All about FORUM8 Products. 18th FORUM8 DESIGN FESTIVAL 2024 3DAYS+EVE 11.13WED-11.15FRI EVE11.12TUE

開催レポート 多数のご来場・アクセスありがとうございました

皆様のおかげで無事終了しました
3日間で会場500名、オンライン1,500名を超える
大変多くのお客様にご参加いただきました!

第18回目となるデザインフェスティバルは会場×ハイブリッドにて開催を行い、F8VPSを活用したバーチャルショールームでメタバース体験を実施したイブから3日間素晴らしい講演が続きました。また、日本全国、海外からもたくさんの方にご参加をいただきました。ご参加頂きました皆様、審査、講演を頂きました関係者の皆様へ改めて厚く御礼申し上げます。来年またお会いできますことを楽しみにしております。

REPORT INDEXレポートインデックス

企業、国、自治体の様々な分野で進展するDX
VR、XRに加えてクラウド、AI、NFTを含めた
Web3・Web4への展開が加速

「FORUM8デザインフェスティバル2024-3Days+Eve」は、昨年に引き続き品川インターシティホールで開催いたしました。本イベントは、もともとフォーラムエイトが個別に開催していた複数のセッションやイベントを再編し、2009年に「デザインフェスティバル」となって、2020年よりオンライン併催のハイブリッド型イベントに移行。2015年からは「Eve(前夜祭)」を開催。前夜祭は去年に引き続き、オンラインのメタバースで実施されました。
本年のデザインフェスティバルは、前夜祭を受け「第9回 自動運転・サステナブルカンファランス」「第25回 UC-win/Road協議会(VRカンファランス)」「第17回 国際VRシンポジウム」「第10回 最先端表技協・最新テクノロジーセッション」および「第18回 デザインカンファランス」を構成する各種講演や発表、「第23回 3D・VRシミュレーションコンテスト・オン・クラウド」「第12回 学生クラウドプログラミングワールドカップ(CPWC)」「第14回 学生BIM & VRデザインコンテスト オンクラウド(VDWC)」「第10回 ジュニア・ソフトウェア・セミナー」「第8回 羽倉賞」および「第11回 ナショナル・レジリエンス・デザインアワード(NaRDA)」の公開審査や表彰式、出版書籍の著者講演などにより展開されました。

インターシティホール ホワイエ併設展示

EVE REPORT11月12日 火曜日 14:00-19:00

  • 進化するWebVRプラットフォームF8VPSのメタバースでEVEを開催

    前夜祭は、昨年に引き続きF8VPSを活用したバーチャルショールームを公開して、完全メタバースで実施。デザインフェスティバル参加申込時のIDとパスワードでメタバース空間に入室し、自分の好みのアバターを使って様々なコンテンツを楽しんでいただきました。

    これまでの前夜祭のアーカイブコンテンツ上映や、3DVRシミュレーションコンテスト・オンクラウド、ナショナルレジリエンスアワード、羽倉賞の受賞作品が展示され、自由に閲覧できる他、国際学生コンペCPWC/VDWCのノミネート作品への投票も用意。また、2024年11月開催のFORUM8 Rally Japan 2024の展示ルームでは、イベント紹介および豊田スタジアムメタバースを提供しました。

    ホットブレイクのコーナーでは、アバターを介したチャットによる弊社スタッフへの質問や商談なども行っており、来場者とのコミュニケーションの機会となりました。

DAY1 REPORT11月13日 水曜日 9:50-17:45

  • VR第9回 自動運転・サステナブルカンファランス

    社会実装へ加速するL4自動運転移動サービス、サステナビリティとの関わりにもウェート

    デザインフェスティバルのDay1(2024年11月13日)は、当社代表取締役社長の伊藤裕二によるあいさつを受け、今回からサステナブルの要素も加わった「第9回 自動運転・サステナブルカンファランス」が幕を開けました。

    特別講演のトップは、「モビリティDX戦略について」と題して経済産業省製造産業局自動車課モビリティDX室長の伊藤建氏。自動車産業における電動化などを通じサステナビリティを目指すGX(Green Transformation)/SDV(Software Defined Vehicle)や自動運転の社会実装などDX(Digital Transformation)両面のグローバルな大競争を概説。

    その上で同省が国交省と2024年5月に策定した「モビリティDX戦略」に対し、1)SDV、自動運転・MaaS、データ利活用の3領域における世界と日本の動向対比、2)SDVの定義と日本の強みを活かした多様なSDV化支援策、3)2030年・2035年にグローバルな販売台数で「日系シェア3割」の目標、4)重要技術を7つの協調領域に整理した同戦略のロードマップ―を解説。また自動運転等のモビリティサービスの目指すべき姿とローカル・グローバル2軸の課題、2024年度に開始するレベル4自動運転トラックの実証、作成中の「デジタルライフライン全国総合整備計画」、2023年度に立ち上げられた「レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティ」、「ウラノス・エコシステム」とその先行ユースケース「自動車・蓄電池トレーサビリティ推進セター(ABtC)」(2024年度設立)へと言及。SDV時代のソフトウェア人材育成に向けた「モビリティDXプラットフォーム」(2024年度開設)にも触れました。

    経済産業省 製造産業局 自動車課モビリティDX室 室長 伊藤 建

    2005年経済産業省入省。これまで、世界貿易機関(WTO)ルール交渉、環境エネルギー政策、医療DXの推進等を担当。2023年7月より現職。

    続くデジタル庁国民向けサービスグループ参事官の麻山健太郎氏は「デジタル庁におけるモビリティ分野の取組について~新たなモビリティサービスの社会実装に向けた『モビリティ・ロードマップ』の策定~」と題し特別講演。「官民ITS構想・ロードマップ」(2014年策定)とそれ以降の自動運転に関する主な動向、同構想を継承した「デジタルを活用した交通社会の未来」(2022年策定)、デジタル社会推進会議モビリティワーキンググループ(2023年設置)による「モビリティ・ロードマップ」策定に至る流れを整理。

    「モビリティ・ロードマップ2024」におけるモビリティサービスの社会実装に向けた視点として、地域の交通サービスに関する課題と新たな技術の活用環境の課題を提示。それらを踏まえた今後のロードマップの方向性(1.デジタル技術の活用による生産性向上、2.自動運転の社会実装によるドライバー不足対応)、需要側・供給側アプローチに関する施策を各取組主体が同時に実施し新たなモビリティサービスの社会実装を推進するとの基本的な考え方へと話を展開。そこでポイントとなる需要の可視化、需要の集約の必要性に触れた後、社会的ルールの在り方について工程表のポイントを説明。今後の「モビリティ・ロードマップ」では技術や制度・ルールの確立とともにビジネスモデルの確立に力点を置いていく考えを説きます。

    デジタル庁 国民向けサービスグループ参事官 麻山 健太郎

    1993年運輸省(現 国土交通省)に入省し、交通行政、地域振興等に携わる。2023年7月より、現職。

    午前の部最後の特別講演は、総務省総合通信基盤局電波部移動通信課新世代移動通信システム推進室長の影井敬義氏による「協調型自動運転の実現に向けた総務省の取組」。まずITSの進化イメージ、電波の特性と各種ITS・自動運転における電波利用の状況、V2X(Vehicle-to-everything)通信への新たな5.9GHz帯周波数割り当てに向けた流れ、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)/V2N(Vehicle-to-Network)通信それぞれの特徴、政策課題である物流や地域交通の問題と自動運転サービス(移動・物流)に関する政府目標について概説。次いで、冒頭の講演でも触れられた「デジタルライフライン全国総合整備計画」における自動運転サービス支援道を用いた路車間通信によるサービスの実証と整備、5.9GHz帯を使った新たな路車協調システムの位置付け、それを踏まえた同省の自動運転の社会実装に向けたデジタルインフラ整備事業推進へと話を展開。さらに同省の「自動運転時代の“次世代のITS通信”研究会」における5.9GHz帯V2X通信システムの実用化検討、「自動運転インフラ検討会」(同省が国交省・警察庁と共同で2024年6月に設置)での5.9GHz帯V2X通信・V2N通信それぞれの特徴に応じた活用促進の考え方を解説。今後の高速道路実証の展開方針や自動運転インフラ検討会のスケジュールにも言及しました。

    総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課 新世代移動通信システム推進室 室長 影井 敬義

    2004年総務省入省。電気通信事業法等の改正、次世代情報通信技術の研究開発・標準化の推進等に携わる。2024年7月から現職。

    午後の部は、WRC Promoter GmbH FIA世界ラリー選手権 ビジネス開発プロモーターのマーク・デュ・ジョン氏による来賓あいさつで同カンファランスを再開。ジョン氏は長い歴史を誇るWRCにとってサステナビリティへの取り組みを社会的責任と位置づけ。WRCが今年発表した「Sustainability Roadbook」を挙げ、ラリースポーツとサステナビリティの関わり、それに向けたWRCの具体的なアプローチと成果について説明。最後に開催が迫るFORUM8 Rally Japan 2024を紹介しました。

    WRC Promoter GmbH FIA世界ラリー選手権 ビジネス開発、プロモーター マーク デュ ジョン

    WRC Promoterの一員として20年以上に渡りビジネス展開を担当し、モータースポーツの最高峰で大手ブランドや自動車部品メーカーとのグローバルなプロジェクトを推進。日本とアメリカで開催される新たなラリーイベントや、2025年からの開催が決定したサウジアラビアでのラリーなどに携わる。2004年から2010年にかけては、モータースポーツの持続可能な技術利用促進を目的とした英国政府出資のシンクタンク「Energy Efficient Motorsport」にて活動。また、国際ラリーのコ・ドライバーとしても活躍。

    午後の部最初は、「自動運転に関する国土交通省道路局の取組について」と題し国土交通省道路局道路交通管理課高度道路交通システム(ITS)推進室長の竹下正一氏による特別講演。自動運転に期待される効果、自動運転が求められた背景(移動/物流の課題)、これらを受けた政府目標1)L4無人自動運転移動サービス(2027年度までに100カ所以上)、2)L4自動運転トラック(2025年度以降実現)を整理。次いで道路局の自動運転支援に関する取組のうち、物流サービス向けとして1)自動運転トラックが車両単独で対応困難なリスク、2)高速道路の自動運転サービスに求められるインフラ側の支援、3)新東名高速道路および東北自動車道(次年度予定)の自動運転トラック実証実験、4)今後の自動運転におけるインフラ支援の展開について、また移動サービス向けとして1)これまでの道路側からの支援、2)福井県永平寺町におけるL4自動運転移動サービス、3)自治体および民間事業者向け支援、4)自動運転インフラ検討会の設置、5)一般道の自動運転移動サービスに求められるインフラ支援(路車協調システムに関する技術基準、走行空間の構築に向けたガイドライン)、6)一般道における今後の展開、7)道路として目指すべき社会像(2050年に世界一賢く安全で持続可能な基盤ネットワークシステム(WISENET)実現)について説明しました。

    国土交通省 道路局 道路交通管理課 高度道路交通システム(ITS)推進室 室長 竹下 正一

    2004年国土交通省入省。道路局道路交通管理課ITS推進室自動走行高度化推進官等を経て、2024年7月より現職。

    特別講演5番目は、国土交通省物流・自動車局技術・環境政策課自動運転戦略室長の家邉健吾氏による「自動運転の実現に向けた取組について」。自動運転の意義に触れた後、日本における自動運転の現状、自動運転システムの概念、混在空間における自動運転の課題を概説。そこでの道路局の取組として、2023年以降L4自動運転を制度上可能にした道路運送車両法および道路交通法の改正、それに基づくL4認可手続きの具体的な手順について説明。また、自動運転の普及促進に向け同省が経産省と連携して取り組む「「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト(LoAD to the L4)」の概要とその先行事例、地域公共交通確保のための自動運転移動サービス社会実装推進事業とその成果に言及。さらに、自動運転の実現に向け挑戦すべき課題(安全性の向上、地域の理解および事業性の確保)を整理。そうした解決策の例として、自動運転の走行環境整備に向けたBRTの自動運転(気仙沼市)や道路空間の再配分(和光市)の取組、地域住民の協力による路上駐車回避の取組、社会受容性の向上を図る取組を紹介。国内自動車メーカーの自動運転移動サービスへの参画が進む中、従来の決まった路線を走るバスのような形から面的に少し広いエリアを走行できるタクシーに近い形の移動サービスへの展開にも期待を示します。

    国土交通省 物流・自動車局 技術・環境政策課 自動運転戦略室 室長 家邉 健吾

    2002年国土交通省入省、自動車局で環境政策や技術安全に携わり、自動車事故対策機構審議役等を経て、2024年7月より現職。

    同カンファランス最後の特別講演は、警察庁交通局交通企画課自動運転企画室長の成富則宏氏による「自動運転の実現に向けた警察の取組について」。自動運転の社会実装に向けては実際の交通環境での実証実験が重要な半面、多様な交通主体が参加しており交通安全と秩序維持を図る必要との観点から、ガイドラインや道路使用許可基準、申請要領の策定など公道実証実験環境を整備してきた取組を整理。また、L3自動運転の実用化に向けた制度整備(2020年から自動運行装置を備えた自動車の自動運転が可能に)、L4自動運転の実用化に向けた制度整備(2022年に特定自動運行許可制度を創設)に触れた後、特定自動運行許可制度の申請・審査の手順と生じる責任、同制度適用によるL4相当の特定自動運行の実施例(永平寺町ほか)を紹介。併せて、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」に基づく自動運転システムの実用化に向けた、SIP第2期(2022年度まで)のクラウド等を活用した信号情報の提供、SIP第3期(2023年度から)のV2Nによる信号情報配信の高度化のための実証実験環境の構築、および交通安全の確保に向けた信号情報活用可能性に関する研究開発を説明。自動運転の普及・持続を目指しつつ、自動運行装置や運転支援システムの過信・誤用防止の必要性、その広報・啓発にも注力していく考えを述べました。

    警察庁 交通局 交通企画課 自動運転企画室 室長 成富 則宏

    平成4年4月警察庁入庁。警察庁運転免許課課長補佐、警察庁総務課公文書監理室 室長等を経て、令和5年8月現職。

    午後の部前半の最後は、古屋圭司衆議院議員(「自動車文化を考える議員連盟」会長ほか)による来賓あいさつ。古屋氏は、L4自動運転移動サービスを地域のニーズに即して推進していくのがあるべき姿と指摘。自身の地元岐阜県東濃地域5市で始まった地域限定型の無人自動運転移動サービス実証実験事業を紹介。岐阜県内も通るFORUM8 Rally Japan 2024(11月開催)に触れつつ、全国の赤字ローカル鉄道路線をL4自動運転移動サービスに転換することで既存インフラを活用でき、労働力不足や経済性、利便性など多くの課題解決に繋がる、との観点を説きました。

    「自動車文化を考える議員連盟」会長 衆議院議員 古屋 圭司

    衆議院議員、岐阜5区にて連続当選12回。初代国土強靭化、元防災担当・拉致問題担当大臣。国家公安委員会委員長、衆議院議員運営委員長など歴任。現在は、自由民主党憲法改正実現本部長を務め、「モータースポーツ振興議員連盟」会長、「自動車文化を考える議員連盟」会長をはじめ40を超える議員連盟会長を幅広い分野で活躍。8月に富士スピードウェイで開催される軽自動車の5時間耐久レースに毎年国会議員チームで出場し、今年は総合2位を獲得。地元岐阜県恵那市、中津川市は11月21日~24日に開催されるフォーラムエイトラリージャパンの開催地で、WRC世界ラリー選手権の日本誘致に尽力。

    司会・進行を務めた 家入 龍太

    休憩を挟み午後の部後半のスタートは、同カンファランスの終盤を構成する当社担当者によるプレゼンテーションの前編「デジタルツイン、メタバースを活用した自動車関連ソリューション ~豊富なデータ連携と開発環境で多様なシミュレーションを実現~」。3DVR空間を高速に生成、様々な運転実験を始め教育・訓練の環境として活用できるUC-win/Road最新版の高度なVRシミュレーション機能を紹介。最近ではPLATEAU(国交省主導の3D都市モデル整備・活用・オープンデータ化プロジェクト)や国土交通データプラットフォームなどのオープンデータを活用することで構造物の属性も考慮したより詳細な都市交通の予測が可能とし、その事例を提示。UC-win/Road安全運転シミュレータの運転シミュレータ型式認定(国家公安委員会)取得に触れつつ、各種シミュレータ活用やシミュレーションの事例を列挙。自動運転制御システムとデジタルツインやメタバース(F8VPS)との連携による遠隔モニタリングの事例とそのもたらす可能性へと話を展開。さらにFORUM8 Rally Japan Metaverse 2の公開、FORUM8 Rally Japan 2024の全国小中学生バーチャルラリー教室のメタバース空間での実施、F8NFTS-Web3システム・NFTサービスにも言及しました。

    コンファランスの最後に、当社開発担当者が「フォーラムエイトのVRソリューション最新情報と活用提案」と題する後編のプレゼンテーション。まずUC-win/Roadの最新機能としてCityGMLインポート機能拡張(地物の拡充、LODの拡大・精緻化)、新たなハプティックグルーブ機能(仮想空間のオブジェクトを掴む・動かす・感じるが可能)、SDKとHUD拡張、マルチユーザ対応の運転診断プラグインを紹介。併せて、次期バージョンで予定される道路モデリング機能の強化、さらに現在開発中の目玉としてUC-win/RoadのPBR対応について解説。またF8VPSの主な最新機能(アバターカスタマイズと同期機能の改善、ミーティング/チャット/リアクション機能の拡張、点群表示機能、環境マップ設定機能)のうち、特に大きな改良としてFORUM8 Rally Japan 2024の全国小中学生バーチャルラリー教室を例に、参加する人の役割によって与えられる権限のカスタマイズ機能について説明。最後に3Dデータ管理の重要性に触れた後、様々なデータベースから上がってきたデータを一元管理し高度なデータ検索機能やログ機能を備える、開発中のデータ連携基盤に言及。UC-win/RoadやF8VPSでの来年以降の利用にも触れました。

    プレゼンテーション1「デジタルツイン、メタバースを活用した自動車関連ソリューション」~豊富なデータ連携と開発環境で多様なシミュレーションを実現~

    フォーラムエイト執行役員 システム営業マネージャ
    松田 克巳

    プレゼンテーション2「フォーラムエイトのVRソリューション最新情報と活用提案」

    フォーラムエイト 執行役員 開発シニアマネージャ
    ペンクレアシュ・ヨアン

  • VR第23回 3D・VRシミュレーションコンテスト・オン・クラウド 表彰式

    時間軸を捉えつつ未来を見るためのシミュレーションツールとしてVRが活躍

    自動運転・サステナブルカンファランスに続いては、UC-win/RoadやF8VPSによるフォーラムエイトのデジタルツインソフトを活用したVRデータの作品が集まる「第23回 3D・VRシミュレーションコンテスト・オン・クラウド」の表彰式を実施しました。

    10月11日までに応募された多数の作品の予選選考会を10月17日に開催し、全14作品をノミネート。さらに、クラウドによる一般投票(10月29~11月7日)の状況も加味して、11月12日に審査委員長の関文夫・日本大学理工学部土木工学科教授、審査員の傘木宏夫・NPO地域づくり工房代表および原口哲之理・名古屋大学未来社会創造機構客員教授による本審査会をフォーラムエイト東京本社で開催の上、各賞が決定されました。

    審査の結果、グランプリ(最優秀賞)は、独立行政法人都市再生機構による「うめきた2期地区まちづくりDXプラットフォーム」が受賞。2024年9月6日に先行まちびらきを迎えた「うめきた2期地区(グラングリーン大阪)」の完成形がVRで再現されたデータでは、公園エリアのメタバース体験から土壌汚染情報可視化システムの構築など幅広いユースケースも実施し、継続的に活用可能なまちづくりDXプラットフォームとして公開されたものです。

    「この規模の再開発事業では関係者が多くなり合意形成に膨大なエネルギーと根気が必要となります。そのツールとしてデジタルツインが活用されたという意味で、非常に価値がある作品だと思います」(関氏)。

    また、今年は2作品が準グランプリを受賞。三井共同建設コンサルタント株式会社の「『BIM/CIMを活用した国土強靱化に向けた提案』~降雨時における安全で円滑な交通流確保に向けた提案~」は、集中豪雨を単に3DVR空間で画像として見せるだけではなく、どのようなデータに基づいて可視化されているかが丁寧に説明されている点が評価されました。

    「強い雨が降っているときのワイパーの動きの表現など、非常時における人間の感じ方や行動をリアルにシミュレーションできる。土木学会の論文として発表されたことも素晴らしい」(傘木氏)。

    もうひとつの、昭島渋滞シミュレーション製作委員会「住民参加による交通・景観シミュレーション」は、大きな建物、物流センターの計画によって景観や交通がどのような影響を受けるかについて、住民が主体的に集めたデータとUC-win/Roadを活用し、自ら検証と提案を行ったもの。

    「これはUC-win/Roadの新しい使い方であり、あるべき使い方であると、本当に感動しました。全審査員から高い評価がありました」(原口氏)

    併せて、(一財)VR推進協議会の審査により実施された「第3回VRシステムオブザイヤー」では、国土交通省 中国地方整備局の「バックホウMG/MC体験シミュレータ」が受賞。道路や橋梁をはじめとしたインフラの基礎、施工、維持管理等に関する教育コンテンツと、除雪やバックホウの訓練・安全教育のシミュレータで構成されたもので、「非常に高精度で、よいアイデアが盛り込まれ優れた設計により構築されたシステム。初心者でも体験できる点も評価できる」(同協議会の伊藤裕二理事長)。

  •  出版書籍講演・ネットワークパーティー

    DXやメタバースやをわかりやすく学べる4冊の新刊を紹介

    フォーラムエイトパブリッシングの新刊について、出版書籍披露講演を実施。『1日で学べるまちづくり~まちづくり表現技術検定認定~』の著者である傘木宏夫氏(NPO地域づくり工房 代表)は、まちづくりに表現技術を取り込む意義や、都市開発・環境アセスの事例、ファシリテーションと官民共同推進等を解説する内容を紹介しました。

    『1日で学べるXRとメタバース~XR-メタバース表現技術検定認定~』の著者である福田知弘氏(大阪大学 准教授)は、XRの概要と技術的背景の基本、最新の適用事例とメタバース・デジタルツインへの展開から、AI技術と組み合わせた高度な活用手法までをかみ砕いて紹介した内容に触れました。

    『フォーラムエイトが広げる建設DX/Web4.0デジタルワールド』の監修を務めた家入龍太氏(建設ITジャーナリスト)は、DX活用による現場での遠隔業務・管理、遠隔施工、安全対策、技能継承生産プロセス改革や、自治体での展開、サスティナブルな環境づくりについて言及しました。

    最後に、Shade3D開発グループによる『Shade3D検定ガイドブック』では、今後新たに開設され、Shade3DによるCG分野の制作基礎知識に加えて、メタバース連携などの応用手法を習得できる「Shade3D検定」も併せて紹介しました。

    Day1ネットワークパーティでは、フォーラムエイトの開発責任者、サポート責任者も参加し、情報交換・懇親の場となった

DAY2 REPORT11月14日 木曜日 9:50-17:30

  • VR第25回 UC-win/Road協議会

    Shade3DのBIM/CIM機能やメタバース連携強化を紹介

     Day2(2022年11月17日)は、当社代表取締役社長の伊藤裕二による開会あいさつに続いて、当社担当者によるプレゼンテーション「Shade3Dの新機能の紹介 メタバースへの適用、スイート千鳥エンジンの活用」を実施。国産CGソフト「Shade3D」の基本機能および、最新版Ver.23の道路線形、メタバースにも対応したモーフターゲット・マルチタイムライン対応によるアニメーション強化などの新機能について説明しました。また、用途に応じて利用できるShade3Dの開発ツールとして、教育分野で利用されているブロックUIプログラミングツールとアニメーションブロックの新機能や、C++言語での高度なプラグイン開発に対応したShade3D SDKも併せて紹介しました。メタバースへの展望としては、F8VPSでオープンプラットフォーム化を強力に推進していることと、Shade3Dで作成したglTF・FBXの3Dモデルをメタバース空間で活用可能であることを説明。実用3Dデータ集やCG入力支援サービスなど、データ作成をサポートする製品・サービスを紹介しました。

     最後に、Shade3Dのデータ活用が可能な国産クロスプラットフォーム3Dゲームエンジン「スイート千鳥エンジン」の新機能やゲーム事例を紹介しました。

    「Shade3Dの新機能の紹介 メタバースへの適用、スイート千鳥エンジンの活用」

    フォーラムエイトShade3D開発グループ
    御厨 啓補

    デモンストレーションによりShade3D新機能の説明を行った

    新プロジェクトとしてF8-AI MANGA MEとF8NFTSを披露

    Web3やメタバースなどの将来のテクノロジーの可能性を追求している、フォーラムエイトのケンブリッジ虎ノ門研究室および蘇州イノベーションハブから、技術顧問のマーク・アウレル・シュナベルと、同ハブの室長であるインゲ・シュナベルによるプレゼンテーションを実施。まず、フォーラムエイトのWeb3.0の全体像として、NFTソリューションを説明。フォーラムエイト・ラリージャパン2024で採用された、3DモデルとNFTを活用したオリジナルラリーカー作成システムなどの事例を紹介しました。さらに、AIを活用した新しいクラウドベースのプロジェクトとして、デモンストレーションを交えながら、画像とテキストから日本の象徴的な漫画スタイルのイラストが生成可能なF8-AI MANGA MEの開発について紹介。今後はNFTを組み合わせて更なる活用を目指していることについても触れました。

    「Web3の未来を拓く:FORUM8のNFTソリューション/AIソリューション"F8-AI Manga me"」

    ケンブリッジ虎ノ門研究室、蘇州イノベーションハブ 技術顧問
    マーク・アウレル・シュナベル

    蘇州イノベーションハブ 室長
    インゲ・シュナベル

  •  特別講演

    地方展開を重視、AI活用による「AX」で国内産業の成長を展望

    さくらインターネット株式会社 代表取締役社長であり、フォーラムエイトも所属する一般社団法人ソフトウェア協会の会長でもある田中邦裕氏による特別講演を実施。学生時代の起業から20数年間に渡る経営において、データセンターとクラウド基盤を自社開発して垂直統合型のビジネスモデルを確立し、石狩データセンターなどの地方拠点を活用しながら他社との差別化を図っていること、東京や大阪に多くのデータセンターが集まる中、地方での展開が重要となっていることなど、これまでの経験を語りながら、デジタルの重要性と起業家に必要なマインドについて発信。紹介。さらに、昨年に政府クラウド(ガバメントクラウド)として認定されたことを紹介し、デジタル・ガバメント実行計画ではマイナンバーカードを始めとするデジタル前提の社会構築に向けた取り組みを行っていることや、ソフトウェア協会を通じて政府や政治家と議論を重ねていることを語りました。

    さくらインターネット株式会社 代表取締役社長 田中 邦裕

    高専在学中の1996年に18歳で学生起業。2005年に東証マザーズに上場し、現在はプライム市場。社長業の傍ら、ソフトウェア協会(SAJ)会長、日本データセンター協会(JDCC)理事長、日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)副会長、関西経済同友会常任幹事、AI戦略会議構成員等として、業界発展のためにも尽力。

    また、生成AIに関する日本政府の動向として、AIの安全性を確保しつつ社会での利活用をさらに推進する「AI戦略会議」にも触れ、「AI事業者ガイドライン」の制定や、2024年2月の「AIセーフティ・インスティテュート」設立についても説明。AI技術の活用が飛躍の糸口となること、日本の製造業とIT・AI産業が一体となりフィジカルな世界でも強みを発揮できると期待を示しました。

    さらに、国が目指すSociety5.0の全体像(2024年1月発表)を示し、強固なデジタル基盤上で、経済成長につながる新たな付加価値を創出するとともに、GXや経済安全保障といった社会課題の解決も実現することや、クラウドビジネスも20年周期でキャッチアップされると予想できるため、残り5年を見据えてデジタルインフラを日本国内の企業で提供し、アジア、アフリカ、ヨーロッパへの展開によりデジタル貿易黒字を実現する必要があることなどを述べました。

  • VR第17回 国際VRシンポジウム

    デジタルツイン、メタバースとAIの組み合わせによる可能性を追求

    Day2午後の「第17回 国際VRシンポジウム」は、「World16」代表の小林佳弘氏(アリゾナ州立大学)を司会進行として開催。冒頭に、学会とは違ったユニークなアプローチで新しいVRの技術や研究を発展させるというミッションのもと、2024年7月にボストンで開催されたサマー・ワークショップと、その成果としてメタバースとデジタルツインのアプリケーションというテーマで今回発表を行うことを述べました。

    アリゾナ州立大学 小林 佳弘 氏

    最初は、福田知弘氏(大阪大学 大学院)と楢原太郎氏(ニュージャージー工科大)によるAIをテーマとしたそれぞれの発表。建築や土木分野での設計にあたりAIを駆使したアプローチを行っている福田氏は、「AIによるVR/XR」と題して、従来のAIは特定の対象に向けて学習が必要であったが、基盤モデルを用いることで事前学習なしでも効果的に利用できることを説明。AIの基盤モデルにより事前学習なく3次元モデルの作成に活用できる技術について、1枚の写真からカメラとの距離を自動で推定して、ARや自動運転の開発時にトラッキングのマップを作成するデータに使用する方法と、Scan-to-BIM・3D Gaussian Splattingなどにより写真から3次元モデルを再構成しレンダリングを行って高精度のモデルが得られる方法を紹介しました。

    大阪大学 大学院 工学研究科 福田知弘 氏

    楢原氏は「AIとの対話型モデリング:ChatGPTで歩行シミュレーション作成」として、UC-win/Road上での歩行者シミュレーションを生成AIにより行う方法を紹介。UC-win/Roadで地図を作成し座標に則した適度な人の流れを定義して調整していく作業の効率化について解説しました。ChatGPTと対話するため、駅やレストランなどを含む地図のモデルを読み込ませ、各地点からの時間当たりの人流の量をExcelで作成して、目的地や交差点など数値を含んだ構造的な情報をjson形式でAIに教え込み、データの受け渡しを実施。これにより、位置情報を元に地図を可視化し、指定した人流れの量で簡単なシミュレーションまで行うことができたと報告しました。

    続いて、アマル・べナージ氏(ハンゼ応用科学大学)の「デジタルツイン配送システム」とパオロ・フィアマ氏(イタリア・ピサ大学)の「メッシーナ海峡のVR橋梁モデル」では、マクロからミクロへの持続可能な物流へのアプローチについて、南イタリアとシチリア島を繋ぐ世界最長の吊り橋計画のVRによる可視化と併せてのプレゼンテーションを実施。海峡に橋梁が架かることで生活がどのように変わるのか、また物流の仕組みやプロジェクトの進展をUC-win/Roadで作成したVRで可視化することで地域社会の理解を促進することを示しました。

    ピサ大学 パオロ・フィアマ氏
    ハンゼ応用科学大学 アマル・ベナージ 氏

    レベッカ・バイタル氏(シェンカー大学)とトーマス・タッカー氏(バージニア工科大学)両者社は、NFTを取り入れた取り組みを発表。バイタル氏は「3DモデルのVR展示」をテーマとし、F8VPSのメタバース上のギャラリーで、ポスターなどの画像に加えて3Dモデルを展示し、作品に近づいて見たり、3Dモデルを回転させて様々な角度から鑑賞できるシステムを紹介。また、タッカー氏は「FORUM8 XR Project F8 Platform」と題して、それらの3Dモデルをその場でNFT化することで、仮想空間上で所有することができる仕組みを紹介しました。これは、展示されたモデルに物理的な触覚を加えたもので、7月のサマーワークショップにおいて、VRと実物モデルをつなげるシステムのプロトタイプとして製作されていました。実物モデルにタッチセンサーを埋め込んでF8VPSのAPIを利用することで、車の任意の部位に触れるとその情報がメタバース空間で表示されるようになります。今回、このモデルのNFT変換を実現しており、今後、フォーラムエイトのF8VPSとF8NFTSとのさらなる連携が期待されます。

    シェンカー大学 レベッカ・バイタル 氏
    バージニア工科大学 トーマス・タッカー氏

    マシュー・スウォーツ氏(ジョージア工科大学)の「エネルギーシミュレーションとデジタルツイン」とルース・ロン 氏(マイアミ大学)の「メタグラスとF8VPSによるデジタルツイン・シミュレーション」は、F8VPSのメタバースを活用したエネルギーマネジメントのプロジェクトを紹介。

    スウォーツ氏は、小型の会議室の模型を作成し、コンポーネントとして冷房、暖房、送風などをマイクロコントローラで制御し物理的なシミュレーションを行って、F8VPSに接続することで、デジタルツインでのエネルギー解析を実施。

    ロン氏は、マイアミ大学における天然ガス、電力、水の消費量情報をHP内のダッシュボードに表示させたものを、F8VPSにより3次元モデルで可視化しました。

    ジョージア工科大学 マシュー・スウォーツ氏

    マイアミ大学 ルース・ロン 氏

    スカイ・ロー氏(香港理工大学)「インタラクティブなVRローラーコースタの開発」とドンスー・チョイ氏(バージニア工科大学)「ローラーコースターのシミュレーション動画」では、UC-win/RoadによるローラーコースターのデータとVRデバイスの接続による没入感の高いローラーコースター体験について、ソフトとハードの連携と、高精度なシミュレーション動画の追求を紹介しました。

    香港理工大学 スカイ・ロー 氏
    バージニア工科大学 ドンスー・チョイ 氏

    カリフォルニア大学 マルコス・ノバック氏
    中国同済大学 コスタス・テルシディス 氏

    最後に、マルコス・ノバック氏(カリフォルニア大学)「アップルビジョンとデジタルツインの連携」とコスタス・テルシディス氏(中国同済大学)「AIによるフォーラムエイト製品紹介」では、AIを活用したエンパワーメントの実現をテーマとして、F8VPSとAIによるアバターでの対話をデモンストレーションで紹介しました。

    最後に、フォーラムエイト執行役員/開発マネージャのペンクレアシュ・ヨアンにより、シンポジウムの総評を実施。近年、XRツールの利用目的やユーザー層が多様化しているとし、これまではエンジニアや専門家が業務上のシミュレーションに使用することが多かった一方で、一般の人々が自分達自身の生活や環境に関わる課題を解決するために使用し始めていることを指摘しました。

  • VR第12回 学生クラウドプログラミングワールドカップ
    公開プレゼン・表彰式

    デジタルツインをはじめとして先端的なテクノロジーを用いたハイレベルなプロジェクトが多数

    「第12回 学生クラウドプログラミングワールドカップ(CPWC)」は、Day2の午前中に公開最終審査を実施し、午後にパックンことパトリック・ハーラン氏をプレゼンターとして受賞結果発表と表彰式が行われました。CPWCは、開発キットによるクラウドアプリのプログラミング技術を競う国際コンペ。4月から6月にかけてアジアを中心とする国内外から多数のチームがエントリーし、7月10日の予選選考会で全審査員がフォーラムエイト東京本社に集まって協議を行い予選通過チームを決定しました。

    10月に提出された作品の中から審査により9作品をノミネート。11月14日午前の最終審査で行われた各チームのプレゼンテーションに基づいて、審査員の福田知弘氏(審査委員長/大阪大学大学院工学研究科准教授)、佐藤誠氏(東京工業大学名誉教授)、楢原太郎氏(ニュージャージー工科大学建築デザイン学部准教授)、ペンクレアシュ・ヨアン(フォーラムエイト執行役員開発シニアマネージャ)による公開最終審査が実施されました。

    審査員(左から)福田 知弘 氏、佐藤 誠 氏、ペンクレアシュ・ヨアン 氏、楢原 太郎 氏

    今回のグランプリはPathfinder(上海大学:中国)による「Smart Image of Port Transport」が受賞。実際のシナリオとセンサーを使用して、港の輸送プロセスのデジタルツインを実現する作品です。

    優秀賞はKArina(国民大学校:韓国)の「Smarter Driving with LLM Assistance」が受賞。UC-win/Roadシミュレータと大規模言語モデル(LLM)を統合し、リアルタイムに運転洞察力を提供することを目的とした作品です。

    審査員特別賞(福田氏選考)はHorizon(武漢理工大学:中国)の「Autonomous driving and human-machine interaction systems for learning driving styles」が、審査員特別賞(佐藤氏選考)はMSN(愛媛大学:日本)の「Hako-drone flight in VR city」が、審査員特別賞(楢原氏選考)はASASOBI!(Vin大学:ベトナム)の「Privacy-preserving digital twin surveillance system」が、審査員特別賞(ヨアン氏選考)はThe Guardians(国民経済大学:ベトナム)の「Smart Accident Response System (SARS)」がそれぞれ受賞しています。

    ノミネート賞はHarmony(上海大学:中国)の「The Harmonious Conductor in the City’s Rhythm」とFutureSight Driver Monitor Squad(北京交通大学:中国)の「Driver distraction state recognition and risk warning system based on multi-source information fusion」とShoot for the star(ベトナム国家大学:べトナム)の「Smart Traffic Control System for the Metaverse」が受賞しました。

    グランプリ表彰の様子

  • VR第14回 学生BIM&VRデザインコンテスト オン クラウド
    公開プレゼン・表彰式

    若いZ世代/X世代がUC-win/Roadを活用し高いクオリティの作品を提示

    「第14回 学生BIM & VRデザインコンテスト オンクラウド(VDWC)」はCPWCに続き公開最終審査と表彰式をそれぞれ実施。先進の建築・土木デザインをクラウドで競うVDWCは、「日Non-Human Agentと暮らす街」を課題として、CPWCと同様にエントリー、予選選考会、ノミネート審査を経て、8作品がノミネート。Day2午前のプレゼンテーションを経て、審査委員長の池田靖史氏(東京大学 特任教授 建築情報学研究室)、審査員のコスタス・テルジディス氏(同済大学設計創意学院教授)、C・デイビッド・ツェン氏(台湾国立陽明交通大学 教授)、長倉威彦氏(マサチューセッツ工科大学 准教授)の4氏による公開最終審査が行われました。

    グランプリのワールドカップ賞を受賞したのは、Ocean(日本大学:日本)の「Marine Amoeba」で、AIを搭載した水中ドローンにより、Amoebaと名付けられた浮遊移動体がサウスボストンの港を自由に動き回り、サウスボストン港を航行することができます。

    審査員特別賞(池田氏選考)はCaffeine and nap(国立高雄大学:台湾)の「Floatropolis」が、審査員特別賞(テルジディス氏選考)はMTKL(香港理工大学:中国)の「Spades Minato Town」が、審査員特別賞(ツェン氏選考)はThe Lunar Emissary(ベトナム国家大学ハノイ校:ベトナム)の「Future Eye」が、審査員特別賞(長倉氏選考)はHOCHIKIs(日本大学:日本)の「Again, starting in Boston with AI Cylinder.」が、それぞれ受賞しました。

    ノミネート賞はTraffic coders(北京警察学院:中国)の「Multifunctional universal module robot」、Milky Way(ハノイ建築大学:ベトナム)の「Autonomous City」が受賞しました。

    グランプリ表彰の様子

  • VR第10回 ジュニア・ソフトウェア・セミナー 表彰式

    こどもたちならではのアイデアをUC-win/Roadならではの機能で大胆に表現

    Day2の最後は、「第10回ジュニア・ソフトウェア・セミナー」の表彰式が開催されました。これは、小・中学生を対象として冬休み・春休み・夏休みに実施されている「ジュニア・ソフトウェア・セミナー」の参加者が作成したVR作品を紹介・表彰するものです。

    2024年はゴールドプライズ7作品、シルバープライズ9作品、ブロンズプライズ7作品が決定。パックンと多田カルディダ氏の2人による軽快な司会進行で作品紹介と表彰・インタビューが実施されました。燃えるお城の周りを騎馬武者たちが駆け回る街や、高層ビルが立ち並ぶ水中都市など、こどもたちの大胆でユニークな発想がUC-win/Roadの機能により思う存分に表現された力作が揃っています。

    賞状授与と記念撮影の様子

  •  ネットワークパーティ

    Day2の全てのセッション終了後には、各コンテスト受賞者の方々への祝福の気持ちを込め、また、世界中からの講演者、出席者の皆様も交えた交流の場として、マルシェをテーマとした、ささやかなパーティを開催いたしました。

DAY3 REPORT11月15日 金曜日 10:00-17:00

  • VR第10回 最先端表技協・最新テクノロジーアートセッション
    第8回 羽倉賞発表

    映像や音の最先端表現に取り組むユニークな作品が多数発表

    今回10回目となった「最先端表技協・最新テクノロジーアートセッション」は、最先端表現技術利用推進協会(表技協)会長の長谷川章氏による挨拶で幕を開けました。

    プレゼンテーションでは、AIの発展による表現技術の展望や、フォーラムエイト協賛のデジタル掛け軸DKFORUM8、また、表現技術検定をはじめとした表技協の取り組みを紹介しました。

    会長挨拶

    最先端表現技術利用推進協会 会長 長谷川 章 氏

    デジタルアートクリエイター
    1947年石川県小松生まれ。日本民間放送連盟TVCM 部門最優秀賞を始め、ACC賞など数々の賞を受賞。NHK大河ドラマ「琉球の風」を始めNHKニュース、中国中央電視台(CCVT)ロゴ、企業TVCMなど、数千本を制作。

    プレゼンテーション「最先端表現技術普及活用支援の取り組み」

    最先端表現技術利用推進協会 松田 克巳

    長谷川章氏による挨拶では、デジタル掛け軸をはじめとする表技協の活動を紹介

    続いて、第8回羽倉賞の表彰式を実施。審査員により10月に開催された審査の結果、羽倉賞、企業賞(フォーラムエイトDKFORUM賞)、2つの優秀賞、5つの奨励賞が選出されました。

    今回羽倉賞を受賞したのは、東京都立大学 阪口紗季氏の「Spot Shadow: インタラクティブな空間デザインに向けた影の操作を可能にするシステム」。審査員の東京工業大学名誉教授 佐藤誠氏からの総評として、「次世代の新しい表現技術を支えるような、基礎的な技術、ハードウェア・ソフトウェア・システムといった提案が多い印象」というコメントがあった中で、本作品は、光と影の表現において影の部分に着目して提案した、これからのメディア表現として新しい試みであると評価されました。

    フォーラムエイトDKFORUM賞を受賞した株式会社Droots 土井大輔氏の「デジタル能舞 in 高台寺2024」は、高台寺の方丈前庭と開山堂前でプロジェクションマッピングと能舞を融合させたもので、全国の寺社で初めての開催となっています。

    また、優秀賞の株式会社ブライトヴォックス「体積走査型ディスプレイ brightvox 3Dによる情報コミュニケーションの発展」は、3D映像情報を、特別なグラスを着用することなく、肉眼で全方位から鑑賞できるディスプレイとして開発。同じく優秀賞のNHK放送技術研究所 空間表現メディア研究部「光源アレーを用いた3次元ディスプレー」は、視点位置に応じて自然な3D映像を表示する技術の研究の成果として、電気的に切り替え可能な光源アレーを用いて、3Dと2Dの映像を選択して視聴できるディスプレーを開発しています。

    羽倉賞受賞者の皆様

  • VR第18回 デザインカンファランス

    複合災害対策の難しさと事前計画の重要性、そこでキーとなるレジリエントなアプローチと経験の伝承

    Day3午後の部は、「第18回 デザインカンファランス」を構成する東北大学災害科学国際研究所教授・副理事(復興新生担当)の今村文彦氏による特別講演「津波も含めた複合災害の実態と減災に向けての取組」でスタートしました。2024年元旦早々に起きた能登半島地震を含め地震や津波はもちろん、年々頻度や激しさを増す線状降水帯や台風、それに伴う豪雨や土砂災害、さらに噴火など日本各地で大きな被害をもたらす自然災害の発生が近年常態化。しかも、北海道から九州・沖縄に至るまで多様な自然災害が被害を拡大させてきている状況について事例を交えて解説。一方、東日本大震災から13年を経る中で学校を始め多くの組織で世代交代が進展。災害に対する意識や具体的な備えはどうかという点では依然課題がある、と位置づけます。

    そのうち能登半島地震(マグニチュード7.6)は、海域活断層に起因する地震を引き金に地盤災害や液状化、津波、火災が起きた「複合災害」と指摘。特に最大震度7を記録した地震は揺れの継続時間が長く、かつ比較的規模の大きな地震が続いたことで被害が拡大。また沿岸部で発生した津波は日本海の閉鎖空間で長時間続く中、大津波警報が発令されるなどしたものの、津波による犠牲者数は比較的少数に留まった。その背景として被災地では日頃の訓練などに力を入れてきたと言及。ただ、その後の火災では消火活動の初動時に津波対応の制約なども重なり大きな被害を来したほか、9月に同地を襲った豪雨が仮設エリアの浸水をもたらすなど、複合災害対策の難しさや事前計画の重要性が再認識されたと振り返ります。

    東北大学災害科学国際研究所教授 今村 文彦 氏

    大学院附属災害制御研究センター助教授、同教授を経て、2014年より2023年まで災害科学国際研究所所長。主な専門分野は津波工学および自然災害科学。2023年7月 仙台市特別市政功労者として表彰。

    一方、2024年8月に発生した宮崎県日向灘を震源とする地震では、気象庁が「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表。初の臨時情報は備えの意識向上や危機感の醸成に繋がったものの、大過なく済んだことで新幹線の減速を始め経済・社会活動への影響といった問題が顕在化。内閣府によりその評価や課題の調査が進められているといいます。

    では、様々なリスクがある中でどのように対応すべきか。その解として教授はリスクを、1)同じ地域での繰り返しリスク、2)他の地域でのリスク、3)未経験のリスク―の3つに分類。1)については経験・教訓を繋げていくことの有効性、2)については他地域の取り組みを参考とした現行対策のレベルアップ、3)については「レジリエント」をキーワードとして竹のように強くしなやかに回復力を発揮することの重要性を強調。東日本大震災の経験や教訓を伝えるため点在する遺構等をネットワークで結ぶ「3.11伝承ロード」、地域の資源を活かした「震災ツーリズム」などの活動を紹介。今後に向けてはレジリエンスにウェートを置き、能登半島地震からの復旧・復興、あるいは南海トラフ地震や首都直下地震に対する事前の備えや復興計画の作成に努める考えを述べました。

    同特別講演を受け、今村教授と森下千里衆議院議員による特別対談へと移行。今村氏の質問に答える形で、宮城県石巻市を拠点に防災士としても防災やまちづくりに関連した活動に力を入れる森下氏は、防潮堤の建設や津波の避難訓練の取り組み、そこでのICT活用へと話を展開。将来に向けた経験・教訓の伝承について、今村教授が自分事として考えることの重要性に触れたのに対し、森下議員は自身のこれまでの経験を踏まえて地震発生時の初動、家族との連絡手段、困った時の対応を事前に考慮しておくことの大切さを説きました。

    今村 文彦氏 と森下 千里氏による特別対談

    プレゼンテーション1
    「デジタルツイン、メタバースを活用した地方創生・国土強靭化関連プロジェクト事例」

    フォーラムエイト執行役員 システム営業マネージャ
    松田 克巳

    BIM/CIMモデル、プラトー等のオープンデータを利用した都市のデジタルツイン環境における、デジタル田園都市国家構想、プラトーユースケースへの適用事例や、メタバースの活用、プロジェクトにおけるNFT活用提案、EXODUSによる災害時における群集・避難シミュレーションの適用など、実プロジェクトにおける事例を踏まえて、ご紹介いたしました。

    プレゼンテーション2
    「建設DX時代のUC-1 Cloudと防災・減災をサポートするUC-1シリーズ最新情報」

    フォーラムエイト執行役員 UC-1開発マネージャ
    中原 史郎

    マルチデバイス、マルチブラウザでの利用を可能としたUC-1 Cloud 自動設計と従来のUC-1製品から成る次世代型UC-1統合シリーズをはじめマルチデバイス対応の橋梁点検支援システム、今後展開予定のUC-1 Cloud Completeバージョンについてご紹介しました。また、公共工事で活用が期待される「土木工事等の情報共有システム活用ガイドライン」に準じたクラウド型情報共有システムや近年増加している河川の氾濫を解析する「氾濫解析システム」についても紹介しました。

    プレゼンテーション3
    「災害対策におけるFEM解析・災害シミュレーション最新情報」

    フォーラムエイト 解析支援グループ長代理
    松山 洋人

    橋梁や水道施設の耐震化、液状化・地すべり対策といった複合災害(地震+津波、降雨+地すべり等)への防災・減災対策に対する、UC-1データの活用も踏まえた、構造・地盤をはじめとするFEM解析ソリューション(Engineer's Studio®、FEMLEEG、GeoEngineer's Studioなど)の性能照査事例について、最新の機能を交えてご紹介いたしました。また土石流、浸水、津波をはじめとする災害シミュレーションとリスクの可視化事例、Co2削減によるサステナブル社会の実現に向けたエネルギーシミュレーション事例についてもご紹介いたしました。

  • VR第11回 ナショナル・レジリエンス・デザインアワード 受賞作品

    複雑な構造物への様々な考慮を試みる事例の広がり、エンジニアの気概実感

    Day3午後の部後半は、「第11回 ナショナル・レジリエンス・デザインアワード(NaRDA)」の各賞発表と表彰式を開催しました。

    その結果、グランプリ(最優秀賞)の受賞は、株式会社荒谷建設コンサルタントの「単純鋼(鉄)リベットトラス橋3連の耐震対策-橋梁構造や地盤の特性を考慮した既設橋の耐震性能評価-」。

    斜角45°を有する鋼トラス構造の同橋は、地震時の挙動が複雑となる橋に分類され、地震後に早期の復旧が求められる。そこで、基礎と地盤の非線形挙動を考慮した解析を実施。それぞれの固有周期が上部構造に近いために共振し、橋全体の応答が増大していることを確認。耐震性能評価の結果、ケーソン基礎補強対策として鋼管矢板基礎工法を採用。上部構造との位相差を設けつつ地震力の低減が期待できる免震支承への交換により補強規模を抑えた耐震対策を提案。難物の耐震補強検討のフルコースを提供するエンジニアの気概を感じた(吉川氏)と評されました。

    審査員(左から)吉川 弘道 氏、守田 優 氏、若井 明彦 氏

    進行を務めた家入 龍太 氏

    また準グランプリ(優秀賞)は、NiX JAPAN株式会社の「鋼単弦ローゼ橋の既設耐震性能評価と補強検討-合理的な補強を目指した解析モデルの作成-」が受賞。同橋は、上り線が鋼単弦ローゼ桁、下り線が2径間連続プレテンションI桁および鋼単弦ローゼ桁から構成。鋼単弦ローゼ桁区間は上下線一体構造、PC桁区間は上下線分離構造と複雑な構造特性を保有。既設橋梁の耐震性能を適切に評価し補強規模を把握するため、ファイバーモデルや非線形モデルで動的解析。加えて周辺特性に注目し橋台背面土の抵抗を考慮したモデル化も実施。梁部材にせん断耐力が不足する結果が得られ、合理的な補強計画を可能に。複雑な構造物に対し様々な考慮がなされ完成度の高い作品(守田氏)と位置づけられました。

    そのほか、審査員特別賞(吉川氏選考)は田渕設計の「既設RC中空橋脚の塑性化領域での耐震性能照査方法の提案-ファイバーモデル適用に関する課題と解決-」が、審査員特別賞(守田氏選考)はナレッジフュージョン株式会社の「大規模地震が発生した場合の軟弱地盤上の橋脚杭基礎の損傷予測-能登半島地震による杭基礎被害および複合災害を受けて防災への提言-」が、審査員特別賞(若井氏選考)は東洋技術株式会社の「鉄道軌道敷近接施工影響検討-掘削にともなう地盤変形解析-」がそれぞれ受賞。各審査員による各賞の発表・授与の後、吉川審査委員長が今回コンテストを総括。今年も優秀な作品が多く、たいへん難しい審査になったと振り返りつつ、そのような中で審査員としては一件一件丁寧に考え積み重ねていくことで、日本全体の国土強靭化に資することに繋がる確信を得た、と述懐。併せて、参加の裾野拡大に向たヒントや出品時のテクニカルなアドバイスにも言及しました。

    受賞者の皆様

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