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 サポートトピックス・CAD/UC-1シリーズ

地盤改良の設計・3DCADのなぜ?解決フォーラム

土木基準:深層混合処理工法の設計手法について

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「地盤改良の設計・3DCAD」では、土木基準として「陸上工事における深層混合処理工法設計・施工マニュアル」に準じた深層混合処理工法の設計を行うことができます。ここでは、土木基準における設計手法の使い分けや選択の方法についてご紹介します。

設計手法

設計手法としては、大きく「複合地盤的設計手法」と「構造物的設計手法」に分類されます。この設計手法は、主に改良体の配置形式によって使い分けられます。


構造物的設計手法(ブロック式改良地盤の設計)

改良体をラップして壁式またはブロック形式とし、改良体を一種の地中構造物として設計する場合に適用します。


改良体が一体として外力に抵抗するため、全体的にも内部的にも安定性が高く水平力に対する変形が小さいことが特徴です。


図1 ブロック式、壁式改良地盤

構造物下の設計の場合、製品では擁壁下の改良を前提としており、右側に主働土圧、左側に受働土圧が作用するものとして入力を行います。そのため、擁壁以外の構造物下の改良を検討する場合に、「偏土圧が発生しない改良体を土木基準の構造物的設計手法で設計できますか」とのお問い合わせをいただくことがあります。


偏土圧を考慮しない場合については、以下の入力方法が考えられます。


  • 「荷重設定」画面「荷重設定-主働側/受働側土圧・水圧」タブの 「土圧を考慮しない高さ」を改良体高さとします。 この設定は、土圧を考慮しない範囲を改良体底面位置から指定するもので、 改良体高さを指定することで改良体の範囲に土圧を考慮しない状態とします。
  • 「荷重設定」画面「荷重設定-主働側/受働側土圧・水圧」タブの 「土圧式」を「係数入力」または「強度入力」として、 同画面「土圧係数・強度」において、主働側と受働側の土圧係数 (または強度)に同じ値を設定します。 この場合は、主働側と受働側の土圧が同じとなり、 偏土圧が生じない設定となります。


複合地盤的設計手法(杭式改良地盤の設計)

改良体を杭形式で配置し、改良体と無改良地盤との複合地盤として設計するに適用します。


すべり破壊の防止、沈下量の低減、支持力の増加、側方変位量の低減を目的として広く行われます。

図2 杭式改良地盤

製品においては、「盛土下の改良」「構造物下の改良」を選択することができます。

盛土下の場合は、盛土の形状と土質を入力し、改良体上面に作用する荷重が自動で計算されます。

構造物下の場合は、構造物の範囲に作用する荷重を作用力として設定します。また、いずれの場合も、滑動の検討を行う際には、改良体に作用する土圧の設定を行います。

「陸上工事における深層混合処理工法設計・施工マニュアル増補版」P76には、「改良仕様から複合地盤的な挙動とならないと想定される場合は、当然、構造物的な検討を行う」と記載されています。杭式改良であっても、挙動によっては、構造物的設計手法にて検討する必要があります。ただし、「複合地盤的な挙動とならないと想定される場合」については明確な基準が示されていないので設計者の判断が必要になります。


(Up&Coming '26 新年号掲載)

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