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水路橋の設計計算 New
鉄筋コンクリート水路橋の構造設計計算プログラム

最新版製品価格 ●リリース 2010年 12月 17日
水工

 はじめに
水路橋の設計計算」は、フルーム形式の鉄筋コンクリート水路橋の構造設計計算をサポートするプログラムとして、2010年12月にリリースいたしました。以下に、その概要をご紹介いたします。

 適用基準および参考文献と計算内容
適用基準と参考文献は、「土地改良事業計画設計基準 設計「水路工」基準書 技術書 平成13年2月 農林水産省農村振興局」になります。

また、横断方向については、フルーム形式の断面形状で計算を行います。床版については側壁を含めた一体構造とした場合と、床版を両端固定梁とした場合の断面力算定を行います。縦断方向については、主桁の支持形式として単純支持、連続支持から選択して計算できます。検討ケースは最大20ケースまで指定することが可能で、許容応力度法による断面照査を行います(図1)。


■図1 メイン画面

 機能及び特徴
(1) 入力機能

■基本条件
一般事項では、設計データを次回確認する時や再度検証する際に、わかりやすいようにタイトル・コメントや地域・名前・日付等の事項を記入できます。設定した項目は計算書に反映させることも可能です。また、主桁の支持形式として、単純支持と連続支持を選択できます(図2)。

■図2 基本条件画面

■形状寸法
断面形状はガイド図を確認して頂くことにより、容易に入力・修正することが可能です。また、支持形式として連続支持を選択した場合は、最大5区間までの指定が可能となっています。


■図3 形状画面

■材料
荷重計算に用いる各種単位重量や鉄筋、コンクリートの種類を指定することができます(図4)。鉄筋については「水路工」掲載の3種類を指定することが可能です。SR235を選択した場合は丸鋼、SD295 やSD345を選択した場合は、異形棒鋼として扱いますので、鉄筋量の算出に変化があります。また、一般部材、水中部材を選択することにより許容値を変化させることができます。 コンクリートについても「水路工」掲載の4種類を用意しておりますが、使用したいコンクリートが存在しない場合は、新たに追加することも可能です。


■図4 材料画面

■荷重
最大20ケースを検討することができます。考慮できる荷重は、水位,雪荷重,任意荷重となります。水位については、通常は満水状態としますが、任意の値を指定することも可能です。水位と雪荷重を同時に考慮する場合、通常は大きい方で設計を行いますが、合計値で設計することも可能にしています。任意荷重については、等分布鉛直荷重を横断方向、縦断方向それぞれに指定することができます。
なお、これらの荷重はすべて自由に組み合わせることができます(図5)。


■図5 荷重画面

■部材
側壁、床版、主桁ごとに個別に配筋を行うことができます。単鉄筋,複鉄筋の指定も可能です。また、外側、内側、上側、下側それぞれ2段まで配置することができます。使用鉄筋量は鉄筋径やピッチから自動計算しますが、任意の鉄筋量を直接指定することも可能です。せん断補強筋を指定することもできます(図6)。


■図6 配筋画面

■考え方
計算条件や照査条件に関する設計の考え方を指定することができます(図7)。


■図7 考え方画面

■許容値
断面照査時の許容応力度を任意に指定することができます。

■計算用設定値
コンクリート及び鉄筋の基準値設定を行うことができます。基準値ファイルは、複数ユーザで基準値を共有する際や物件ごとに同じ基準値を適用する時に使用し、共有データとして設定することで基準値の共有が可能になります(図8)。
共有化することで、起動時に保存している基準値により初期設定され、毎回基準値を変更することが不要になります。また、複数ユーザで物件を設計する場合も、各ユーザが基準値を変更することで共有データの変更が行われるので、同一の環境にて設計することが可能になります。

■図8 計算用設定値画面

(2) 計算機能

■荷重計算
横断方向につきましては、床版に作用する単位幅当たりの荷重を算出します。床版に作用する荷重は自重,内水重,雪荷重,任意荷重となります。また、側壁には内水圧を考慮します(図9)。
内水重と雪荷重については、荷重画面での選択により、大きい方を採用するか合計値を採用するかが異なってきます。
縦断方向につきましては、主桁に作用する1本当たりの荷重を算出します。主桁に作用する荷重は自重,内水重,雪荷重,任意荷重となります。
内水重と雪荷重については横断方向と同様に扱います。

 
■図9 横断方向荷重図

■床版断面力計算
床版に作用する曲げモーメントは、「側壁を含めた一体構造と考えた場合」と「底版を両端固定梁と考えた場合」の2ケースについて計算を行い、両者の大きい方の値を採用して設計を行います。断面照査時は床版端部曲げモーメントM1と床版中央曲げモーメントM2を設計曲げモーメントとして照査を行います(図10)。側壁に関しては水圧強度により生じる断面力を算出します。

■図10 床版断面力図

せん断力につきましては、床版端部よりt2/2離れた断面にて算出します(図11)。また、床版には水圧強度により軸方向に引張力Nが生じますが、Nを床版断面計算時に考慮するか否かは任意に指定することができます。

■図11 床版せん断照査位

■主桁断面力計算
支持形式として単純支持を選択した場合は、主桁に作用する曲げモーメントは、主桁中央部で算出します。せん断力につきましては、支点からh/2離れた位置で算出します(図12)。

■図12 主桁せん断照査位置

支持形式として連続支持を選択した場合は、等分布荷重・不等間隔の連続梁として断面力を算定します。支点曲げモーメントの算出にあたっては、断面二次モーメント及び荷重を一定とした三連モーメントの定理を採用しています。三連モーメントの定理は、モーメントを未知数とした不静定梁構造の解法です。
■三連モーメントの定理

  一般式
  A〜B支間
  B〜c支間
  c〜D支間
  MA=MD=0より、連立方程式を解きMB, MCを求める。

支間曲げモーメントにつきましては下記式により求めます。
  一般式
  A〜B支間(MA=0)
  B〜c支間
  c〜D支間
  D〜E支間(ME=0)
各支点、支間ごとに曲げモーメントを算出し、支点、支間ごとの最大曲げモーメントを設計曲げモーメントとして採用します。せん断力に関しては、単純支持時と同様に各支点からh/2の位置で算出し、最大のせん断力を設計せん断力として採用します。

■部材の許容応力度法照査
部材照査は、許容応力度法にて以下の計算を行っています。
  1. コンクリート,鉄筋の曲げ応力度照査
  2. コンクリートの最大せん断応力度照査
  3. コンクリートの平均せん断応力度照査
  4. 必要斜引張鉄筋量計算
  5. 付着応力度の計算

(3)結果確認、計算書出力

■断面照査
断面照査結果を各検討ケースについて、横断方向,縦断方向毎ごとに断面力図及び一覧表形式で確認することができます。また、計算書においては断面力算出過程を詳細に確認することができます(図13〜図15)。

■図13 断面照査画面 ■図14 断面力図画面 ■図15 計算書
(Up&Coming '11 新年号掲載)
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