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Q&Aパイプラインの計算 Q&A ('24.10.04)

NEW! 更新内容

Q1−40.「基準値」画面に追加した管種を他のデータでも使用する場合はどのように操作したらよいか。('24.10.04)

目  次
 1.適用範囲、入力

Q1−1.対応管種は?

Q1−2.横断方向の検討において、計算可能な布設状態は?

Q1−3.基本条件で選択可能な管種以外で検討を行う事ができるか。

Q1−4.耐震計算において、速度応答スペクトルSvを変更する事はできるか。

Q1−5.液状化の判定は可能か。

Q1−6.横断方向の設計で、施工時の検討は可能か

Q1−7. 管の材質を変更したが、管データが初期化されない。

Q1−8.横断方向(常時)の検討における設計水圧を変更するにはどうすればよいか

Q1−9.土かぶりを複数の条件で一度に計算することが可能か

Q1−10.浮き上がりの計算は可能か

Q1−11.不とう性管の耐震計算は可能か

Q1−12.とう性管の設計支持角として、0°や30°は選択できないのか

Q1−13.自動車荷重として2軸以上の輪荷重を考慮することができるか

Q1−14.基準値にはコンクリート管の諸元があるが、コンクリート管の耐震計算を行うことはできないのか

Q1−15.360°全巻きコンクリートの照査は可能か

Q1−16.表層地盤の特性値を変更することができるか

Q1−17.耐震計算の中で不同沈下による伸縮量の照査があるが、この沈下量はどのように設定するのか?

Q1−18.浮き上がりの検討を行うとき、地下水位の指定はどこで行うのか。

Q2−19.液状化の判定を行う設定にして土質データを入力しましたが、液状化の判定結果が全て「−」で表示される。

Q1−20.基準値画面にあるダクタイル鋳鉄管の諸元の出典は何か。

Q1−21.耐震計算の管種を一体構造のポリエチレン管にしたときに、「設計条件」画面で内圧や温度変化量の入力がないのはなぜか。

Q1−22.不同沈下の影響を考慮する場合、軟弱地盤区間を60m,不同沈下量を0.2mとするのが一般的なのか

Q1−23.耐震計算において、基盤層を直接指定することはできるか。

Q1−24.比較表の縦軸:呼び径と横軸:土被り厚を入れ替えることはできるか。

Q1−25.ボーリングデータを読み込みたい。

Q1−26.計算結果確認をExcelなどに取り込むことが可能か。

Q1−27.埋戻し土を入力することができるか。

Q1−28.埋戻し土の入力は、必ず管底位置まで入力する必要があるか

Q1−29.「地盤」画面の基盤層データは入力が必要か。

Q1−30.対応基準は?

Q1−31.令和3年度基準で耐震設計の照査を行うとき、入力画面の「液状化の判定を行う」にチェックを入れると、「考え方」画面に固有周期TGの入力が2ヶ所になるのはなぜか。

Q1−32.農業用水用ダクタイル鋳鉄管の照査を行いたい。

Q1−33.耐震設計の照査において、R3基準選択時は「考え方」画面の速度応答スペクトル「簡便法により軸応力を算出する」にチェックが固定されるのは何故か。

Q1−34.管の寸法入力は最小寸法でなくてもよいか。

Q1−35.ダクタイル管や鋼管を入力する際の「計算管厚」とはどういうものか。

Q1−36.指定できる活荷重(地表面荷重)の種類は?

Q1−37.土かぶりの範囲指定で、任意の点を追加して照査を行うことはできるか。

Q1−38.基本条件画面で、ヤング係数(短期)を変更すると長期の値が自動で更新される。

Q1−39.重畳係数にはどのような値を入れればよいか。

Q1−40.「基準値」画面に追加した管種を他のデータでも使用する場合はどのように操作したらよいか。
 2.計算

Q2−1.不とう性管の横断面方向の照査(常時の検討)では、自重による影響を考慮しなくてよいのか

Q2−2.任意荷重の設定が可能か

Q2−3.常時の計算における土圧の算出方法は選択できないのか

Q2−4.水平土圧の算出方法(スパングラー公式、ランキン公式)の選択は可能か?

Q2−5.常時の検討で、必要最小管厚の算定が可能か

Q2−6.地層データの入力で基盤層(N>50)のデータを入力したが、基盤層も表層として計算されている

Q2−7.耐震設計の場合、基本条件で基盤面における設計水平震度の標準値(K'h10)の入力があるが、レベル1、レベル2で区別されていないのはなぜか

Q2−8.耐震設計でポリエチレン管のとき、温度変化によるひずみは計算されないのか

Q2−9.耐震設計で、常時荷重として温度変化や不同沈下を考慮するのはどういう場合か

Q2−10.液状化の判定を行って液状化層がある場合には、管の計算で土質定数が低減された計算結果となりますか

Q2−11.横断方向(常時)の設計の、内圧の検討における設計水圧はどのように算出されるのか

Q2−12.横断方向(常時)の検討で、算出された許容水圧がマイナス値になるが入力に不備があるのか

Q2−13.横断方向(常時)の検討で、土かぶりを大きくしても土圧が変わらないのはなぜか

Q2−14.地盤の剛性係数に対する係数C1,C2は、初期値(C1=1.5,C2=3.0)のままでも問題ないか

Q2−15.耐震設計でポリエチレン管のとき、内圧による軸方向ひずみは、ν・(P_i ・(D-t))/(2・t・E)の式で計算されないのか

Q2−16.とう性管の常時検討(管厚算定)において、たわみ率の結果が表示されない

Q2−17.「埋設条件」画面にある、締固めの程度の選択は、どの計算に影響があるのか

Q2−18.耐震設計のときに「設計条件」画面「内圧」を0とした場合、内水を考慮しない検討をしているということか

Q2−19.液状化の判定を行う設定にして土質データを入力しましたが、液状化の判定結果が全て「−」で表示される

Q2−20.液状化の判定をレベル1地震時のみ行うことは可能か。

Q2−21.強化プラスチック複合管の耐震計算において、温度変化量が初期状態で20℃と設定されているが、これは基準類に明記されているものか。

Q2−22.埋戻し土を入力したが、計算に反映されない

Q2−23.地盤のせん断弾性波速度は、10-3のレベルのひずみで計算しているのか。

Q2−24.令和3年度基準では地盤の固有周期TGが耐震設計と液状化の判定で異なるのは何故か。

Q2−25.管の断面二次モーメントの計算過程を知りたい。




 1.適用範囲、入力

Q1−1.

対応管種は?
A1−1. ・不とう性管
 遠心力鉄筋コンクリート管(RC管)
 コア式プレストレストコンクリート管(PC管)
・とう性管
 ダクタイル鋳鉄管
 鋼管
 塩化ビニル管
 ポリエチレン管
 強化プラスチック管
 ガラス繊維強化ポリエチレン管(R3年度選択時)

耐震設計では、以下の管種に対応しています。
・継手構造
 ダクタイル鋳鉄管
 強化プラスチック管
 塩化ビニル管 ゴム輪接合
 ポリエチレン管 (継手伸縮量,屈曲角の照査のみ)
 ガラス繊維強化ポリエチレン管(継手伸縮量,屈曲角の照査のみ)(R3年度選択時)
・一体構造
 鋼管
 塩化ビニル管 接着接合 (レベル1地震時のみ)
 ポリエチレン管
 ガラス繊維強化ポリエチレン管(R3年度選択時)
    

Q1−2.

横断方向の検討において、計算可能な布設状態は?
A1−2. 本プログラムでは、溝型、突出形、逆突出形、矢板施工から布設状態を選択して計算する事ができます。

    

Q1−3.

基本条件で選択可能な管種以外で検討を行う事ができるか。
A1−3. 基準値画面では任意に管種を追加することが可能です。また、管種毎に呼び径毎のデータを任意に追加可能です。
追加した管種や呼び径のデータは、基本条件画面で選択する事ができます。
或いは、基本条件画面で諸元のデータを直接入力する事でも検討が可能です。
    

Q1−4.

耐震計算において、速度応答スペクトルSvを変更する事はできるか。
A1−4. 「考え方」画面において、速度応答スペクトルをグラフから読み取るか直接指定するかを選択する事ができます。
    

Q1−5.

液状化の判定は可能か
A1−5. Ver.4においては、設計対象が耐震設計の場合に平成14年道路橋示方書X(設計対象画面でH21基準選択時)、土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計 パイプライン(令和3年6月)(設計対象画面でR3基準選択時)に記載のレベル1地震時,レベル2地震時についての液状化の判定および低減係数DEの算出を行うことができます。
    

Q1−6.

横断方向の設計で、施工時の検討は可能か
A1−6. 「荷重・係数」画面で施工時荷重の有無を指定する事ができ、施工時荷重が指定された場合には常時に加えて施工時の検討も行います。
 

Q1−7.

管の材質を変更したが、管データが初期化されない。
A1−7. 基本条件画面の管データが初期化されるのは、管種、呼び径をコンボボックスから選択するか、「基準値から選択する」ダイアログボックスで選択したときです。
管の材質を変更した場合は、管種、呼び径を設定してください。
 

Q1−8.

横断方向(常時)の検討における設計水圧を変更するにはどうすればよいか
A1−8. 「荷重・係数」画面の「荷重」タブ内に、水圧条件の項目として静水圧と水撃圧の指定があります。設計水圧は静水圧+水撃圧となりますので、ここの値を変更してください。
 

Q1−9.

土かぶりを複数の条件で一度に計算することが可能か
A1−9. 基本条件画面で土かぶりの入力条件を「範囲指定」にすると、土かぶりの範囲とピッチを指定することができ、複数の土かぶりの条件の計算を一度に行うことが可能です。
 

Q1−10.

浮き上がりの計算は可能か
A1−10. 横断方向(常時)の検討においては、「農林水産省農村振興局, 土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計「パイプライン」」の内容に基づいた浮き上がりの検討が可能です。
「基本条件」画面で、「浮き上がりの検討を行う」にチェックを入れてください。
 

Q1−11.

不とう性管の耐震計算は可能か
A1−11. ・農林水産省農村振興局,土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計 パイプライン
・農業土木学会, 土地改良基準施設 耐震設計の手引き
において、不とう性管の耐震計算は照査内容が明確になっていないため対応しておりません。
なお、管種の選択はとう性管からしか行えませんが、照査内容がとう性管が同じという事であれば「基本条件」画面で管の名称や諸元を変更することで対応可能です。
 

Q1−12.

とう性管の設計支持角として、0°や30°は選択できないのか
A1−12. 「農林水産省農村振興局,土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計 パイプライン」(H21,P.295 R3,P.308)に記載のとう性管の横断面に生じる最大曲げモーメントの算出式は、自由支承の場合は60°〜、固定支承の場合は180°のみの記載になっており、プログラムで選択できる設計支持角もこれに準じています。
 

Q1−13.

自動車荷重として2軸以上の輪荷重を考慮することができるか
A1−13. 自動車を考慮することはできますが、2軸以上の指定はできません。
自動車荷重は、輪荷重Pが接地幅0.2mで自動車の進行方向に45°で分布するものとし、直角方向には車両占有幅の範囲に分布するものとして計算します。
入力画面において、輪荷重P、接地幅、分布角、車両占有幅の変更は可能です。
 

Q1−14.

基準値にはコンクリート管の諸元があるが、コンクリート管の耐震計算を行うことはできないのか
A1−14. 常時の計算ではコンクリート管はが選択できますが、基準書ではコンクリート管の耐震計算についての記載はありませんのでプログラムでは対象外としています。
計算方法がその他の材質の場合と同じであれば、計算に使用するパラメータや管の名称は変更可能ですので、コンクリート管の計算も可能です。
 

Q1−15.

360°全巻きコンクリートの照査は可能か
A1−15. 横断方向(常時)の検討の場合、基礎形式を固定支承として設計支持角を360°とすることが可能です。このときは、全巻きコンクリートで外圧を負担するものとし、管の設計水圧が許容水圧以下となる事で判定を行います。
 

Q1−16.

表層地盤の特性値を変更することができるか
A1−16. 「考え方」画面で、地盤の特性値(固有周期)TGを自動算出とするか直接指定とするかの選択が可能です。
 

Q1−17.

耐震計算の中で不同沈下による伸縮量の照査があるが、この沈下量はどのように設定するのか?
A1−17. 継手構造の場合、不同沈下による継手伸縮量を算出する際に不同沈下量を用いますが、これは、ヘルプ「計算理論及び照査の方法−応答変位法による埋設管路の耐震性の照査−継手の変位による耐震設計−常時荷重による継手の伸縮量」に記載の図のように、軟弱地盤区間においてパイプラインが三角形に沈下するものと想定して伸縮量を算出します。

この算出方法に関しては、パイプラインのほか、水道や下水道の基準書においても同様の計算を行っており、各基準書においては軟弱地盤区間60mに対して沈下量が0.2mとなっていますが、この沈下量の根拠や具体的な算出方法については明確にされていません。

しかしながら、「(社)日本道路協会 カルバート工指針 H22.3」の「パイプカルバートの設計」の項においては、「地震時の基礎地盤の安定や変形がカルバートに影響すると想定される場合には、『道路土工−軟弱地盤対策工指針』により、これらの影響について検討を行うものとする。」、「地盤の圧密沈下等による不同沈下によりカルバートに悪影響を与える恐れがある場合には、その影響を考慮するものとする。」等の記載があり、この記述によれば「圧密沈下の計算」により算出された不同沈下量を適用すれば問題ないものと思われます。
 

Q1−18.

浮き上がりの検討を行うとき、地下水位の指定はどこで行うのか
A1−18. 浮き上がりの検討は、地下水位が高く管路が浮上する恐れのあるところで、管体空虚時に管路が浮上しない深さとなるような最小土かぶりHを算出し、入力された土かぶりhと比較することで照査を行います。設計「パイプライン」(*)のP.277では、地表面まで地下水で飽和されているとした場合の計算を行うので、地下水位の入力は不要です。

*農林水産省農村振興局,土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計「パイプライン」 令和3年 6月
 

Q1−19.

複数の管種を同時に計算することができるか
A1−19. 「パイプラインの計算 Ver.3」および「UC-1 Engineer's Suite パイプラインの計算 Ver.2」において、複数管種の同時計算に対応しました。
「計算条件」画面で「複数指定」または「管種指定」を選択してください。横断方向の検討(常時)および耐震設計のどちらの場合でも可能です。
 

Q1−20.

基準値画面にあるダクタイル鋳鉄管の諸元の出典は何か。
A1−20. ダクタイル鋳鉄管については、日本ダクタイル鉄管協会の資料等を基にしております。
同協会HPより、各種資料がダウンロード可能です。
https://www.jdpa.gr.jp/
 

Q1−21.

耐震計算の管種を一体構造のポリエチレン管にしたときに、「設計条件」画面で内圧や温度変化量の入力がないのはなぜか
A1−21. ポリエチレン管の場合、「水道排水用ポリエチレン管・継手に関する調査報告書」(P.53)を参考に、
 ・内圧による軸方向ひずみ=0.015%
 ・温度変化による軸方向ひずみ=0.011%

として計算を行います。そのため、内圧や温度変化量の入力は不要です。
上記のひずみ率は、「基本条件」画面で変更可能としています。
ただし、土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計 パイプライン(令和3年6月)にて照査方法が明記されましたので、「設計対象」画面で基準年度に令和3年6月を選択した場合は、他の管材と同様に内圧、温度変化量の入力があります。
 

Q1−22.

不同沈下の影響を考慮する場合、軟弱地盤区間を60m,不同沈下量を0.2mとするのが一般的なのか
A1−22. 「土地改良基準施設 耐震設計の手引き」および「日本下水道協会 下水道施設耐震計算例」の計算例をもとに、プログラムの初期値をそのようにしています。
実際の設計においては、設計者のご判断で適切に設定してください。
 

Q1−23.

耐震計算において、基盤層を直接指定することはできるか。
A1−23. 「地盤」画面の「基盤層データ」において「直接指定」を選択すると、基盤層データを直接指定することが可能です。
地層データの最下層を基盤層とすること、基盤層Noを指定することも可能です。
 

Q1−24.

比較表の縦軸:呼び径と横軸:土被り厚を入れ替えることはできるか。
A1−24. メイン画面の「オプション」−「表示項目の設定」から「比較表の表示」を変更することで結果確認画面および比較表の計算書の表示を
・縦方向:呼び径 横方向:土被り
・縦方向:土被り 横方向:呼び径
から選択することが可能です。
 

Q1−25.

ボーリングデータを読み込みたい。
A1−25. 本製品の耐震設計時においては、「地質・土質調査成果電子納品要領(国土交通省)」の「第2編 ボーリング柱状図編」で規定された『ボーリング交換用データ(XMLファイル)』をインポートすることが可能です。(Ver.3.1.0以降)
「地盤」画面の[ボーリング交換用データインポート]ボタンより、ボーリング交換用データ(XMLファイル)を指定してください。
データをインポートすると、層ごとの深度、堆積時代、土質、平均N値が設定されます。
 

Q1−26.

計算結果確認をExcelなどに取り込むことが可能か。
A1−26. Excel等に取り込むには、以下の方法にて行うことができます。
・コピー&ペースト
結果確認画面において、全選択(マウス右クリックメニューからすべて選択又は、CTRL+A)後、コピー(マウス右クリックメニューからコピー又は、CTRL+C))を行いExcelにおいてCTRL+V等で貼り付けを実行してください。

・ファイルに保存
画面下の印刷ボタンの横の▼を押すと「保存」に切り替えることができますのでその状態でHTML形式でファイルに保存後、Excel等で読み込んでください。
 

Q1−27.

埋戻し土を入力することができるか。
A1−27. 本製品の耐震設計においては、埋戻し土の入力が可能です。「基本条件」画面で「埋め戻し土を入力する」にチェックを入れると、「地盤」データ画面で埋戻し土が入力可能となります。
埋戻し土の入力を行う場合でも、原地盤の地層データは必ず入力してください。
 

Q1−28.

埋戻し土の入力は、必ず管底位置まで入力する必要があるか
A1−28. 埋戻し土を入力する場合、必ずしも管底位置まで入力する必要はありません。
 

Q1−29.

「地盤」画面の基盤層データは入力が必要か。
A1−29. 耐震設計では、管軸方向の地盤ひずみや地盤変位の伝達係数を算出する際の地震動の波長を求めるため、せん断弾性波速度VBSが必要となります。VBSを算出するための土質および平均N値は直接指定のほか、入力した地層データの最下層(または指定した層)を参照してVBSを算出することも可能です。
 

Q1−30.

対応基準は?
A1−30. 下記の参考文献に準じた常時設計,耐震設計を行い安全性を照査します。
  • 農林水産省農村振興局,土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計「パイプライン」 令和3年 6月
  • 農林水産省農村振興局,(社)農業農村工学会、 土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計「パイプライン」 平成21年 3月
  • 農林水産省農村振興局,(社)農業土木学会、土地改良基準施設 耐震設計の手引き  平成16年 3月
 

Q1−31.

令和3年度基準で耐震設計の照査を行うとき、入力画面の「液状化の判定を行う」にチェックを入れると、「考え方」画面に固有周期TGの入力が2ヶ所になるのはなぜか。
A1−31. 農林水産省農村振興局,土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計「パイプライン」 令和3年 6月 P.354にて、地盤種別の判定に用いる固有周期はせん断ひずみ10-6レベルのせん断弾性波速度により算出する事が明記されました。応答変位法で用いる固有周期の算出は従来通り10-3レベルの値を用いますので、入力が分けられています。
 

Q1−32.

農業用水用ダクタイル鋳鉄管の照査を行いたい。
A1−32. 日本ダクタイル鉄管協会では、農業用水用ダクタイル鋳鉄管を「接合形式がT形及びK形の管厚A〜D種管」と定めています(JDPA G 1027)。Ver.4.0.1よりこれらの管種をデフォルトの基準値に追加致しました。
 

Q1−33.

耐震設計の照査において、R3基準選択時は「考え方」画面の速度応答スペクトル「簡便法により軸応力を算出する」にチェックが固定されるのは何故か。
A1−33. 土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計 パイプライン(令和3年6月)P.372より、レベル2地震動の軸応力算出に用いる地盤の水平振幅は、地盤と管路のすべりを考慮した速度応答スペクトルを用いて求める必要があります。これに準じるため、R3基準を選択している場合は入力が固定されます。
 

Q1−34.

管の寸法入力は最小寸法でなくてもよいか。
A1−34. 一般に、最小寸法を用いて照査を行う事は計算に不利になる安全側設計となると思いますが、採用するかどうかは設計者の判断となります。
なお、弊社にて基準値画面に用意している規格管については基準寸法を登録するようにしています。
 

Q1−35.

ダクタイル管や鋼管を入力する際の「計算管厚」とはどういうものか。
A1−35. ダクタイル管と鋼管の必要管厚については、腐食代(φ700mm以下の管)及び鋳造公差による余裕を見込んで決定する事が定められています。
「農林水産省農村振興局, 土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計「パイプライン」(令和3年6月)」P.313に記載がありますので、詳しくはこちらをご覧ください。
 

Q1−36.

指定できる活荷重(地表面荷重)の種類は?
A1−36. 常時の検討では自動車荷重と群衆荷重が、地震時の検討では自動車荷重が考慮可能です。
 

Q1−37.

土かぶりの範囲指定で、任意の点を追加して照査を行うことはできるか。
A1−37. 土かぶりの範囲指定は、指定範囲内を等ピッチで分割した位置のみ検討を行います。
任意の深度で検討したい場合は、別途検討位置を直接指定するか、検討位置が等ピッチで分割される位置となるよう調整してご検討ください。
 

Q1−38.

基本条件画面で、ヤング係数(短期)を変更すると長期の値が自動で更新される。
A1−38. 基準年度に「令和3年6月」を指定している場合、ヤング係数(長期)ELの値は、管材に応じてヤング係数(短期)の値より定められます。
  金属管、コンクリート管:EL = Es
  樹脂系管:EL = Es × クリープ係数
長期の値を任意に変更したい場合は、短期→長期と値を入力して下さい。

なお、クリープ係数については、「基準値」画面より値を指定することができます。
 

Q1−39.

重畳係数にはどのような値を入れればよいか。
A1−39. 重畳係数の値は、地震動による照査の管体応力の算出に影響があり、大きい程結果が厳しくなります。
「土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計「パイプライン」」では、重畳係数γは1.00~3.12の値をとるとされていますが、「レベル2地震動の大きな地震動の場合、地震動自体が強大であるため、せん断波動の重ね合わせは考慮せず、重畳係数は1.0としている。」(R5年6月版 P.370)との記述もございます。
本製品では初期値を1.00としていますが、必要に応じて変更をしてください。
 

Q1−40.

「基準値」画面に追加した管種を他のデータでも使用する場合はどのように操作したらよいか。
A1−40. 「基準値」画面の左下の「保存」ボタンより基準値データをファイルに保存できます。
別の設計データファイルを読み込み後、「基準値」画面の「読込」ボタンから保存した基準値データを読み込んでください。

 2.計算

Q2−1.

不とう性管の横断面方向の照査(常時の検討)では、自重による影響を考慮しなくてよいのか
A2−1. 不とう性管及び強化プラスチック複合管は、管体の自重の要素を内圧及び破壊荷重(Pc、Hc)の中に含んでいるので考慮していることになり、別途加算する必要はありません。
 

Q2−2.

任意荷重の設定が可能か
A2−2. 本製品では任意荷重を入力することはできません。ただし、横断面(常時)の検討の場合、上載荷重や施工荷重を指定することができ、それぞれの荷重値を任意に指定することが可能です。横断面の検討および地震時の検討に考慮される自動車荷重についても、任意に荷重値を指定できます。
 

Q2−3.

常時の計算における土圧の算出方法は選択できないのか
A2−3. 土圧の算出方法は、管の材質(とう性/不とう性)、布設状態(溝形、突出型等)、土被り厚Hの条件により、プログラムで自動的に適切な土圧算出式が選択されます。
詳細は、製品ヘルプ「計算理論および照査の方法−管路の横断方向の設計(常時設計)−土圧の算出」をご参照ください。
 

Q2−4.

水平土圧の算出方法(スパングラー公式、ランキン公式)の選択は可能か?
A2−4. 水平土圧の算出式は、とう性管、不とう性管の区別により決定され、とう性管はスパングラー公式、不とう性管はランキン公式により算出されます。
 

Q2−5.

常時の検討で、必要最小管厚の算定が可能か
A2−5. 本製品では設計条件として管厚を入力していただき、その管厚に対して以下のように判定を行っています。

・とう性管の場合(強化プラスチック複合管以外)
 許容応力度から求まる管厚の式の設計水圧Hを許容水圧Haに置き換え、Ha=の式に変形し、設計内圧が算出された許容内圧以下であるかどうかを照査します
・不とう性管、強化プラスチック複合管
 内外圧合成式を用いて、設計水圧が設計圧Hp以下であることを照査します。

具体的な判定の方法は、製品ヘルプ「計算理論および照査の方法−管路の横断方向の設計(常時設計)−不とう性管の判定、とう性管の判定」をご参照ください。
 

Q2−6.

地層データの入力で基盤層(N>50)のデータを入力したが、基盤層も表層として計算されている
A2−6. 基盤層のデータは、「地盤」画面の下部にある「基盤層データ」で入力してください。
基盤層データの指定方法が「直接指定」の場合には、地層データを全て表層地盤とみなしますので、地層データに基盤層のデータは不要です。基盤層データの指定方法が「基盤層の指定」の場合には、基盤層も含んだ地層データを入力して、基盤層の番号を指定後、初期化ボタンを押してください。
 

Q2−7.

耐震設計の場合、基本条件で基盤面における設計水平震度の標準値(K'h10)の入力があるが、レベル1、レベル2で区別されていないのはなぜか
A2−7. 地盤の水平変位振幅(Uh)を求める際、レベル1地震時の算出式には、K'h1(= Cz・K'h10)が含まれていますが、レベル2地震時の算出式には K'h1 ではなくTG(地盤の固有周期)により算出する式となっています。そのため、入力する設計震度はレベル1地震時のみに使用されます。
 

Q2−8.

耐震設計でポリエチレン管のとき、温度変化によるひずみは計算されないのか
A2−8. 耐震設計において、通常温度変化によるひずみは線膨張係数と温度変化量から計算されますが、ポリエチレン管(一体構造)の場合は、「水道排水用ポリエチレン管・継手に関する調査報告書」(P.53)の記述により、0.011%としています。このひずみ量は、基本条件画面で変更することが可能です。
ただし、農林水産省農村振興局,土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計 パイプライン(令和3年6月)にて照査方法が明記されましたので、「設計対象」画面で基準年度に令和3年6月を選択した場合は計算が行われます。
 

Q2−9.

耐震設計で、常時荷重として温度変化や不同沈下を考慮するのはどういう場合か
A2−9. 耐震設計において、継手構造管路の管体応力照査で考慮される常時の荷重は内圧および自動車荷重のみです。継手構造管路の継手伸縮量および一体構造管路の照査については、温度変化や不同沈下が考慮されます。
 

Q2−10.

液状化の判定を行って液状化層がある場合には、管の計算で土質定数が低減された計算結果となりますか
A2−10. 液状化の判定の結果は管の計算とは独立しており、パイプラインの耐震計算の結果には影響しません。
 

Q2−11.

横断方向(常時)の設計の、内圧の検討における設計水圧はどのように算出されるのか
A2−11. 設計水圧は、静水圧+水撃圧として算出されます。静水圧と水撃圧は「荷重」画面で指定されたものです。
 

Q2−12.

横断方向(常時)の検討で、算出された許容水圧がマイナス値になるが入力に不備があるのか
A2−12. 布設条件が厳しく、管種の選定が条件にあっていないものと思われます。管種の条件等をご確認ください。
 

Q2−13.

横断方向(常時)の検討で、土かぶりを大きくしても土圧が変わらないのはなぜか
A2−13. 土かぶりHが2.0(m)までは、布設状態に関わらず、垂直土圧公式で算出します。土かぶりHが2.0(m)を超える場合にはマーストン公式を用いますが、H=2.0(m)の垂直土圧より小さい場合は、H=2.0(m)の垂直土圧を適用します。そのため、土かぶりが2mを超えても、マーストン公式により算出した土圧がH=2.0(m)の垂直土圧より小さい場合には、土かぶりを変更しても土圧が変わらない場合があります。
 

Q2−14.

地盤の剛性係数に対する係数C1,C2は、初期値(C1=1.5,C2=3.0)のままでも問題ないか
A2−14. 「農林水産省農村振興局,土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計「パイプライン」」(H21,P.344 R3,P.361)において、「一般には、概ねC1=1.5前後、C2=3.0前後になると想定される」とありますので、プログラムの初期値としてこの値としており、通常そのままでも問題ないと考えられます。
 

Q2−15.

耐震設計でポリエチレン管のとき、内圧による軸方向ひずみは、ν・(P_i ・(D-t))/(2・t・E)の式で計算されないのか
A2−15. ポリエチレン管(一体構造)の場合は、「水道排水用ポリエチレン管・継手に関する調査報告書」(P.53)の記述により、0.015%としています。このひずみ量は、基本条件画面で変更することが可能です。
ただし、農林水産省農村振興局,土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計 パイプライン(令和3年6月)にて照査方法が明記されましたので、「設計対象」画面で基準年度に令和3年6月を選択した場合は、内圧による軸方向ひずみの入力は表示されず、軸方向ひずみの計算が実行されます。
 

Q2−16.

とう性管の常時検討(管厚算定)において、たわみ率の結果が表示されない
A2−16. 基礎形式が固定支承(コンクリート基礎)の場合、管にたわみは生じないものとしています。
また、たわみ率から求める管厚計算式は、「農林水産省農村振興局,土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計『パイプライン』」(H21,P.301 R3,P.314)に記載されており、この式中の基礎材の反力係数e'を算出するための基準反力係数e0'の値は同書(H21,P.305 R3,P.318)にありますが、基礎素材は砂質土と礫質土しか記載されておらず、コンクリート基礎の場合にどのような値を採用すればよいかも不明です。
従いまして、本製品では自由支承の場合のみたわみ率による計算を行っております。
 

Q2−17.

「埋設条件」画面にある、締固めの程度の選択は、どの計算に影響があるのか
A2−17. 基礎材の変形係数算出時の補正係数αb(「荷重」画面)や、土圧の算定に影響があります。
 

Q2−18.

耐震設計のときに「設計条件」画面「内圧」を0とした場合、内水を考慮しない検討をしているということか
A2−18. その通りです。
内圧が0の場合は、内圧による管体応力(管体ひずみ)および内圧による継手伸縮量が0として計算されます。
ただし、内圧の検討そのものを省略することはできませんので、不要な場合は計算書にて「ソース」を直接編集するか、ツリーウィンドウより非表示としてください。
 

Q2−19.

液状化の判定を行う設定にして土質データを入力しましたが、液状化の判定結果が全て「−」で表示される。
A2−19. 液状化の判定は、「地盤」画面の土質データタブにて、「判定」を「○」と設定している層が対象となります。
なお、「判定」を○としていても、地下水位以浅の地層については判定を行いません。
 

Q2−20.

液状化の判定をレベル1地震時のみ行うことは可能か。
A2−20. 液状化の判定は管本体の計算とは独立しており、現状では常にレベル1およびレベル2(タイプU)地震時に対して計算、出力を行っています。
 

Q2−21.

強化プラスチック複合管の耐震計算において、温度変化量が初期状態で20℃と設定されているが、これは基準類に明記されているものか。
A2−21. 「土地改良基準施設 耐震設計の手引き」(農業土木学会)のFRPM管の計算例を参考に初期値を20℃としています。
最終的には、設計者のご判断で設定してください。
 

Q2−22.

埋戻し土を入力したが、計算に反映されない
A2−22. 埋戻し土を入力した場合、「基本条件」画面の「埋戻し土の土質定数を用いる項目」にチェックがある項目(土の重量、地盤の剛性係数・特性値)に対して、埋戻し土の土質定数が計算に反映されます。チェックがない場合は埋戻し土の入力は計算に影響しません。
 

Q2−23.

地盤のせん断弾性波速度は、10-3のレベルのひずみで計算しているのか。
A2−23. 表層の場合は、10-3を用い、基盤面以下の場合は10-6のレベルを用いて計算します。
 

Q2−24.

令和3年度基準では地盤の固有周期TGが耐震設計と液状化の判定で異なるのは何故か。
A2−24. 令和3年度基準においては、固有周期の算出に用いるせん断弾性波速度の算出方法が異なります。
詳しくはQ1−31をご覧ください。
 

Q2−25.

管の断面二次モーメントの計算過程を知りたい。
A2−25. パイプラインの計算における管の断面二次モーメントは、横断方向の設計と耐震設計でそれぞれ以下のようになります。
横断方向の設計(常時):
I = t3/12 (m4/ m)

耐震設計:
I = π/64(D4−(D-2×t)4) (m4)

t : 管厚(m)
D : 管外径(m)

これらの計算式は、「農林水産省農村振興局? 土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計「パイプライン」 令和3年6月」のP.303、P.368に記載がありますので、こちらでご確認ください。






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