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新連載 Vol.1
 
吉川 弘道 東京都市大学 名誉教授
早稲田大学理工学部卒業、工学博士、コロラド大学客員教授(1992-3年)。専門は耐震工学、地震リスク、鉄筋コンクリート。土木学会論文賞、土木学会吉田賞他受賞。著書に『都市の地震防災』(フォーラムエイトパブリッシング)他多数。現在、インフラツーリズム推進会議議長を務めるほか、「魅せる土木」を提唱。‘土木ウォッチング’、‘Discover Doboku’を主宰。土木広報大賞2019(土木学会)準優秀部門賞(イベント部門)受賞。

私たちの生活と産業を支える土木施設(Infrastructure)には、それぞれの建造目的があり、公共財としてのミッションがあるが、一方では、単純にそのフォルムや構造美が話題になることが少なくない。これは、一品生産として大地に根を張る土木施設の重要な一面である。土木の金字塔として称えられ土木施設は、次世代に受け継がれ、やがて、‘生きた土木のレガシー’として、100年200年のスケールにて語り継がれることになる。
例えば、古今東西、数多(あまた)ある映画を名場面集にて回想するように、土木施設(社会インフラ)の姿形・フォルムを、最も輝く形としてお伝えしたい。ダム、橋、トンネル、空港など全国各地にて供用されている土木施設から、‘選りすぐりの名場面’を編集し、土木の世界へ誘うものである。
土木が好きになる27の物語を始めます。

Episode1
世界最大級のシールドカッターフェイスを見に行こう
― 東京湾アクアライン探訪記 ―
■施設データ:東京湾アクアライン
・事業者:東京湾横断道路
・所在地:神奈川県川崎市/千葉県木更津市
・総延長15.1kmの自動車専用道(有料道路)
・供用開始:1997年(平成9年)
1 海ほたる遠望。
川崎側はトンネル、木更津側は橋梁となっている。

アクアトンネル(海底トンネル)、風の塔(換気施設)、海ほたる(木更津人工島)、アクアブリッジ(海上橋梁)で構成される延長15.1kmの東京湾アクアラインは、我が国の海洋土木史に一つの金字塔を打ちたてた。この巨大プロジェクトには、最先端の技術とノウハウが集結され、「土木のアポロ計画」とも呼ばれた。

開通後20年以上経過した現在では、首都圏の重要な交通インフラとして定着している。晴れた日の東京湾眺望はドライブの楽しみでもあり、四季折々の行楽の工程として組込みたい。

さて、中間地点にある海ほたるが一番馴染み深いが、これを上空から俯瞰するとこんな感じに見える[写真1]。川崎側先端が海上に途切れているのだ。海ほたる[写真2]は、トンネル部(川崎側)と橋梁部(千葉県木更津側)を繋ぐ巨大な連結器として建設された盛土式人工島であることから、理解できよう。

海ほたるに来訪した際は、実物大の‘カッターフェイス’を是非とも訪問してもらいたい。この巨大モニュメント[写真3]は、トンネル掘削に使用された世界最大級のシールドマシン(直径14.14m)の前面にあるカッターフェイスを、芸術家澄川喜一氏が制作したものである。なるほど、澄川氏の公式サイトでは、「環境造形」と位置付けている(モニュメントの撮影が終わったら、下の方にある制作者のサインを見つけよう)。

老翁が如く鎮座するカッターフェイスは、かつて掘削した海底トンネルを振り返り、今は地上にて、我が子アクアラインを静かに見守っている。

2 海ほたる全景。巨大な盛土式人工島である。 3 澄川氏制作による、環境造形カッター
フェイス(海ほたる)【撮影:林直樹氏】

【参照】 澄川喜一氏公式サイト http://www.sumikawa-art.com/works/kankyouzoukei.html
      海ほたる公式サイト https://www.umihotaru.com/ait_tanken/about_aqua.html


Episode2
明石海峡大橋ブリッジワールド体験記
― 世界最大の吊り橋に登ろう ―
■構造物データ:明石海峡大橋(神戸淡路鳴門自動車道)
・管理者:本州四国連絡橋高速道路
・所在地:兵庫県神戸市垂水区東舞子町と淡路市岩屋を結ぶ海峡大橋
・構造形式:3径間2ヒンジ補剛トラス吊り橋
・供用開始:1998年(平成10年)

Q: この画像[写真1]には、10数人が歩行しているが、ここはどこ?

A: 世界最長を誇る吊り橋の桁(正式には補剛桁)の内部。明石海峡大橋ブリッジワールドの体験ツアーのワンシーン。

海面上50mの補剛桁の中を1kmほど歩くと、神戸側主塔に到着する。そして、内部エレベータを約2分かけて終着階に行きつき、オープンエアーの塔頂に出る。いよいよ地上を見下ろし、絶景の大パノラマを堪能することになる[写真2]。誰もが人生初の海面上約300mを体験することができるが、既に“怖い“を通り越して何か高揚感に包まれる。改めて、先人が成し遂げた世界一の長大橋梁の建設技術にリスペクトの念を抱く。

さて、世界一の吊り橋の構造はどうなっているのだろうか。全体構造を理解するには、写真3が分かりやすい。対称形なので、吊り橋のセンターを起点として、左右両側に主塔とアンカレイジを確認して、これらを繋ぐメインケーブルおよびメインケーブルから垂直に下がる無数のハンガーケーブル、そしてハンガーケーブルにて吊り下げられている補剛桁を目視されたい。

1 補剛桁の内部を歩く見学者一行。徒歩にて、主塔エレベーターに向かう。

最後のクエスチョン…
Q: 明石海峡大橋は世界一であるが、何が世界一か?

A: 中央支間(Center Span)が、1991mで世界一(2km弱の間、何も支えるものがないのだ!)。

因みに、全長(橋長)は3911mであるが、これは、側径間960m+中央支間1991m+側径間960m=3911m、のように覚えるとよいのでは。
さあ、明石海峡大橋の主塔に登り、世界一を体験しよう!

2 主塔の塔頂から見下ろす大パノラマ。
既に、“怖い!”を通り越している。
3 明石海峡大橋の全景。
2つの主塔と補剛桁、メインケーブルとハンガーケーブルを確認されたい。

【参照】 JB本四高速公式サイト https://www.jb-honshi.co.jp/bridgeworld/tour.html

吉川 弘道 氏 関連サイト
Discover Doboku 日本の土木再発見 https://www.facebook.com/DiscoverDoboku
土木ウォッチング -インフラ大図鑑- https://www.doboku-watching.com/


フォーラムエイトはfacebook、Twitter、Instagram等の各種SNSで最新の情報をお届けしています。この度、吉川弘道氏執筆による『土木が好きになる27の物語』の連載がFacebookページでスタートいたしました。ここではfacobookで公開されたエピソードを順次ご紹介していきます。

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