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平板要素に地盤ばねを設定する2つの方法

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地盤抵抗を考慮したばね要素を平板要素に設定する機能は2種類があります。一つは従来の「直接地盤ばね」(図1)、もう一つはVer.11.2.0から導入された「平板地盤ばね」(図2)です。いずれもナビゲーション「モデル特性|地層特性」を事前に準備しておく必要があります。


図1 直接地盤ばね

「直接地盤ばね」の対象はメッシュ要素です。リメッシュ要素は適用できません。要素を選択後に設定が可能になります。注意点は、モデルが変更されても自動生成された節点、支点、ばね要素は追随しないことです。古いデータは手動で削除する必要があります。


図2 平板地盤ばね

「平板地盤ばね」の対象はメッシュ要素とリメッシュ要素です。表形式で設定しますので要素の選択は不要です。自動生成された節点、支点、ばね要素はプログラムが管理しますので、モデルの変更に応じて追随します。注意点は、可視化するために表示設定でFEMの列(図3の赤枠部分)にチェックを入れる必要がある事です。


図3 平板地盤ばねの可視化

ここで、「直接地盤ばね」と「平板地盤ばね」に共通する設定を説明します。

[ばね要素|方向]・・・ばね要素の位置を定義する。正方向は、平板要素のzl軸と同じ向き。固定支点が平板要素のzl軸の正側に配置される。負方向は、平板要素のzl軸と反対向き。固定支点が平板要素のzl軸の負側に配置される。
[ばね要素|座標系ylベクトル]・・・ばね要素のyl軸を定義する。ばね要素のxl軸が平板要素のzl軸と一致しているので、yl軸が確定すれば、ばね要素の要素座標系xl-yl-zlが確定する。

最後に、側壁に設定する場合と底版に設定する場合の違いについて解説します。
側壁に設定する例を図4に示します。平板要素zl軸が全体X軸の正を向いているので「ばね要素|方向」を正方向とすることでばね要素が全体X軸の正側に設置されます。「座標系ylベクトル」はデフォルトの「全体Y」で問題ありません。


図4 側壁の設定例

底版に設定する例を図5に示します。平板要素zl軸が全体Y軸の負を向いているので「ばね要素|方向」を正方向とすることでばね要素が全体Y軸の負側に設置されます。「座標系ylベクトル」はデフォルトの「全体Y」だとエラーになります。理由は、ばね要素のyl軸を全体Y軸に設定できないからです。そのため、図5のように「任意設定」にしてVx=1.0、Vy=0.0、Vz=0.0とします。


図5 底版の設定例

(Up&Coming '25 盛夏号掲載)

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