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 International Symposium on Building Information Modeling and Digital Software
●日時:2016年5月19日 ●会場:イタリア・ピサ大学
主催:ピサ大学
(Up&Coming 2016年7月号)

毎年、フォーラムエイト主催のサマーワークショップおよびデザインフェスティバルで、世界各国の建築・建設・都市系研究者グループ「World16」のメンバーとして参加し、自身のBIMとVRの最新研究成果を発表し続けているピサ大学土木工学・建築学部のPaolo Fiamma教授は、ピサの歴史的市街地で進む開発プロジェクトについて交通流マネジメントに関する研究や、環境に配慮した建設デザインと人の流れと交通への影響等の研究などに、UC-win/Roadのモデリングおよびシミュレーション機能を活用してきました。

同教授はBIM統合CADソフトAllplanをはじめ、CADソフトのデータ形式と連携するUC-win/Roadの相互運用性を高く評価しており、標準BIM&VRソフトとしてUC-win/Road活用の可能性を広げるという目標に向けて、ピサ大学でBIMとデジタルリソースの修士レベルII課程の創設を計画しています。これを機に今回、BIMとデジタルソフトウェアに関する国際シンポジウムを主催し、BIM&VRの業界で活躍する多くのゲストスピーカーを世界中から招待しました。本シンポジウムにはミラノ大学、ローマ大学、建設・建築業界の専門家、トスカーナ州の政府関連メンバー、およびイタリア政府のVIP等合計200名以上の方が参加しました。

フォーラムエイトからは執行役員の松田克巳が特別講演者としてSkypeで参加しました。当社の概要に加えて、UC-win/Roadの最新機能紹介、建築標準IFCデータ、DWGデータのBIMモデルのUC-win/Roadの3DVR環境へのインポート・エクスポートなどのデモンストレーションを実施し、建築・建設業務におけるソフトウェアの利便性、汎用性、相互運用性をアピールしました。

2012年に開催されたフォーラムエイト後援の第2回学生BIM&VRコンテストにおける優秀作品であり、芝浦工業大学の学生チームがUC-win/Roadを駆使して設計した人口島はAllplan等のBIMモデルが活用されており、計画やアイデアの素晴らしさが注目を集めました。オープンフォーム等汎用系ソフトウェアから風解析結果、津波解析結果等を読み込み、VR空間上でシミュレーションができるUC-win/Roadの機能やUC-win/Road上でデザインした建築BIMモデルをクラウドサーバにアップロードし、合意形成を目的として共有できるクラウドコンピューティングソリューションVR-Cloud®が建築デザインプロセスの加速に大きな役割を果たすことなどについてもデモで紹介し、改めてフォーラムエイトのVRソリューションのBIMにおける可能性の大きさが参加者に周知されました。

個人間でモバイル端末による駐車スペースの取引が可能なクラウド・システム、Organic Parkingを開発した、米国Organic Parking社のCEOでハーバード大学大学院建築デザイン学科の准教授のKostas Terzidis氏もSkypeでプレゼンテーションを行いました。KostasもWorld16のメンバーであり、毎年サマーワークショップとデザインフェスティバルに参加しています。講演では、建築デザインにおけるアルゴリズムに関するいくつかの自著を紹介した後、2015年に出版されたPermutation Designという書籍の内容をベースに、建築におけるパーミューテーションデザインのロジックをソフトウェアによるデモを見せながら説明しました。

パーミューテーションとは建築デザインの中にある順番により配列されている要素(=建物を構成するコンポーネント)で、パーミューテーションデザインは、コンピュータを活用して部屋、ドア、窓、壁、排管等の建物のコンポーネントの全ての組み合わせを順次シミュレーションし、コスト、利便性、省エネルギー等の客観的な面で最適なコンビネーションの結果のみを数分で抽出する考え方・方法です。デモでは、こういったアルゴリズムが適用されたソフトウェアを使用し、複数の条件を考慮して自動的算出し、最終的には最適なデザインとなる組み合わせのみが結果として表示される手順を紹介しました。

パーミューテーションデザインが建築BIMに与える影響力は大きく、デザインの可能性を無限に引き延ばすことができることがアピールされました。今後は、建築家の好み等の主観的な条件も考慮して、客観的最適デザインを自動抽出できるようにし、世界に拡散する建築家独自の建築特徴もデザインパーミューテーションデザインの工程に取り入れることが課題であることが示されました。

ピサ大学でのBIMとデジタルリソースの修士レベルII課程の創設に向けて開催された今回のシンポジウムにより、イタリア語版も提供されているUC-win/RoadのBIM&VRの総合力と、さまざまな建築BIMソフトウェアとの連携性が強調されました。将来的に、この課程を通じてUC-win/Roadが建築BIM標準ソフトウェアとして益々の発展し、イタリアからヨーロッパ本土、および全世界の建築・建設業界で行政・企業・大学を問わず活用されることが期待されます。

 
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