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新製品紹介

圧密沈下の計算 Ver.5 各種対策工法をサポートした圧密沈下計算プログラム

 「圧密沈下の計算Ver.5」は、各種設計指針に準じた圧縮変形計算〜Terzaghiの圧密理論に基づく自然圧密時間の計算、せん断変形(即時沈下・側方変位)の計算、各種対策工法をサポートした総合的圧密解析システムです。圧密解析は「道路土工 軟弱地盤対策工指針」や「設計要領第一集」、「鉄道基準」、「港湾基準」等に、せん断変形は「柔構造樋門設計」に準じ、対策工法としては、圧密促進工法、予圧密工法、緩速載荷工法、地下水位低下工法による検討が行えます。

 今回の改訂では、
(1)圧密促進工法におけるドレーンの透水性が及ぼすウェルレジスタンスまたはマットレジスタンスの影響の考慮、(2)De Beer法による砂層の即時沈下計算への対応、(3)「泥炭性軟弱地盤対策工マニュアル」への対応、(4)土工指針等に規定される自然含水比をパラメータとした標準圧密曲線の内蔵、(5)硬岩や軟岩等の圧縮変形を生じない層に対する設定として、非圧縮層の導入を行っています。更に、土質データ入力インターフェースを改善し、操作性の向上を図っております。
 2006年12月にバージョンアップしました「圧密沈下の計算Ver.5」の改訂内容につきまして以下に紹介いたします。



● ドレーンの透水性が及ぼすウェルレジスタンスの影響の考慮

 一般にバーチカルドレーン打設粘土層の圧密予測は実務的にはバロンの解法を利用することが多く、「圧密沈下の計算Ver.4」まではこの手法に対応しています。しかしながら、バロンの解法の予測精度は、特に挟在砂層を含む粘土層に対して良いものではないことが指摘されおり、実設計においては、ドレーンの透水性が圧密過程に及ぼす影響を検討しておくことは肝要であると言えます。

 本改訂では、圧密促進工法においてドレーンや地盤の透水性を考慮した「吉国の式」に対応しました。これにより、ドレーンのウェルレジスタンス或いはサンドマットのマットレジスタンスの影響を考慮した圧密過程解析が可能となりました。マットレジスタンスの影響については、ウェルレジスタンスとの相似関係から解法します。




● De Beer(ドビア)法による砂層の即時沈下計算対応

 一般に砂地盤の沈下はごくわずかであり、また、時間的にも載荷と同時に終了すると考えられるので、粘土層の間に挟まれた薄層のような場合は沈下を無視してよいことが多いと言われています。しかしながら、緩い砂層が厚く堆積している場合には沈下量が無視できないことが指摘されています。

 「圧密沈下の計算Ver.4」までは、砂層の即時沈下計算に対しB.K.Hough図表によるΔe法の計算のみの対応でしたが、本改訂では、「[改訂版]宅地防災マニュアルの解説,平成10年5月,監修 建設省建設経済局民間宅地指導室,編集 宅地防災研究会」に規定されるDe Beer(ドビヤ)の経験式による沈下量推定機能を追加しました。これにより、砂地盤に対して標準貫入試験N値やオランダ式二重管コーン貫入抵抗の試験値を導入した砂質をより反映させた沈下計算ができます。


● 「泥炭性軟弱地盤対策工マニュアル」対応

 主に北海道に広く分布する泥炭地盤は、固体部分に相当する繊維質部分の圧縮変形、圧密過程における透水係数の変化が無視できないなど、Terzaghiの圧密理論の仮定を満足し得ないこと、また、泥炭層では二次圧密がかなりの量を占めるため、二次圧密沈下量は無視できないことが報告されています。
 本改訂は、これまで対応していた泥炭地盤計算理論「泥炭地盤工学」の手法に加え、泥炭層に対する設計指針である「泥炭性軟弱地盤対策工マニュアル,平成14年3月,独立行政法人 北海道開発土木研究所」に規定される泥炭性軟弱地盤における圧密沈下(一次圧密〜二次圧密)に準じた圧密沈下解析に対応しました。(なお、独立行政法人 北海道開発土木研究所は、本年(2006年)4月に財団法人 土木研究所と統合され、組織名は「寒地土木研究所」に変更されています。)


●自然含水比をパラメータとした標準圧密曲線の内蔵

 圧密沈下の計算に際して、e-logP曲線が試験で得られていない場合には、「道路土工 軟弱地盤対策工指針」や「設計要領 第一集 土工編」、「宅地防災マニュアルの解説[解説編U]」等の各種設計指針では、地盤の含水比の範囲により区分される標準曲線を用いることが規定されています。
 本改訂では、これら設計指針にある「渡辺崇博:有機軟弱地盤上の道路盛土の施工,土と基礎,No.691,p.33,1973」の記載を加筆・修正することにより作成された自然含水比をパラメータとした標準曲線をプログラム内蔵とし、圧密試験結果がない場合においても、標準曲線を自動セットする機能を追加しました。

圧密沈下の計算 Ver.5  リリース日:2006年12月末


(Up&Coming '07 新春特別号掲載)
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