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 SIGGRAPH 2007
  The 34th International Conference and Exhibition on Computer Graphics and Interactive Techniques

(Up&Coming 2007年9月号)
 「SIGGRAPH 2007」 ― (主催者側メディアオフィス担当者によると正しくは「スィッグラフ」と発音)。 コンピュータグラフィックス(CG)の分野では世界最大規模、関係者の間で最も注目を集めるイベントが 今年8月上旬(カンファレンスは5日〜9日、展示は7日〜9日)に米サンディエゴ(カリフォルニア州)のコンベンションセンターで開催されました。
 映画やデジタルアートの世界はもちろん、さまざまな生活・ビジネスの場面でもCG・バーチャルリアリティ(VR)技術の利用が広がっています。 その最新の技術や作品、製品(ハード・ソフト)、サービス、コンテンツが紹介される「SIGGRAPH 2007」には、 内外の研究者や開発者、エンジニア、映画関係者・アーティストらが数多く集まりました。 主催者であるThe Association for Computing Machinery (ACM) SIGGRAPHの発表によると、 34回目を迎えた今年の出展社数は約230、来場者は79カ国から24,000名超を数えました。

▲SIGGRAPH 2007の会場となった
サンディエゴ・コンベンションセンター
▲SIGGRAPH 2007展示会場入口


世界最大のCGカンファレンス/展示会にUC-win/Roadを出品
 会場となったサンディエゴ・コンベンションセンターは、ダウンタウンの一角、背後にサンディエゴ湾が迫り、ハーバードライブに面して横長に配置された建物。 関係者の多くが宿泊するホテル街からも近く、きわめて恵まれた環境に位置しています。
 イベントに参加するためのレジストレーション・コーナーは展示会場奥に設けられており、そこで手続きをした人が最初に向かうゲートを入ってすぐ、 ほぼ前方にフォーラムエイトの看板が現れてくるといった場所にブースは設置されました。

▲SIGGRAPH 2007展示会場内 ▲FORUM8ブース(ドライブ・シミュレータ)

 フォーラムエイトは、展示スペースのメインコーナーにUC-win/Roadを映し出す大型ディスプレイを置き、 それに対面して来場者が自ら説明に合わせて実際に操作できるようラップトップとドライブ・シミュレータから成るシステムを7セット配備。 担当者が大型ディスプレイに表示された画像を示しながら初心者に配慮したテンポで解説。 その間に、他のスタッフが個々の来場者をサポートするという形で進めました。 全体的にエンターテイメント系の出展が多くを占めるイベント会場にあって、ビジネス向けに特化した内容は逆に目を引き、 時間帯によっては幾重にも来場者が取り巻くシーンも見られました。
 そこではまた、今回展示の目玉の一つとして、アリゾナ州立大学建築環境デザイン学部の小林佳弘アシスタントプロフェッサーおよび 同プロジェクト研究者による講演「UC-win/Roadを利用したデジタル・フェニックス・プロジェクト」を定期的に開催していただきました。

▲FORUM8ブース(メインコーナー、UC-win/Road体験)

 もう一方の多くの来場者が行き交うコーナーには、ゲーム感覚でドライブ・シミュレータを体感してもらうためのシステムを設置。 若い人たちを中心に人気のスポットとなっていました。 レーシングカーを操作するうちに関心を持った来場者がメインコーナーにも立ち寄るといった流れも見られ、 ブース全体のアトラクション的な機能を果たしていました。
 さらに、残る一角には「UC-win/Road 3D-Stereo view」を展示。 メインコーナーの背後という条件ながら、通りがかりに画面をちらっと覗く人へ備え付けの偏光グラスを勧めると、ほとんどの人が受け取りトライ。 中には長時間試してから、「他社の3D映像とくらべ高速の動きが十分に表現されている点が素晴らしい」(50代の白人男性)との声も聞かれました。
 また、大手エンジニアリング建築会社HNTB(カンザスシティ)の3Dビジュアライゼーション・スペシャリスト、 オースチン・リード氏とジェームズ・クラーク氏のお二人は、ともに橋梁などのプロジェクトに関するビデオ制作を担当。 今回は最新・最高の技術を自社に持ち帰るとともに自身のパフォーマンス向上を目的に来場。同社では既に「UC-win/Road」を購入いただいており、 その際に見た既設事業の事例が印象的だったのに加え、今回展示を体験してそのメリットを再確認したため、新しい顧客関係を結ぼうとブースに立ち寄ってくれました。

▲FORUM8ブース(3D Stereo View) ▲ユーザ来場者(HNTB)


注目される技術、新しい協力関係構築に期待も
 前述のようにエンターテイメント系の派手なパフォーマンスが耳目を集める一方で、多くの優れた技術や製品も注目されました。
 その一つが、EON Reality社(カリフォルニア州アーバイン)。 同社は3Dのグラフィックスをリアルタイムにレンダリングするエンジンを持ち、さらにそれを使ってコンテンツ作成するオーサリングツール、 あるいはコンテンツそのものの制作や立体視などに関するソリューションを提供しています。
 同社ビジネスディベロップメント・ディレクターのコバヤシ・ヒロミさんが今回展示品の中で一番の目玉に挙げるのは、「Touchlight」。 これは、半透明のディスプレイ上に手をかざすだけで画像を自在に動かすことが出来るもの。マイクロソフトの技術をベースに同社がいち早く商品化しました。 また、まだ商品化はされていないものの、「ホログラフィックなスクリーン(仮称)」は裏が透けて映像だけが浮かんで見えるのが特徴。 大型のフィルム状ディスプレイがブースの上に高く吊り下げられていました。

▲EON Reality社の「Touchlight」 ▲EON Reality社ブースにて

 3Dconnexion(カリフォルニア州サンノゼ)の3Dマウス「SpaceNavigator」は、通常のマウスと組み合わせて使い、 モデルの位置のズームや変更の速度をコントロールするもの。 キャップを押すと圧力を通じて速度を加減、パン・ズーム・回転を行うため、 片手で画像をコントロールしながらもう一方の手でインターフェースへのアクセスが可能。 3Dモデルを扱う設計者やエンジニアにはメリットが期待されます。 同社のタッド・シェルビー氏は、昨年11月にリリースされて以来、日本を含め世界中で好評を博していると語ります。
 さらに、REALVIZ(フランス)の「ImageModeler」は現場で測量することなく、写真上で直接計測できるソフト。 2年前に開発して以後、毎年バージョンアップを続けている、と同社プロダクト・マネジャーのステファン・ニュラン氏は説明します。 建築や建設をはじめ映画、ゲーム、自動車、警察など幅広い分野に適用され、とくに古代寺院での写真を基にした再建、 カンヌ市でのフォトタイプを使った交通流検討などでの利用実績もあり、新たな展開の可能性が予感されました。

▲3Dconnexionの「SpaceNavigator」 ▲REALVIZブースにて

F1チャンピオンシップコースを体験
フェニックス市内で2007年11月30日から行われる同レースコースをUC-win/Roadで作成/展示しました。
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