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 ●xpswmm 総合情報 Vol.7

●浸水対策技術セミナー開催報告  >> 第2回 FORUM8デザインコンファランスレポート
 9月19日に第2回FORUM8デザインコンファランスの水工セッションとして、「浸水対策技術セミナー」が盛況に開催されました。基調講演では、広島大学大学院工学研究科の河原能久教授、芝浦工業大学土木工学科の守田優教授、NPO法人水環境創生クラブの石川高輝様をご招待して、昨今多発する集中豪雨や氾濫解析技術、施策の方向性に関してご参加頂いた水文技術者間での活発な情報・意見交換、技術論の展開がなされました。更に、XP Software副会長Anthony Kuch氏による開発者講演、xpswmmユーザ様による解析事例の紹介等が行われ、最新の水文流出解析技術開発の動向やxpswmmの様々な活用事例が紹介され、今後の気象変化への対応が迫られる浸水対策に対するxpswmmの適用性の広さや更なる適用可能性が広がっていくことが確認されたコンファランスになりました。

●広島大学河原教授講演
 河原教授からは「都市域における氾濫解析の課題と方向性」と題して講演頂きました。この中で、近年の集中豪雨に代表される降雨量およびそのパターンの変化についての統計的データを示し、それによる水関連災害の深刻化・頻発化を啓発されました。特に、都市域における水害について、その事象と被害特徴から、河川のみでの治水対策の限界を指摘し、都市河川の流域全体を見据えた治水対策が不可欠であるとし、従来の河川のみを考慮した氾濫解析でなく、下水道の考慮も加えた総合氾濫解析の必要性を提唱されました。高松市の高潮氾濫に対する解析モデルにおける下水道の有無による解析精度から、氾濫解析に対する下水道の考慮の意義についてご説明されました。

▲広島大学河原教授による基調講演の様子
▲下水道を考慮のした統合氾濫解析システムと下水道非考慮での事例比較

河原教授の講演により、今後の都市型水害対策に対する流出解析の方向性としては、 内水、外水を総括した総合氾濫解析へと転換されてき、下水道と河川を統合的に解析できるxpswmmのような統合氾濫解析モデルの需要が、今後更に高まっていくことが示唆される講演となりました。

●NPO法人水環境創生クラブ石川氏講演
 石川様からは国際都市雨水排除会議ICUDの第11回エジンバラ会議について、XP-Flood:2Dによる「想定を超えた降雨に対する総合的効果的対策アプローチ」の発表報告を含めた報告が行われました。
 11ICUDに対する同氏の総括として、英国における2007年7月の過去60年最大規模の大洪水に対する教訓を機に、気象変動に対する洪水対策が急務となっていることが実感され、今こそが我国の総合浸水対策手法を有効活用するチャンスであるとの提言がなされました。その具体策としては、同大会で取り上げられた多くの課題は、流出解析技術が深く関わっており、世界的な展開へのxpswmmの活用方法として、新たな流出解析として1D/2D解析への適用や、貯留・浸透施設の評価、1D/2D解析による洪水ハザードマップの作成などの活用方法が提言されました。

●芝浦工業大学守田教授講演
 守田優教授からは水害リスクマネジメントについてご講演いただきました。昨今普及しつつある地震リスクマネジメント同様、浸水被害に対しても水害リスクで評価する概念であり、この水害リスクマネジメントに際して氾濫解析モデルが活用される説明がなされました。

●XP Software副会長Anthony Kuch氏開発者講演
 Anthony Kuch氏からはxpswmmにおける最新の洪水解析技術とケーススタディについて講演いただきました。技術紹介としては、GISデータをインポートしてのモデル作成や開水路を例に1D/2D統合解析の優位性、2D解析におけるセル標高の数値処理などについての説明がなされました。ケーススタディとしては、氾濫原に存在するビルに対するモデリングなどについての説明がなされました。最後に来年リリースに向けて現在開発中のxpswmmのバージョンアップ予定として、XP-Flood:2Dでの氾濫原における異なるセルサイズの設定機能が報告されました。

▲XP SoftwareAnthony Kuch氏講演の様子 ▲2Dエンジンのバージョンアップ概念図

●日本水工設計様のxpswmmの適用事例紹介
 仲様からは「実施設計時の諸元変更に対する貯留施設の効果検証」と題して、設計実務におけるxpswmmの活用事例を紹介いただきました。上水道やガス管等の地下埋設物により移設困難な現場条件下での既存の下水道幹線の流下能力不足のライニングによる内面補修対策に際して、xpswmmにてライニングに伴う管内流速を上昇をシミュレートした事例でした。

●日本工営様のxpswmmの適用事例紹介
 菊池様からは「xpswmmによる管渠内に設置したフラッシングゲートの解析」と題して、水理構造物の設置に関する研究テーマとしてxpswmmの活用事例を紹介いただきました。流速低下に起因する下水道管内における堆積物に対する維持管理対策として、フラッシングゲートを設けた場合の対策効果シミュレーションとしてxpswmmを活用した事例です。xpswmm用いて、ゲートの有無、有(単独と複数)の3ケースでの管内水理挙動を把握し、ゲート複数設置効果について、掃流力の確保の観点から評価されていました。

xpswmm体験セミナー  詳細

 ●日時 12月 5日(金) 13:30 〜 16:30   ●参加費 \15,750
 ●本会場 フォーラムエイト東京本社 GTタワーセミナールーム  TV会議システムにて 東京・大阪・名古屋・福岡にて同時開催

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(Up&Coming '08 晩秋の号掲載)
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