シビルフォーラム 建設各分野の5NPOが連携する初のシビルフォーラム
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開催概要ページ (Up&Coming 2009年3月号) |
フォーラムエイトも助成するNPO等が建設技術者集団の役割問う
去る2月5日、土木・建設に関わるNPO(特定非営利活動法人)5団体の主催によりシビルフォーラム「建設分野におけるNPO、技術者集団の役割
〜建設技術者の社会貢献・自己実現とNPOの活性化を目指して〜」が土木学会講堂(東京・四谷)で開催されました。
「NPO連携推進の一環であると同時に、当NPOにとっては毎年開催している<市民参加による国土づくり・まちづくり>シリーズフォーラムの創立5周年記念第5回フォーラムでもあります」。NPO法人
ITステーション「市民と建設」(以下、「市民と建設」)理事長の花村義久氏は今回のフォーラムをこう位置づけます。
「市民と建設」がNPOとしての活動をスタートしたのは、2003年11月。公共事業への市民参加を推進し、それにより住みよい環境の創造、豊かで安全な国土づくり・まちづくりに寄与することを目的に掲げます。その具体化に向けて、国土づくり・まちづくりに関する市民と行政の橋渡し役を自らの使命とし、関連情報を市民に提供するほか、環境と防災にウェートを置いた公共施設・構造物の活用を目指す市民活動と連携。さらに、関係者間でコミュニケーションを取る際にカギとなるIT(情報技術)活用の支援、国土の情報化や建設業におけるIT活用の推進も図るとしています。そのような中で、各種フォーラムやセミナーの開催も重ね
てきました。
自らの法人化5周年(設立6周年)を機に、「市民と建設」では初期の理念を改めて確認。その上で土木系NPOをネットワーク化し、共通の問題解決に連携して当たるのと併せ、NPO集団としての活動を一層活発化して社会的任務を全うしようとの構想が描かれました。そこで2008年8月、その趣旨に賛同した温故創新の会、国境なき技師団、橋守支援センター、人と道
研究会とともに5NPOから成る「シビルNPO連絡会議」(仮称)をスタート。さまざまな課題について検討する過程で、そうした取り組みや考えを社会に問いたいとの狙いから、シビルフォーラムが企画されるに至っています。
土木・建設各分野の技術者およびNPOが集い、問題点を探りつつ今後の展望を見出そうという趣旨の下、今回フォーラムではとくにベテラン技術者の社会参加とNPO間の連携の促進にフォーカス。学会・行政関係者を含め、全国から110名が参加しました。
まず、日下部治・東京工業大学教授が「建設分野におけるNPO、技術者集団の役割」と題して基調講演。NPOとNGO(非政府組織)の違い、NPOがGO(政府)やPO(企業)との関係で陥りがちな負の側面と棲み分けのポイント、建設分野のNPOに求められる役割、技術的経験を蓄積した技術者集団が求められる技術の伝承とそのための課題、今後のNPOへの期待、などが解説されました。
続くパネルディスカッションは「建設技術者の社会貢献・自己実現とNPOの活性化を目指して」と題し、大林成行・NPO法人
地域の教育と文化を考え・行動する会代表をコーディネータに、日下部治教授、清野茂次・NPO法人
温故創新の会理事長、濱田政則・NPO法人 国境なき技師団理事(早稲田大学教授)、花村義久氏の4パネリストから構成。初めに各NPOの活動概要と抱える困難、建設分野のNPOに共通するベテラン技術者の参加促進・活動資金確保といった課題とその対策などについて議論を展開。社会的ニーズと技術者の意欲とのマッチング、あるいは自助・公助・共助の協調が今後NPO活動を活性化させていくためのポイントとして挙げられています。また、このようなテーマへの関心の高さを反映し、聴講者からも積極的な発言が見られました。
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▲NPO法人 ITステーション 「市民と建設」理事長
花村 義久 氏 |
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▲シビルフォーラム・パネルディスカッション |
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