5−1 設計一般 |
5−1−1 適用範囲 |
大口径深礎(杭径5m以上の深礎基礎)を対象に、
・弾性解析時に用いる水平方向地盤反力係数に及ぼす地盤のひずみレベル依存性の補正
・基礎底面バネの連成バネの適用、基礎周面バネの連成バネの適用
・大口径深礎の土留めの設計
などについて検討を加え、基礎径に関わらず深礎基礎全般に適用できるよう改訂した。
なお、10゚未満の斜面上での深礎の極限水平支持力を検討し、受働土圧より算出される地盤反力の上限値を導入することによって、水平地盤に設けられる深礎基礎にも適用してよいこととした。
【プログラム対応】
・弾性解析時にαkδの補正係数を考慮。
・基礎底面バネの連成バネを考慮、基礎周面バネの連成バネを考慮。
・大口径深礎の土留めの設計は、本プログラムの適用外。
・受働土圧より算出される地盤反力の上限値を考慮。 |
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5−1−2 設計の基本 |
これまで、杭径5m未満の深礎基礎本体に用いるコンクリートの許容応力度σcaは道示の値の90%としていた。今回これに加えて、保耐法でのM−φ関係を評価する際のコンクリートの設計基準強度σck、せん断耐力を評価する際のτcも同様に90%の値とすることとした。
ただし、杭径5m以上の大口径深礎は本体コンクリート打設時に十分な締固めができると判断し、σca、σck、τcを低減せず用いるものとした。
【プログラム対応】
・杭径5m未満については、σca、σck、τcを90%低減、杭径5m以上については低減せず用いる。ただし、σckについては低減しない選択が可。 |
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5−1−4 荷重分担 |
表4−5−1 杭体と地盤抵抗のモデル化について次のようにした。
・杭底面−鉛直方向地盤抵抗:大口径深礎については、鉛直と回転の連成効果(=連成バネ)を考慮することとした。
・杭前背面−鉛直方向せん断地盤抵抗:大口径深礎については、鉛直方向せん断地盤抵抗の杭軸線からの離れによる回転成分を考慮し、鉛直と回転の連成効果(=連成バネ)を考慮することとした。
【プログラム対応】
・杭底面バネについて連成バネを考慮する/考慮しないを選択可。
・杭前背面バネについて連成バネを考慮。(ただし、入力で、杭周面摩擦=考慮する(XYθ)とした場合に限る。) |
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5−2 地盤反力係数 |
5−2−1 地盤反力係数 |
水平方向地盤反力係数について、弾性解析時にαkδの補正係数を考慮することとした。
・杭径5m未満 αkδ=1.0
・杭径5m以上 αkδ=√(D/5) ただし、Dは杭径(m)。
【プログラム対応】
対応した。 |
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5−2−3 隣接杭の影響 |
大口径深礎でも、上下線の基礎が隣接して建設される場合は、隣接基礎の影響を考慮した低減係数を水平方向地盤反力係数に考慮することとした。
【プログラム対応】
・隣接基礎の影響は、以前より、入力で対応可能。 |
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5−3 地盤の鉛直支持力度 |
5−3−1 許容鉛直支持力度および鉛直支持力度の上限値 |
震度法の場合、杭底面の許容鉛直支持力度は、コンクリートの許容軸圧縮応力度σca以下とすることとした。
保耐法の場合、杭底面の許容鉛直支持力度の上限値は、コンクリートの設計基準強度σckを上限とすることとした。
ただし、杭径が5m未満の深礎基礎ではσca、σckとも90%とし、杭径が5m以上の大口径深礎ではσca、σckを低減せず用いる。
【プログラム対応】
・杭径5m未満については、σca、σckを90%低減、杭径5m以上については低減せず用いる。 |
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5−4 地盤の水平支持力 |
5−4−2 極限水平支持力 |
斜面の傾斜角度が10度程度以下の水平地盤における大口径深礎の場合、すべり土塊から求まる極限水平支持力Rqは、水平地盤における受働土圧より算出される地盤反力の上限値Rqpを上回らないものとした。
極限水平支持力を計算する際の杭前面幅は、これまで杭周面摩擦を考慮する場合0.8D、考慮しない場合1.0Dとして取り扱ったが、既往の載荷試験に対する解析を行った結果、杭径Dを基準として極限水平支持力を算出しても、安全側となることが確認された。したがって、杭周面摩擦の考慮の有無によらず、常に杭径Dを基準として極限水平支持力を算定することとした。
大口径深礎でも、上下線の基礎が隣接して建設される場合は、隣接基礎の影響を考慮したすべり土塊を考慮することとした。
【プログラム対応】
・受働土圧より算出される地盤反力の上限値を考慮する/考慮しないを選択可。
・杭前面幅を0.8Dとする/1.0Dとするを選択可。
・隣接基礎の影響は、以前より、入力で対応可能。 |
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5−4−3 塑性化領域の抵抗力 |
斜面の傾斜角度が10度程度以下の水平地盤における大口径深礎の場合、すべり土塊から求まる塑性化領域の抵抗力Rouは、水平地盤における受働土圧より算出される地盤反力の上限値Rqpを上回らないものとした。
【プログラム対応】
・極限水平支持力Rqの取り扱いに応じて自動的に考慮。 |
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5−7 常時、暴風時および地震時(震度法)の設計 |
5−7−2 地盤反力、断面力および変位の計算 |
大口径深礎については、底面バネと周面摩擦バネの取り扱いを次のようにした。
・杭底面バネに関しては、鉛直と回転の連成効果(=連成バネ)を考慮することとした。
・杭前背面の鉛直方向せん断地盤抵抗については、杭軸線からの離れによる回転成分を考慮し、鉛直と回転の連成効果(=連成バネ)を考慮することとした。
【プログラム対応】
・杭底面バネについて連成バネを考慮する/考慮しないを選択可。
・杭前背面バネについて連成バネを考慮。(ただし、入力で、杭周面摩擦=考慮する(XYθ)とした場合に限る。) |
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5−8 地震時保有水平耐力法による設計 |
5−8−3 基礎の降伏 |
杭底面の極限支持力に達した状態とは、底面の浮き上がりによる底面地盤反力度作用幅の減少および地盤反力度の上限値を考慮し、地盤反力度分布がすべて矩形分布に達する状態とする。
【プログラム対応】
・以前より、対応済み。 |
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5−8−6 部材の照査 |
深礎基礎のせん断力は、杭頭だけでなく地中部にも大きなせん断力が生じる場合があり、このような地中部のせん断力に対しても十分なせん断耐力を有するように設計するものとした。
深礎基礎のせん断耐力は、照査位置での軸力に応じ、せん断耐力の割り増しを行ってよいとした。
【プログラム対応】
・地中部のせん断力Smaxに対して照査可能とした。入力スイッチにより選択可。
・せん断力照査位置での軸力を考慮可能とした。入力スイッチにより選択可。 |
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