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 サポートトピックス・ UC-win/Road

VR空間の一部のみを別のVRデータとして分ける方法

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今回は、UC-win/Roadで作成したVR空間のうち一部分のみを別のVR空間として分ける方法について説明します。広範囲を作りこんで使い勝手が悪くなり、作業する範囲を絞り込みたい場合などに有効です。地形を取得した際の方法やデータの規模により手法が変わります。

元データと同じ範囲の地形を取得して、必要なものをコピーする方法

  

あまり無いとは思いますが、交差点などが作り込まれていないなどあまり作成が進んでいない段階で規模も小さい場合は、全く同じ範囲の地形を新たに取得し、元の道路とモデルをエクスポートしてから読み込む方法が考えられます。
例えば、元データが「新規プロジェクト」-「日本」で50mメッシュの地形を取得していたり、特定の地形ファイルを読み込んで地形を設定したデータの場合、完全に同一の地形を再現できます。もし「地理院タイルの読み込み」で地形を取得した場合、完全に同一範囲の地形を再度取得することが難しいため、この方法はお勧めできませんのでご注意ください。
Ver.17.0以降では道路データの保存と読み込みが可能なため、元データの道路をファイルに保存し、新しく取得した地形に読み込みます。ただし、交差点は新たに生成されるため、元データで交差点形状の調整や信号制御などを設定している場合は再度調整・設定を行うことになります。
道路以外の建物等のモデルなどを別データにコピーする場合は、「ファイル」-「エクスポート」-「3DSファイルエクスポート」の「X-Y座標系」で出力し、新データ側で「ファイル」-「インポート」-「グローバル配置モデルのインポート」で読み込むと元データと同じ座標位置に自動的に配置されます。


元データをコピーして、不要なものを削除する方法

  

ある程度作り込んでいて規模の大きいデータから一部を分ける場合は、元のrdファイルをコピーし、そこから不要な道路や配置済みのモデルを削除していく方法となります。以下に、広範囲に配置されたモデルを効率よく削除する方法について説明します。

  

1.地形範囲を指定して一括選択→削除する方法

  

削除したいモデルが配置されている地形範囲を選択して、一括で削除する方法です。
地面をクリックすると地形メッシュが黄色で選択されます。次に、[Shift]キーを押しながら離れた場所をクリックすると、2箇所のメッシュを対角線状に結んだ長方形として広範囲の地形メッシュを選択できます。
[Ctrl]キーを押しながら地形をクリックすると、1メッシュずつ選択/選択解除することが可能なので、この方法で選択範囲を細かく調整します。最初からやり直す場合は、スペースキー(半角モード)により地形選択を解除します。
地形範囲選択後、右クリックメニュー「選択地形上のオブジェクトを選択」を指定すると、選択地形のメッシュと重なっている配置物が赤枠で囲まれ、複数選択状態となります。削除対象に追加もしくは除外したいモデルがある場合は、[Ctrl]キー+モデルクリックにより個別にモデルの追加/除外ができます。


図1 地形範囲を選択 図2 選択地形上のオブジェクトを選択

  

削除対象モデルを一通り選択することができたら、右クリックメニュー「選択オブジェクトの削除」-「すべてのオブジェクトを削除」を選択することで、選択モデルが一斉に削除されます。3Dモデルのみ、あるいは樹木のみ削除する方法も指定できます。


図3 すべてのオブジェクトを削除指定

  

数km以上の広範囲を指定したい場合は、メニュー「ホーム」-「描画オプション」の「パフォーマンス」で「グローバル視野半径」を広げると遠くまで見渡すことができ、指定しやすくなります。


図4 視野半径を拡大
  

2.複数のモデルをクリック選択して削除する方法

  

[Ctrl]キーを押しながら配置物をクリックすることで複数選択ができます。通常の選択の場合は黄色の枠で囲まれますが、[Ctrl]キーを使った複数選択の場合は赤色の枠で囲まれます。選択後、右クリックメニューより「選択オブジェクトの削除」を選ぶことで一斉削除が可能です。


図5 [Ctrl]キー+クリックによる選択と削除
  

3.モデル名称から選択して削除する方法

  

メニュー「ホーム」-「モデル表示の編集」ボタンから「景観のモデル表示」画面を開きます。
モデル別もしくはグループ別タブの一覧から、不要なモデル等を[Shift]キーや[Ctrl]キー+クリックにより複数選択して削除を行うことが可能です。個別にモデルの配置位置を確認したい場合は「表示」ボタンで選択モデルの配置位置に視点を移動させることができます。この方法では、配置位置が不明なモデルやモデル表示設定で非表示にしているモデルでも選択して削除できます。
モデルや樹木以外でも、標識、路面マーキング、電線、炎などクリックしにくい配置物や、3Dテキストなどを種類別に選択して削除することも可能です。


図6 「モデル表示の編集」ボタン
図7 「景観のモデル表示」での選択と削除
  

また、道路平面図で設置した「背景」についても、VR空間ではクリック選択ができませんが、「景観のモデル表示」画面では選択が可能なため、「道路平面図」を開くことなく削除することができます。


図8 「背景」の選択と削除
  

4.メニュー「ビューア」から道路を選択して削除する方法

  

道路については複数の一斉削除はできませんが、VR空間で道路平面図を開かずに道路を削除することもできます。メニュー「編集」-「ビューア」を開き、道路のリストを個別に右クリックすることで削除が可能です。これにより、「道路平面図」で見つけにくい短い距離の道路や離れた場所の道路なども、平面図で探し回ることなく削除することが可能です。ただし、平面図と異なり取消操作ができないため注意が必要です。
また、このリストでは、シナリオや地形パッチなども削除可能となっています。


図9 Roadデータ「ビューア」での道路の選択と削除

  

5.「道路平面図」で選択して削除する方法

道路や飛行ルート、湖沼、背景などは、「道路平面図」で、一つずつ右クリック指定して削除します。モデルも、一つずつですが削除することができます。



図10 「道路平面図」での削除

「道路平面図」で削除する場合は、間違って必要な道路を削除しても「取消」で戻すことができます。ただし、一度「確定」すると元に戻すことはできません。
いずれの方法でも、VR空間が再生成されたら削除を取り消すことができないため、削除する際は充分注意して行ってください。


(Up&Coming '24 秋の号掲載)

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