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新製品紹介

●RC断面計算 Ver.4 許容応力度法、限界状態設計法による鉄筋コンクリート断面計算プログラム

●はじめに
 「RC断面計算 Ver.4」ではこのたび最新版の設計基準類に準拠した限界状態設計法への対応、鉄筋データの入力方法Type2の追加などを行いリリースいたました。以下に改訂内容の概要をご紹介いたします。

●最新の基準類に準拠した限界状態設計法の計算
 今回は土木学会コンクリート標準示方書(2007年制定)と鉄道構造物等設
計標準・同解説(平成16年4月)に準拠した計算をサポートしました。主な修正点は以下のとおりです。
  • 終局限界状態−曲げ軸力照査(曲げ軸力耐力)
     設計標準H16ではコンクリートの終局ひずみε'cuは以下の式により求めます。
       ε'cu=(1-0.003・f'ck)/30000≦0.0035

  • 終局限界状態−せん断照査(せん断耐力)
     標準示方書2007ではせん断耐力Vcdの計算に使用する係数βnの算出を純曲げ耐力Mud(設計標準H16では曲げ耐力Mu)を用いて行ないます。
       βn=1+2M0/Mud(N'd≧0の場合)
         =1+4M0/Mud(N'd<0の場合)

  • 使用限界状態−曲げ軸力照査(曲げひび割れ幅)
    設計標準H16では係数k2〜k4を考慮し以下の式で計算します。
       wd=1.1k1・k2・k3・k4{4c+0.7(cs−φ)}[σse/Es+ε'csd]
 今回対象とした2つの基準のいずれかを選択した場合、せん断耐力の照査方法として以下の2つから選択できるようにしています。
     ・設計せん断耐力Vyd、Vcdによる:従来の照査方法
     ・設計せん断圧縮破壊耐力Vddによる:せん断スパンaを用いた照査


●鉄筋データの入力方法Type2の追加
 主鉄筋データの入力を以下の2つから選択できるようにしました。
    ・Type1:従来の入力方法
    ・Type2:今回追加した入力方法で横方向の配置情報を追加
 入力方法Type2を使用すると、断面のどの位置にも鉄筋、PC鋼材などを配置でき、断面図にはその配置状況がポチ筋で表示されます。設計図面どうりの配置が可能なので、面内方向と面外方向のM-φ曲線を同時に精度良く計算することができます。また、この入力方法は弊社製品「UC-BRIDGE Ver7」の'全鋼材配置データ'と同じになっているので、このデータをコピー&ペーストすることができます。

●M-φ計算用の面外方向オプションの追加
 鉛直軸回り(面外方向)のM-φ曲線用の計算オプションを別途入力できるようにしました。(従来は面外と面内の計算で共通のオプション)

●無筋コンクリートの応力度計算
 従来は鉄筋類がまったく入力されていない、あるいは全鉄筋量が0.0のときはデータチェックにより計算していませんでしたが、今回の版からは計算を行なうようにしました。二軸系の断面タイプでも計算できるので、任意形状のフーチング基礎に2方向のモーメントと鉛直力が作用したときの地盤反力度の計算などにも利用できます。

●PC鋼材の考慮
 従来は限界状態設計法による照査でPC鋼材を考慮できませんでしたが、今回の版から使用できるようになりました。また許容応力度法も含めて、PC鋼材の主方向の配置角度θ(曲げ上げなどに伴う角度)によるsinθ、cosθを考慮してせん断耐力などを計算できるようにしています。

●製品の二重起動
 従来は製品を1つしか起動できませんでしたが、今回の版から複数同時起動が可能です。製品を2つ立ち上げて結果を比較するなど、使い方の幅が広がりました。

●キー操作の改善
 EnterキーやF1、F5、F6キー、ESCキー、PageUp、PageDownキーなどに機能を割り付け、操作性の改善を行ないました。

●おわりに
 今後において機会があれば、異なるコンクリート材料や鉄筋材料を同じ断面に配置して補強設計できる機能や結果の一覧出力機能などを追加したいと考えています。本製品が従来以上に便利なツールとしてご使用いただけることを期待しています。
▲鉄筋配置画面

▲照査結果 ▲鉄筋入力画面

■RC断面計算 Ver.4 リリース日:2009年3月9日

(Up&Coming '09 新緑の号掲載)
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