Ver.10に追加された「軸力変動オプション」は、軸力変動を考慮したM-φ要素が使用可能です。本稿では、軸力変動を考慮した場合としない場合の違いを比較します。
図1に示す単柱モデル(高さ7.5m、断面寸法2m×2m)に対して、水平方向荷重と鉛直方向荷重を同時に漸増載荷します。
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図1 モデル概要 |
比較するモデルは下記の4つです。
- モデル「Nmin」:最小軸力(0.0kN)一定のM-φ特性(図2)
- モデル「Nmax」:最大軸力(30000kN)で一定のM-φ特性(図3)
- モデル「Fibre」:ファイバー要素モデル(図4)
- モデル「N vary」:軸力0kNから30000kNまでの範囲に5個のM-φ特性を考慮(図5)
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図2 モデル「Nmin」のM-φ特性 |
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図3 モデル「Nmax」のM-φ特性 |
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図4 モデル「Fibre」のファイバー断面 |
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図5 モデル「N vary」のM-φ特性 |
荷重変位関係の結果を図6に示します。
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図6 荷重変位関係(横軸は曲率、縦軸は曲げモーメント) |
この結果から下記の事が考察できます。
- 「Fibre」(黒線)と「N vary」(赤線)は、Nmin(紫線)とNmax(緑線)の間で応答しています。どちらも最小軸力から最大軸力へ軸力が増加することを考慮していることを表しています。
- 4つのモデルの原点付近は重なっています。軸力変動の影響が小さい領域では4つのモデルに違いが発生しないと言えます。
- 「Fibre」(黒線)と「N vary」(赤線)の応答はほぼ一致しています。ファイバー要素とM-φ要素はともに軸力変動を考慮できる要素であり、結果もほぼ一致することがわかります。
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(Up&Coming '21 秋の号掲載) |
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