●日時 :2012 年9 月19 〜 21 日
●開催地 :品川・コクヨホール
●後援:公益財団法人 画像情報教育振興協会、一般社団法人IAI 日本 |
(Up&Coming 2012年10月号) |
フォーラムエイトでは、2012 年9 月19 〜 21日の3 日間に渡り、第6 回「FORUM8
デザインフェスティバル 2012-3Days」を実施いたしました。本年は25 周年記念イベントとして、「シミュレーションは、新時代へ!」を合言葉に開催。昨年に引き続き、1日目は3D・VR
シミュレーションコンテストのクラウドによる最終審査会をフォーラムエイト東京本社・セミナールームにて実施し、2
日目と3 日目は品川・コクヨホールにて、その受賞結果発表と表彰式および、多数の講演者をお招きしてVR、FEM、CAD、SaaSの各分野における最先端の研究・開発や高度活用事例について発表いただきました。また、ドライビングシミュレータをはじめとする最新の展示や、製品・サービスに関するテクニカルサポートコーナー、設立25
周年記念&書籍出版披露パーティーなど多彩な催しも実施いたしました。
■第11回 3D・VR シミュレーションコンテスト オン・クラウド結果発表・表彰式
第11 回3D・VR シミュレーションコンテスト オン・クラウドでは、応募作品の中からノミネートされた11
作品について、VR-Cloud®によるオンラインでの公開と一般投票を実施。選考委員による最終審査(9
月19 日)の結果とこの一般投票の結果を総合し、各賞を決定しました。9 月20
日の午前中は、第13 回VR コンファレンスにおいてその各賞発表と表彰式を実施。VR-Cloud®
研究委託事業の共同研究者である大阪大学 福田知弘准教授による、最新の研究成果についての特別講演「クラウドコンピューティング型VR
とSNS の活用と展望」で幕を開けました。
福田氏は講演の中で、大阪の研究室と接続してVR-Cloud® による景観検討のデモンストレーションを実施。クラウドの活用可能性を大いに印象付けられる内容となっていました。
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■フォーラムエイト
代表取締役社長 伊藤 裕二による挨拶 |
■大阪大学大学院 工学研究科
准教授 福田知弘 氏 |
本年のグランプリは、トヨタ自動車 株式会社様の応募作品「VRシミュレーションを活用した超小型EV
車シェアリングシステム企画」が選ばれました。続く優秀賞、アイデア賞、エッセンス賞、審査員特別賞についても表彰式が行われ、最後に審査員を代表して日本大学理工学部
関文夫氏より全体講評が発表されました。
関氏はその中で、今年のコンテストについて、応募作品に3つの大きな流れの変化があったことを指摘。ひとつは、従来のような大規模な土木設計に比べて、街づくりに関わる作品が多くなってきているという点で、VR
が説明ツールとして普及していることが示唆されました。次に、作り手が多様化していることについても言及。「個人のレベルでVR
を試せる時代になっている。現在だけでなく過去や未来へと時間を超えることができるというVR
の特性を活用している。VR から街づくりにつながっていく」(同氏)。
最後に、「感性のテーマ」が目立ったことについても指摘し、アイデア賞に選ばれた「昭和27
年当時の大牟田市内線路面電車軌道及び沿線の復元」(井尻慶輔氏)に見られるように、ノスタルジックな側面で見る側の感性に訴える技術・センスも向上しているとコメント。また、エッセンス賞を受賞した「北陸新幹線「飯山駅」前まちづくりシミュレーション」(飯山市役所
建設水道部 まちづくり課/新幹線駅周辺整備課)のプロジェクトについても、「美しい空が表現されている」と述べました。
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■グランプリ受賞(トヨタ自動車 株式会社) |
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第11回 3D・VR シミュレーションコンテスト オン・クラウド 受賞作品 |
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グランプリ |
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「VRシミュレーションを活用した超小型EV車シェアリングシステム企画」
トヨタ自動車 株式会社 |
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豊田市低炭素社会システム実証プロジェクトにおいて移動(交通)分野として取り組み中のアイテム。現地調査に基づくリアリティの高い仮想街に車両と駐車・充電ステーションを仮想的に配置し、元の街並みとの融合性や車両貸出・返却時の手順、ユーザの動線設計などの基本サービス企画の検証確認に活用中である。 |
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準グランプリ 優秀賞 |
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「点群データを用いたまちなみ修景計画シミュレーション」
九州オリエント測量設計 株式会社 |
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当該データは、長崎市の寺町通りにおける修景計画の中で当社が、点群データを基にサンプルイメージとして作成したものである。具体的な整備内容は、速度抑制の為の車道幅の縮小、歩道の拡幅、歩車道の舗装の変更(石畳または、石畳風)、歩車道境界柱の設置、電柱の色の変更(茶色)、石垣のライトアップ等である。 |
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準グランプリ 優秀賞 |
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「VRによるトンネル管理者向け訓練システム」
BMIA(フランス) |
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G'Val(トンネル管理者訓練システム:BMIA社)のシステムの中で、FORUM8のUC-win/Roadが現実的且つインタラクティブな3D環境の中での交通や歩行者をシミュレート。あらかじめ設定されている交通量、車両のスピード、信号そして環境条件(時刻、地理的位置、天候、ライトなど)に従い交通生成を行う。高速道路やトンネルでの作業員たちの現実の作業を正確に反映したVRベースのトレーニングシステムの開発が目的。 |
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アイデア賞 |
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「昭和27年当時の大牟田市内線路面電車軌道及び沿線の復元」
井尻 慶輔 氏 |
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かつては大牟田市内で市民の足として親しまれていた大牟田路面電車市内線の活躍当時の姿を復活させ、お年寄りをはじめ市民の方々に広くご覧頂き、炭鉱が盛業であった当時の大牟田の街路をカラー映像かつ自由な視点で再現した。 |
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エッセンス賞 |
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「北陸新幹線「飯山駅」前まちづくりシミュレーション」
飯山市役所 建設水道部 まちづくり課/新幹線駅周辺整備課 |
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平成26年度末に開業が予定されている北陸新幹線飯山駅を契機に駅周辺に整備される駅前広場などの公共施設や、同時期に城築450年を迎えるまちのシンボルである飯山城の公園の整備など豊かな自然と都市機能が融合、未来の飯山市がシミュレーションされているVR。ワークショップやフォーラムなどでもこのVRが登場し、市役所、住民が一体となって取り組む街づくりの重要な役割を果たしている。 |
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審査員特別賞 地域づくり賞
NPO地域づくり工房 傘木 宏夫 氏 |
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「“踏切と狭隘橋梁が連続する区間の渋滞緩和”を目指して!!」
西鉄シー・イー・コンサルタント 株式会社 |
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本VRは、踏切と狭隘橋梁が連続する区間の渋滞を緩和するため、河川、鉄道を横過し低平地の田畑を通過するルートで、地元住民との合意形成を早期に図り、スムーズな事業進捗を行うこを目的として、バイパスルートのデータ作成を行ったものである。また、鳥瞰図の作成も併せて行った。 |
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審査員特別賞 開発賞
道路・舗装技術研究協会 稲垣 竜興 氏 |
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「ITSスポットサービス体験シミュレータ」
JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)
カーエレクトロニクス事業委員会/カーエレ機器普及促進専門委員会 |
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道路に設置された「ITSスポット」とクルマ側の「ITSスポット対応カーナビ」との間で高速・大容量通信を行ない、広域道路交通情報、画像等の提供により様々なサービスを実現する次世代のITSサービスである「ITSスポット」サービスをインタラクティブに体験可能なシミュレータ。 |
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審査員特別賞 アカウンタビリティ賞
日本大学 理工学部 土木工学科 関 文夫 氏 |
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「中綱南側土砂採取事業自主簡易アセス」
株式会社 マテリアル白馬 |
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県環境影響評価条例に該当しない小規模な土砂採取事業について、地元住民や一般市民に景観等の変化について説明責任を果たすために、VRシミュレーションを使って、住民説明会やWEB上での意見募集に活用した。 |
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ノミネート賞 |
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「事故危険交差点の改善及びDSLogを用いた効果分析」
韓国交通安全公団 |
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韓国の江原道にある襄陽3通り(サンゴリ) は傾斜路による事故や幾何学的構造による車両のネック(瓶の首)現象が頻繁に発生する。また、忠清南道の論山市には特異な形をした5通り(オゴリ)があり、事故が頻繁に発生する。これらの交差点の問題を改善するため、合流区間の検討、路面表示や信号機、停止線の位置変更などについて、VRにより、現状と改善の2つを実装し、意思決定と住民説明会に活用した。シミュレータで走行実験を実施し、DS
log値を分析して改善効果を確認している。 |
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ノミネート賞 |
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「パイププラント設備シミュレーション」
日下部電機 株式会社 |
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自社で販売しているプラント設備は、主に海外クライアントに販売しているが、組み合わせによりプラント全体の大きさが変わるため、パンフレットだけでは納品先の工場に、どの程度の規模のプラントが納品可能かがわかりにくく、可視化するために作成したVRデータ。機械の稼働の様子も確認できるデータを作成。 |
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ノミネート賞 |
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「愛知県新城市出沢地区の土砂災害シミュレーション」
福井工業高等専門学校 |
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愛知県新城市出沢(しんしろしすざわ)地区は、緑と清流に恵まれているが、過去に土石流が発生しており、防災体制の構築が望まれている。このVRでは、土石流の危険説明のため、地域の詳細地形と建物を再現し、豪雨による土砂災害の複数発生の状況や発生の段階をわかりやすく可視化している。 |
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■第13回 UC-win/Road協議会ドライビングシミュレーションセッション
本年は、フォーラムエイトが9 月上旬に出展した日本機械学会での開催ワークショップ「シミュレーション・システム・セッション」にて座長も努められた、茨城大学
工学部 機械工学科 准教授 道辻洋平氏による特別講演で幕開け。続く4 名の講演者の方々からも、ドライビングシミュレーションの高度活用事例や先進的な研究をそれぞれ発表いただきました。また、最新バージョンであるUC-win/Road
Ver.8 の先進的なドライビングシミュレーション機能についても、弊社VR 開発マネージャのペンクレアシュ・ヨアンよりご紹介いたしました。
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■茨城大学 工学部 准教授 道辻 洋平 氏 |
■九州大学 教授 志堂寺 和則 氏 |
■アイシン精機(株) 葛谷 啓司 氏 |
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■(株)トプコンソキア
ポジショニングジャパン
専任部長 藤井 宏之 氏 |
■同済大学交通運輸工程学院
教授 郭 忠印 氏 |
■会場となったコクヨホール |
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■第6回 デザインコンファレンス 地盤解析セッション
セッションの皮切りとなった特別講演1では、ソルバー開発者でもある群馬大学
助教蔡飛氏をお招きし、液状化解析についての最先端研究を発表いただきました。本セッションでは併せて4
つの特別講演が行われ、2 次元3 次元の地盤弾塑性解析、浸透流解析および2 次元動的解析等の高度活用事例について発表いただき、また、弊社社員による地盤解析シリーズの新機能や"GeoEnergy"
の開発構想についても紹介いたしました。
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■群馬大学大学院 工学研究科 助教 蔡 飛 氏 |
■(株)日新技術コンサルタント 今橋 正次郎 氏 |
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■興亜開発(株) 尾上 篤生 氏 |
■(株)ブルドジオテクノ 代表取締役 花田 俊弘 氏 |
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■設立25周年&書籍出版記念パーティー
9 月20 日すべてのセッションが終了後は多目的ホールにて、CR-ARTS 協会様に乾杯の音頭をとっていただき、フォーラムエイト設立25
周年を記念してささやかなパーティーを開催いたしました。パーティーには、プレミアム会員ユーザおよび講演者、コンテスト審査員の方々にご参加いただきました。
同日に発売となったフォーラムエイトパブリッシングによる2 冊目の書籍『エンジニアのためのLibreOffice
入門』の出版披露、最新のドライブシミュレータを使ったゲームや、大阪大学サイバーメディアセンター助教安福健祐氏をお招きしての「サマーキャンペーン抽選会」も賑やかに執り行われました。
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■CG-ARTS 協会 |
■トヨタ自動車 松井氏 |
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■大阪大学 助教 安福 健祐 氏による抽選会 |
■パーティの様子 |
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■土木解析セッション/土木ジェネラルセッション
午前中の「土木解析セッション」は、地中熱エネルギー開発の最前線でご活躍の群馬大学
鵜飼恵三教授による特別講演よりスタート。続いて、防災科学技術研究所の佐々木智大氏による、E−ディフェンスでの多様な実験を通じた減災技術開発展望についての講演が行われました。
午後より開始した土木ジェネラルセッションの冒頭では、特別講演1として、弊社顧問を務める元NEC
副社長 川村 敏郎氏より、その豊富な知識と経験に裏付けられた「クラウドコンピューティングビジネスの展望」についての洞察および分析が発表されました。
これに続き、動的非線形解析UC-win/FRAME(3D)、Engineer's Studio® のユーザ様による3
つの特別講演が行われ、ご参加いただいた多くのユーザ様にとっても非常に参考となる活用事例や実務経験が紹介されました。
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■群馬大学大学院 工学研究科 教授
鵜飼 恵三 氏 |
■(独)防災科学技術研究所 特別研究員
佐々木 智大 氏 |
■元NEC副社長( 株)フォーラムエイト顧問
川村 敏郎 氏 |
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■東洋技研コンサルタント(株)技術課長
長久保 成男 氏 |
■マルフジエンジニアリング(株)技術部長
渡辺 哲也 氏 |
■東海大学 工学部 教授 中村 俊一 氏 |
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■建築・BIM セッション
本年の建築・BIM セッションは、弊社主催のVirtual Design World Cup でも実行委員長を務められ、BIM
研究で著名な建築家、慶應義塾大学教授 池田靖史氏による特別講演で幕を開けました。同氏により紹介された、BIM
にとどまらない先端的な情報技術のありかたについての思想および活用事例は、会場の多くの参加者を引き付けていました。続いて、BIM
先進国家シンガポールより大手エンジニアリング会社にて副社長を務めるケネス・リム氏をお招きし、同社のプロジェクトにおけるBIM&VR
の事例について発表いただきました。
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■慶應義塾大学 教授 池田 靖史 氏 |
■ SWEE HONG Limited. 副社長 ケネス リム 氏 |
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■水工セッション
氾濫解析の第一人者である、広島大学教授の河原能久氏による発表にてスタートした本セッションは、合計5
つの特別講演および、NPO 法人 水環境創生クラブ 石川高輝氏の進行によるパネルディスカッションで構成されました。また、本年はXP
Solutions 社が属するCardno グループのBMT WBM 社より開発者が来日し、今後の開発計画についての紹介も行っています。
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■芝浦工業大学 工学部 教授 守田 優 氏 |
■東京大学大学院 教授 古米 弘明 氏 |
■広島大学大学院 教授 河原 能久 氏 |
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■日本水工設計(株) 小林 岳文 氏 |
■ BMT WBM 社 シニア・ハイドロリック/コースタル・エンジニア フィリップ・ライアン
氏 |
■水工セッションの様子 |
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