしい。 |
A6−20. |
圧密沈下が十分に進行したと判断できる場合は現況地盤(地盤データ)としてモデル化して問題ないと考えられます。 例えば、「既設盛土+新たな荷重」がある場合、既設盛土を現況地盤と考えるか荷重とみなすかでは荷重条件が異なりますので、以下のように沈下量に差が生じます。 ・既設盛土を現況地盤扱いとする場合 新たな荷重による荷重増分のみの沈下量が計算されます。既設盛土による沈下が終了した時点からの沈下量計算になります。 ・既設盛土を荷重として入力する場合 既設盛土+新たな荷重による沈下量が計算されます。既設盛土の施工時からの沈下量計算になります。
|
|
|
Q6−21. |
ある層の沈下量を発生させないようにしたいが、そのような検討はできるか。 |
A6−21. |
可能です。
[土質データ]画面で該当層の層区分を「非圧縮層」としてください。
非圧縮層として設定された層は沈下が発生しない(沈下量ゼロ)計算となります。
|
|
|
Q6−22. |
一括載荷と段階載荷で沈下量を比較した所、結果が同じになったが、どのような理由でそうなるのか。 |
A6−22. |
載荷する荷重が同じ場合、一括載荷と段階載荷での最終沈下量は同じになります。沈下-時間関係は変わります。 最終沈下量は載荷の過程は影響せず、載荷前と載荷後の応力で計算されるためです。
|
|
|
Q6−23. |
初期応力または増加応力が入力したe-logP曲線データの範囲外になる場合、どのように補完しているのか。 |
A6−23. |
外挿処理につきましては、[基準値]-[計算条件]画面の「e-logP/logmv-logP/logCv-logP曲線データの外挿処理」の選択により、以下のように扱われます。
(本入力はVer.9で追加しました。Ver.9以前はデフォルトで「P1またはPmaxの値とする」となっており、Ver.9以前のファイルを読み込んだ場合は「P1またはPmaxの値とする」がセットされます)
- P1とP2またはPn-1とPnの傾きから外挿する
P < P1 のとき:P1とP2の傾きから外挿処理
Pn < P のとき:Pn-1とPnの傾きから外挿処理
- P1またはPmaxとする
P < P1 のときP=P1
Pn < P のときP=Pn
ここに、
P: 計算された初期応力または増加応力
Pn: 曲線データのn番目の値
|
|
|
Q6−24. |
プレロード工法で計算した所、「施工1(プレロード)、施工2(除荷)、施工3(荷重)」全てにおいて沈下量がゼロとなった。 除荷のリバウンド量は計算されているようだが、どのように解釈すればよいか。 |
A6−24. |
条件により、沈下量がゼロ(例えば「先行圧密応力>地中増加応力」の場合)や沈下量が非常に小さい値となる場合があります。
この時、リバウンド量につきましては張時圧縮指数Csなどを用いて別途算出しておりますが、条件により「施工段階1の沈下量<リバウンド量」なる場合があります。 この場合に単純に「施工段階1の沈下量ーリバウンド量」としますと、沈下量がマイナスとなる(隆起する)ような結果となってしまい、これは現実的ではないと考え、最終的な沈下量をゼロとしています。 沈下しないためリバウンドも生じない、と解釈してもよろしいかと存じます。
|
|
|
Q6−25. |
多次元の理論(Biotの理論など)で計算できないか。 |
A6−25. |
本製品はTerzaghiの一次元圧密理論に基づく圧密沈下計算プログラムのため対応しておりません。
2次元弾塑性地盤解析プログラム「Geo Engineer's Studio Ver.3」ではBiotの理論に基づく圧密連成解析を行うことができます。
「Geo Engineer's Studio Ver.3」
https://www.forum8.co.jp/product/uc1/jiban/geoes.htm
|
|
|
Q6−26. |
粘性土を設定して計算したが、即時沈下量しか算出されないのはなぜか。 (圧密沈下量がゼロで表示されるのではなく、圧密沈下量の計算自体が行われていない) |
A6−26. |
[入力]-[設計条件]-[沈下量]タブにあります「即時沈下量・側方変位量の算出のみを行う」をご確認ください。 ONとなっている場合は、圧密沈下量は計算されず、即時沈下量・側方変位量のみ計算されます。
|
|
|
7.沈下時間の計算 |
Q7−1. |
砂層のみの計算は可能か?(Ver.5) |
A7−1. |
砂層のみの場合には、沈下量の計算は可能ですが、沈下時間の計算につきましては不可です。
(経時変化を伴わない即時沈下であり、その挙動はTerzaghiの圧密方程式に従わないため。) |
|
|
Q7−2. |
本プログラムにおける排水距離について説明してほしい。(Ver.5) |
A7−2. |
製品ヘルプ[計算理論と照査の方法]-[圧密時間の推定式]-[層厚換算法]の概念図を併せてご参照下さい。
層厚換算法とは、連続する両面排水層を一つの層として換算する概念となります。例えば、粘性土層の下に不透水性の基礎岩盤が存在した場合のように、片面の透水性を完全に見込まない場合に片面排水となり、上下に存在する層が透水性であれば、その透水係数の大小に依存せず、一律に両面排水となります。
各層の圧密係数Cvについては、層厚換算する際の排水距離として反映させ、排水時間については最下層の圧密係数が支配的であるとして計算しています。
排水距離Dは、両面排水の場合、層厚の1/2で、片面排水の場合、その層厚と同じとして扱います。
つまり、両面排水の方が片面排水の場合より短時間に排水されることとなります。Terzaghiの一次元圧密方程式を無次元化した計算式にて、圧密時間tは排水距離Dの二乗に比例する量であり、両面排水の場合には上下方向への排水となるため、片面排水の場合の半分の排水距離とした計算となります。 |
|
|
Q7−3. |
複数の圧密層があるとき、全圧密層の圧密時間はどのように算出されているのか?(Ver.5) |
A7−3. |
層厚換算法により、連続する粘性土層を一つの圧密層に換算するのは、鉛直排水となる自然圧密時のみであり、水平排水となる圧密促進工法につきましては、層厚換算は行われませんので、ご注意下さい。
(a) 自然圧密 → 地盤全体が鉛直排水するとしてTerzaghiの圧密方程式を解法
→ 層厚換算法により、深さ方向に連続する粘性土層を一つの圧密層に換算して、解法します。
(b) 圧密促進 → 地盤全体が水平排水するとしてBarronの式の解法(ウェルレジスタンス非考慮)
→ 地盤全体が水平排水するとして吉国の式の解法(ウェルレジスタンス考慮)
→ 水平排水であるため、層厚換算は行わず、各粘性土層ごとに解法します。
計算につきましては、層ごとにウェルレジスタンスを考慮しない場合には、Barronの式を解法し、ウェルレジスタンスを考慮する場合には吉国の式を解法しています。全層における圧密過程は重ね合せ法により、各層ごとの結果の単純和としています。 |
|
|
Q7−4. |
層区分と排水距離の考え方を説明してほしい。(Ver.5) |
A7−4. |
層厚換算法とは、連続する両面排水層を一つの層として換算する概念となります。
この層区分はTerzaghiの圧密方程式による圧密解法における排水距離の計算に用いる概念になり、ヘルプ[計算理論と照査の方法]-[圧密時間の推定式]-[層厚換算法]にて概念図で示しておりますように、連続する粘性土層における上面及び下面において不透水層が存在するか否かにより設定します。上面及び下面がともに透水性地盤である場合には両面排水を、上面及び下面のいずれか一方に不透水層が存在する場合には片面排水となります。
例えば、粘性土層の下に不透水性の基礎岩盤が存在した場合のように、片面の透水性を完全に見込まない場合に片面排水となり、上下に存在する層が透水性であれば、その透水係数の大小に依存せず、一律に両面排水となります。
各層の圧密係数Cvについては、層厚換算する際の排水距離として反映させ、排水時間については最下層の圧密係数が支配的であるとして計算しています。
排水距離Dは、両面排水の場合、層厚の1/2で、片面排水の場合、その層厚と同じとして扱います。
つまり、両面排水の方が片面排水の場合より短時間に排水されることとなります。Terzaghiの一次元圧密方程式を無次元化した計算式にて、圧密時間tは排水距離Dの二乗に比例する量であり、両面排水の場合には上下方向への排水となるため、片面排水の場合の半分の排水距離とした計算となります。
原地盤面が舗装等により排水を制限されている場合には、間隙水は下方向への排水に制限されるとして片面排水(下側)で良いと思いますが、原地盤面が大気圧下にあり、上面からの排水もあるとして扱う場合には、両面排水として扱うことが適切であると考えます。 |
|
|
Q7−5. |
緩速載荷時の施工期間(盛土立ち上げから放置期間)における沈下量と沈下時間を確認することはできるか。(Ver.5) |
A7−5. |
緩速載荷時の施工期間(盛土立上げから放置期間)における圧密の経時間変化は、時刻歴図として出力します。
なお、この期間の数値出力につきましては、圧密度10%ピッチ箇所のみの代表値の出力としておりますため、施工期間(盛土立上げから放置期間)において圧密度10%以上の場合にはこの期間での数値出力がありますが、施工期間における圧密度が10%未満の場合には数値出力はありませんので、ご注意下さい。 |
|
|
Q7−6. |
「吉国の式」の出典は?(Ver.6) |
A7−6. |
出典は バーチカルドレーン工法の設計と施工管理,吉国洋 ,技報堂出版 です。
なお、吉国の式は「土木研究所資料 河川堤防の液状化対策工法設計施工マニュアル(案)」等で設計計算例として採用されていますが、一般土工系の設計基準類にて規定されている理論という訳ではありません。
|
|
|
Q7−7. |
沈下時間の計算における層厚換算法と層別層厚換算法とでは、圧密度と経過時間が同じで圧密度に対する沈下量が異なるということになる?(Ver.8) |
A7−7. |
お考えの通りです。
(ただし、地層の状態によっては同じ沈下量になる場合もあります)
各計算理論や結果の比較については「道路土工-軟弱地盤対策工指針(平成24年度版)」に記載されておりますので、詳細はそちらをご参照ください。
|
|
|
Q7−8. |
層別層厚換算法で計算する場合、「層別層厚換算法」と「層別層厚換算法(図解法)」の2つあるが、何が異なるのか。(Ver.9) |
A7−8. |
2つの方法の理論的な背景は同じです。
層別層厚換算法による計算を行う場合、任意の平均圧密度Uに対する圧密層内の深さz1〜z2の位置にある土層の層別圧密度Unを求める時は、深さz1/D〜z2/Dに対する圧密度Uz1〜Uz2を詳細に計算し合算する必要があります。
「道路土工 軟弱地盤対策工指針(平成24年度版)」では、この計算に手間がかかるとして、土層別圧密度計算図を利用した計算方法が例示されています。(この土層別圧密度計算図の出典は『「各層の圧密度を考慮した層厚換算法による圧密沈下速度の予測法」 稲田倍穂、赤石勝、山田道男:土と基礎 25(9),pp.45-48,1977、社団法人地盤工学会』です。「u0=1.0(一定)として、上述した式を用いてz/Dごとのuを算出し、排水面からzまでの過剰間隙水圧が消散した面積をz/Dおよび平均圧密度10%ごとに計算した結果」が同図となります。詳細は同文献をご参照ください)。
「層別層厚換算法(図解法)」はこの計算図を利用した方法です。一方、「層別層厚換算法」は図解を用いずに文献にある式を直接解いて層別圧密度を計算する方法となります。
|
|
|
Q7−9. |
「全層圧密度−経過日数」はどのように算出されているのか。計算式のようなものがあれば教えてほしい。(Ver.10) |
A7−9. |
各圧密層の最終沈下量に対して各圧密度を乗じた沈下量を全圧密沈下量とし、その沈下量に対する経過日数を計算し表形式として出力しています。
内部的には「残留沈下量に対する放置期間の検討」の計算を利用して計算し出力されます。そのため、予圧密工法を選択した場合など「残留沈下量に対する放置期間の検討」が行えない場合には出力されませんのでご了承下さい。
|
|
|
Q7−10. |
設計条件で層別層厚換算法(図解法)を選択した場合の、平均圧密度Unの算出式のUz1及びUz2はどのようにして算出しているのか。(Ver.10) |
A7−10. |
本プログラムにおきましては、「道路土工 軟弱地盤対策工指針(平成24年度版)」にありますように土層別圧密度計算図に基づいたUz*を使用しております。
また実際の計算における使用値は、製品ヘルプ[操作方法及び照査の方法]-[層別層厚換算法]に記載の表のような内部固定値のものとなります。また、プロット点の間については直線補完で算出しております。
|
|
|
Q7−11. |
製品Sample1にあるような緩速載荷法で一括施工とした場合の沈下時の算出根拠について教えてほしい。(Ver.10) |
A7−11. |
瞬間的に載荷された場合でのTerzaghiの圧密方程式またはBarronの式とからの直接解をもとに、緩速載荷工法にて段階的に施工を行う場合での圧密時間の計算を行います。
Terzaghiの圧密方程式やBarronの式から求まる直接解をもとに、施工期間:toの半分だけ沈下が遅れるとした補正を行う理論になります。「道路土工 軟弱地盤対策工指針,昭和61年11月,pp.67〜68」(及び「同基準,平成24年8月,pp.136〜137」)にも同補正方法についての説明がございます。段階的に施工を行う場合においても同様に、この考え方を2段目以降の複数施工段階において理論拡張して計算しています。
(@) 0 ≦ t < to/2 のとき
相似則より、S(t/2):to=S(t/2)−S’(t):to−t
これより、S’(t)=t/to×S(t/2)
ここに、S’:補正後の沈下量
S :補正前の沈下量
to :施工期間
t :圧密時間
(A) t ≧ to/2 のとき
S’(t)=S(t−to/2)より
t’=t+to/2
|
|
|
Q7−12. |
実測値を入力し、時間-沈下関係について実測値と計算値の比較をしたい。 |
A7−12. |
Ver.11で測定データ(実測値)を入力し、時間-沈下関係を計算値(理論値)と比較できる機能を追加しました。 [設計条件]-[基本条件]タブにある「測定データの入力する」にチェックを入れ、[測定データ]タブに実測値を入力して下さい。
また、合わせて測定データから沈下挙動を予測する場合は[基本条件]タブより「双曲線法」などにチェックを入れますと、双曲線法などで実測値から沈下挙動を予測することができます。
|
|
|
Q7−13. |
層厚換算法で計算した時、排水距離が元の地層厚よりも大きくなったが、このような状況はあり得るのか。 |
A7−13. |
あり得ます。
片面排水の場合は「排水距離D = 換算層厚H0」となりますが、例えば、3層からなる圧密層の場合にH0は下式で計算されます。
この時、代表圧密係数cv3が大きい場合は、H0が元の地層厚よりも大きくなります。
H0 = H1・√(cv3/cv1) + H2・√(cv3/cv2) + H3
※3層からなる圧密層の場合。cv3は代表圧密係数。
(関連:Q7-2, Q7-4)
|
|
|
Q7−14. |
双曲線法における沈下曲線のパラメータ(α、β)の内部計算値はどのように計算されているのか。 |
A7−14. |
時間tとt/(St-S0)の関係より、近似直線を求めて推定しています。 軟弱地盤対策工指針(H24)のP.375に記載がある「双曲線法におけるパラメータの推定の例」の考え方によります。
|
|
|
Q7−15. |
圧密にかかる時間が非常に大きくなった(圧密沈下の速度が非常にゆっくりとなった)が、圧密の進行速度にはどのようなパラメータが影響するのか。 |
A7−15. |
圧密層の排水距離や圧密係数が大きく影響します。 なお、排水距離は層が厚くなれば大きくなりますが、両面排水か片面排水かによっても変わります。
|
|
|
Q7−16. |
沈下時間の計算を実行した所、「時間曲線図の最終圧密時間が求まりませんでした。計算を中止します」というメッセージが表示されて計算が中止されたが、どのような原因が考えられるか。 なお、沈下量の計算は正常に行われている。 |
A7−16. |
[沈下量算出点]画面の「沈下時間以降の算出に用いる着目点」をご確認ください。 この着目点に圧密沈下量がゼロの位置を指定しておりますと、沈下時間関係の計算ができないため、ご指摘のメッセージが表示されます。
|
8.残留沈下の計算 |
Q8−1. |
泥炭層の沈下は収束しないはずだが、どのように残留沈下量を計算しているのか。(Ver.9) |
A8−1. |
ご指摘の通り泥炭層は二次圧密の影響が無視できないため、沈下が収束しない理論となっております。
本製品では「泥炭層の最終沈下量までの日数」を入力して頂き、その時点の沈下量を泥炭層の最終沈下量としています。
この最終沈下量に対して、泥炭層の残留沈下量を計算しています。
|
|
|
Q8−2. |
残留沈下量の計算で泥炭層の沈下は含んでいるのか。(Ver.9) |
A8−2. |
Ver.9以前では泥炭層を含まず、粘性土の圧密沈下量で計算されます。
Ver.9で泥炭層の沈下量も含めた計算に対応しましたので、泥炭層も含めた残留沈下量の計算が可能です。
なお、泥炭層を含める/含めないは入力スイッチで変更できます。
[計算]-[放置期間に関する残留沈下量の検討](または[残留沈下量に対する放置期間の検討])画面に「□泥炭層を含む」というスイッチがありますので、状況に応じてON/OFFを切り替えて下さい。
|
|
|
Q8−3. |
泥炭層を含むデータで荷重の異なる2つのケースを比較した。
最終沈下量は異なったが、残留沈下量に達するまで放置期間の日数が同じになったのは何故か。(Ver.10) |
A8−3. |
泥炭層では二次圧密が卓越しますが二次圧密は時間の対数に比例し沈下が長期的に進行します。
この時、荷重条件が異なっても二次圧密領域では時間の増加に対する沈下の増加が一定のため
「残留沈下量に対する放置期間の日数」の設定によりご指摘のような現象が生じます。
εt = ε_ts + Cs・log((t)/(ts)) ・・・・ (二次圧密)
ε_ts : 二次圧密が始まる時刻における圧縮ひずみ
Cs : 二次圧密係数
ts : 二次圧密が始まる時刻(日)
上式で言うと荷重条件が異なってもCs : 二次圧密係数 が一定であるので、沈下量の増分も一定
となります。
|
9.対策工 |
Q9−1. |
地盤改良を考慮できるか? |
A9−1. |
本プログラムでは、地盤改良率(例えばソイルセメントとする場合の配合等)の入力により、改良後の物性を自動計算し、それに基づいて改良後の沈下を計算する仕組みにはなっておりません。
改良後の地盤の物性につきましては、設計基準類にも規定はなく、ユーザー様ご自身で設定していただく他はございません。
ソイルセメントのような強固な改良を行うのであれば、当該箇所は沈下しないとして、未改良部のみの沈下のみを照査するということで良いと思われますが、改良の程度により改良部の沈下を見込みたい場合には、適宜物性値を仮定して下さい。 |
|
|
Q9−2. |
対策工の対象となる土層の範囲を指定することはできるか。(Ver.5) |
A9−2. |
本プログラムでは、対策工を行うか否かのみの設定であり、入力した層のうち、特定の層のみを対策工の対象として設定することは出来ません。
例えば、圧密促進工法につきましては、入力した全ての層に対してドレーンが施工されたとしたシミュレーションのみ可能です。
これは、Terzaghiの圧密方程式かBarronの式かのいずれか一方のみの解法であり、その理論上、両方程式を同時に解法する解析理論ではないことに起因します。
(A)自然圧密:Terzaghiの一次元圧密方程式→鉛直排水
(B)圧密促進工法:Barronの式(ウェルレジスタンス非考慮→水平排水
吉国の式の(ウェルレジスタンス考慮)→水平排水 |
|
|
Q9−3. |
ドレーン工法で粘性土の一部のみにドレーンを施工した検討は可能か。(Ver.5) |
A9−3. |
いいえ、できません。
入力した全ての層に対してドレーンが施工されたとしたシミュレーションのみ可能です。
(Terzaghiの圧密方程式かBarronの式かのいずれか一方のみの解法であり、その理論上、両方程式を同時に解法する解析理論ではないため。) |
|
|
Q9−4. |
緩速載荷でクリティカルでない層はどのように計算しているのか?(Ver.5) |
A9−4. |
全ての層に対して同じ緩速載荷の計算理論が適用されます。
但し、施工期間中に圧密が終了してしまうような過大な圧密係数である層に対しては、この緩速載荷の計算理論の適用範囲外になりますため、施工期間中の経時変化が線形的な変化として出力されますが、これは理論解がこのようになるというのではなく、理論の適用範囲外であるためと理解すべきでしょう。 |
|
|
Q9−5. |
ディープウェルや、ウェルポイント工法での揚水を行った場合の地下水低下における沈下量を算定することが出来るか?(Ver.5) |
A9−5. |
当該機能はお問い合せにありますようなディープウェルに起因して発生する圧密沈下現象の解法に対して適用できるよう開発した機能です。
圧密沈下の発生メカニズムにつきまして、以下にご説明します。
(a) 盛土重量により下層の間隙水が押し出される圧密沈下
(b) 地下水低下により間隙水が吸い出される圧密沈下
上記(a)の現象では、飽和土に圧力(力)が加わった際に、間隙水がしぼり出され、土が圧縮されることにより、圧密沈下が発生します。一方、上記(b)の現象では、地下水位が低下すると、土が受けていた浮力が無くなることにより土の重さが増し、土に圧力が加わった際と同様の現象が生じて土が圧縮され、この結果圧密沈下が生じます。
上記の(a)及び(b)の現象に対して本プログラムでは区分なく慣用法により解法します。つまり、(b)の現象については地下水位の低下に伴う浮力消失量を自動計算し、その浮力消失量を載荷重として作用させることにより解法します。いずれも慣用法による解法であり、FEM等により土中水の挙動を解法しているわけではございませんので、その際の地盤の変形は鉛直方向の圧縮変形のみに帰着され、側方移動については見込まれませんのでご注意下さい。
|
|
|
Q9−6. |
載荷位置から離れているため沈下が発生しない領域に対して緩速載荷で計算しようとすると下記エラーメッセージが表示されて中断する。(Ver.5)
「選択されている計算法の粘性土層の沈下量が全て0.0になっています。計算を中止します。」 |
A9−6. |
緩速載荷の計算では沈下量を使った収束計算を行っており、その計算理論上、沈下量が微小となる着目点においては、緩速載荷での沈下時 間の計算はできない場合があります。このような着目点に対しては瞬間載荷での沈下時間計算のみ可能であり、緩速載荷での沈下時間計算は計算不可となりますのでご注意下さい。 |
|
|
Q9−7. |
本プログラムにおける、プレロードを除去したときのリバウンド量の計算について説明してほしい。(Ver.6)
|
A9−7. |
プレロード(余盛り)除去に伴うリバウンド量の計算は、圧密試験における吸水膨張過程での膨張時圧縮指数Csを用いて、次式により計算しています。
eD−eB=Cs・log(Pc/PD)
これより、リバウンド量は次式で計算されます。
R=Cs/(1+e0)・H・log{(P0+儕)/P’}
つまり、沈下量とリバウンド量との双方をCc法により試験値の直線近似により計算する場合には、必ず(沈下量)>(リバウンド量)という計算結果となりますが、沈下量を册法で計算する場合には、同試験値だとしてもCsの傾きの仮定によっては、現実的でない計算結果となる場合があります。つまり、以下に示す(A)及び(B)との関係が適切でないと思われます。
(A) 沈下量:e-logP曲線から計算 → 試験値をそのまま対数補間
(B) リバウンド量:Cs値から計算 → 試験値を対数直線近似
以上の理由より、膨潤指数Csの入力値につきましては、対象とする地盤の土性により様々であり一般値はありませんので、ユーザー様ご自身にて圧密除荷試験結果から、適切に仮定して下さい。
なお、砂層のリバウンドにつきましては、除荷に際して圧縮変形した分だけ膨潤変形するとして扱っています。つまり、砂層に対しては一般に砂の圧縮変形が極めて弾性的であることから、リバウンドも完全弾性として扱い、膨潤変形量は圧縮変形量の100%(同値)として扱っております。 |
|
|
Q9−8. |
サンドマットのみを施工した場合での排水効果はどのようにモデル化できるか。(Ver.6) |
A9−8. |
一次元圧密計算での計算区分はその排水方向により、現象を解く方程式が変わることになります。 (A)
自然圧密 → 鉛直排水としてTerzaghi方程式での解法になります。 (B)
ドレーン工(ウェルレジスタンス無し) → 水平排水としてBarronの式での解法になります。 (C)
ドレーン工(ウェルレジスタンス有り) → 水平排水として吉国の式での解法になります。
size=2>つまり、一次元解析では、排水方向は鉛直か水平かのいずれかで表します。 サンドマットの施工に際して表層での水の抜け易さは異なると思いますが、地盤中の間隙水の排水は自然圧密と鉛直方向であると考えます。 モデル化に際しては、サンドマットを地層として入力すると、サンドマットより上の盛土荷重に対してサンドマット自体が圧縮変形する扱いとなり、一方、サンドマットを盛土荷重の一部として入力すると、サンドマット以深の地層がサンドマットを含む荷重により圧縮変形する扱いとなります。
|
|
|
Q9−9. |
泥炭層を含む地盤に対して対策工法としてバーチカルドレーン工法を選択したが、対策工の前後で所定の残留沈下量に達するまで放置期間の日数が変化しなかったが何故か。(Ver.10) |
A9−9. |
圧密促進工法は粘性層について考慮されるもので、泥炭層には考慮されません。
ですので泥炭層の影響が大きく粘性層の圧密が早期に完了する場合では、対策工による効果が顕在化しない場合も考えられます。
|
|
|
Q9−10. |
本プログラムにおける予圧密工法はプレロード工法と余盛り(サーチャージ)工法のいずれも計算できるか。 |
A9−10. |
予圧密工法として、プレロード工法と余盛り(サーチャージ)工法に対応しております。
プレロード工法は、構造物あるいは構造物に隣接する盛土等の荷重と同等またはそれ以上の盛土荷重(プレロード)を載荷して粘性土の地盤の圧密を十分進行させるとともに、地盤の強度増加を図った後、プレロードの盛土を取り除いて構造物を施工する方法です。
対して、余盛り(サーチャージ)工法は、計画高さ以上に盛土を高く施工して圧密を十分進行させた後、余盛り分を取り除いて舗装などを施工する方法です。
本プログラムでは、プレロード工法では余盛り段階で載荷した荷重(プレロード)を次の施工段階で全て徐荷しますが、余盛り(サーチャージ)工法では余盛り段階で設定した荷重の中から一部の荷重のみを徐荷することができます。
(関連:Q9-7)
|
10.結果描画 |
Q10−1. |
「沈下時間の計算結果」画面に出力されているギリシャ文字T、U、Vの曲線は即時沈下を考慮している場合に、それぞれ何を表しているのか。(Ver.5) |
A10−1. |
沈下量−圧密時間曲線の出力は以下に示しますように、即時沈下を含む全沈下量を表現した曲線となります。曲線中にあります、青線及びT〜Vの線は全沈下量に含まれる即時沈下及び各排水層の圧密沈下量の内訳を表わしております。
Tの曲線:即時沈下量(青線)とTとを合計した沈下曲線であり、両者の差分(T−青線)がTの沈下量を表わします。
Uの曲線:即時沈下量(青線)とT、Uとを合計した沈下曲線であり、T曲線とU曲線との差分がUのみの沈下量を表現しています。
Vの曲線:即時沈下量(青線)とT、U、Vとを合計した全沈下曲線であり、U曲線とV曲線との差分がVのみの沈下量を表現しています。
なお、TやUなどのギリシャ文字で表記した層番号は、層厚換算法において連続した両面排水層または片面排水層を単一の圧密層に区分して番号付けしたものであり、入力した粘性土層自体の数とは必ずしも整合しません。 |
|
|
Q10−2. |
沈下量の計算結果画面で沈下形状の図を表示することができない。(Ver.6)
|
A10−2. |
当該機能の適用範囲につきましては、ヘルプ[計算理論と照査の方法] -[補足]-[沈下形状の描画]の中の注意事項に記載しておりますように、沈下形状の作成・斜面安定へのデータ連携につきましては、水位線が未設定の場合に限定しています。水位線がある場合には、沈下形状の描画ウィンドウにおける沈下形状が非表示になります。
圧密沈下形状の描画につきましては、水位線をOFFにして、地下水面のある層を有効重量で設定することにより、沈下形状の描画が可能となります。
手順:
@[入力]-[水位線]で「□水位線を考慮する」のチェックボックスをOFFにします。
A[入力]-[土質データ]で表層の「Umc最上部粘性土層」の有効重量で入力し直します。
B表層より下の層を水中重量で入力します。
|
|
|
Q10−3. |
沈下曲線の図から、着目点以外の任意点の沈下量を読み取ることはできるか。(Ver.6)
|
A10−3. |
本プログラムでの沈下曲線の描画は、[入力]メニュー→[沈下量算出点]で設定した沈下量算出点及び[オプション]メニュー→[描画条件]での「沈下曲線分割数」で設定した計算領域左右端を等分割した地点での沈下量の計算結果を描画したものです。 曲線上で真値となる地点は、「沈下曲線分割数」に依存します。「沈下曲線分割数」が荒い場合には、曲線上の任意地点の沈下量が必ずしも真値になるとは限りません。 数値出力したい地点につきましては、[入力]メニュー→[沈下量算出点]にて設定することを推奨いたします。
|
|
|
Q10−4. |
地表面形状として段があるような地形(水平ではない地形)を作成し、そこに荷重を載荷するような計算を行ったが、沈下量の沈下曲線の形状図で地表面が水平に描画される。入力した形状で描画はできるか。(Ver.9) |
A10−4. |
[基準値]-[計算条件]より、「傾斜を考慮した計算」を「する」として下さい。
|
|
|
Q10−5. |
沈下量の計算結果で確認できる沈下曲線の形状と沈下量最大値の発生位置が一致していないようにみえる。(Ver.10) |
A10−5. |
沈下量曲線は、[オプション]-[描画条件]-[沈下曲線等分割数]で指定した値で求めた沈下量及び地層変化点での沈下量をつなぎ合わせて沈下曲線図として描画しております。
ゆえに、このオプションで指定する値を大きく(上限値:100)することで、程度滑らかに描画することが可能です。この指定を大きくしていきますと最終的には沈下量最大位置に近づきます。
沈下曲線の表示上の誤差とお考え下さい。
|
|
|
Q10−6. |
「沈下量の計算結果」画面内にある「沈下形状データ出力」で出力したファイルはどのようなソフトで利用することができるのか。 |
A10−6. |
「沈下形状データ出力」では2種類のファイルを出力することができますが、いずれも以下に示した弊社製品との連携データとなります。
■「斜面用沈下形状データ(*.Atr)」を選択した場合
当社製品「斜面の安定計算」にデータ連携する中間ファイル(拡張子Atr)を出力します。
この中間ファイル(拡張子Atr)を介して、本製品「圧密沈下の計算」における施工段階毎の沈下形状を、当社製品「斜面の安定計算」へデータ連携できます。
これにより、圧密変形とせん断破壊との複合現象に対する計算が可能となり、段階施工に際する盛土築堤に伴うせん断破壊の検討等が行えます。
■「地盤解析用地形データファイル(*.GF1)」を選択した場合
沈下変形前後の盛土と地盤形状を地盤解析用地形データファイル(*.GF1)として出力します。
出力したGF1ファイルは、当社製品「弾塑性地盤解析(GeoFEAS2D」「Geo Engineer's Studio」などで形状データとして取り込むことができます。
|
|
|
Q10−7. |
沈下量の結果画面などで文字の大きさなどを変更できないか |
A10−7. |
画面上部にあります[オプション]-[表示項目の設定]画面の[表示・画面]-[結果確認]タブで変更することができます。
|
11.その他 |
Q11−1. |
Ver.5にて、旧バージョンのデータファイル*.amiを開くにはどうしたらよいか? |
A11−1. |
弊社では、データの共通化を図る目的から、ファイル形式をXML形式に統一しております。その経緯から、本製品Ver.4およびVer.5では、XML形式(拡張子f8t)のみに対応しております。
旧々々版 :保存形式はバイナリ形式ファイル(拡張子AATI)
旧々版 :保存形式はバイナリ形式ファイル(拡張子ATIor拡張子AATI)
旧版Ver.3.00.05以前 :保存形式はバイナリ形式ファイル(拡張子AMIor拡張子ATIor拡張子AATI)
旧版Ver.3.01.00以降 :バイナリ形式・XML形式との双方の保存に対応。
Ver.4.00.00以降 :読込み・保存ともXML形式ファイル(拡張子f8t)のみ。
お手数ですが、下記の手順にてVer.2形式データファイル(*.AMI)を最新版形式にコンバートしてご使用下さい。
旧々バージョンデータファイルの最新バージョン形式への変換手順:
@「圧密沈下の計算Ver.3.01.××」にて(*.AMI)を読み込み、(*.f8t)形式で保存
A「圧密沈下の計算Ver.5」にて(*.f8t)を読み込む。
Ver.3.01.00以降のプログラムで読み込み(最終版はVer.3.01.02)、保存しなおすことで対応くださいますようお願いいたします。 |
|
|
Q11−2. |
圧密沈下による強度増加計算は可能か。(Ver.5) |
A11−2. |
「圧密沈下の計算Ver.5」は変形量及びその経時変化のシミュレートを対象とした製品であり、圧密による強度増加(粘着力の増加)につきましては、せん断強度の評価になりますため、別途、「斜面の安定計算
Ver.6」という製品での対応となります。 |
|
|
Q11−3. |
着目点ごとの沈下量を一覧表に出力する方法は?(Ver.5) |
A11−3. |
『設計調書出力』にてサポートしております。
本製品では、算出点の数により以下の2通りのテンプレートをご用意しております。
テンプレート名:『圧密沈下(算出点10・地層数10)』
→ 算出点が10未満の場合に使用するテンプレート
テンプレート名:『圧密沈下(算出点20・地層数20)』
→ 算出点が20未満の場合に使用するテンプレート
算出点の数に合わせて、適宜、適当なテンプレートを選択してご使用下さい。 |
|
|
Q11−4. |
「斜面用沈下形状データ出力」で保存したファイルには荷重データで入力した盛土形状もエクスポートされているが、「斜面用圧密入力ファイル出力」で保存したファイル(*.Ats)にはエクスポートされない理由は?(Ver.6) |
A11−4. |
「圧密沈下の計算」では解析領域を、“地層”モデルとその上部の“荷重”及び“盛土”モデルとに区分した計算であるのに対し、「斜面の安定計算」では解析モデルを一律に“土質ブロック”として計算します。
そのため、斜面安定へのデータ連携に際しては、“地層”モデルの“土質ブロック”への変換及び“荷重”及び“盛土”モデルの“土質ブロック”への変換を行っています。
ここで、沈下形状のデータ連携につきましては、荷重データの単位重量を20.0kN/m3として土質ブロックにデータ変換しておりますが、沈下前の形状(入力データ)につきましては、この荷重をデータ変換せず、地層のみのデータ変換に対応しております。
▼入力形状のデータ連携
・「地層データ(単位m)」及び「盛土データ(単位m)」の『土質ブロック(単位m)』への自動変換に対応
・「荷重データ(単位kN/m2)」の『土質ブロック(単位m)』への自動変換には非対応
▼沈下形状のデータ連携
・「地層データ(単位m)」及び「盛土データ(単位m)」の『土質ブロック(単位m)』への自動変換に対応
・「荷重データ(単位kN/m2)」については、1.0kN/m2=5.0cm(単位重量γ=20.0kN/m3相当)で換算することにより、『土質ブロック(単位m)』への自動変換に対応しています。
既存機能である沈下前の形状(入力データ)のデータ連携につきましては、原則として地層のみ(盛土可)をデータ変換する仕様としておりましたが、本製品Ver.6における沈下形状のデータ連携対応に際して、原地盤上の載荷については、大半が荷重データでの入力であることから、荷重データの土質ブロックへの自動変換に対応しております。
データ変換の詳細はヘルプ[計算理論及び照査の方法]-[補足]-[沈下形状の斜面安定へのデータ連携]をご参照下さい。 |
|
|
Q11−5. |
「斜面の安定計算」データの形状を圧密で利用する方法はあるか。(Ver.8) |
A11−5. |
以下の方法で行うことができます。
(1)『斜面の安定計算』より「モデル作成補助ツールファイル(*.ssd)」を保存する。
(2)『圧密沈下の計算』の「モデル作成補助ツール」から(1)のファイルを読み込む
(3)『モデル作成補助ツール』で地表面や層データを定義して、「モデル作成補助ツールファイル(*.ssd)」を保存する
(4)『圧密沈下の計算』で(3)のファイルを読み込む
|
|
|
Q11−6. |
入力図や沈下曲線図を外部で利用したいのだがどのような方法があるか。(Ver.10) |
A11−6. |
メニューの「ファイル」−「DXFファイル出力」より、DXFによる各図のファイル出力がご利用いただけます。
なお、「入力図」は、「地表面と地層幅」、「層データ」が入力済みで、入力データ(「地表面と地層幅」、「層データ」、「荷重データ」、「沈下量算出点」)にエラーがないときに、「沈下曲線」は沈下量の計算が済みのときに、「圧密沈下〜時間曲線」は沈下時間の計算が済みのときに出力可となりますのでご了承下さい。
|
|
|
Q11−7. |
Microsoft Excel等の表計算ソフトで沈下曲線を描画するために、沈下量の表データを参照したいのだがどこに出力されるのか。(Ver.10) |
A11−7. |
メニューの「ファイル」-「印刷プレビュー」から出力されます計算書出力の「2章 圧密沈下量」-「地層の沈下量」から各着目点や、全着目点の沈下量一覧がご確認いただけます。
|
|
|
Q11−8. |
双曲線法やlogt法で実測値から将来の沈下予測を行いたいが、土質試験結果がなく沈下量の実測値しかない場合でも利用できるか。(理論値との比較は必要なく、実測値のみ用いて将来の沈下予測を行いたい) |
A11−8. |
単独計算機能である[実測値による沈下予測ツール]により行うことができます。 画面上部にあるメニューから[単独計算]-[実測値のよる沈下予測ツール]を選択して下さい。 本ツールでの計算は単独で行えますので、地層パラメータの入力などは必要ありません。 (製品付属のサンプルデータ「sample13単独計算.f8t」が本ツールのサンプルとなります)
|
|
|
Q11−9. |
ボーリング交換用データ(XMLファイル)から地形形状を作成できないか。 |
A11−9. |
Ver.11.1で「ボーリング交換用データ(XMLファイル)のインポート機能」に対応しました。 [設計条件]の[基本条件]タブにある「ボーリング交換用データインポート」ボタンより、インポートすることができます。
|
|
|
Q11−10. |
[3D形状確認]画面で3D形状が表示されるが、3Dデータ保存はできるか。 |
A11−10. |
可能です。 3D描画画面上で[右クリック]-[3Dデータファイル保存]より、各ファイル形式(「*.3ds」「*.dxf」「*.dwg」)を選択して保存して下さい。
|
|
|
Q11−11. |
測定データから沈下挙動を予測する計算(双曲線法など)を行う場合、例えば、双曲線法とlogt法はどのような使い分けをすればいいか。指針などに記載があったら教えてほしい。 |
A11−11. |
軟弱地盤対策工指針に以下の記載があります。
■道路土工 軟弱地盤対策工指針(平成24年度版) P.373
「双曲線法は盛土の完成後、ある程度の期間を経た後の短時間の推定に適用し、logt法は長期の沈下量を推定する場合に用いられている」
|
|
|
Q11−12. |
[モデル作成補助ツール]でCADデータをインポートするときの注意点があったら教えてほしい。 |
A11−12. |
インポート可能なAutoCADファイル(*.DWG,*DXF)は、AutoCAD 2004もしくはそれ以前の形式となっておりますので、対応している形式となっているかご確認ください。
また、地層数や地層ラインの折れ点数などは「圧密沈下の計算」の制限内である必要がありますので、制限を超える場合はモデルを簡略化をする必要があります。
|
|
|
Q11−13. |
全く同じデータを異なるPCで計算実行した所、計算が正常に行えなかった。どのような理由が考えられるか。 |
A11−13. |
画面上部にある[オプション]-[作業領域の設定]で作業フォルダを変更して、再度計算をお試しください。 作業フォルダはユーザ権限のあるフォルダとしてください。 (権限の関係で、一時ファイルが作成できていない場合があります)
|