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3次元地すべり斜面安定解析
(LEM) Ver.2
 斜面の安定計算セミナー
●日 時 : 2011年 8月19日(金)9:30〜16:30
●参加費 : 1名様 \15,000 (税込 \15,750)
●本会場 : フォーラムエイト東京本社GTタワーセミナールーム
※TV会議システムにて 東京・大阪・名古屋・福岡にて同時開催
3次元斜面安定解析・対策工設計プログラム

最新版製品価格 ●リリース 2011年6月
地盤解析

 はじめに
本製品は、「群馬大学鵜飼研究室」との共同開発により、2004年4月に初版をリリースして以来、比較的軽微な要望を中心に、改訂を加えて参りましたが、このたび、大幅改訂を行い、製品強化を行うことになりました。主な改訂内容は、表1に示す「自動探索機能(楕円体面と仮定)」、「任意のすべり方向に対する検討」、「アンカー工を考慮した安定解析」となります(表1)。

解析法 簡易Janbu法, Hovland法, Hovland(水中重量)法
地形入力 ・二次元断面を多数入力し、3次元形状を作成する方法
・DEMデータを直接入力する方法(インポート可)
すべり面入力 ・直接入力
・自動探索機能(楕円体面と仮定)
対策工 杭工,アンカー工を考慮した安定解析
その他 ・2次元計画安全率から3次元計画安全率を算出
・地震時の検討
・地すべり面における任意水圧の考慮
・任意のすべり方向に対する検討  etc
■表1 主な機能(赤字は今回追加予定)

 すべり面(回転楕円体面)の自動探索機能
現在、本製品は、地すべりを対象にしているという観点から、すべり面は既知であるとして、地すべり線を各断面毎に入力する仕様になっています。

■図1 すべり面自動探索機能のイメージ図

しかしながら、埋立て地などでは、必ずしもすべり面が確定できない場合もあります。このような場合、二次元の斜面安定解析では、すべり円中心の格子範囲を指定し、最小安全率となる臨界すべり面を計算することが一般的に行われていますが、これと同様に、3次元斜面において臨界すべり面(回転楕円体面)を自動探索する機能を用意することにしました。

楕円体の方程式は図1に記されているように「x^2/a^2+y^2/b^2+z^2/c^2=1」で表されますが、本プログラムでは地すべり面をb=cとする回転楕円体面(すべり断面は円弧すべり)と仮定し、不特定多数のすべり面に対する計算を行います。

探索条件の入力(図2)としては、回転楕円体の中心位置(x, y, z座標)や各半径a, b(=c)を入力しますが、x座標を除く各値は「固定」か「範囲指定」か選択できますので、例えば中心位置とすべり半径(=b)を固定し、すべり幅(=a)のみ変更したいといった場合の条件設定も容易に行えます。また、計算された全すべり面の結果は結果確認画面(図3)で確認できます。各すべり面の条件や安全率、すべり面形状等を確認でき、任意のすべり面を採用すべり面として詳細計算を行うことができます。詳細計算されたすべり面については、数値計算書の出力やDEMデータとしてすべり面形状を含む地形形状を保存することができます。


■図2 楕円体条件入力画面

■図3 結果確認(探索結果一覧)

なお、2次元解析に比べて3次元解析では1つのすべり面に対する計算時間が長いこと、また、パラメータの条件により検討すべり面の数が増大すること(例えば、中心位置を全て固定して、aとbの計算刻み数をそれぞれ10回とした場合でも、総計算数は10×10=100回となります)から、この機能を使用する場合は、最初から多数の楕円体を検討するのではなく、徐々に臨界すべり面をしぼり込んでゆくように配慮しなければならないと考えられます。

■図4 探索機能により自動作成された
地すべり面データの一例
  ■図5 回転楕円体の極半径aと安全率Fsの関係

 任意のすべり方向に対する検討
現行のプログラムは、すべり地形が既知であることを前提に、すべり方向についても、入力した地形に対して、図6の青矢印のように、そのまま平行にすべるものとして解析することになります。すなわち、すべり地形は、すべり面並びにすべり方向を想定した上で入力しなければなりません。仮に、すべり方向が10°右側に振れた場合の検討を行いたいとした場合(図6の赤矢印)は、その方向に合わせた断面形状を入力し直さなければなりません。これは、かなり面倒なことです。

よって、一度入力したすべり地形に対して、すべり方向を任意に変更しても解析が行えるように機能強化します。すべり方向角の設定方法としては、(1)特定の角度を直接入力する方法、(2)角度の範囲を指定して一定の計算刻みで繰り返し計算する方法(図7)、の2通りがあります。(2)の場合は、指定した範囲内で分割されたそれぞれの角度に対して安全率が計算されますので、最小安全率となるすべり方向角を探索することができます。
 
■図6 地すべり方向角   ■図7 角度の範囲を指定

 アンカー工を考慮した安定解析に対応
計算内容としては、アンカー配置やアンカー長、傾角などのアンカー諸条件を入力し、アンカー力を考慮した安全率の計算を行うものです。本バージョンアップ版では、申し訳ありませんが、アンカー工の設計計算は行えません。3次元斜面におけるアンカー配置は二次元の場合に比べて入力が複雑になりますが、本製品では、任意の断面を指定して二次元的に配置を行う基本的な方法に加え、平面図上で縦横方向のアンカー間隔を入力すると自動配置する機能などの入力補助機能を用意し、できるだけ入力に負担がかからないようにする予定です。

この度の改訂では、「すべり面の自動探索機能」「任意すべり方向の計算に対応」「アンカー工を考慮した安定解析に対応」と3次元の斜面安定解析を行う際に強力な手助けとなる機能を追加いたします。2次元解析に比べて3次元解析はまだ一般的ではありませんが、3次元解析へのハードルを極力低くし、ユーザーの方々が簡単に様々な検討を行えるような製品開発を進めていきたいと考えております。

※画面は開発中のものであり、今後ともよろしくお願いいたします。変更される場合もあります。
(Up&Coming '11 盛夏の号掲載)
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