|
一般財団法人 VR推進協議会は、様々な産業分野での活用と発展のため、メーカー・大学などの研究者・エンジニアに開放するVRを利用したバーチャルなプラットフォームを提供することを目指し、各種活動を展開します。
今回は、VR推進協議会の官学会員として活動されている立命館大学 理工学部都市システム工学科 客員教授の原田紹臣氏の、VRによる可視化やメタバースの技術を活用したハザードマップ構築の取り組み事例についてご紹介します。
原田氏は三井共同建設コンサルタント株式会社において、道路防災分野を中心とした、道路土工構造物設計の高度化、DXやAIを活用した防災対策、インフラメンテナンスの維持管理等に長年携わっています。その中で、フォーラムエイト主催の第16回3DVRシミュレーションコンテスト(2017年)でも「次世代iハザードマップ構想の提案」(ノミネート賞)を発表されており、当協議会ではVR活用推進の立場からこういった取り組みに協力してきました。
この研究プロジェクトは、「メタバースを活用したハザード・マップの高度化に向けた実践的取り組み ~iHazard map project~」として、土木学会 構造工学委員会 AI・データサイエンス論文に投稿(採択決定)されたものです。近年、降雨や土砂災害発生予測技術等に基づいた事前の情報発信による災害リスク軽減が求められており、住民のさらなる理解向上に向けて、多種の情報(地形・建物情報、各気象予測結果、避難場所位置など)を集約させて目的に応じて組み合わせ、近年のメタバースに代表される可視化技術を用いてわかりやすく配信する「iHazard mapプロジェクト」を提案しています。
一般住民がハザード・マップに求める要求について調査したところ「情報量」よりも「見やすさ」や「使いやすさ」が特に重要視されていることが分かりました。従来の静的な情報(想定最大被害範囲の静止画など)に対して、時間的な変動を考慮して動的に表現することも理解しやすさにつながると考えられ、その際、VRによる4Dシミュレーションの表現も考慮されています。さらに、クラウド上で複数のユーザ間で相互に情報をリアルタイム共有できるメタバースの技術を有効活用し、住民への土砂災害に関する説明会で実践的に導入したところ、有効性が確認されました。
VR推進協議会では、このようなVRをはじめとしたDX活用推進の取り組みを今後も支援していきます。法人会員・官学会員を募集しておりますので、当協会の活動にご興味をお持ちの方は、ぜひともお問い合わせください。
土木学会 構造工学委員会 AI・データサイエンス論文投稿(2022年12月)
「メタバースを活用したハザード・マップの高度化に向けた実践的取り組み ~iHazard map project~」
原田 紹臣/藤本 将光 立命館大学理工学部/里深 好文 立命館大学理工学部
水山 高久 京都大学名誉教授/松井 保 大阪大学名誉教授/武井 千雅子 株式会社フォーラムエイト
当会の趣旨に賛同し、会の活動に参加、協力していただける会員を募集しています。会員種別に応じて利用できる特典もご用意しております。HPの申し込みフォームにて必要事項を入力の上、お申し込みください。
>>申込フォーム
|
|
(Up&Coming '23 春の号掲載) |
Up&Coming |
LOADING