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Q&A橋脚の復元設計計算 Q&A ('24.10.04)

NEW! 更新内容

Q5−6.「震度算出(支承設計)」との連携において、橋脚側と震度側の柱断面積が異なるのはなぜか。('24.10.04)

目  次
1.適用範囲 

Q1−1.「橋脚の設計・3D配筋」との違いは何か

Q1−2.「橋脚の設計」のデータを読み込むことは可能か

Q1−3.計算結果を指定し配筋等を復元することは可能か

Q1−4.昭和55年道示の地震時変形性能の照査に対応しているか

Q1−5.ピアアバットに対応しているか

Q1−6.平成24年以降の道示を適用した照査は可能か

Q1−7.ラーメン橋脚や二柱式橋脚(はり無し)に対応しているか

Q1−8.どのような復元設計計算を行うことができるのか。

Q1−9.上部工活荷重の計算に対応しているか。

Q1−10.橋脚躯体の固有周期算定に対応しているか。
2.上部工反力、任意荷重 

Q2−1.活荷重の考慮有無が変更できない

Q2−2.常時と地震時で上部工死荷重反力を変える方法は?

Q2−3.「荷重|許容応力度法|許容応力度法荷重ケース一覧」画面で流水圧、動水圧が入力できない。
3.配筋 

Q3−1.「部材|柱帯鉄筋」画面の「中間帯鉄筋間隔倍数」とは何か

Q3−2.無筋コンクリート構造に対応しているか

Q3−3.平成2年以前の基準において有効長の設定がないのはなぜか?

Q3−4.選択にない鉄筋径や鉄筋量を設定することは可能か。

Q3−5.新設・既設時の柱断面で異なる材質の主鉄筋を配置したい。

Q3−6.橋軸方向と直角方向で柱主鉄筋のかぶりを変更することはできるか。
4.柱の設計 

Q4−1.せん断耐力にディープビーム効果を考慮しているが、応答塑性率が1より大きくなるという警告が表示される

Q4−2.平成2年道示X(P.72)の等価固有周期を直接指定することは可能か

Q4−3.基礎バネを単独で算定することは可能か

Q4−4.偏心橋脚で躯体にねじりモーメントが作用する場合の照査に対応しているか

Q4−5.許容応力度法による照査に対応しているか

Q4−6.柱のせん断耐力に軸方向圧縮力による補正係数CNは考慮しないのか

Q4−7.免震橋の許容塑性率μmと補正係数CEを用いた保有水平耐力法による照査を行うことは可能か

Q4−8.応力度を指定して配筋を復元することは可能か。

Q4−9.円柱橋脚の場合、橋軸、橋軸直角方向合成のケースを検討する必要性はあるのか

Q4−10.柱断面のM-φ関係を求めることができるか

Q4−11.許容応力度の割増し係数を変更したい

Q4−12.「予備計算|M-φ」画面で「適用」ボタンを押しても補正が行われない

Q4−13.段落し部の照査を別途動的解析で実施しているため省略したい

Q4−14.昭和55年道示に準拠した場合に鉄筋の引張応力度の結果がおかしい

Q4−15.水中部材を選択しているのに鉄筋の許容引張応力度が一般部材の値になる。

Q4−16.昭和55年以前の復元設計において、レベル2地震動に対する照査を省略したい。

Q4−17.復旧仕様(平成7年2月)の動的解析の簡便法とは何か。

Q4−18.『「兵庫県南部地震により被災した道路橋の復旧に係る仕様」の準用に関する参考資料(案)』(U-19)の許容塑性率の上限値に対応しているか。

Q4−19.破壊形態の判定に用いる中間部のせん断耐力の計算は必要か。

Q4−20.復旧仕様(平成7年2月)準拠時に動的解析簡便法の照査を省略したい。

Q4−21.水平耐力が負となる場合に警告が表示されるが照査上問題があるか。

Q4−22.動的解析を行っているため、最低耐力の照査を行いたいが可能か。

Q4−23.「部材|帯鉄筋」画面−「主鉄筋が多段配筋(全周配置)時の帯鉄筋取り扱い」のスイッチが計算に反映されない。

Q4−24.レベル1地震時の設計水平震度が手計算と一致しない。

Q4−25.H7復旧仕様準拠時に、H2道示Xのみの計算を行いたい。
5.連動 

Q5−1.「UC-win/FRAME(3D)」,「Engineer's Studio」へのエクスポートを行う場合はどのようにすればよいか

Q5−2.本製品で作成したデータを「橋脚の設計」で読込むことは可能か

Q5−3.「震度算出(支承設計)」との連携は可能か

Q5−4.基礎ばねのファイル連携を行うことは可能か

Q5−5.「震度算出(支承設計)」との連携において、正負両方向の同時検討・結果の取込はできないのか
Q5−6.「震度算出(支承設計)」との連携において、橋脚側と震度側の柱断面積が異なるのはなぜか。
6.補強設計  

Q6−1.「補強|柱部材」画面で全ての補強主鉄筋を定着筋としたいがエラーとなってしまう

Q6−2.補強主鉄筋を既設部と同様に厳密なピッチで配置し計算したい。

Q6−3.中間貫通PC鋼材の断面積Apcの初期値789.3(mm2/本)の出典は?

Q6−4.RC巻立補強において中間貫通鋼材を橋軸方向と直角方向の両方に配置した計算は可能か。

Q6−5.中間貫通鋼材を設置した場合に横拘束効果が小さくなってしまうのはなぜか。
7.設計調書  

Q7−1.複数の年度の結果を比較することは可能か

Q7−2.設計調書をMicrosft Excel形式で保存したいが可能か

Q7−3.設計調書(震度法)の脚注1〜3の意味を教えてほしい。
8.その他 

Q8−1.曲げ破壊型の場合に許容塑性率を1.0とするスイッチはどのようなケースで適用するのか

Q8−2.サンプルデータの出典を知りたい

Q8−3.新しいバージョンで作成したデータファイルを古いバージョンで読み込むことは可能か

Q8−4.サンプルデータの適用基準や計算対象の橋脚(設計例のページ等)が知りたい

Q8−5.設計データファイルが破損し読み込めなくなってしまった

Q8−6.既存の計算書より復元設計を行いたいが、準拠基準が不明である。



 1.適用範囲

Q1−1.

「橋脚の設計・3D配筋」との違いは何か
A1−1. 本製品は、橋脚柱の許容応力度法及び地震時保有水平耐力法による照査に特化した製品です。
H2〜H14道示Xに準じて、常時,レベル1地震時の照査(新設、既設)及びレベル2地震時柱の照査(新設、既設、補強)を行うことが可能ですが、安定計算やその他の部材の照査を行うことはできません。
詳しくは、製品ヘルプの「概要|プログラムの機能概要|機能及び特長」をご覧ください。
 

Q1−2.

「橋脚の設計」のデータを読み込むことは可能か
A1−2. 現在は、以下の製品のデータを読み込むことが可能です。
・「橋脚の設計」(Ver.9以前)
 拡張子は「F8Z」,「Pir」
・「橋脚の設計計算」
 拡張子は「APir」
・「震度算出(支承設計)」(Ver.7以前)
 拡張子は「F8W」,「TWJ」
 

Q1−3.

計算結果を指定し配筋等を復元することは可能か
A1−3. Ver.2.0.0より対応しています。
「基本条件」画面の「自動復元設定」で降伏剛性または許容塑性率を指定し、主鉄筋を復元することが可能です。
 

Q1−4.

昭和55年道示の地震時変形性能の照査に対応しているか
A1−4. Ver.2.0.0より対応しています。
「基本条件」画面の「準拠基準」で「道示V(昭和55年5月)」を選択してください。
 

Q1−5.

ピアアバットに対応しているか
A1−5. 申し訳ございませんが、「ピアアバット」の設計を行うことはできません。
また、「ピアアバット」につきましては、計算事例や具体的な設計方法等も明確にされておりません。
お役に立てず申し訳ございませんが、別途ご検討くださいますようお願いいたします。
 

Q1−6.

平成24年以降の道示を適用した照査は可能か
A1−6. 平成24年以降の道示には対応しておりません。

下記の対応製品をご利用下さい。
・平成24年道示:「橋脚の設計・3D配筋」
・平成29年道示:「橋脚の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)」
 

Q1−7.

ラーメン橋脚や二柱式橋脚(はり無し)に対応しているか
A1−7. 本製品は、単柱式RC橋脚のみを対象としています。
ご了承下さい。
 

Q1−8.

どのような復元設計計算を行うことができるのか。
A1−8. 本製品では、柱主鉄筋の配置(かぶり、径、ピッチ)を下記の方法で復元(推定)することが可能です。
  1. 常時,レベル1地震時の応力度比による復元
    「応力度/許容応力度」の範囲を指定することで、指定範囲内となる配置を抽出し入力に反映します。
  2. レベル2地震時の降伏剛性による復元
    「降伏剛性」を指定することで、指定値に近くなる配置を抽出し入力に反映します。
  3. レベル2地震時の許容塑性率による復元
    「許容塑性率」を指定することで、指定値に近くなる配置を抽出し入力に反映します。
(1)については、レベル2地震時を満足する配置に絞り込むことも可能です。
(2)と(3)は組合せて使用することも可能です。
また、(1)〜(3)何れも鉄筋量の最大値指定が可能です。
 

Q1−9.

上部工活荷重の計算に対応しているか。
A1−9. 申し訳ございませんが、対応しておりません。
別途算定された活荷重RLを入力してください。
 

Q1−10.

橋脚躯体の固有周期算定に対応しているか。
A1−10. 有周期の算定機能はございません。
そのため以下の何れかの方法での対応となります。
・別途算定した固有周期または設計水平震度を入力
・「震度算出(支承設計)」(カスタマイズ版)と連携

 2.上部工反力、任意荷重

Q2−1.

活荷重の考慮有無が変更できない
A2−1. 「基準値|計算用設定」画面の「荷重状態」で考慮の有無を選択可能です。
また、「状態追加数」を設定し新たに荷重状態を定義することも可能です。
 

Q2−2.

常時と地震時で上部工死荷重反力を変える方法は?
A2−2. 「荷重|許容応力度法ケース」の各荷重ケース画面において、上部工反力「Rex」を設定することでご対応ください。
 

Q2−3.

「荷重|許容応力度法|許容応力度法荷重ケース一覧」画面で流水圧、動水圧が入力できない。
A2−3. 流水圧および動水圧を考慮する場合は、下記のとおり設定を変更して下さい。
  • 流水圧
    初期状態では、全ての荷重状態において非考慮としています。
    「基準値|計算用設定値」画面で流水圧を検討したい荷重状態の「流水圧考慮」を「考慮」へ変更してください。
    ※橋軸直角方向のみに考慮できます。
  • 動水圧
    地震の影響を考慮する荷重状態の時に選択可能です。
    「許容応力度法荷重ケース」画面または「許容応力度法荷重ケース一覧」画面において、荷重状態を「Lv1地震時」または「L1地震+温度」へ変更してください。
 3.配筋

Q3−1.

「部材|柱帯鉄筋」画面の「中間帯鉄筋間隔倍数」とは何か
A3−1. 帯鉄筋(外周)の高さ間隔に対する中間帯鉄筋の高さ間隔の倍数となります。
たとえば、帯鉄筋の高さ方向間隔が150(mm)で中間帯鉄筋の高さ方向間隔が300(mm)の区間では、「中間帯鉄筋間隔倍数」は「中間帯鉄筋の高さ方向間隔300(mm)/帯鉄筋の高さ方向間隔150(mm)=2」となります。
 

Q3−2.

無筋コンクリート構造に対応しているか
A3−2. 本製品は鉄筋コンクリート構造のみに限定しており、無筋コンクリート構造とすることはできません。
ご了承ください。
 

Q3−3.

平成2年以前の基準において有効長の設定がないのはなぜか?
A3−3. コンクリートの応力度−ひずみ曲線に横拘束効果が考慮されたのは復旧仕様(平成7年2月)以降となります。
上記より前の基準では計算に使用しないため設定不可としています。
 

Q3−4.

選択にない鉄筋径や鉄筋量を設定することは可能か。
A3−4. 下記の手順で設定して下さい。
1.メイン画面上部のメニューより「基準値|計算用設定」画面を開きます。
2.「鉄筋|任意鉄筋追加テーブル」において、呼び名や径,断面積等の情報を設定します。
3.鉄筋径の入力項目で「2.」の呼び名を選択してください。
 

Q3−5.

新設・既設時の柱断面で異なる材質の主鉄筋を配置したい。
A3−5. 新設・既設時は、異なる鉄筋材質を混在させることができません。
近似検討となりますが、下記の手順で降伏点換算した任意鉄筋を定義し配置することでご対応下さい
  1. 「基準値|計算用設定」画面の「鉄筋|任意鉄筋追加テーブル」において、何れかの降伏点強度に換算した鉄筋断面積を定義します。
  2. 「部材|柱主鉄筋」画面において、上記で定義した任意鉄筋径を選択して下さい。
 

Q3−6.

橋軸方向と直角方向で柱主鉄筋のかぶりを変更することはできるか。
A3−6. ■矩形
初期状態で変更可能です。
「部材|柱主鉄筋」画面にて、方向ごとに入力して下さい。

■矩形面取り
下記の手順で変更可能です。
1.「考え方|共通」画面の「矩形面取り柱配筋の入力方法」を「矩形配筋」とします。
2.「部材|柱主鉄筋」画面が矩形時と同等の入力となりますので方向ごとにかぶりを入力して下さい。
※R部または直線面取り部についても段鉄筋として設定いただく必要がございます。

■円形、小判形
全周同一かぶりとなります。
方向ごとに変えることはできません。
 4.柱の設計

Q4−1.

せん断耐力にディープビーム効果を考慮しているが、応答塑性率が1より大きくなるという警告が表示される
A4−1. 本警告は、「考え方|保有耐力法」画面の[柱(特殊条件)|a/dが2.5以下のときのディープビーム効果]において、せん断耐力にディープビーム効果を見込むとしており、応答塑性率が1.0より大きくなる場合に表示しています。
ディープビーム効果は、考慮することでせん断耐力が向上し、一般的に危険側の設計となるため、設計者の判断により考慮できると考えられる場合のみ適用してください。
例えば、「既設橋梁の耐震補強工法事例集」(U-33)では、弾性応答(μr≦1.0)であることからディープビーム効果を見込めると判断しています。
また、3箇年プログラムでは、応答塑性率1.5程度までその効果を見込めるとされています。
 

Q4−2.

平成2年道示X(P.72)の等価固有周期を直接指定することは可能か
A4−2. 下記の手順で直接指定することが可能です。
1.「基本条件」画面で適用基準を「道示X(平成2年2月)」とします。
2.「荷重|保有耐力法ケース」画面の「検討条件|等価固有周期TEQを直接指定する」をチェック(レ)します。
3.同画面の「TEQ(s)」で値を入力してください。
 

Q4−3.

基礎バネを単独で算定することは可能か
A4−3. 現在は直接基礎の場合のみ内部計算が可能です。
この場合、「基礎」画面において「算定用データ」を設定し、「基礎バネ確認」または「プレビュー」でご確認ください。
 

Q4−4.

偏心橋脚で躯体にねじりモーメントが作用する場合の照査に対応しているか
A4−4. ねじりモーメントに対する照査には対応しておりません。
恐れ入りますが、別途ご検討くださいますようお願いいたします。
 

Q4−5.

許容応力度法による照査に対応しているか
A4−5. Ver.3.0.0(Suite2.0.0)において、許容応力度法による照査に対応しました。
「基本条件」画面の「検討ケース」において、「常時,レベル1地震時」を選択してください。
 

Q4−6.

柱のせん断耐力に軸方向圧縮力による補正係数CNは考慮しないのか
A4−6. レベル2地震時の軸方向圧縮力による補正係数CNについては、その影響が十分に解明されていないため、道示においても考慮しないとされています。
補正CNを考慮した計算を行う場合は、別途ご検討くださいますようお願いいたします。
 

Q4−7.

免震橋の許容塑性率μmと補正係数CEを用いた保有水平耐力法による照査を行うことは可能か
A4−7. 1.「荷重|保有耐力法ケース」画面の「減衰効果|補正係数CEを考慮する」にチェックします。
2.同画面の「補正係数CE」を設定します。
3.「考え方|保有耐力法」画面の「柱(特殊条件)|減衰効果考慮時の安全係数」を「αm=2αとする」としてください。
 

Q4−8.

応力度を指定して配筋を復元することは可能か。
A4−8. Ver.4.0.0(Suite3.0.0より、「応力度/許容応力度」の範囲を指定し配筋を復元する機能を追加しました。
「基本条件」画面の「応力度/許容応力度の範囲を指定する」にチェックしご検討下さい。
 

Q4−9.

円柱橋脚の場合、橋軸、橋軸直角方向合成のケースを検討する必要性はあるのか
A4−9. 円形の場合は断面に方向性がないため、合成方向で検討できるようにしています(文献等を参考にした訳ではありません)。
検討方向に直交する方向の作用力が設定されなければ、橋軸,直角方向でそれぞれ独立に計算しています。
また、照査の必要性については、設計者の判断で決定ください。
 

Q4−10.

柱断面のM-φ関係を求めることができるか
A4−10. 可能です。
M-φ関係を算定可能な適用基準は、昭和55道示X〜H14道示Xとなります。

※H24道示Xに準拠したM-φ関係を算定することはできません。
 

Q4−11.

許容応力度の割増し係数を変更したい
A4−11. 「基準値|計算用設定」画面の「荷重状態」の項目で設定して下さい。
 

Q4−12.

「予備計算|M-φ」画面で「適用」ボタンを押しても補正が行われない
A4−12. 「適用」ボタンは、現在の画面に表示されているM-φ関係とその逆転状態に応じて補正を行います。
例えば、既に補正を行っており、画面上で逆転が発生していない場合は、ボタン押下時も補正は行われません。
この場合は、一度「内部計算」ボタンを押下後、改めて補正を行って下さい。
 

Q4−13.

段落し部の照査を別途動的解析で実施しているため省略したい
A4−13. 申し訳ございませんが、段落し部の照査を省略することはできません。
ご了承下さい。
 

Q4−14.

昭和55年道示に準拠した場合に鉄筋の引張応力度の結果がおかしい
A4−14. 「考え方|許容応力度法」画面の「応力度の算定方法」において「σc=N/Ai±N・e/W」が選択されていると考えられます。
上記の方法は、断面力の偏心が小さい(引張応力度が小)場合に適用可能な簡易式です。
一方、中立軸位置より求める方法は、荷重の偏心の大小に依存しない厳密な収束計算を用いています。
従いまして、常時または偏心が小さい場合は結果がほぼ一致しますが、地震時ケースなど比較的大きな偏心が生じる場合は結果の差が大きくなる傾向があります。
※鉄筋の引張応力度は、上記の式で求めた応力度分布より、最外縁引張鉄筋位置の応力度にヤング係数比を乗じたものとなります。
 

Q4−15.

水中部材を選択しているのに鉄筋の許容引張応力度が一般部材の値になる。
A4−15. 「柱設計時の常時のように、全断面圧縮状態となる場合は、鉄筋の許容圧縮応力度を用いています。
 

Q4−16.

昭和55年以前の復元設計において、レベル2地震動に対する照査を省略したい。
A4−16. 「道示X(昭和55年5月)」に準拠時は、「基本条件」画面において、「検討ケース|レベル2地震時」のチェックを外して下さい。
「耐震設計指針(昭和47年4月)」に準拠時は、レベル2地震動に対する規定がなく、照査も行っていないため設定の必要はありません。
 

Q4−17.

復旧仕様(平成7年2月)の動的解析の簡便法とは何か。
A4−17. 下記の参考資料(U−64〜)に従った静的解析による計算方法となります。
・「「兵庫県南部地震により被災した道路橋の復旧に係る仕様」の準用に関する参考資料(案) 平成7年2月(社)日本道路協会」
基本的には地震時保有水平耐力法であり、設計水平震度として「照査用震度」を用いています。
 

Q4−18.

『「兵庫県南部地震により被災した道路橋の復旧に係る仕様」の準用に関する参考資料(案)』(U-19)の許容塑性率の上限値に対応しているか。
A4−18. 準拠基準を「復旧仕様(平成7年2月)」としている場合に対応しています。
「考え方|保有耐力法」画面の「柱(特殊条件)|許容塑性率|上限値を指定する」をチェックし上限値を入力して下さい。

 

Q4−19.

破壊形態の判定に用いる中間部のせん断耐力の計算は必要か。
A4−19. 軸方向鉄筋の段落しや帯鉄筋の変化などにより基部以外のせん断耐力が最小となるケースを想定しています。
上記に該当しない場合、計算の必要はありません。

 

Q4−20.

復旧仕様(平成7年2月)準拠時に動的解析簡便法の照査を省略したい。
A4−20. 「荷重|保有耐力法ケース」画面の「動的解析の簡便法による照査を行う」のチェックを外して下さい。

 

Q4−21.

水平耐力が負となる場合に警告が表示されるが照査上問題があるか。
A4−21. 柱に非常に大きな偏心モーメントが作用する条件下では、死荷重状態において各着目断面の水平耐力が負となる場合があります。
このようなケースの扱いは、基準類で明確にされていませんが、構造物として好ましくない状態であると考えられるため、最終的な判断を設計者に委ねています。

 

Q4−22.

動的解析を行っているため、最低耐力の照査を行いたいが可能か。
A4−22. 可能です。
「考え方|保有耐力法」画面の「道示X(解7.4.1)に対する照査(Pa≧0.4・cz・W)」で設定を行って下さい。

 

Q4−23.

「部材|帯鉄筋」画面−「主鉄筋が多段配筋(全周配置)時の帯鉄筋取り扱い」のスイッチが計算に反映されない。
A4−23. 本スイッチは、全周2段配筋など、外周帯鉄筋が2本以上配置される場合に適用されます。
例えば、矩形断面で橋軸方向2段配筋、橋軸直角方向1段配筋の場合、橋軸方向2段目の帯鉄筋は「たな筋」扱いとなり、本スイッチは適用されません。
※「たな筋」については上記画面ヘルプの「■中間帯鉄筋」の「たな筋については、こちらをご覧ください。」の「こちら」より開かれる項目をご覧ください。
※「たな筋」の計算上有の扱いは、「部材|柱帯鉄筋」画面の「中間帯鉄筋|たな筋」で選択して下さい。

 

Q4−24.

レベル1地震時の設計水平震度が手計算と一致しない。
A4−24. 設計水平震度は、「荷重|許容応力度法ケース」画面の「設計震度」で入力されている値を使用します。
固有周期等が変更された場合は、同項目の「震度算出」ボタンを押下して下さい。

 

Q4−25.

H7復旧仕様準拠時に、H2道示Xのみの計算を行いたい。
A4−25. 「荷重|保有耐力法ケース」画面において、「検討条件|動的解析の簡便法による照査を行う」のチェックを外しご検討下さい。

 5.連動

Q5−1.

「UC-win/FRAME(3D)」,「Engineer's Studio」へのエクスポートを行う場合はどのようにすればよいか
A5−1. 大変申し訳ございませんが、「UC-win/FRAME(3D)」,「Engineer's Studio」へのエクスポートには対応しておりません。
ご了承くださいますようお願いいたします。
 

Q5−2.

本製品で作成したデータを「橋脚の設計」で読込むことは可能か
A5−2. Ver.3.0.0(Suite2.0.0)において、「橋脚の設計」データへのエクスポートに対応しました。
「ファイル」メニューの「橋脚の設計データファイル」よりエクスポートを行ってください。
※「橋脚の設計 Ver.11」以降、「UC-1 Engineer’s Suite 橋脚の設計」で読み込み可能です。
 

Q5−3.

「震度算出(支承設計)」との連携は可能か
A5−3. Ver.2.0.0において、「震度算出(支承設計)」(カスタマイズ版)との連携に対応しました。
※「震度算出(支承設計)」(カスタマイズ版)のVer.1.1.0以降が必要です。
 

Q5−4.

基礎ばねのファイル連携を行うことは可能か
A5−4. 現在は対応しておりません。
ご了承ください。
 

Q5−5.

「震度算出(支承設計)」との連携において、正負両方向の同時検討・結果の取込はできないのか
A5−5. 大変申し訳ございませんが、正方向と負方向のデータを個別に作成いただくことになります。
ご了承下さいますようお願いいたします。
 

Q5−6.

「震度算出(支承設計)」との連携において、橋脚側と震度側の柱断面積が異なるのはなぜか。
A5−6. 橋脚側の既設部と補強部で異なるコンクリート材質が設定されていると考えられます。
この場合、下記のように既設部のヤング係数に換算した面積としています。
換算断面積=既設部断面積+(補強部ヤング係数/既設部ヤング係数)×補強部断面積
ヘルプの下記も参考にしてください。
・「計算理論および照査の方法|橋脚柱の補強設計|計算の方法|既設部と補強部のコンクリート材質が異なる場合」
 6.補強設計

Q6−1.

「補強|柱部材」画面で全ての補強主鉄筋を定着筋としたいがエラーとなってしまう
A6−1. 下記の手順で「全て定着」とした上で設定を行って下さい。
 1.「補強|工法、材料」画面で「アンカー定着」を「全て定着」とします。
 2.「補強|柱部材」画面で定着筋のみの本数または配置を入力して下さい。
  ※「定着・非定着」で定着筋または非定着筋が存在しない場合は入力エラーとなります。

Q6−2.

補強主鉄筋を既設部と同様に厳密なピッチで配置し計算したい。
A6−2. 下記の手順で設定して下さい。
1.「考え方|補強」画面の「補強部主鉄筋、アンカー筋の入力方法」を「詳細入力」とします。
2.「補強|柱部材」画面の「主鉄筋」で設定を行って下さい。
※矩形断面や小判形断面の直線部のみ対応しています。

Q6−3.

中間貫通PC鋼材の断面積Apcの初期値789.3(mm2/本)の出典は?
A6−3. 中間貫通PC鋼材の有効断面積の算定式については、基準類で明確にされていません。
例えば、「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」の計算例では、中間貫通PC鋼棒をボルト止めしているため、PC鋼棒のねじ加工後の有効径から算出された断面積と思われます。

有効断面積=31.7012・π/4
     ≒789.3(mm2)


Q6−4.

RC巻立補強において中間貫通鋼材を橋軸方向と直角方向の両方に配置した計算は可能か。
A6−4. 中間貫通鋼材は橋軸方向にのみ設置することができ、橋軸直角方向に設置することはできません。
この場合、便宜上中間帯鉄筋をなしとして、断面積及び有効長を直接指定いただくことでご対応ください。

Q6−5.

中間貫通鋼材を設置した場合に横拘束効果が小さくなってしまうのはなぜか。
A6−5. 横拘束鉄筋の体積比は、鉄筋量・軸方向間隔(高さ間隔)・有効長(水平方向間隔)で算定されます。
中間貫通帯鉄筋を配置する場合、有効長が小さくなるため一般的には横拘束効果が向上します。
ただし、この向上効果を上回る鉄筋比の減少(※)がある場合、横拘束効果が低下する可能性があります。
※部材軸方向の配置間隔が倍ピッチとなる場合など。
 7.設計調書

Q7−1.

複数の年度の結果を比較することは可能か
A7−1. 可能です。
テンプレートリストの「比較表混在」を選択して下さい。

※H2〜H14道示が対象です。
 

Q7−2.

設計調書をMicrosft Excel形式で保存したいが可能か
A7−2. 可能です。
テンプレートを選択後、印刷ボタン(プリンタアイコン)右側の▼をクリックし「Excelファイル(E)」より保存して下さい。
 

Q7−3.

設計調書(震度法)の脚注1〜3の意味を教えてほしい。
A7−3. 参考としている「詳細設計照査要領 平成11年3月(社)関東建設弘済会」の脚注となります。
※1) 各橋脚の支承条件、構造高さの違いによる水平力、曲げモーメントの大小関係を横並びの比較によってのオーダーチェックする。
※2) 設計値が許容値を満足することをチェックする。
※3) 平均せん断応力度が許容せん断応力度を満足していない場合には、使用スターラップ(帯鉄筋)量が必要スターラップ(帯鉄筋)量を満足していることをチェックする。
 8.その他

Q8−1.

曲げ破壊型の場合に許容塑性率を1.0とするスイッチはどのようなケースで適用するのか
A8−1. H24道示X(P.164)では、「ダム湖に架かる橋の橋脚のように地震後の点検や修復が著しく難しい条件等の場合は〜中略〜許容塑性率を1.0とする考え方もある。」と記載されています。
 

Q8−2.

サンプルデータの出典を知りたい
A8−2. 製品ヘルプのトピックの検索より「サンプルデータ」の項目をご覧下さい。
 

Q8−3.

新しいバージョンで作成したデータファイルを古いバージョンで読み込むことは可能か
A8−3. 基本的に利用しているバージョンより新しいバージョンのデータファイルを読み込むことはできません。
ただし、リビジョンアップ(軽微な要望対応や不具合対策)時は、読み込み可能な場合があります。
※読み込めない場合はエラーメッセージが表示されます。
 

Q8−4.

サンプルデータの適用基準や計算対象の橋脚(設計例のページ等)が知りたい
A8−4. 製品ヘルプの「サンプルデータ」の項目をご覧下さい。
 

Q8−5.

設計データファイルが破損し読み込めなくなってしまった
A8−5. 本製品では、初期状態でバックアップファイルを自動的に作成するようになっています。
以下の手順でバックアップファイルからの復旧をお試しください。

 1.メインメニューより「オプション|動作環境の設定」画面を開きます。
 2.バックアップファイルの設定で保存先を確認し、Windowsのエクスプローラ等で該当フォルダを開きます。
   ※拡張子が「F1Z~」となっているファイルがバックアップファイルとなります。
 3.バックアップファイルの拡張子を「F1Z」へ変更し読み込みを行ってください。
 

Q8−6.

既存の計算書より復元設計を行いたいが、準拠基準が不明である。
A8−6. 計算書で用いられている単位系や重要度区分の名称等を指定することで、準拠基準を簡易判定できる機能がございます。
「基本条件」画面の「基準判定」ボタンより開かれる「基準判定」画面よりご利用可能です。
※判定結果は、「基本条件」画面の「準拠基準」として取込可能です。






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